異世界行ったらボクは魔女!

ゆうきぼし/優輝星

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2章 竜騎士団編

45.東の森

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「アキト見つけた」
 鍛錬場を出たところでコバルトが駆け寄ってきた。
「……行こう」
「えっとどこに?」
 僕が戸惑っているとニコニコとコバルトが微笑みながら手をつないできた。
「ま……待って!エド!エドガー!」
 僕の数歩前をレッドと談笑しながら歩いてるエドガーに助けを求めた。
「ん?どうし……コバルトっ?お前っ?!」
 エドガーが振り向きざまに顔色を変えた。
「え?なに?……」
 いきなりぶわっと傍から魔力の高まりを感じ嫌な予感がした。慌てて魔力の感じる方に顔を向ける。
 そこには青龍に変態しようとしているコバルトがいた。
「えええ????」
 コバルトの腕は伸び、僕の身体はその手に引かれてポ~ンと宙を舞い、コバルトの背に乗っかる。
 それを見ていたエドガーとレッドが息を詰めていたのがわかる。
「ば!馬鹿野郎!!!コバルトッ!お前とアキトは身体の作りが違うんだ!配慮しろ!」
 レッドが叫ぶと青龍は頭を少しコテンと傾けた。
 まるで知らなかった~という感じだ。

「お前、竜になれたのか?!まさか、今日の遠征にアキトを連れてくつもりじゃねえだろな?」
 エドガーが怒鳴ると青龍は肯定するように大きく頭を上下に動かすと羽を広げた。
 今日はコバルトが東の森へ砂漠化の様子を視察に行く予定だったはずだ。
「な?!こらこら!!待て待て待て!!!早まるな!」
 レッドが慌てる。

 もしかすると。いやきっとそうなのだろう。僕はこのまま連れていかれる??

「こら!確かに次の遠征にアキトを連れて行っていいといったが今日とは言ってねえ!」
「なに?レッド勝手なこと言っちまったのか!」
 目の前の青龍はもう聞こえてないとばかりにバサッと音を立てて空に舞い上がった。
「ああっちくしょう!すまねえ団長」
「追いかけねえと!……お前も竜になれるのか?」
「……あぁ。なれる。だが、隊長が動くと隊が動いちまう。大ごとにしたくねえ」
「アランを。副団長をすぐ呼べ!」



 空中で青龍が旋回するといつの間にか他にも竜がついてきていた。
 見ると色の濃淡の違いはあれど青みがかった竜たちだった。
 その背には見慣れた団員達が乗っている。皆アキトを見つけて驚いていた。
「アキトさ~ん、一緒に視察ですかぁ?」
 呑気な声が四方から聞こえる。
「あ……はは。そうなのかな?」
「危ないっすから隊長のそこの後ろ髪、そうそうそれをしっかり握っててくださいね」
『アキト。ごめん。驚かしたみたいだね。オレ人の言葉離すの下手なんだよ。それに顔見て話すの怖くって、緊張しちゃうんだ』ぼそっとコバルトが独り言のように言う。
「なんだそうだったのか。いいよ。でも先に理由を言って欲しかったな」
 アキトが返事したことでコバルトが動揺したように揺れる。
「わわっ急に何?こわいよ!」
『ご……ごめん。アキトはオレの言葉がわかるの?』
「うん。わかるよ。って竜の言葉なのか?僕には普通に聞こえるんだ。やっぱり僕には竜の血が流れてるのかな?」
『きっとそうだよ。オレ一番年下だったんだ。だからアキトが弟みたいで嬉しいよ!オレアキトを大事に可愛がるよ!』

 僕は可愛がられるのか?……なんか複雑だけど?
 コバルトの話によると隊長格の4人は実は竜人らしい。
 コバルトが青龍。レッドが赤竜。ホワイトが白竜。アンバーが土竜だという。
 だから移動は皆実体化して竜になって空を移動してたんだって。そうだよな。こんな断崖絶壁。普通の移動手段は使えないよな。僕は近隣の竜を呼び寄せて乗りこなしてるんだと思ってた。でも本人達が竜だったんだ。
 それぞれの隊ごとに髪色の近い遠縁が多いのも竜の子孫達だからという。もちろん、それだけでなく同じ属性の魔法が使える獣人や人間もいる。だから竜になれない子は竜になれる子の背に乗って移動するんだって。

 すぐにそれを僕らに教えなかったのは過去の団長の中には竜の姿に怯えて王都から動かなくなった者がいたかららしい。
 だからまずはエドガーの人柄や資質を確かめてからと、慎重に吟味中だったらしい。

 でもコバルトは僕の能力と水の魔法は相性がいいからすぐにでも一緒に行動がしたいって思ったみたい。
『アキト、怖くないかい?』
「うん。風が気持ちいいよ。空がこんなに青いなんて!飛ぶってすごいね。景色が走りすぎていくよ!」
『フフフ。アキトは可愛いなあ』
 青空の下、青龍のうろこが陽に当たるとキラキラと輝いて綺麗だった。うろこは固いけど暖かくて生きてるんだって感じられる。本当に自分は竜の背にのっているんだ!と実感するとワクワクしてきた。

~~~~~~~~~

「そうですか。コバルト隊長とアキトが東の森へ……。わかりました。今日の予定はすべて変更させましょう」
 副団長のアランは腕を組みながらレッド隊もコバルトの後を追うように。それとホワイト隊はこの城に待機させるように指示を出した。
「済まねえな、無理を言って。俺はまだ就任したてで任務内容がまだわからねえ。」
「いいえ。エドガー様が気に病むことはないです。コバルトは戻り次第厳重注意に居たします」
 アランはまだエドガーを団長とは呼ばない。それに実際に公務に対してはエドガーよりも副団長のアランのほうが詳しい。
 未だに団長はアランか第一皇太子のユリアスを望んでる者もいるのだ。
「ありがとう。では俺はレッドと共に出る。留守を頼む。」
 エドガーはアランに一礼しレッドの後に続いた。


 レッドは燃えるような赤い竜だった。幸い、胸のホルダーに収めてある力の剣で俺は竜語が理解できる。飛びながらだがだいたいの内容は聞いておいた。
 今から行く東の森は元は魔物が多い場所だったらしい。しかし緑が減ると同時に周辺の町や村に頻繁に魔物が降りてくるようになったのだ。だが、魔物だけが悪いわけではない。住む場所がなくなったから降りてきただけとも言えるのだから。
 コバルトが望むように以前のような森に戻せるなら魔物も路頭に迷うことはないのだろう。

「しかし危険すぎる!コバルトの気持ちもわかるがもうちょっと作戦とか考えてくれないと、いきなりは酷いんじゃねえか?」
 アキトはまだこの世界にきてから王都以外は出歩いた事がない。魔物の種類もよくわかってないのに視察や遠征に行かすなんて。自分の手の届かないところで何かがあったら。もしもアキトを失うことになったら?そう思うだけで恐怖心が強くなる。

「過保護だと思われるかも知らねえが俺にとってアキトはすべてなんだ。団長になって頑張ろうって思うのもアキトの為に今以上にいい男になりたいからだ。アイツに何かあったら俺は自分がどうなるかわからねえ。そんなヤツなんだよ俺って男は!どうだ?情けねえだろ?もうこんな男は団長って呼べねえかな?」
 赤竜の背に乗りながらエドガーは自分の本音をぶちまけた。どうせ空の上だ。レッド以外は聞いちゃいないだろう。
 すると竜の背が小刻みに振動し足がとられそうになり踏ん張ると、自分を乗せた赤竜が笑ったのだと気づく。
 くくくっと大きな体で笑ったのだ。
「なんだよ~。笑うなよ。情けねえ団長には背中を預けたくなるような隊長や団員達が必要なんだ。これからこき使うぞ」
 エドガーは照れ隠しに憎まれ口をたたいた。

~~~~~~~~

 山を越え谷を抜け、しばらく行くと何もない大地が見えてきた。本当に何もないのだ。荒れた土ばかりで雑草すら生えてない。土の色もどす黒い。

「茶色じゃないんだ」
『気をつけて。瘴気を含んでいるかもしれない』
 なんだ?それは?瘴気だって?何故そんなものが??
 少し行くとドロドロとした沼がでてきた。こぽっとときどき何かが水面にでてくる。だがきっと身体に良くないものだよな。
『吸わないようにしてね』
 僕は慌てて口をおおった。
 少し離れた場所に着地し、様子を伺う。
 隊員達は手際よく周辺の土をサンプル容器にいれたりしている。

「ここももう生き物が棲める場所じゃないのかな。以前は可愛い魔物達がいたんだよ」と1人の隊員が話しかけてきた。
「悲しいね。どうにかできないのかな?」
 コバルトは僕の癒しの力が必要だと言っていた。ここんとこ毎晩魔力の交換をしてるせいか僕の中には力が溜まっている。恥ずかしいけど。でも、愛し合うって大事なことなんだからいいんだよ!そう。きっといいんだ!ってことで、この力を使って今なら何でもやれそうな気がする。
「コバルト。何かやりたいことがあるんだろ?僕手伝うから教えてよ」
 青龍から人型に変わったコバルトが嬉しそうに笑った。
「ありがとう。アキトならできる」
 コバルトはそういうと僕の手を握ってじっと見つめてきた。
 ひゃあ。案外まつ毛がながいじゃん!じゃなくて、なんかドキドしちゃうよ。
「水まく。アキト力を乗せて」
「え?力って癒しの?」
 
 コバルトは手を繋いだまま地面に向け腕を振った。ぶわっとシャワーのように水があふれ出る。それにあわせて僕は緑豊かな大地を思い巡らせて「土よ蘇れ」と目をつぶり祈った。
「おおお!」
 隊員達の声がして目を開けると水をまいたかと思われる箇所の色が徐々に明るく変わり、茶色になると緑の苔のようなものが生えてきた。
「やっぱり」
 コバルトが満足げにほほ笑む。
 え~っと?なにが「やっぱり」なんだ?人型になったコバルトは口数が少なすぎてわかんないや!
「コバルト。竜の言葉で良いから僕にわかるように話してよ!」
「あ……ぁごめ。人になってる。竜の言葉は無理」
 なるほど、人型になってるときは竜語は話せないのか。
「じゃあゆっくり話してよ」
「ぐ……。オレはこの森スキだった。枯れて朽ちていく嫌だった。ぁ……アキトなら……その森を元に……で……出来ると……お……オレ……オレ思って」
「そうなんだ。わかった。だったらもっと効率よくしようよ!上から降らせよう!」

 コバルトは青龍になってに舞い上がり雨雲を連れてきた。アキトは青龍の背に乗り先ほどと同じように祈りながら両手を上に伸ばした。伸ばした先からキラキラと光があふれ雨に乗り大地に降り注ぐ。
 周りの竜たちはその光り輝く雨を翼をはためかせ、より遠くへと飛ばした。
 みるみるうちにどす黒い土がなくなり茶色い地面が現れ、緑色へと変化していく。
「草だ!草が生えてきた!!おいっすげえぞ!!」
 隊員達が叫ぶ。先ほどまでの暗い景色ではない。苔だったものが草になり花が咲き乱れていた。
「やったよ!成功だ!よし!このままもう少し先まで行こう!」
 僕は最初に見た沼が気になっていた。あれはきっと池か湖だったに違いない。
 だけど……なんでこんなに変わってしまったんだろう?瘴気のせい?そもそも瘴気ってなんなんだよ?何か良くないものだってことしかわかんないけど。まるで湧いて出たみたいじゃないか?
 とにかく、緑を守るためには綺麗な水が必要だ。だからあの沼の瘴気を何とかしないとまた元のどろどろした景色に戻ってしまう気がする。
 沼の真上で雨を降らすが表面だけは透明な水へと変わるがすぐにそこからこぽこぽとヘドロのようなものが上がってくる。

 僕は青龍と共に沼の近くに降り、直接沼の瘴気をとる事にした。
「アキト。あまり近づくな。キケン」
「うん。わかってる。さあはじめよう」
 僕は少し離れたところから沼に向けて手をかざす。後ろから抱きかかえるようにコバルトが腕を回してきた。
 ううっ。この体勢はバックハグ?いや違うよな。しっかりしろ僕!
 コバルトが自分の力を僕へと流してくれる。それに合わせて僕は「瘴気よなくなれ」と祈った。
 バシュッ!!勢いよく水流が僕の手のひらから飛び出し沼へと放流される。
 どんどん沼の様子が変化してきた。ドロドロしたぬめりのようなものがなくなりはじめ水底が見えてくる。
「よかった。これでこの一帯は生まれ変われるはず」
 僕は嬉しくなって後ろから覗き込んできたコバルトに振り向いてほほ笑んだ。

「なあにやってんだ!!おまえらあ!!ああん?」
 ドスのきいた低い声が響いた。おや?エドガーの声に似ている?
「おら!離れろ!アキト!浮気なんかするな~!」
 あれれ?本当にエドガーだった。その後ろにはレッドがいる。あちゃあ。今の格好はどう見ても背後から抱きしめられてる恋人同士みたいだよね?ああダメだ。今夜はエドガーにめちゃめちゃにヤラレル?
 すぐさま、僕の背後からコバルトを引き離すとエドガーにむぎゅうっと抱きしめられた。
「ぐはっ!ぐるじいい」
「このやろう!心配して追いかけてきてみりゃ、なんだよこれは!」
「ごめんなひゃい~。エド。ちょ。はなじをぎいて……」

 そのとき、嫌な空気が流れた。突然ごぼごぼごぼぼぼぼっっと沼の表面が持ち上がり中からデカイ塊が出てきた。
「エドガーよけろ!!」レッドの声がした。
「アキト!」コバルトも駆け寄る。
 エドガーは咄嗟にアキトを抱いたまま横に転がった。
 アキト達が居た場所はジュウウッと音を立てて黒い煙が立つ。
 水の中から出てきた塊はどろどろのカエルのような魔物だった。この魔物が口から瘴気を吐いたのだった。

 こいつか?コイツがこの周辺を闇にしていたのか?沼の主なのか?

 だとしてもこのままではすまさない。退治してやる!
 魔物は目を左右ばらばらの動きをさせ僕らの動きを見ている。
 げ?これってカメレオンみたい?
 ぬた。ぬた。と濡れた音をたてて僕達に瘴気を吐き散らかしてながら近づいてきた。
 エドガーは僕の前に立ち剣を素早く動かし空中で瘴気を分散させた。
 瘴気は地面に落ちると草を枯らし始める。

 そんな!せっかく緑が復活したのに。なんてことをっ!コイツ!許せない!
 でもどうやって?
 その時僕は以前従者のバレットが言っていた光の矢の話を思い出した。
 そうだ、光の力を指先に集めで弓を持つように矢を放つ!的はヘドロガエルだ!
 やれるかどうかなんて考えてる暇はなかった。僕は神経を集中させ癒しの力を指先に集めた。
 あとは矢を放つだけ。「あたれっ!!」

 ぱしゅっ!アキトの手を離れた矢はまっすぐに魔物に向かいその半身を射抜いた。
 ぐぅおぁああおおお。異様な叫び声と共にパラパラと半身が消えてなくなってしまった。
「え?すごい……」
「アキト?」
「本当にあたった。やったぁ!」と僕は喜んでつい気を緩めてしまった。
 その隙をねらわれた。魔物は大きな口から粘着質な舌を伸ばし僕を絡め取った。
「食われる?!」と思った瞬間、エドガーがその舌を剣でたたっ斬ったのだ。
 同時にレッドの炎が魔物を焼包む。ドオンっと大きな音を立てて地面に魔物は倒れ込み地割れが起きた。
 
――――――その地割れの中に僕は落ちて行った。

「アキトぉおおおおおおお!!!」
 エドガーの悲痛な叫び声があたりに響く。


 
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