異世界行ったらボクは魔女!

ゆうきぼし/優輝星

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1章 僕は魔女?

休閑話 侍従のはなし

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 私はアキト様付きの侍従バレットでございます。今回は自己紹介をかねて私の日常をご案内しようかと存じます。
 ツッツファーレ同様に我が一族は王族に仕えし家系。幼いころから精神的にも肉体的にも主の身の回りと整え、お仕えするために育てられてきました。
 最初はお仕えする方が魔女だと聞いてどんな方なんだろうとすごく緊張しておりましたが、アキトさまはとてもお綺麗で、そして可愛いらしい方でございました。

 普段から気さくに話しかけてくださるしいつも笑顔で対応してくださいます。ほわほわした雰囲気で周囲を明るくして下さるムードメーカーなところもあられます。
 一度だけ王様に治癒をされてるところを垣間見させていただきましたが、癒しの力を使われる時の凛とした表情に心を奪われてしまいました。
 その時、この方は本物だと確信しました。凄いのです!治癒を流されるときに全身が神々しく輝かれるのです!
まさに神です!

 第三皇太子のエドガー様の婚儀にも驚きました。エドガー様のたっての願いで通常は一年かけて準備をするところを1か月で短縮され、周りからは魔女に惑わされたのかと要らぬ噂もたちましたが、観衆の前に現れたアキト様の清純無垢な天使のようなお姿に皆魅了されておりました。
 ぁあ。私はなんと尊い方の付き人になる事ができたのでしようか。
 この幸運に全身で感動しております。このバレット命をかけてアキトさまをお守りいたします!
 アキト様の笑顔!アキト様のお声。全てが素晴らしい!あぁ!推し可愛い!

 おおっと脱線してしまいました。

 慣れない王宮での日々に戸惑う事も多いでしょうに不平不満も仰られず、私共侍従にも感謝の言葉を。あの可愛らしい薄ピンク色の唇で華麗に微笑まれ……はっ!失礼いたしました。

 ごほんっ!!

 まず朝は目覚めのお茶を淹れる事が私の仕事です。残念ながらアキト様をお起こしするのは伴侶様方のお仕事です。しかし微睡まどろむアキト様もお可愛らしい。
 お茶を飲まれてる間に私はベットメイキングにうつります。内緒ですがこれが楽しみの一つでもあります。
 シーツの汚れかたでどの辺りで果てられたのか……時には床に形跡が残っておられたり、ベットまで待てずに愛されたのかとか……。
 ぁあ。いえ、決してやましい気持ちではありません!ありませんとも!
 翌日の体調をみるためです。
 激しい閨の後は疲労回復によいお食事や栄養のある飲み物をご用意いたしますし、昨晩のシ-ツの乱れが激しい時はさりげなくアキトさまが座る前にクッションを腰のあたりにご用意したり、マッサージのご用意などもさせていただきます。すべては仕事のためです!そうですとも!

 午前中は王様の治癒に行かれたりお庭の散策などで時間を潰されたあと、クロード様と共に昼食をとられます。たまにラドゥ様やコーネリアス様とも一緒にとられます。

 午後からはクロード様の魔法授業や王族の作法についてコーネリアス様に指導を受けられます。
 ときどき王様やユリウス様が覗きにこられてはコーネリアス様に邪魔だと追い払われ微笑ましいです。

 晩餐にはエドガー様もいらっしやいます。お二人の伴侶様と一緒の時間が一番楽しそうで見ている私も幸せな気分になります。あぁ推し可愛い。

 お仕えしてわかったのですが、クロード様はとても穏やかなように見えますが、アキト様以外の事にはかなり冷徹な発言や表情をされる事があります。でもこれは守るべきものがあるからだと私は感じております。
 エドガー様もどんなにお忙しくても余程のことがない限り夜にはお戻りになられアキト様と晩餐をご一緒されます。王族らしい精悍な顔立ちなのに砕けた口調で気安く私達とも会話されます。

 お二人は見た目は全く正反対の静と動なのですが、アキト様を前にした時の表情や見つめる熱い瞳は一緒でございます。お二人がどれだけアキト様を愛しく思われてるのかが垣間見れます。

 アキト様の敵は私の敵。アキト様の喜びは私の喜びでございます。
 今後も一層侍従として仕え続けれるよう精進してまいります!
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