上 下
6 / 20

第六話「戦闘のあとは優雅にワインを」

しおりを挟む
 ドランカード号は辺境フロンティアマフィアの手を逃れ、超空間に逃げ込むことに成功した。超空間では戦闘はおろか、外部の状況すら確認できないため、何も起こりようがない。俺は戦闘配置を解除した。

「船の損傷はどうだ?」と機関士席に座る技術者エンジニア、ヘネシーに確認する。

「最初の擦過弾で常用系に異常電圧サージが入ったけど、今は全部復旧済みだよ。アンドロイドたちに念のため機器の点検はさせているけど、多分問題ないと思うね」

 ぼさぼさの髪と独特の軽い口調の話し方だが、ヘネシーは超一流のエンジニアだ。彼が問題ないというのなら何も心配はない。

「了解。二人とも好きにしてくれ。ドリー、あとは頼んだぞ」

「お疲れ」と言って、二人は出ていった。多分、ラウンジで一杯引っ掛けるんだろう。

了解しました、船長アイ・アイ・サー。お疲れまでした、ジャック』

 人工知能AIのドリーがメゾソプラノの心地良い声で労ってくれる。彼女もプライベートな会話では名前を呼んでくれる。

『ですが、先ほどの約束は忘れないでくださいね』

「何のことだ?」

『超空間に入ったら一時間おしゃべりに付き合ってくださるという約束ですよ』

 センテナリオの重力圏から逃げ出す時にそんな約束をした気がするが、あまり覚えていない。

「分かったよ。ただし、後でだ。今からお客さんのところに行ってくるからな」

『私はいつでも構いませんよ。それでは楽しみにしています』

 俺はそのまま客室キャビンに向かった。

 操縦室に誰もいなくなるが、気にしない。
 帝国軍の軍艦なら超空間に入っている間も士官が必ず戦闘指揮所CICに残ることが義務付けられているが、それは下士官以下の反乱を恐れてのことだ。当然、この船では不要な措置だ。

 キャビンの前に着くとインターホンを鳴らす。
 すぐにブレンダ・ブキャナンが出た。

「どなたですか」

「ジャックだ。船内放送で分かっていると思うが、超空間に入ったことを伝えにきた。他にも状況が変わったというか、少し分かったから、そのことも話しておきたい」

 スライド式のドアが開き、緊張した面持ちのブレンダが出迎える。
 部屋には娘のローズが猫型の愛玩動物型ロボットキャニットを抱き、ベッドに座っていた。
 俺が軽く手を上げると、プイという感じで横を向く。どうやら嫌われてしまったようだ。

 娘に目で叱ってから、ブレンダが椅子に座る。俺が彼女の正面に座ると、向こうから切り出してきた。

「また戦闘があったみたいですね」

 ほとんど動揺はなかったはずだが、先ほどの戦闘があったことを気づいている。

「ああ、敵の小型船がちょっかいを出してきた。もちろん、何も支障はない」

 俺の顔をじっと見つめる。五秒ほど凝視した後、フッという感じで表情を緩めた。

「分かりました。あなたがそういうのなら問題ないのでしょう。それでお話はどんなことかしら?」

 娘と自分の命が掛かっているためか、必要以上に警戒していたらしい。

「話なんだが、まず追いかけてくる奴らが思った以上に厄介だということだ。少なくとも船を四隻持っているし、こちらの動きを予測している。行動が嫌らしいほど的確だ」

「それでどうされるのですか?」

「ああ、そのことなんだが……」

 俺はどう伝えようか僅かに言葉に詰まる。

「シェリーに聞いたと思うが、今はマルティニークに向かっている。その先のことなんだが、奴らが追いかけてくることは確実だ。それと待ち伏せしている可能性も否定できない……」

 彼女の顔が僅かに青ざめる。

「……マルティニークには帝国辺境艦隊の哨戒艦隊パトロールフリートが常駐している。それに星系政府の警備隊ガーズもいるから、奴らもここのように無法なことはそうそうできないはずだ」

「その先はどうされますの? 一気にバルバドスまで行くのですか?」

「残念ながらドランカード号の超光速航行機関FTLDでは飛べない。トリニダードかゴルダ、ヴァンダイクを経由するしかない」

 マルティニークからバルバドスまでの距離はドランカード号のジャンプの限界である八パーセク(二十六光年)を超えている。どうしてもその間を経由しなければならない。

 更にドランカード号の燃料タンクは標準より小さく、三回のジャンプを行うとほぼ空になる。
 それまでの通常空間での加速時間にもよるため一概には言えないが、マルティニークの次の星系に敵がいた場合、通常空間でエネルギーを使いすぎてジャンプできなくなる可能性があった。それを回避するにはマルティニークで補給を行う必要がある。
 そのことを伝えると、ブレンダの顔に憂いが浮かぶ。

「マルティニークで敵に追いつかれるということですか? 軍に排除を要請することはできないのですか?」

 当然の疑問だろう。
 しかし、マルティニークにいる哨戒艦隊は出払っている可能性が高く、残っているのは旧式の超空間航行能力のない巡視艦パトロールベッセルが五隻ほどいるだけだ。
 あとは巡視艇パトロールボートが三十ほどいる程度だろう。

 巡視艦だが、巡視艇を五隻ほど搭載した五百メートル級の大型艦だ。こいつは言わば小型艇母艦で、戦闘力は三百メートル級の駆逐艦と大差ない。

 巡視艇は五十メートル級の高速ミサイル艇を改造したものだが、臨検のための乗員を増やしているため、攻撃力は通常のスループ艦どころか、ドランカード号にすら劣る。
 つまり、哨戒艦隊が出払っている場合、リコ・ファミリーが持つ武装商船に何とか太刀打ちできるという程度の戦力しかないのだ。

「情報は提供する。明らかな海賊行為の証拠を受け取れば軍も動かざるを得ないからな」

 俺の言い方に引っ掛かるものを感じたのか、納得した様子は見られない。

「いずれにせよ、マルティニークに行ってから判断することになる。もちろん、どこかでエネルギーを補給しなければならないが、最悪の場合はそのままジャンプポイントJPに向かうこともありうる」

 数瞬の間が空いた後、「分かりました。あなたにすべて任せます」と言ってニコリと笑った。
 どうやら吹っ切れたようだ。

「任せてもらおう」とこちらもニヤリと笑っておく。

「話は変わるが、食事はラウンジで摂ることもできるが、俺たちと顔を合わせたくないなら、この部屋でもいい」

「ラウンジに行きます。これから五日間も顔を合わさずにいるというのもおかしな気がしますしね」

 俺はローズに顔を向け、

「お前もそれでいいのか? 嫌ならはっきり言ってくれた方がいい」

 彼女の顔に困惑の表情が浮かぶが、すぐに「別にどっちでも」と素っ気無い答えが返ってきた。
 思春期の少女の考えることは独身のおっさんには全く理解できない。

「分かった」と答えるが、どうしても苦笑が浮かぶ。

 キャビンを出てラウンジの前を通ると、既にジョニーたちが酒盛りを始めていた。
 ジョニーはウイスキーをストレートで飲み、ヘネシーはアンドロイドに作らせたジントニックを個人用情報端末PDAをいじりながらちびちびと飲んでいる。

 二人はいつも通りなのだが、シェリーだけは少し違った。
 彼女はワイン好きで今日もワインなのだが、大振りのグラスに入ったものを優雅に飲んでいた。そのボトルのラベルを見ると帝都の有名な高級ワインだった。

「いつも通り自分の酒は自分の稼ぎからだぞ。分かっているよな、シェリー?」

「ええ、分かっているわよ。でも、百万クレジットの仕事なんでしょ。大事に取って置いたワインだけど、次はもっといいのが買えるはずだもの。そうよね?」

 あまりに状況を分かっていない。俺はこめかみを押さえそうになった。

「分け前がいくらになると考えているんだ?」

「えっ? 経費を引いた後の一割でしょ」

 彼女の言っていることは正しい。俺たちの中の取り分は俺、ジョニー、ヘネシーが三割ずつでシェリーが一割と決めてあるからだ。

「百万もあるんだから、経費の分を引いても、私の分は五万や六万にはなるはずよね。そうでしょ?」

 やはり全然分かっていなかったと頭が痛くなる。結局、こめかみを押さえてしまった。

「前回の赤字がいくらか覚えているか?」

「えっ? 前回って古代遺跡を探すっていうあれのこととよね。十万くらいじゃないの?」

 何を言っているのという顔で答えるが、俺の方が何を言っているんだと怒鳴りたくなる。

「うちみたいな零細企業が船を持っているんだぞ。前回は三ヶ月間ただ働きだった。一ヶ月でいくら掛かるか分かっているな?」

 その瞬間、彼女の顔がすぅーと青ざめていく。

「一ヶ月間、宇宙そらにいれば二十万クレジットは消えていくんだ。つまり、六十万が前回分の赤字だ」

「で、でも、四十万もあるわよ。今回は半月くらいですむから、三十万は儲けよね。だとしたら、私の取り分は三万はあるはず……」

「順調にいけばな。だが、さっきの状況を思い出してみろ。すんなり半月で終わると思うか? それに今回は結構無茶をしている。バルバドスに着いたら船の大規模点検オーバーホールを行うことになるはずだ。そうなれば……」

「それ以上言わないで! 分かったから……」

 目に見えてがっくりとしている。

 ジョニーたちは俺たちのやり取りを見てクスクスと笑っている。

「何か言いたいのか?」と睨むと、「何でもねぇよ」とジョニーがグラスを呷り、ヘネシーがつまみのチーズを口に運ぶ。

 二人は俺がシェリーを脅していると分かっているのだ。
 確かに彼女に言ったことに嘘はないが、最悪の場合のことだ。それに前回の赤字も実際にはそこまで酷くない。
 このことは船の運用に真面目に関わっていれば誰でも分かることだ。実際、陸兵である宙兵隊の下士官だったジョニーですら理解している。

 チビチビとワインを舐め始めたシェリーの肩に手を置き、「開けちまったものは仕方ねぇんだ。味わって飲めよ」と言ってその場を離れた。

 俺もみんなと一緒に一杯やるため、一度船長室キャプテンズキャビンに戻る。
 一旦はブランデーに手を伸ばしたものの、今日の夕食はビーフシチューだったと思い出し、赤ワインをセラーから取り出す。


 ラウンジに戻ると、ブレンダとローズがテーブルで食事をしていた。
 この船ではアンドロイドが給仕をしてくれるので、乗組員は何もしなくてもいい。

「うちのビーフシチューはなかなかだと思うがどうかな?」

 そう言いながらローズの隣に座る。

「そうね。期待していなかったけど不味くはないわ」とすまし顔で答えるが、その手が止まることはなかった。

「ワインを持ってきたが、一杯やらないか」と言ってシェリーたちに声を掛けるが、ジョニーはウイスキーで充分というようにグラスを上げ、ヘネシーは「後でゆっくり食べるよ」とPDAの画面から視線を外そうとしない。

 やれやれと思いながらシェリーを見るが、まだ先ほどの衝撃が抜けていないのか、俺の言葉に反応しない。
 肩を竦めながらブレンダに向かい、

「一杯どうだい。安いワインだがなかなかいい出来のものだ」

「いただこうかしら」と言って笑みを返してきた。

「俺の分の食事とグラスを二つ、それからこいつを開けてくれ」とアンドロイドのラムに頼む。

了解しました、船長アイ・アイ・サー

 ピシッとした敬礼をした後、ボトルを受け取り、パントリーに入っていった。
 五分ほどで料理とワインが載ったワゴンを押したラムが戻ってきた。

 ワインをグラスに注ぎ、彼女に渡す。自分のグラスを満たした後、

「では、乾杯」と言ってグラスを掲げる。

 ブレンダはグラスを傾けるが、白く美しい喉が艶かしい。無理やり目を逸らし料理に集中する。

「本当に美味しいですわ。私も小さな船ですから軍の戦闘糧食レーションが出るのではないかと思っていましたのよ」

 そう言って小さく笑う。
 だいぶ落ち着いたなと心の中で思うが、それは口に出さない。

「うちの食事は豪華客船ラグジュアリーライナーに引けはとらない。何といっても人生にはうまい酒と料理が欠かせないからな」

 実際、この船の食事は質が高い。
 食材は最高級とは言わないまでも、充分によい物を買っている。作り手であるアンドロイドだが、高性能だということで調理専用ロボット並のソフトウエアを搭載し、実現するための腕や指先の改造と専用プロトコルまで開発している。もちろん、やったのはヘネシーだ。

「毎日の食事が楽しみですわ。でも、この船内だと運動不足で太ってしまいそう」

「シェリーが無駄に持ち込んだトレーニングマシンがあるから、それを使ったらいい。いいだろ、シェリー」

 シェリーはまだ落ち込んでいるのか、反応がなかったが、何度か確認するうちに「いいわ」とボソリと言って認めた。

「後ろのカーゴスペースにあるんだが、間違ってもジョニーが使う本格的な方はやめておけよ。あれはサイボーグ専用のマシンだから」

 そんな話をしながら食事を楽しんだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

アルビオン王国宙軍士官物語(クリフエッジシリーズ合本版)

愛山雄町
SF
 ハヤカワ文庫さんのSF好きにお勧め! ■■■  人類が宇宙に進出して約五千年後、地球より数千光年離れた銀河系ペルセウス腕を舞台に、後に“クリフエッジ(崖っぷち)”と呼ばれることになるアルビオン王国軍士官クリフォード・カスバート・コリングウッドの物語。 ■■■  宇宙暦4500年代、銀河系ペルセウス腕には四つの政治勢力、「アルビオン王国」、「ゾンファ共和国」、「スヴァローグ帝国」、「自由星系国家連合」が割拠していた。  アルビオン王国は領土的野心の強いゾンファ共和国とスヴァローグ帝国と戦い続けている。  4512年、アルビオン王国に一人の英雄が登場した。  その名はクリフォード・カスバート・コリングウッド。  彼は柔軟な思考と確固たる信念の持ち主で、敵国の野望を打ち砕いていく。 ■■■  小説家になろうで「クリフエッジシリーズ」として投稿している作品を合本版として、こちらでも投稿することにしました。 ■■■ 小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+でも投稿しております。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

迷宮最深部から始まるグルメ探訪記

愛山雄町
ファンタジー
 四十二歳のフリーライター江戸川剛(えどがわつよし)は突然異世界に迷い込む。  そして、最初に見たものは漆黒の巨大な竜。  彼が迷い込んだのは迷宮の最深部、ラスボスである古代竜、エンシェントドラゴンの前だった。  しかし、竜は彼に襲い掛かることなく、静かにこう言った。 「我を倒せ。最大限の支援をする」と。  竜は剛がただの人間だと気づき、あらゆる手段を使って最強の戦士に作り上げていった。  一年の時を経て、剛の魔改造は完了する。  そして、竜は倒され、悲願が達成された。  ラスボスを倒した剛だったが、日本に帰るすべもなく、異世界での生活を余儀なくされる。  地上に出たものの、単調な食生活が一年間も続いたことから、彼は異常なまでに食に執着するようになっていた。その美酒と美食への飽くなき追及心は異世界人を呆れさせる。  魔王ですら土下座で命乞いするほどの力を手に入れた彼は、その力を持て余しながらも異世界生活を満喫する…… ■■■  基本的にはほのぼの系です。八話以降で、異世界グルメも出てくる予定ですが、筆者の嗜好により酒関係が多くなる可能性があります。 ■■■ 本編完結しました。番外編として、ジン・キタヤマの話を書いております。今後、本編の続編も書く予定です。 ■■■ アルファポリス様より、書籍化されることとなりました! 2021年3月23日発売です。 ■■■ 本編第三章の第三十六話につきましては、書籍版第1巻と一部が重複しております。

シーフードミックス

黒はんぺん
SF
ある日あたしはロブスターそっくりの宇宙人と出会いました。出会ったその日にハンバーガーショップで話し込んでしまいました。 以前からあたしに憑依する何者かがいたけれど、それは宇宙人さんとは無関係らしい。でも、その何者かさんはあたしに警告するために、とうとうあたしの内宇宙に乗り込んできたの。 ちょっとびっくりだけど、あたしの内宇宙には天の川銀河やアンドロメダ銀河があります。よかったら見物してってね。 内なる宇宙にもあたしの住むご町内にも、未知の生命体があふれてる。遭遇の日々ですね。

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

処理中です...