25 / 134
第一章「帝国掌握編」
第二十五話「魔帝とは」
しおりを挟む
エルダードワーフのモールと酒を飲んだ翌朝、ラントは思ったよりスッキリとした朝を迎えていた。
(あれだけ飲んだら二日酔いは確実だと思っていたんだけど、解毒の魔法が効いたのかな? 魔帝は不老不死だけど、僕は毒耐性や病気耐性は持っていなかったはずだから……)
今までの魔帝は毒や病気などの異常状態に対する耐性を持っており、毒での暗殺は不可能だった。しかし、ラントは耐性のスキルがなく、アルコールに対しても無防備な状態だ。
ただ、魔帝の種族特性である“不老不死”には体内の活性化を促す効果があり、解毒の魔法でアルコールやアセトアルデヒドを除去した後の回復が早かったことが、スッキリとした朝を迎えられた原因だった。
いつも通り、キースとエレン、ローズが待機していた。既に朝食の準備も終えており、香ばしいトーストや炙ったベーコンの香りがラントの食欲をそそる。
「おはようございます。お身体の方は大丈夫でしょうか?」
キースが遠慮気味に聞くと、ラントは笑みを浮かべて頷く。
「思った以上に調子はいい。エレンが掛けてくれた魔法のお陰だろう。助かったよ」
エレンは柔らかな笑みを浮かべて軽く頭を下げる。
「それにしてもローズは元気だな。あれほど飲んだのに全然残っていないのか?」
元気そうなローズにそう声を掛けた。
「当然よ。あの程度は飲んだうちに入らないわ」
得意げに言うローズにエレンが「本体が大きいですから」と笑いながら突っ込んだ。
「なるほど。確かにあの身体なら昨日の量でも大したことはないな」
「人をただのでくの坊みたいに言わないでくれる」
ローズがむくれる。
そんな話をしながら朝食を摂り終えた。
「ところで、モールは何で前日のことを知っていたんだ? あれほど速い伝達手段があるなら、ネヴィス砦からの通信手段に使えるんだが」
ラントの疑問にキースが笑いながら答える。
「理屈は分かっていないのですが、エルダードワーフの種としての固有能力のようなのです。ですが、これは酒に関することだけで、他の情報については魔帝陛下がお亡くなりになったような重要な情報ですら伝わらないそうです。ですので、利用することは不可能かと」
「エルダードワーフの固有能力? 情報閲覧にはそんな情報はなかったんだが……情報閲覧も完璧ではないということか……」
そう言いながらも何となく納得していた。
(そう言えば、以前読んだWEB小説にそんな話があったな。タイトルは確か“ドワーフ・ラ〇フ”とかなんとかって奴だった……それと似たようなことがこの世界でもあるんだな……)
そこで頭を切り替える。
「三日後の戦勝記念式典までに褒賞を与える戦士を選ばなくてはならない。私の方でリストアップしておくから、各部族に連絡を頼む。それから時間があったらダフを呼んでほしい。対王国戦の戦略を練らないといけないからな」
「各部族への連絡については承りました。ですが、人族を陛下の執務室に入れることは反対いたします」
キースが厳しい表情でそう言った。エレンとローズもキースに賛成というように頷いている。
「なぜだ? ダフも私の配下となった。確かにまだ忠誠度は低いが、私を害するようなことないはずだが」
「その点は私も心配しておりません」
「では何が問題なのだ?」とラントは首を傾げる。
「陛下はまだ、我々にとって“魔帝”という存在がどれほど大きなものか理解されておりません。陛下の執務室に入れていただけるということは我々にとって非常に名誉なことなのです。通常ここは我々護衛の他には長の方々のみが入室できる場所なのです。僅か数日前に敵国から寝返った者が受けていい名誉ではありません」
ラントはその言葉で何となく察した。
(なるほど……確かに鬼人族や魔獣族の戦士たちの様子を見たら、彼の言うことも納得できる。なら別室でということか。ダフの扱いは慎重にしないといけないということだな……)
ラントは改めて別室を用意し、そこで話を聞くことにした。
その後、情報閲覧で今回の戦いでの戦功を確認していく。
情報閲覧には検索とソートの機能があり、リスト化自体はそれほど面倒ではなかった。
(意外に使い勝手がいいな。やはりドワーフに関してだけ情報がおかしいのか? まあそれはいい。今は褒賞のことが最優先だ。まずは与える対象だな。与え過ぎれば価値は低くなるし、少なすぎれば不満を持つ。その線引きが難しい……)
そのことをキースたちに話してみた。
「陛下が名を呼ばれるだけでも戦士たちは涙を流して喜ぶはずですわ」
エレンがそう言うと、ローズは「私は違うけど、他の連中ならそうかもしれないわね」と言って賛同する。
「名を呼ぶだけで……確かに砦や城でも声を掛けるだけで喜んでいたが……」
「魔帝陛下とはそういった存在なのですよ」とエレンは自信満々で告げる。
「納得しがたいが、その方向で検討するか……」
釈然としないものの、ランク付けを行っていった。
午後に入ったところで、褒賞者のリストが完成した。
リストに記載された名は二百人ほど。今回の戦いに参加した者の五パーセントほどだった。
「思ったより早くできたな」と言って伸びをする。
首をコキコキと鳴らした後、キースにダフと面談することを伝えた。
「ダフから情報を聞き出したい。適当な部屋に彼を呼んでおいてくれ」
すぐにキースは動き、宮殿にある少人数用の謁見室を用意した。
■■■
元傭兵隊長のダフは帝都フィンクランに到着後は特に仕事もなく、宮殿内に与えられた部屋にいた。
目の前に積み上げられた王国軍司令部の資料の山を眺めながら、自分が夢を見ているのではないかと考えていた。
(死にたくなかったから魔帝の部下になったが、ここは本当に魔族の国なのか? 神話の世界のような美しい風景……今まで口にしたことがないような美味い食事と酒……グラッサ王国のエルフの美女が野暮ったく思えるような目の覚めるような美女たち……)
彼はこれまで傭兵として多くの国を旅していた。
高級な食事や酒はそれほど口にしていないが、それでも命懸けの仕事が終わった後には傭兵らしく散財することが多く、一般の旅人より舌は肥えていた。
捕虜に等しい彼に出された食事ですら、今まで食べた食事で一番と言えるほどで、運んできた給仕に間違いじゃないかと何度も聞いたほどだ。
また、彼が訪れた国の中には森の国と呼ばれ、エルフ族が多く住むグラッサ王国があり、そこで初めて見るエルフの美女に目を奪われたことがあった。
しかし、ここにいるエンシェントエルフの美女たちは美しいだけでなく気品に溢れていた。また、古龍族や魔獣族の美女たちは生命力を強く感じさせ、女神が降臨していると思ったほどだ。
今もエンシェントエルフのメイドに案内されて宮殿の中を歩いているが、僅か三日前には死を覚悟したことが信じられずにいる。
(まだ三日しか経っていないんだな、あの山の中で死にかけた時から……今でも信じられねぇ……)
当初、ダフは人族ということで鬼人族の戦士たちを筆頭に、白い目で見られていた。
彼自身、殺し合いをしていた相手であり、罵声を浴びせられても仕方がないと思っていたが、それが二日前の朝、王国軍の野営地から出発する時から待遇が変わった。
それまでの白眼視から一転して丁寧な扱いになったのだ。
これはラントが今後の帝国の戦略に重要な人物と戦士たちの前で言ったためで、賓客とまではいかないものの、戦士たちは一定以上の敬意をもって接するようになっていた。
(それにしても教会の連中は帝国のことを全く知らない。ここの連中が本気になったら七ヶ国すべてが束になっても敵わないだろう。特にあの魔帝陛下がいる限りは……)
ダフはラントから王国軍との戦いについて話を聞いていた。
輜重隊を襲って食料不足を誘発し、更に傀儡とした兵士を使って煽ったと聞き、負けた悔しさよりも驚きの方が強かった。
(龍や巨人、魔獣たちをあの天才が率いるんだ。傲慢なだけの聖騎士たちが勝てるはずがねぇ。救いは陛下が人族を滅ぼすつもりがないということだけだ。まだ何を考えているのかはよく分からんが、少なくとも皆殺しにするつもりはないらしいからな……)
「侵攻してきた俺たち王国軍を全滅させる気があったんですか」と、ダフはラントにストレートに聞いている。
それに対し、ラントは少し考えた後、軽い口調で答えた。
「全滅させる気はなかったな。ある程度追い詰めたところで降伏を促すつもりだったんだよ……まさか誰一人降伏しないとは思わなかった」
その時のラントの表情に僅かに苦いものを感じたため、ダフはその言葉を信じている。
(それにしても召喚されて僅か三日でこれほど掌握できるとは凄いものだ……さて、これから俺はどうしたらいいのかな。陛下に仕えると言った以上、裏切るつもりはないが……)
不安を抱えながら、ダフは案内されるまま会議室に入っていった。
(あれだけ飲んだら二日酔いは確実だと思っていたんだけど、解毒の魔法が効いたのかな? 魔帝は不老不死だけど、僕は毒耐性や病気耐性は持っていなかったはずだから……)
今までの魔帝は毒や病気などの異常状態に対する耐性を持っており、毒での暗殺は不可能だった。しかし、ラントは耐性のスキルがなく、アルコールに対しても無防備な状態だ。
ただ、魔帝の種族特性である“不老不死”には体内の活性化を促す効果があり、解毒の魔法でアルコールやアセトアルデヒドを除去した後の回復が早かったことが、スッキリとした朝を迎えられた原因だった。
いつも通り、キースとエレン、ローズが待機していた。既に朝食の準備も終えており、香ばしいトーストや炙ったベーコンの香りがラントの食欲をそそる。
「おはようございます。お身体の方は大丈夫でしょうか?」
キースが遠慮気味に聞くと、ラントは笑みを浮かべて頷く。
「思った以上に調子はいい。エレンが掛けてくれた魔法のお陰だろう。助かったよ」
エレンは柔らかな笑みを浮かべて軽く頭を下げる。
「それにしてもローズは元気だな。あれほど飲んだのに全然残っていないのか?」
元気そうなローズにそう声を掛けた。
「当然よ。あの程度は飲んだうちに入らないわ」
得意げに言うローズにエレンが「本体が大きいですから」と笑いながら突っ込んだ。
「なるほど。確かにあの身体なら昨日の量でも大したことはないな」
「人をただのでくの坊みたいに言わないでくれる」
ローズがむくれる。
そんな話をしながら朝食を摂り終えた。
「ところで、モールは何で前日のことを知っていたんだ? あれほど速い伝達手段があるなら、ネヴィス砦からの通信手段に使えるんだが」
ラントの疑問にキースが笑いながら答える。
「理屈は分かっていないのですが、エルダードワーフの種としての固有能力のようなのです。ですが、これは酒に関することだけで、他の情報については魔帝陛下がお亡くなりになったような重要な情報ですら伝わらないそうです。ですので、利用することは不可能かと」
「エルダードワーフの固有能力? 情報閲覧にはそんな情報はなかったんだが……情報閲覧も完璧ではないということか……」
そう言いながらも何となく納得していた。
(そう言えば、以前読んだWEB小説にそんな話があったな。タイトルは確か“ドワーフ・ラ〇フ”とかなんとかって奴だった……それと似たようなことがこの世界でもあるんだな……)
そこで頭を切り替える。
「三日後の戦勝記念式典までに褒賞を与える戦士を選ばなくてはならない。私の方でリストアップしておくから、各部族に連絡を頼む。それから時間があったらダフを呼んでほしい。対王国戦の戦略を練らないといけないからな」
「各部族への連絡については承りました。ですが、人族を陛下の執務室に入れることは反対いたします」
キースが厳しい表情でそう言った。エレンとローズもキースに賛成というように頷いている。
「なぜだ? ダフも私の配下となった。確かにまだ忠誠度は低いが、私を害するようなことないはずだが」
「その点は私も心配しておりません」
「では何が問題なのだ?」とラントは首を傾げる。
「陛下はまだ、我々にとって“魔帝”という存在がどれほど大きなものか理解されておりません。陛下の執務室に入れていただけるということは我々にとって非常に名誉なことなのです。通常ここは我々護衛の他には長の方々のみが入室できる場所なのです。僅か数日前に敵国から寝返った者が受けていい名誉ではありません」
ラントはその言葉で何となく察した。
(なるほど……確かに鬼人族や魔獣族の戦士たちの様子を見たら、彼の言うことも納得できる。なら別室でということか。ダフの扱いは慎重にしないといけないということだな……)
ラントは改めて別室を用意し、そこで話を聞くことにした。
その後、情報閲覧で今回の戦いでの戦功を確認していく。
情報閲覧には検索とソートの機能があり、リスト化自体はそれほど面倒ではなかった。
(意外に使い勝手がいいな。やはりドワーフに関してだけ情報がおかしいのか? まあそれはいい。今は褒賞のことが最優先だ。まずは与える対象だな。与え過ぎれば価値は低くなるし、少なすぎれば不満を持つ。その線引きが難しい……)
そのことをキースたちに話してみた。
「陛下が名を呼ばれるだけでも戦士たちは涙を流して喜ぶはずですわ」
エレンがそう言うと、ローズは「私は違うけど、他の連中ならそうかもしれないわね」と言って賛同する。
「名を呼ぶだけで……確かに砦や城でも声を掛けるだけで喜んでいたが……」
「魔帝陛下とはそういった存在なのですよ」とエレンは自信満々で告げる。
「納得しがたいが、その方向で検討するか……」
釈然としないものの、ランク付けを行っていった。
午後に入ったところで、褒賞者のリストが完成した。
リストに記載された名は二百人ほど。今回の戦いに参加した者の五パーセントほどだった。
「思ったより早くできたな」と言って伸びをする。
首をコキコキと鳴らした後、キースにダフと面談することを伝えた。
「ダフから情報を聞き出したい。適当な部屋に彼を呼んでおいてくれ」
すぐにキースは動き、宮殿にある少人数用の謁見室を用意した。
■■■
元傭兵隊長のダフは帝都フィンクランに到着後は特に仕事もなく、宮殿内に与えられた部屋にいた。
目の前に積み上げられた王国軍司令部の資料の山を眺めながら、自分が夢を見ているのではないかと考えていた。
(死にたくなかったから魔帝の部下になったが、ここは本当に魔族の国なのか? 神話の世界のような美しい風景……今まで口にしたことがないような美味い食事と酒……グラッサ王国のエルフの美女が野暮ったく思えるような目の覚めるような美女たち……)
彼はこれまで傭兵として多くの国を旅していた。
高級な食事や酒はそれほど口にしていないが、それでも命懸けの仕事が終わった後には傭兵らしく散財することが多く、一般の旅人より舌は肥えていた。
捕虜に等しい彼に出された食事ですら、今まで食べた食事で一番と言えるほどで、運んできた給仕に間違いじゃないかと何度も聞いたほどだ。
また、彼が訪れた国の中には森の国と呼ばれ、エルフ族が多く住むグラッサ王国があり、そこで初めて見るエルフの美女に目を奪われたことがあった。
しかし、ここにいるエンシェントエルフの美女たちは美しいだけでなく気品に溢れていた。また、古龍族や魔獣族の美女たちは生命力を強く感じさせ、女神が降臨していると思ったほどだ。
今もエンシェントエルフのメイドに案内されて宮殿の中を歩いているが、僅か三日前には死を覚悟したことが信じられずにいる。
(まだ三日しか経っていないんだな、あの山の中で死にかけた時から……今でも信じられねぇ……)
当初、ダフは人族ということで鬼人族の戦士たちを筆頭に、白い目で見られていた。
彼自身、殺し合いをしていた相手であり、罵声を浴びせられても仕方がないと思っていたが、それが二日前の朝、王国軍の野営地から出発する時から待遇が変わった。
それまでの白眼視から一転して丁寧な扱いになったのだ。
これはラントが今後の帝国の戦略に重要な人物と戦士たちの前で言ったためで、賓客とまではいかないものの、戦士たちは一定以上の敬意をもって接するようになっていた。
(それにしても教会の連中は帝国のことを全く知らない。ここの連中が本気になったら七ヶ国すべてが束になっても敵わないだろう。特にあの魔帝陛下がいる限りは……)
ダフはラントから王国軍との戦いについて話を聞いていた。
輜重隊を襲って食料不足を誘発し、更に傀儡とした兵士を使って煽ったと聞き、負けた悔しさよりも驚きの方が強かった。
(龍や巨人、魔獣たちをあの天才が率いるんだ。傲慢なだけの聖騎士たちが勝てるはずがねぇ。救いは陛下が人族を滅ぼすつもりがないということだけだ。まだ何を考えているのかはよく分からんが、少なくとも皆殺しにするつもりはないらしいからな……)
「侵攻してきた俺たち王国軍を全滅させる気があったんですか」と、ダフはラントにストレートに聞いている。
それに対し、ラントは少し考えた後、軽い口調で答えた。
「全滅させる気はなかったな。ある程度追い詰めたところで降伏を促すつもりだったんだよ……まさか誰一人降伏しないとは思わなかった」
その時のラントの表情に僅かに苦いものを感じたため、ダフはその言葉を信じている。
(それにしても召喚されて僅か三日でこれほど掌握できるとは凄いものだ……さて、これから俺はどうしたらいいのかな。陛下に仕えると言った以上、裏切るつもりはないが……)
不安を抱えながら、ダフは案内されるまま会議室に入っていった。
0
お気に入りに追加
55
あなたにおすすめの小説

トレンダム辺境伯の結婚 妻は俺の妻じゃないようです。
白雪なこ
ファンタジー
両親の怪我により爵位を継ぎ、トレンダム辺境伯となったジークス。辺境地の男は女性に人気がないが、ルマルド侯爵家の次女シルビナは喜んで嫁入りしてくれた。だが、初夜の晩、シルビナは告げる。「生憎と、月のものが来てしまいました」と。環境に慣れ、辺境伯夫人の仕事を覚えるまで、初夜は延期らしい。だが、頑張っているのは別のことだった……。
*外部サイトにも掲載しています。
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

俺だけ2つスキルを持っていたので異端認定されました
七鳳
ファンタジー
いいね&お気に入り登録&感想頂けると励みになります。
世界には生まれた瞬間に 「1人1つのオリジナルスキル」 が与えられる。
それが、この世界の 絶対のルール だった。
そんな中で主人公だけがスキルを2つ持ってしまっていた。
異端認定された主人公は様々な苦難を乗り越えながら、世界に復讐を決意する。
※1話毎の文字数少なめで、不定期で更新の予定です。
外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜
KeyBow
ファンタジー
この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。
人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。
運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。
ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。
アイムキャット❕~異世界キャット驚く漫遊記~
ma-no
ファンタジー
神様のミスで森に住む猫に転生させられた元人間。猫として第二の人生を歩むがこの世界は何かがおかしい。引っ掛かりはあるものの、猫家族と楽しく過ごしていた主人公は、ミスに気付いた神様に詫びの品を受け取る。
その品とは、全世界で使われた魔法が載っている魔法書。元人間の性からか、魔法書で変身魔法を探した主人公は、立って歩く猫へと変身する。
世界でただ一匹の歩く猫は、人間の住む街に行けば騒動勃発。
そして何故かハンターになって、王様に即位!?
この物語りは、歩く猫となった主人公がやらかしながら異世界を自由気ままに生きるドタバタコメディである。
注:イラストはイメージであって、登場猫物と異なります。
R指定は念の為です。
登場人物紹介は「11、15、19章」の手前にあります。
「小説家になろう」「カクヨム」にて、同時掲載しております。
一番最後にも登場人物紹介がありますので、途中でキャラを忘れている方はそちらをお読みください。

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる