隠れエルフの俺に狼獣人がバディになれと迫ってきます

ゆうきぼし/優輝星

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一章バディになるまで

10最高のバディ**

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「エアが好きだ。俺を本当の相棒にしてくれないか?」
「本当の相棒? バディじゃなく?」
「仕事はもちろん。でも仕事だけじゃなく、人生の相棒になりたい」
「それって……?」
「俺と付き合ってくれ。元の部隊には戻らねえ。もう離れないと約束する」
 ああ。やっぱりこいつは俺の欲しい言葉をくれる。少しだけ甘えても良いだろうか……。
「俺を一人にしないか? ずっと一緒に居ると誓えるか?」
「ずっと一緒だ……くぅ、可愛すぎるっ」
 ウォルフにぎゅうぎゅうと抱きしめられた。
「ウォルフ?」
「キスさせてくれ。怖くないから……」
 軽く触れるだけの口づけを交わすと額を合わせて見つめあう。
「ほら、怖くないだろ?」
「……怖くはない」
 ウォルフが頬に手をあてると俺はその手にすり寄った。
「も、もう少しキスを続けてもいいか?」
 ウォルフの片手が背中をゆっくりと撫でる。落ち着かせるようにゆっくりとまるで甘やかすように撫でられる。

 舌先で唇をなぞられてドキドキする。抗議をしようとして唇を開いた隙に舌の侵入をゆるしてしまう。あわてて身を引こうとするが、腰をがっちりと抱え込まれていて身動きが取れない。電撃を放とうとしたが力が入らなかった。
 ちゅっと音をたてて舌を吸われる。口内をなぞられると頭の芯がぼうっとした。
「ん……ふ……んん……ぁ」
「鼻で息をするんだ。もっと気持ちよくしてやるからな」
「んぁ? ……ぁ……」
 いつのまにか自分からも舌を絡めていた。ウォルフに触られる個所が気持ちが良い。自分はどうしてしまったのだろう。誰かに身をゆだねた事なぞなかったのに。

「エア。綺麗だ。どこもかしこも」
 気づけばベットの上で金色の瞳に見つめられていた。
「怖がることはしねえと誓う。だから俺を受け入れてくれ」
 ウォルフが壊れ物を扱う様に丁寧に俺の身体を開いていく。
「んぁ。ウォルフ……」
「しっ。何も考えるな。俺が与える快楽だけ受け取るんだ」
 ウォルフの長い舌がうなじに沿って降りると甘い吐息が口からこぼれた。
「っぁ……。んっ……」
「可愛いぜ。もっとその声聞かせてくれ」

 長い時間をかけてウォルフは俺と繋がる部分をほぐしていた。以前から用意していたという香油を見せられた時は眉根を寄せたが、雌と違って雄は準備が必要だと言われた。今は香油の力を借りこうして快感に蕩けている。いやウォルフが上手いのか? なんだか悔しくなる。
「ぁあっ。もぉ……やめっ」
「どうして? ここは喜んでるみたいだけど?」
 その声に反応するようにきゅっと指を締め付けてしまう。トントンと一か所を刺激されるとゾクゾクした感覚に捕らわれる。
「ふぁ……ぁ……っ」
「息を殺すな。声を聞かせてくれ。お前の声が堪らないんだ」
「ぁあっ……ウォルフっ」
 誰だ? こんな甘い声を出すのは? 俺の声なのか? ウォルフがギラギラした目で俺を見る。捕食者のようだ。食われてしまうのか? 少し怖いがゾクゾクもする。
「もっとオレの名を呼んでくれ」
 耳たぶを甘噛みされ身体が震えた。
「ここも触ってやらないとな」
「……え?」
 ウォルフが身体をずらし下がっていく。何をする気だ?
「本当に初めてなんだな。綺麗な色だ。それに立派な大きさしてるじゃねえか」
 それが何を指しているのかがわかり身体が熱くなった。
「言うなっ。恥ずかしぃ……から。ぁっそんなっ」
 いきなりパクリと咥えられのけ反った。もちろん後ろにはウォルフの指が挿ったままだ。舌で擦られ、ねっとりと舐め上げられると堪らなかった。両足を広げられその間にウォルフの頭が上下しているのが見える。
「うそっいやっ……ぁっこんなっんんっ」
 自分でシてる時とは違った快感に身悶える。舌を絡められたまま強く吸われあっ気なく果ててしまった。
「はぁ。はぁ……信じられない。こんなのっ」
 ウォルフの顔を覗き込むとニヤリと笑ってゴクリと目の前で飲み込んだ。 
「っ! お前っ飲んだのか? 俺のを……」
「くくく。エアのだと思うと出すのがもったいなくって飲み干しちまったぜ」
 はくはくと口は動くが衝撃過ぎて声が出ない。飲むなんて!
 
「……ぁあっ。もぉ……どうにかなりそうだ」
 前も後ろも翻弄されてどうしたらいいかわからない。怖いようなもどかしいような感じたことがないような感覚に蝕まれていく。一度達したはずのモノがまた反応してしまう。どくどくと別の生き物のように大きく硬くなっていった。
「エア。好きだ。お前の全部が欲しい」
 ウォルフが腰をこすりつけてくる。もうすでに全裸に近い。
「ぁあなんて顔するんだ。俺を煽るなよ。エア。酷いことはしたくないんだ。少しづつ挿れてもいいか? 怖くないから。頼む」
 太腿に当たるその大きさに目を瞠る。だが、興奮して痛い程張り詰めてるのは自分も同じだ。いつもはふてぶてしい狼のくせに、情けなく眉をさげて懇願する顔が妙に可愛く見える。
「ふ……優しく抱いてくれ……感電させたくない」
「物騒なところがエアらしいぜ。まかせとけ。気持ちいいことしかしないから」
 ぬぷっと音と共にゆっくりとウォルフが挿入してくる。
「息を吐いてくれ」
 圧迫感に内部が押しつぶされそうになるが、辛そうなウォルフの顔を見て愛おしくなる。
「ウォ……ルフ……キス……したい」
「っ。喜んで。はぁ可愛っ。もう堪んねえよ」
 優しい口づけに心が満たされる。快楽に涙が溢れた。絶えずあやすような手つきで大事にされてると感じる。ウォルフの広い背に腕を回してしがみついた。身体のあちこちに傷跡が残っているのが見える。ああ、これは戦士の身体だ。戦う男の身体だ。これから共に闘う俺のバディだ。
「エア。エア。愛してる。エア……」
 うわ言のように名前を呼ばれて嬉しいが恥ずかしい。
「ウォ……ルフ。好きだ……ぁあっ……バカ狼っ」
 俺の口からはまだ愛を語ることは出来ない。そんな軽々しく語れない気がするのだ。きっと俺のほうが愛が重い気がするから。
「ふふ。言わなくてもわかってるよ。エア愛してる」
 察しが良い狼は嬉しそうに甘い言葉を囁く。充分に甘やかされて蕩けるように高みに登った。と同時に中にいるウォルフの雄がまた大きくなった。
「わ、悪い。オレは狼の血の方が色濃くってさ。興奮すると根元にこぶが……その、射精の間中抜けねえんだ」
「んぁ? 何を言って……ぁっ……」
 ゆるゆると揺り動かされまったりとした快楽が続く。
「ぁ……気持ちいい……んん」


「腰がだるいっ!」
「大丈夫か?」
 ウォルフがにやにやと俺の腰を撫でながら締まらない顔で聞いてくる。
「ばかっ。お前のせいだろ!」
「むふ。オレのバディは世界一可愛いっ」
「う、うるさいっ。ほら、離れろ!」
 数時間後、浅い眠りと共に俺達は職場に戻った。
「ホークスは洗脳解除機関にしばらく行くこととなった。彼は優秀な人材だ。洗脳さえ解ければまた戻ってきて欲しいと伝えてある」
「はい。リハビリを終えた後はまた俺が鍛えなおします!」
「オレもフォローするつもりです!」
「ははは。ふたりとも良い顔をしてるな」
「ええ。俺らは公私ともに最良のバディなんで!」
「ば、バカっ! 団長に何を言うかっ」
「はははは。では希望どうりウォルフはこのままここで働いてもらおう!」

 かくしてここに最高のバディが誕生した。

       

――――――――――――

 お読みいただきありがとうございました。
 自分を制して生きてきたエアレンディルに安息をもたらすウォルフ。
 この後もっとエアは艶っぽくなってウォルフはやきもきしていくことでしょう。
 結構気に入ってる二人なのでそのうちまた続きを書きたいなって思ってます。                         
          
 
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