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2章 竜騎士団編
65.呼びかけ
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アキトは気だるげにまどろんでいた。
魔力は循環し今は有り余る力が体中をめぐっている。
左右には愛すべき伴侶が寄り添って寝ている。
やるべきごとはまだ山積みだが三人でいれば何でもできる気がした。
《――――――まったく。我を呼ばずに片付けてしまうとは》
へ?なんだ?どこかから声が聞こえる。
クロードもエドガーもまだ眠りの中にいる。侍従のバレットはドラゴン城だ。
おかしいな。気のせいかな??
突然、目の前が明るくなった。
気づけば真っ白な空間にぽわんと浮いたようになっていた。
「あれ?僕って寝ぼけてるんだな」
《ははは。可愛い反応だな? 初めまして。アキト》
「はじめまして。えっと。どなたでしょうか?」
何もない白い空間に話しかけてみた。
《この世界では神龍(シェンロン)と呼ばれている。人間に話しかけるのは久しぶりだ》
「神龍(シェンロン)?」
《そうだ。我を呼べば何でも叶う。此度はいつ呼ばれるかと今か今かと待っておった》
「はぁ?さようですか??」
《なんじゃ連れないのう。我の事は聞き及んでいるだろう?》
「神龍(シェンロン)ってまさかあの?!」
そうだ、神龍(シェンロン)は実体がないから僕の身体を贄に狙ってるって。
だとしたらここは?神龍(シェンロン)の中なの??
《どうしたアキト?急なことで戸惑っておるのか?恐れるでない。ちょっと話をしてみたかっただけじゃ。お前は今までの依頼主たちと違う動きをするのでな。面白くって声をかけてみたくなったのじゃ》
「今までの依頼人?それはどういう??」
《そうじゃのぉ。我は全知全能のため、出来ないことはない。それを皆は知っておるので我の力を欲しがって苦難を乗り越えて我を呼び出すのじゃ》
それって、エドガーがしようとしていた事なんじゃないのか?
そういえば、いつの間にか呼び寄せることが出来るアイテムは手に揃っていた。
僕の中の魔女のハート。エドガーの力の剣。クロードの智慧の石。
もしも、何か取り返しのつかない出来事が起これば使ったかも……。
ん??待てよ。
「あの、貴方は竜たちの目を通して僕らの事を見てたのですよね?」
《そうじゃ、よく知っておるな。我は感情が乏しい。万能になるためには、何かを手ばせねばならなかった。それに感情がある生き物は、いがみ合って憎しみあって、争いが起こり、小さな火種が徐々に大きくなる。そこから戦争になり、野が焼け、生き物が減り……を繰り返す。だが、お前はその前の段階で止めてしまった》
「え?僕が止めたんですか?」
《なんじゃ気づいてなかったのか?ほぉ。計算ではなかったのか。アキトの動きはまさにイレギュラーじゃの。観察しがいがある》
神龍(シェンロン)が考えていた未来では、ラドゥさんは自分の想いを達成し、王都を壊滅し魔物の巣窟にし、エドガー以外の王族を壊滅させ自らも狂って命を果てる。悔恨の想いにかられたエドガーはこの世界を元に戻そうと、竜の秘宝を手にするために神龍(シェンロン)を呼び出すといった流れだったようだ。
このシナリオの分岐点は王宮に偵察に行った時点だったらしい。本来ならすぐに捕まっていたのに僕らは子猫や犬に擬態していたので見つかりにくかった。
だが、それ以前にも、僕がドリスタンに捕まった時、そのまま僕の催眠がとけずドリスタンに抱かれてしまい卵を孕む、卵のために父親のドリスタンを断罪できず、エドガーが荒れてクロードが魔物化するといったストーリーもあったらしい。
このシナリオの分岐点は僕がオスマンを見破ったことだったらしい。
「どれもこれもあんたを呼び出すために作られたシナリオじゃないか!」
《そうだ。我を呼び出してこの力を使い、この世界を元に戻す。素敵な話ではないか?》
「全然!まず、貴方は僕達生き物を馬鹿にしてるんじゃないのか?」
《我に向かってそんな口の利き方をするのはお前が初めてじゃ》
「なんでも自分の思いどうりになると思ったらいけないんだよ」
《お前だけじゃ、我の思い通りにならぬのは。お前をこの世界のバグとして排除することも可能なのだぞ。正直何度かそうしようかと思いあまったこともあったのじゃ。だがそのたびにお前は予測不能な動きをして回避する。それが我はいつしか面白くなってきたのじゃ》
僕を排除しようとしていたのか?いつの話なのだろう?心当たりがあるようでない。
《お前は魔女のくせに魔女らしくない。今回のシナリオの一つにラドゥを射殺してしまうというのもあったのに。お前はそれどころか浄化してしまった。淫蕩で奔放さのためにオスマンを誘惑するというシナリオすらも当てはまらなくなってしまった》
「あのさ、なんで全部破滅に向かうシナリオなのさ!この世界をどうしたいのさ!」
《我には悠久の時間がある。それは長く平穏でつまらないものなのだ》
「は?ちょっと待ってよ!それって暇つぶしがしたいって聞こえるよ!」
《そうじゃな。そうとも言うのぉ》
「ふざけるな!!僕らは精一杯生きているんだ!あんたのおもちゃじゃない!!」
《おもちゃか。かつて同じセリフを言われたことがある。お前の母親にじゃ》
「僕の母親?どういうこと?」
《この世界を作り変えるために、我はマグダラのマリアの身体に憑依した。久しぶりに肉体を手に入れ実体のあるモノに触れる感覚は堪らなかった。しかしマリアは魔物に殺されあっけなくなくなった。せっかく贄になってくれた魔女をみすみす手放すのも惜しくて、我は外見を作り変えて元の場所に戻してやった》
「作り変えたって?違う人間にしたってこと?」
《そうじゃ。再生させたのじゃ。じゃが元のように魔力は戻らなかったし記憶もあいまいになった。そのときに言われたのだ。おもちゃじゃないのよ。もう同じ人生は歩めないと》
「再生させたって?本当は再度その身体に憑依するつもりだったんじゃないの?」
《ふっふふ。その通りじゃ!しかし再利用にはデメリットも伴う》
魔力は循環し今は有り余る力が体中をめぐっている。
左右には愛すべき伴侶が寄り添って寝ている。
やるべきごとはまだ山積みだが三人でいれば何でもできる気がした。
《――――――まったく。我を呼ばずに片付けてしまうとは》
へ?なんだ?どこかから声が聞こえる。
クロードもエドガーもまだ眠りの中にいる。侍従のバレットはドラゴン城だ。
おかしいな。気のせいかな??
突然、目の前が明るくなった。
気づけば真っ白な空間にぽわんと浮いたようになっていた。
「あれ?僕って寝ぼけてるんだな」
《ははは。可愛い反応だな? 初めまして。アキト》
「はじめまして。えっと。どなたでしょうか?」
何もない白い空間に話しかけてみた。
《この世界では神龍(シェンロン)と呼ばれている。人間に話しかけるのは久しぶりだ》
「神龍(シェンロン)?」
《そうだ。我を呼べば何でも叶う。此度はいつ呼ばれるかと今か今かと待っておった》
「はぁ?さようですか??」
《なんじゃ連れないのう。我の事は聞き及んでいるだろう?》
「神龍(シェンロン)ってまさかあの?!」
そうだ、神龍(シェンロン)は実体がないから僕の身体を贄に狙ってるって。
だとしたらここは?神龍(シェンロン)の中なの??
《どうしたアキト?急なことで戸惑っておるのか?恐れるでない。ちょっと話をしてみたかっただけじゃ。お前は今までの依頼主たちと違う動きをするのでな。面白くって声をかけてみたくなったのじゃ》
「今までの依頼人?それはどういう??」
《そうじゃのぉ。我は全知全能のため、出来ないことはない。それを皆は知っておるので我の力を欲しがって苦難を乗り越えて我を呼び出すのじゃ》
それって、エドガーがしようとしていた事なんじゃないのか?
そういえば、いつの間にか呼び寄せることが出来るアイテムは手に揃っていた。
僕の中の魔女のハート。エドガーの力の剣。クロードの智慧の石。
もしも、何か取り返しのつかない出来事が起これば使ったかも……。
ん??待てよ。
「あの、貴方は竜たちの目を通して僕らの事を見てたのですよね?」
《そうじゃ、よく知っておるな。我は感情が乏しい。万能になるためには、何かを手ばせねばならなかった。それに感情がある生き物は、いがみ合って憎しみあって、争いが起こり、小さな火種が徐々に大きくなる。そこから戦争になり、野が焼け、生き物が減り……を繰り返す。だが、お前はその前の段階で止めてしまった》
「え?僕が止めたんですか?」
《なんじゃ気づいてなかったのか?ほぉ。計算ではなかったのか。アキトの動きはまさにイレギュラーじゃの。観察しがいがある》
神龍(シェンロン)が考えていた未来では、ラドゥさんは自分の想いを達成し、王都を壊滅し魔物の巣窟にし、エドガー以外の王族を壊滅させ自らも狂って命を果てる。悔恨の想いにかられたエドガーはこの世界を元に戻そうと、竜の秘宝を手にするために神龍(シェンロン)を呼び出すといった流れだったようだ。
このシナリオの分岐点は王宮に偵察に行った時点だったらしい。本来ならすぐに捕まっていたのに僕らは子猫や犬に擬態していたので見つかりにくかった。
だが、それ以前にも、僕がドリスタンに捕まった時、そのまま僕の催眠がとけずドリスタンに抱かれてしまい卵を孕む、卵のために父親のドリスタンを断罪できず、エドガーが荒れてクロードが魔物化するといったストーリーもあったらしい。
このシナリオの分岐点は僕がオスマンを見破ったことだったらしい。
「どれもこれもあんたを呼び出すために作られたシナリオじゃないか!」
《そうだ。我を呼び出してこの力を使い、この世界を元に戻す。素敵な話ではないか?》
「全然!まず、貴方は僕達生き物を馬鹿にしてるんじゃないのか?」
《我に向かってそんな口の利き方をするのはお前が初めてじゃ》
「なんでも自分の思いどうりになると思ったらいけないんだよ」
《お前だけじゃ、我の思い通りにならぬのは。お前をこの世界のバグとして排除することも可能なのだぞ。正直何度かそうしようかと思いあまったこともあったのじゃ。だがそのたびにお前は予測不能な動きをして回避する。それが我はいつしか面白くなってきたのじゃ》
僕を排除しようとしていたのか?いつの話なのだろう?心当たりがあるようでない。
《お前は魔女のくせに魔女らしくない。今回のシナリオの一つにラドゥを射殺してしまうというのもあったのに。お前はそれどころか浄化してしまった。淫蕩で奔放さのためにオスマンを誘惑するというシナリオすらも当てはまらなくなってしまった》
「あのさ、なんで全部破滅に向かうシナリオなのさ!この世界をどうしたいのさ!」
《我には悠久の時間がある。それは長く平穏でつまらないものなのだ》
「は?ちょっと待ってよ!それって暇つぶしがしたいって聞こえるよ!」
《そうじゃな。そうとも言うのぉ》
「ふざけるな!!僕らは精一杯生きているんだ!あんたのおもちゃじゃない!!」
《おもちゃか。かつて同じセリフを言われたことがある。お前の母親にじゃ》
「僕の母親?どういうこと?」
《この世界を作り変えるために、我はマグダラのマリアの身体に憑依した。久しぶりに肉体を手に入れ実体のあるモノに触れる感覚は堪らなかった。しかしマリアは魔物に殺されあっけなくなくなった。せっかく贄になってくれた魔女をみすみす手放すのも惜しくて、我は外見を作り変えて元の場所に戻してやった》
「作り変えたって?違う人間にしたってこと?」
《そうじゃ。再生させたのじゃ。じゃが元のように魔力は戻らなかったし記憶もあいまいになった。そのときに言われたのだ。おもちゃじゃないのよ。もう同じ人生は歩めないと》
「再生させたって?本当は再度その身体に憑依するつもりだったんじゃないの?」
《ふっふふ。その通りじゃ!しかし再利用にはデメリットも伴う》
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