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1章 僕は魔女?
25.治癒
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「だからどうしてだめなんだよ!」
「だめだ! 狙われるっ」
まったく意味が分からないっ! エドガーもクロードも僕を部屋から出したがらないんだ。
なんでも今の僕は魅力的すぎるなんて恥ずかしいことを言い出しはじめた。
王様の石化の治癒に毎日向かうと約束したんだ。僕にはまだ治癒しかできないのにっ。
「その……つまりだな、アキトは抱かれると魅了が増すみたいなんだよ」
「……へ? 何それ? 」
「魔力が高まるせいもあるのでしょう。抱かれた後は、なんというか妖しい美しさが際立ってしまい、傍に居る者はおそらくアキトに惹き付けられてしまうでしょう」
「な……何を言って……」
「本当だぞ。ほら、あれだ。フェロモンってぇのかな。甘い濃厚な香りがするぜ」
なんですと~? じゃあ僕は愛し合って体を交わすと変化するってこと?
確かに魔力は増加してるのか力が湧いてくるとは感じてるよ。力も安定してきてるみたいだ。その成果あの中途半端な予知夢を見なくなった。でも自分が美しいとか香るとか? 信じられないよ。
それとも魔女のハートを吸収したせい?濃厚な香りって催淫作用があるってこと?ヤバい。
「でも僕は王様を助けたいんだ。治癒にいけないのは約束を破る事になる。そういうのは嫌なんだ」
「では魔法を覚えるのと同時に魅了を抑える練習もしていきましょう」
「とりあえず今日は俺が親父んとこに連れて行くよ」
「ならばわたしもお供しましょう」
結局3人で王の間に行くことになった。まぁ、正直に言えば昨日の今日でどういう顔で王様に会えばいいのかちょっと迷っていたから二人が傍にいてくれたほうが心強い。
~~~~~~~
王様はベッドの上で起き上がって本を読んでいた。
「アキト。。。来てくれたのか」
ちょっとはにかんだように笑ってくれた。僕この人とキスしちゃったんだよね。
笑顔がエドガーに似てる。無意識に口元を見て頬が赤くなる。
ちなみに今日は前もって連絡をつけていたので門番に止められることはなかった。
警護の方も大変だなあ。
「おかげんはいかがですか?」
「君の顔が見れたせいか調子はいいようだ」
「親父っ! アキトを口説くな!」
くお~!褐色の肌に金髪のおくれ毛がエロっぽい。なんだこの美丈夫め! おちつけ僕!今日は治療をしに来たんだ!口説かれに来たんじゃない。深呼吸だ。すーはー。すーはー。
「では、治癒をはじめます。足をさわらせてください」
よし! やるぞ。僕は両手で王様の太ももを挟み込むようにして少しずつ治癒をかけていく。
やはり内部はまだ完全に石化していない。このまま内側から呪いを解除できればいいな。
「暖かい。アキトの気は暖かくてとても心地がいいのだな」
王は目を細めて気持ちよさそうにしてくれていた。もう少し治癒を増やそう。もう少し……。
「アキト! そこまでです! 」
「へ?……な……に? 」
クロードに手を掴まれて初めて自分が汗びっしょりになっていることに気づいた。
「無理をしすぎてはなりません。これではアキトが倒れてしまいます」
確かに少しめまいもする。集中しすぎたようだ。
「アキトっ。大丈夫なのか?! 」エドガーが心配げにこちらを見る。
だが効果はあったようで王の足の付け根まで石化していたのが少し柔らかくなってる気がした。
「ありがとう。アキトに触れられると身体中が暖かくなる。血が通いだすという感じかな?頭痛もなくなった。でも無理はしないでおくれ」
「はい。つい集中しすぎました。ご心配おかけして申し訳ありません」
王様は満面の笑みでかえしてくれた。ううっ!眩しいっ。美丈夫で大人の色気満点なこの方の笑顔は心臓に悪いっ!ドキドキするよ。
「アキトは会うたびに美しくなっていくな。特にこの香りはすでに枯れたはずの老いぼれの身体にも興奮の兆しが現れるほどだ。危ういな。エド。婚礼は早めた方がいいだろう」
「おやじ……父上! 俺とアキトに正式に伴侶契約を結ばせてくれ!」
「だからそう言っておるじゃろうが! 王族と伴侶になったほうが下手に手が出しにくいはずだ」
え? まだ僕心の準備が……。僕はエドガーが好きだとまだ自覚したばかりでこれが愛なのかもわかってないんだ。それに先にクロードと伴侶契約を結んでしまっているし王族って儀式が大変そうだ。
隣にいるクロードが無言なのが気になる。
「あの……王様。僕はすでにクロードと伴侶契約をしているのです」
クロードが瞠目した。僕が言い出すとは思ってなかったようだ。
「ではエドガーは第一順位ではないのか? 」
「はい。僕の第一伴侶はクロードです。」
「王様……わたしは……」
「いや、いい。クロード・レオ・パルドス。この際、お前も儀式にのっとって王族式の署名をするのはどうだ?」
僕とクロードは契約魔法だけで簡易にすましたが、本来ならばお披露目式を行い、伴侶契約書に署名をし国に申請をだすものらしい。
「三人同時にすれば順位もわからぬ。いらぬ噂をたてられぬためにもそれが一番の案だ」
クロードはしばらく迷ったが「王命じゃぞ?」と悪戯っぽく王様がウインクをしてきた。
「はっ!謹んでお受けいたします」
今度こそクロードは背筋を伸ばし王様に敬礼をした。
――――――それから1週間後
僕とエドガーとクロードの婚約が公示された。
突然の第三皇太子の帰国に魔女の出現。更にドラゴン騎士団の継承。続いて婚約と急すぎる展開に臣下からの進言、反論は多かった。中には魔女にたぶらかされているからだと叫ぶ者もいた。
だが王がすべてを抑え込んだのだ。
「私の発言に逆らうものはそれ相当の覚悟が出来てるのだろうな?」
王はアキトの連日の治癒のおかげで片足を引きずりながらも自分で歩けるまでになっていた。
自らの身体を臣下の目の前にさらけだしこう告げた。
「突然のことで驚く皆の気持ちもわかる。しかし私を見ろ。アキトの治癒の力でココまで回復したがそれも奇跡としか言えないだろう。これ以上は私も望んでいない。この先そう長くはないだろう。息子たちの伴侶と婚儀をわたしに見せてくれないだろうか?この老いぼれの願いを叶えてくれないだろうか?」
王の言葉に誰が反論できただろう。かくして3人の婚儀が決定した。
「だめだ! 狙われるっ」
まったく意味が分からないっ! エドガーもクロードも僕を部屋から出したがらないんだ。
なんでも今の僕は魅力的すぎるなんて恥ずかしいことを言い出しはじめた。
王様の石化の治癒に毎日向かうと約束したんだ。僕にはまだ治癒しかできないのにっ。
「その……つまりだな、アキトは抱かれると魅了が増すみたいなんだよ」
「……へ? 何それ? 」
「魔力が高まるせいもあるのでしょう。抱かれた後は、なんというか妖しい美しさが際立ってしまい、傍に居る者はおそらくアキトに惹き付けられてしまうでしょう」
「な……何を言って……」
「本当だぞ。ほら、あれだ。フェロモンってぇのかな。甘い濃厚な香りがするぜ」
なんですと~? じゃあ僕は愛し合って体を交わすと変化するってこと?
確かに魔力は増加してるのか力が湧いてくるとは感じてるよ。力も安定してきてるみたいだ。その成果あの中途半端な予知夢を見なくなった。でも自分が美しいとか香るとか? 信じられないよ。
それとも魔女のハートを吸収したせい?濃厚な香りって催淫作用があるってこと?ヤバい。
「でも僕は王様を助けたいんだ。治癒にいけないのは約束を破る事になる。そういうのは嫌なんだ」
「では魔法を覚えるのと同時に魅了を抑える練習もしていきましょう」
「とりあえず今日は俺が親父んとこに連れて行くよ」
「ならばわたしもお供しましょう」
結局3人で王の間に行くことになった。まぁ、正直に言えば昨日の今日でどういう顔で王様に会えばいいのかちょっと迷っていたから二人が傍にいてくれたほうが心強い。
~~~~~~~
王様はベッドの上で起き上がって本を読んでいた。
「アキト。。。来てくれたのか」
ちょっとはにかんだように笑ってくれた。僕この人とキスしちゃったんだよね。
笑顔がエドガーに似てる。無意識に口元を見て頬が赤くなる。
ちなみに今日は前もって連絡をつけていたので門番に止められることはなかった。
警護の方も大変だなあ。
「おかげんはいかがですか?」
「君の顔が見れたせいか調子はいいようだ」
「親父っ! アキトを口説くな!」
くお~!褐色の肌に金髪のおくれ毛がエロっぽい。なんだこの美丈夫め! おちつけ僕!今日は治療をしに来たんだ!口説かれに来たんじゃない。深呼吸だ。すーはー。すーはー。
「では、治癒をはじめます。足をさわらせてください」
よし! やるぞ。僕は両手で王様の太ももを挟み込むようにして少しずつ治癒をかけていく。
やはり内部はまだ完全に石化していない。このまま内側から呪いを解除できればいいな。
「暖かい。アキトの気は暖かくてとても心地がいいのだな」
王は目を細めて気持ちよさそうにしてくれていた。もう少し治癒を増やそう。もう少し……。
「アキト! そこまでです! 」
「へ?……な……に? 」
クロードに手を掴まれて初めて自分が汗びっしょりになっていることに気づいた。
「無理をしすぎてはなりません。これではアキトが倒れてしまいます」
確かに少しめまいもする。集中しすぎたようだ。
「アキトっ。大丈夫なのか?! 」エドガーが心配げにこちらを見る。
だが効果はあったようで王の足の付け根まで石化していたのが少し柔らかくなってる気がした。
「ありがとう。アキトに触れられると身体中が暖かくなる。血が通いだすという感じかな?頭痛もなくなった。でも無理はしないでおくれ」
「はい。つい集中しすぎました。ご心配おかけして申し訳ありません」
王様は満面の笑みでかえしてくれた。ううっ!眩しいっ。美丈夫で大人の色気満点なこの方の笑顔は心臓に悪いっ!ドキドキするよ。
「アキトは会うたびに美しくなっていくな。特にこの香りはすでに枯れたはずの老いぼれの身体にも興奮の兆しが現れるほどだ。危ういな。エド。婚礼は早めた方がいいだろう」
「おやじ……父上! 俺とアキトに正式に伴侶契約を結ばせてくれ!」
「だからそう言っておるじゃろうが! 王族と伴侶になったほうが下手に手が出しにくいはずだ」
え? まだ僕心の準備が……。僕はエドガーが好きだとまだ自覚したばかりでこれが愛なのかもわかってないんだ。それに先にクロードと伴侶契約を結んでしまっているし王族って儀式が大変そうだ。
隣にいるクロードが無言なのが気になる。
「あの……王様。僕はすでにクロードと伴侶契約をしているのです」
クロードが瞠目した。僕が言い出すとは思ってなかったようだ。
「ではエドガーは第一順位ではないのか? 」
「はい。僕の第一伴侶はクロードです。」
「王様……わたしは……」
「いや、いい。クロード・レオ・パルドス。この際、お前も儀式にのっとって王族式の署名をするのはどうだ?」
僕とクロードは契約魔法だけで簡易にすましたが、本来ならばお披露目式を行い、伴侶契約書に署名をし国に申請をだすものらしい。
「三人同時にすれば順位もわからぬ。いらぬ噂をたてられぬためにもそれが一番の案だ」
クロードはしばらく迷ったが「王命じゃぞ?」と悪戯っぽく王様がウインクをしてきた。
「はっ!謹んでお受けいたします」
今度こそクロードは背筋を伸ばし王様に敬礼をした。
――――――それから1週間後
僕とエドガーとクロードの婚約が公示された。
突然の第三皇太子の帰国に魔女の出現。更にドラゴン騎士団の継承。続いて婚約と急すぎる展開に臣下からの進言、反論は多かった。中には魔女にたぶらかされているからだと叫ぶ者もいた。
だが王がすべてを抑え込んだのだ。
「私の発言に逆らうものはそれ相当の覚悟が出来てるのだろうな?」
王はアキトの連日の治癒のおかげで片足を引きずりながらも自分で歩けるまでになっていた。
自らの身体を臣下の目の前にさらけだしこう告げた。
「突然のことで驚く皆の気持ちもわかる。しかし私を見ろ。アキトの治癒の力でココまで回復したがそれも奇跡としか言えないだろう。これ以上は私も望んでいない。この先そう長くはないだろう。息子たちの伴侶と婚儀をわたしに見せてくれないだろうか?この老いぼれの願いを叶えてくれないだろうか?」
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