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1章 僕は魔女?
18.嵐の前の静けさ
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霧の中で誰かと手をつないで歩いていた。
『これからお前の人生が変わるよ。どうするか決めたのかい?』
「まだわからないよ。でも自分に嘘はつきたくないんだ」
『お前は本当に真面目だねえ。もうちょっと楽に生きてもいいんだよ』
「いい加減なことはできない。」
『そういう堅物なところは気に入ってるさ。そのくせ私の血を色濃く受け継いで淫蕩なんだから』
「淫蕩って?! 」
『仕方ないさ。魔女なんだから。特に月夜の晩はね』
月って空に浮かぶ月だよな? 満月か? 今のは誰?
~~~~~~~~
目が覚めるとクロードの金の瞳が見つめていた。夢の続きかな?
「綺麗だ。月みたい」
「おはようございます」
「へっ? 」
あれ? 夢じゃないや!
「わわわっ。僕寝ぼけて」
「ふふ。ええ。とても可愛いらしかったですよ。寝ぼけた顔も愛らしい」
ひやークロードったら朝から赤面させるようなこと言わないで!
「起きたのか? 腹へってるだろ? メシにしようぜ」
声の主にギョッとした。半裸のままのエドガーが隣にいてる。途端に昨日の痴態が脳裏に蘇る! そうだ僕ったら2人と。。。
「恥ずかしいっ」
慌てて両手で顔を隠す。どんな顔して2人に会えばいいのかわかんないや!
「何やってんだよ。今更じやねえか? 顔隠すなよ。昨日もっと凄いとこまで俺たち見ちまったんだぜ」
「ひやーーっ! 」
「エドガー。もう少し言い方に気をつけろ。大丈夫です。アキトはどこも全部素敵でしたよ」
「はわわ」
2人ともフォローになってないよ。記憶がところどころとんでてあんまり覚えてないけどきっと凄い事したんだろうな。
「昨日のアキトはとても情熱的でしたよ。求めてくれるのが嬉しくってつい激しくしてしまいましたが身体の調子はいかがですか? 」
「だ。。大丈夫。。です」
どれだけの事を僕はしてしまったんだろう? 恥ずかしすぎて聞けない。いや、聞かされたらぶっ倒れるかもしれない。
「さあ。アキト、昼飯用意してあるから食おうぜ」
「え?! もう昼なの? 」 僕はあわてて飛び起きた。
「そうですね。お昼過ぎになります」
「ご。。ごめんなさい。今日は王さまに会うはずなのに」
「大丈夫だぜ。アキトが起きたらすぐ会わせるってことにしたから。旅の疲れが出たってことにしてあるぜ」
なんてこと! エッチしすぎて寝坊したなんて! ダメだ。しっかりしなくちや!
「わかった。食べよう! あれ? 」
腰が! 腰から下に力が入らない! 僕どれだけヤッたんだろ?!
「アキト。私が連れて行きましょう」
クロードに抱きかかえられてテーブルまで連れていかれる。昨日夕飯を食べた場所だ。エドガーが目の前で凄い勢いで食事をし始めた。
ひょっとして僕が起きるまで食べずに待っててくれたのかな?
「ごめんよ。エドガー。僕が起きるまで食べずに我慢してたんだね? 」
「いや。そのまあ……なんだ。俺、筋肉量が多いせいかよく食べるんだよ。気にしないでくれよな」
クロードはいつもと変わらない。目が合うとほほ笑んでくれた。クロードって本当に優しいなあ。彼が怒る事なんかあるんだろうか?
「アキト食べたら着替えましょう。エドガーが用意してくれた礼服があります。一緒に着替えましょうね」
そうだった。僕ちゃんとした正装なんてしたことがないや。緊張してきた。とにかく早く腹ごしらえして動かないと。急いで食べたから味もなんだかわからない。
エドガーが用意してくれた礼服はフリルがいっぱいついたシャツに黒のズボン。腰に巻く金のシルクのサッシュベルト。金の縁取りのついたコート。
わ~お。これってビクトリア朝のゴシック衣装ではないの?
昨日、エドガーのお兄さんたちや側近の方々の服装はみていて映画みたいだとは思っていたが僕もこれを着るのか? ハロウィンコスチュームじゃないよね?
「これってさ、コスプレなんじゃ……」
振り返って先に着替えていたクロードに見惚れた。僕のとは違う~っ。魔法使いみたい!! クロードは濃いムラサキのローブを羽織っていた。中は白のシャツに黒のタイトなズボンに黒のブーツを履いてる。カッコいい!
「クロ魔法使いみたい! 」
クロードは少し苦笑しながら、僕の着替えを手伝ってくれた。
「アキトは何を着ても似合いますね」
そんな風にお世辞をいってくれるのはクロードだけだよ。
「アキト! 可愛いぜ。あ~外に出したくない。可愛すぎて他の奴らに見せたくないっ」
ここにもまだ一人おりました。
「エドガーこそ。凄いね全身金刺繍じゃん。近衛騎士みたい。マントがカッコイイや! 」
「俺ゃ騎士だからな。ん~この服装久しぶりすぎて肩こりそうなんだがな。お前がカッコイイと思ってくれるなら着た甲斐があるぜ」
「ふふふ。なんか僕らってお互いを褒めまくってるね」
はたから見たらイタイ奴らなんだろうか? でも二人とも格好いんだからしかたない。
「行く前に昨日までの僕の考察を聞いてくれないか」
新しい情報が入る前に二人に聞いてもらいたかった。この睡眠をとるたびに前日までの出来事がまとめて頭に浮かび上がるのと少しだけ先が見えるのはやはり能力のひとつなのかもしれない。
まず毒を盛られていた可能性が高い第二皇太子のラドゥだが僕の治癒魔法だけですぐに回復したところをみるとそんなに強い毒ではない。つまり犯人はラドゥを本気で殺す気はなかったということではないのか。
第一皇太子のユリウスに関しても嘘を言ってる様子には見られない。俺様気質だが宰相のコーネリアスのいう事にも耳を傾ける。他人の意見も聞き入れる心の広さも持っている。
第二皇太子自体は天然の美人さん。見た目はほんわかだが、発言の中にキレがある。自分の才能を隠している気がする。ユリウスをたてるためか?そしてその側近のオスマンは何かを隠してる気がする。
そして僕が見た直近の予知夢というのがこのオスマンに腕を引っ張られてどこかに連れていかれるというものだった。
ここまでを一気に話して僕は二人の反応を見た。予知夢については心配させたくなくって言えなかった。僕があいつと二人っきりにならなけれがいいことだしね。
「私も毒については同じ意見です。よほど毒の耐性に強い体質でなければもっと弱まってられたかと。しかしアキトの魔力が高まってるのは確かですので治癒力が向上したせいかもしれません」
クロードそうなのか? 僕は魔力のおかげで魔法が使えるようになってきてるんだね? なんだか嬉しいな。
「兄貴達については俺は疑っちゃいねえ。ただ取り巻き達が多いのは事実だからそのあたりを調べたい」
頼れる弟って感じだね。さすがはエドガー。
「うん。そうだね。……あと、これは推測なんだけど」
「どうした?なんでも言ってみろよ。」
「そうですよ。参考にしてみましょう」
ありがとう二人とも。僕は昨日からラドゥさんに言われた一言がひっかかってたんだ。
『だって今夜はハロウィンナイトだからさ』
彼は何故そう言ったんだろうか? 魔力が集まる日だからか?
「あのさ、昨夜ここに多量の植物があったのってエドガー狙いだったと僕たちは考えてたじゃない? でも後継者を除外していくだけなら何も媚薬や幻覚効果のあるものなど必要なかったんじやないかなと思ってたんだ。だから後継者争いと昨日のは別なんじゃないかと」
クロードの顔が引き攣った。
「クロ? どうしたの? 」
「私たちは何か思い間違いをしていたのかもしれない」
「というと? 」
「まさか……狙われたのはアキトだったのでは? 」
「なんだと!!! 」
~~~~~~~
エドガーの部屋を出て謁見の間に向かう。途中、廊下や壁にあるリリーフに同じデザインが使われていることに気づいた。昨日はよほど緊張していたのだろう。見落としていたのだ。
「……凄い。昨日は白い壁だと思ってたのに。ドラゴンなんだね? 」
「おう。親父がドラゴン騎士団だって前に言ったろ? この城は別名ドラゴンキャッスルって呼ばれてるんだ。ところどころ竜をかたどったレリーフが隠し彫りされてるんだ」
「へえ。凝ってるんですね。」
クロードが柱に手を当てていた。光の加減で竜が見える。台座はしっかりと形のわかる彫りだが、そこから延びる柱には隠し彫りがされていて光があたると竜の身体が影として現れる。下から上へと竜の身体が伸びている彫りだった。
―――――あれ? これって……。
「お待ちしておりました! 」
良く通る声にはっとするとコーネリアスが目の前に立って僕らを出迎えていた。
「なんだ? 宰相であるお前が直々に出迎えなんて」
エドガーが皮肉めいた事を言うと
「そのほうが仰々しくて登場シーンとしてはいい演出でしょ? 」
片目をつぶりながら茶目っ気ぽく笑う。コーネリアスさんってこんな表情もするんだ。
「私は昨日からあなた方には好感を持ってるんですよ。この王宮に良い風を舞い込んできてくれる。そう感じました。だから私は貴方がた三人の味方になります。」
「味方ですか? それは心強いなあ」くすくすと僕は笑ってしまった。
「今日は重臣たちも呼んでいます。その方が今の現状を図りやすいかと思ったからです」
「ふむ。重臣ですか? では双方の取り巻きの方々もいるという事ですね? 」
クロードが顎に手を当てて考え込む。僕はふむって考えこむ時の彼の口癖が好きだ。
「アキトなにニヤけてんだよ。ここから気を引き締めて行かねえと狸親父たちにのみ込まれちまうぞ」
おおっとそうだった。あぶない。
移動中に簡単に昨夜会ったことをコーネリアスに報告すると彼はかなり驚いていた。これまで誰もエドガーの部屋を触ってなかったはずだとのこと。という事は運び込まれたのは昨日もしくは一昨日辺りということだろう。
「それとエドガー様。ここは王宮でございます。言葉遣いを直されなさいませ。今のところ継承順位でも貴方は下位です。その話し方は他の家臣達にも示しがつきませんし警戒もかねてください」
「わかってるよ。中に入ったらちゃんとする」
よし! 僕たちは扉の前で一呼吸し、合図とともに中に入った。
宰相であるコーネリアスに招かれるように彼の後に続いて入場した。一瞬水を打ったようにシンっと広間は静まり返った。効果は大だったようだ。宰相って偉いんだね。
謁見の間と言われる広間には十数人の重臣とその配下と思われる人物がいた。
今日は第一皇太子のユリウスは台座に向かって右手に第二皇太子のラドゥは左手に立っている。
おそらくはその方向に従って取り巻き達は配置してるのだろう。では右手側がユリウス派。左側がラドゥ派といったところか?
「第三皇太子エドガー様のご帰還でございます! 」
コーネリアスの声が広間に響くとワっと歓声と拍手が広がった。
「おかえりなさいませ」
「よくぞご無事で」などなどの声があちこちで聞こえる。本心なのかどうかは別として。
「エドガー・ヴラド・ポーツラフ。ただいま帰還いたしました。父上様。兄上様。皆様方にはご心配をおかけし恐縮しております。謹んでご挨拶させていただきます」
一歩後ろに下がっていた僕たちもマネして広間の方々に挨拶をする。
「僕は内村アキトです」
「私はクロードです」
なんだか僕らがあいさつをすると同時にざわざわと周辺がどよめいた。なんだ一体?
「よくぞ戻った。さあ、父上に挨拶をするのだ」
「エドガー。こちらに。」
周辺の声を一掃するようにユリウスとラドゥがエドガーを台座に上がるように勧める。
台座の奥に王の椅子が置かれており、その前には長い薄い布がカーテンのように垂れ下がっていた。
足元まで垂れ下がった布のせいで王の姿はぼんやりと輪郭しか見えていない。
「エドガーか? そのまま中に入れ」
低いバリトンの声が聞こえた。なんだかとても懐かしい声だ。以前聞いたことがあるような。誰かの声と似てるのかな? エドガーがその中にはいりしばらくして僕たちに声がかかった。
「さあ、アキト。クロードもこっちに来るように。父上に挨拶をしていただく」
エドガーったらいつもと違ってちゃんと敬語を使えてるじゃん。
クロードと一緒にカーテンの中へと入っていくとそこは思ったより広い空間だった。
王座には褐色の肌の黄金の長髪の美丈夫がいた。ユリウスが年をとったらこんな感じなんだろうなあ。本当にそっくりだ。
ラフなガウンを羽織っただけの格好だったが威厳が感じられる。ただその右足は石膏でかたどられたように真っ白に石と化していた。この姿を他に見られない様にするためにカーテンが下ろされていたのだろう。
「ドラクル・ヴラド・ポーツラフだ」
「はじめまして。僕は内村アキトと言います」
「私めはクロード・レオ・パルドスと申します」
「レオ・パルドス? 久しぶりだなその名を聞くのは……よく戻った」
「はい。無事に戻りました」
「そうか。多くは聞くまい。それより今はアキトに会いたい」
「僕ですか? 」
「父上……その。無体なことはしないでくださいね」
エドガーが心配げに言う。なに? なんか悪いことしたかな僕?
「わかっておる。息子の心を射止めた者の顔がみたいだけだ。さあ近くまで参れ」
「は……はい! では僕も王様の足の様子を診させていただいてもいいですか? 」
「あぁ、よいぞ。触ってみるか? 」
僕はためらいがちに近づくと一礼し、右足に手を這わせた。
王様がピクリと身体を動かした。
「……不思議だ。石になった足は今まで誰が触っても感じる事はなかったのに」
「今はどうですか? 」
訪ねながら僕はふくらはぎから太腿、足の付け根まで手を這わせてみた。触った感じは彫像のようだ。だが内部はまだ血が通ってる部分は残ってるみたいだ。完全に石化はしていない。
顔をあげると王様と目が合う。スカイブルースカイってこういう色を言うんだろうな。
綺麗な青い瞳が熱く僕を見ている。なんだか顔が熱くなってきた。
「美しい。綺麗な黒い瞳だ。それに懐かしい。……以前にお前に会ったことがある気がする」
「……ええ。懐かしい気がします。僕も。とても昔に……お会いしたような」
王様が手を伸ばして僕の手を握った。胸元まで引き寄せられる。
「……お前の本当の名前は? 」
「僕の本当の名前? 僕は……」
「……マ……リ……ア? 」
「っ!!!! 」
僕の頭の奥で何かがはじけた! この声! この声でマリアと呼ばれたことがある!
それはいつ? 僕はそのとき……なんという名前だった?
『【くちづけしなければ】』
誰と? 誰が? なんのために?
「アキト!! 」
「親父っ! てめえ! 」
クロードが僕を、エドガーが王様を抑え込んで引き離した。
「ったく! いくらアキトが魅力的だからって息子の相手を横取りは許せねえ」
エドガーが憤慨してる横で僕はクロードに濃厚なキスを受けていた。
「ぷはっ……はぁ」急な激しい口づけで息が整わない。
「アキト? 戻ってこれましたか? 意識を飛ばしてましたっ」
「……エドガーか? あぁ。すまない。つい懐かしくって」
「何とち狂ったこと言ってやがるっ! 親父しっかりしろよ! ボケてるんじゃねえだろうな! アキトは綺麗すぎる。無意識に親父に魅了を使ったかもしれねえ。だがな。俺はアキトが魔女になる前から好きだったんだ。俺はこいつとパートナー契約を結ぶからなっ」
「魔女? アキトは魔女なのか? 」
「……親父。何でも屋のツッツファーレからの報告書は読んでねえのか? 」
「最近は床にふさぎがちだったのでな。報告書は配下の者に任せきりだった」
クロードの尻尾が僕の腰に絡みついている。心配かけてしまったようだ。
「クロ。大丈夫だよ。ごめんね。何が起こったかは後で聞いてくれる? 」
「わかりました。でももう私の傍からは離しません」しっかりと腰を抱かれた。
「そうか。彼は魔女なのか。では皆に狙われるだろう。早く伴侶契約を結んでやりなさい」
「そうなんだ。アキトは美人過ぎるんだ」
「いやそれだけではない。魔女と交われば魔力が増大されるので狙われるのだよ」
「なんだってぇ?! 」
「エドガー。お前魔女について知識がなさすぎるぞ。王族ならだれでも知ってることだが」
王様。今の爆弾発言って僕も初耳なんですけど。じゃあやっぱり昨日狙われたのは……。
「……エドガー様お前アキトがココに来ることをどれだけ広めたんでしょうか? 」
クロードの目が座ってる。敬語が変になってるよ。どうした?
「え? いやその。フォキシーのやろうに出来るだけ広めろと言っちまった」
「魔女だと言ったんだな? 」
「……そうだ。そのほうが俺と一緒に居れると思ったんだ」
理解したよ。要するに希少価値の高い魔女が突然現れてエッチしたら魔力が増大するって?
そりゃあ悪い事企んでる者には良いカモだよな。
どんな魔法がこの世界にあるのかもまだ知らないが、攻撃力の高い闇魔法もバンバン使えるようになるかもしれないって事なんだよね? ははは……。僕は僕の貞操を守れるだろうか……。
『これからお前の人生が変わるよ。どうするか決めたのかい?』
「まだわからないよ。でも自分に嘘はつきたくないんだ」
『お前は本当に真面目だねえ。もうちょっと楽に生きてもいいんだよ』
「いい加減なことはできない。」
『そういう堅物なところは気に入ってるさ。そのくせ私の血を色濃く受け継いで淫蕩なんだから』
「淫蕩って?! 」
『仕方ないさ。魔女なんだから。特に月夜の晩はね』
月って空に浮かぶ月だよな? 満月か? 今のは誰?
~~~~~~~~
目が覚めるとクロードの金の瞳が見つめていた。夢の続きかな?
「綺麗だ。月みたい」
「おはようございます」
「へっ? 」
あれ? 夢じゃないや!
「わわわっ。僕寝ぼけて」
「ふふ。ええ。とても可愛いらしかったですよ。寝ぼけた顔も愛らしい」
ひやークロードったら朝から赤面させるようなこと言わないで!
「起きたのか? 腹へってるだろ? メシにしようぜ」
声の主にギョッとした。半裸のままのエドガーが隣にいてる。途端に昨日の痴態が脳裏に蘇る! そうだ僕ったら2人と。。。
「恥ずかしいっ」
慌てて両手で顔を隠す。どんな顔して2人に会えばいいのかわかんないや!
「何やってんだよ。今更じやねえか? 顔隠すなよ。昨日もっと凄いとこまで俺たち見ちまったんだぜ」
「ひやーーっ! 」
「エドガー。もう少し言い方に気をつけろ。大丈夫です。アキトはどこも全部素敵でしたよ」
「はわわ」
2人ともフォローになってないよ。記憶がところどころとんでてあんまり覚えてないけどきっと凄い事したんだろうな。
「昨日のアキトはとても情熱的でしたよ。求めてくれるのが嬉しくってつい激しくしてしまいましたが身体の調子はいかがですか? 」
「だ。。大丈夫。。です」
どれだけの事を僕はしてしまったんだろう? 恥ずかしすぎて聞けない。いや、聞かされたらぶっ倒れるかもしれない。
「さあ。アキト、昼飯用意してあるから食おうぜ」
「え?! もう昼なの? 」 僕はあわてて飛び起きた。
「そうですね。お昼過ぎになります」
「ご。。ごめんなさい。今日は王さまに会うはずなのに」
「大丈夫だぜ。アキトが起きたらすぐ会わせるってことにしたから。旅の疲れが出たってことにしてあるぜ」
なんてこと! エッチしすぎて寝坊したなんて! ダメだ。しっかりしなくちや!
「わかった。食べよう! あれ? 」
腰が! 腰から下に力が入らない! 僕どれだけヤッたんだろ?!
「アキト。私が連れて行きましょう」
クロードに抱きかかえられてテーブルまで連れていかれる。昨日夕飯を食べた場所だ。エドガーが目の前で凄い勢いで食事をし始めた。
ひょっとして僕が起きるまで食べずに待っててくれたのかな?
「ごめんよ。エドガー。僕が起きるまで食べずに我慢してたんだね? 」
「いや。そのまあ……なんだ。俺、筋肉量が多いせいかよく食べるんだよ。気にしないでくれよな」
クロードはいつもと変わらない。目が合うとほほ笑んでくれた。クロードって本当に優しいなあ。彼が怒る事なんかあるんだろうか?
「アキト食べたら着替えましょう。エドガーが用意してくれた礼服があります。一緒に着替えましょうね」
そうだった。僕ちゃんとした正装なんてしたことがないや。緊張してきた。とにかく早く腹ごしらえして動かないと。急いで食べたから味もなんだかわからない。
エドガーが用意してくれた礼服はフリルがいっぱいついたシャツに黒のズボン。腰に巻く金のシルクのサッシュベルト。金の縁取りのついたコート。
わ~お。これってビクトリア朝のゴシック衣装ではないの?
昨日、エドガーのお兄さんたちや側近の方々の服装はみていて映画みたいだとは思っていたが僕もこれを着るのか? ハロウィンコスチュームじゃないよね?
「これってさ、コスプレなんじゃ……」
振り返って先に着替えていたクロードに見惚れた。僕のとは違う~っ。魔法使いみたい!! クロードは濃いムラサキのローブを羽織っていた。中は白のシャツに黒のタイトなズボンに黒のブーツを履いてる。カッコいい!
「クロ魔法使いみたい! 」
クロードは少し苦笑しながら、僕の着替えを手伝ってくれた。
「アキトは何を着ても似合いますね」
そんな風にお世辞をいってくれるのはクロードだけだよ。
「アキト! 可愛いぜ。あ~外に出したくない。可愛すぎて他の奴らに見せたくないっ」
ここにもまだ一人おりました。
「エドガーこそ。凄いね全身金刺繍じゃん。近衛騎士みたい。マントがカッコイイや! 」
「俺ゃ騎士だからな。ん~この服装久しぶりすぎて肩こりそうなんだがな。お前がカッコイイと思ってくれるなら着た甲斐があるぜ」
「ふふふ。なんか僕らってお互いを褒めまくってるね」
はたから見たらイタイ奴らなんだろうか? でも二人とも格好いんだからしかたない。
「行く前に昨日までの僕の考察を聞いてくれないか」
新しい情報が入る前に二人に聞いてもらいたかった。この睡眠をとるたびに前日までの出来事がまとめて頭に浮かび上がるのと少しだけ先が見えるのはやはり能力のひとつなのかもしれない。
まず毒を盛られていた可能性が高い第二皇太子のラドゥだが僕の治癒魔法だけですぐに回復したところをみるとそんなに強い毒ではない。つまり犯人はラドゥを本気で殺す気はなかったということではないのか。
第一皇太子のユリウスに関しても嘘を言ってる様子には見られない。俺様気質だが宰相のコーネリアスのいう事にも耳を傾ける。他人の意見も聞き入れる心の広さも持っている。
第二皇太子自体は天然の美人さん。見た目はほんわかだが、発言の中にキレがある。自分の才能を隠している気がする。ユリウスをたてるためか?そしてその側近のオスマンは何かを隠してる気がする。
そして僕が見た直近の予知夢というのがこのオスマンに腕を引っ張られてどこかに連れていかれるというものだった。
ここまでを一気に話して僕は二人の反応を見た。予知夢については心配させたくなくって言えなかった。僕があいつと二人っきりにならなけれがいいことだしね。
「私も毒については同じ意見です。よほど毒の耐性に強い体質でなければもっと弱まってられたかと。しかしアキトの魔力が高まってるのは確かですので治癒力が向上したせいかもしれません」
クロードそうなのか? 僕は魔力のおかげで魔法が使えるようになってきてるんだね? なんだか嬉しいな。
「兄貴達については俺は疑っちゃいねえ。ただ取り巻き達が多いのは事実だからそのあたりを調べたい」
頼れる弟って感じだね。さすがはエドガー。
「うん。そうだね。……あと、これは推測なんだけど」
「どうした?なんでも言ってみろよ。」
「そうですよ。参考にしてみましょう」
ありがとう二人とも。僕は昨日からラドゥさんに言われた一言がひっかかってたんだ。
『だって今夜はハロウィンナイトだからさ』
彼は何故そう言ったんだろうか? 魔力が集まる日だからか?
「あのさ、昨夜ここに多量の植物があったのってエドガー狙いだったと僕たちは考えてたじゃない? でも後継者を除外していくだけなら何も媚薬や幻覚効果のあるものなど必要なかったんじやないかなと思ってたんだ。だから後継者争いと昨日のは別なんじゃないかと」
クロードの顔が引き攣った。
「クロ? どうしたの? 」
「私たちは何か思い間違いをしていたのかもしれない」
「というと? 」
「まさか……狙われたのはアキトだったのでは? 」
「なんだと!!! 」
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エドガーの部屋を出て謁見の間に向かう。途中、廊下や壁にあるリリーフに同じデザインが使われていることに気づいた。昨日はよほど緊張していたのだろう。見落としていたのだ。
「……凄い。昨日は白い壁だと思ってたのに。ドラゴンなんだね? 」
「おう。親父がドラゴン騎士団だって前に言ったろ? この城は別名ドラゴンキャッスルって呼ばれてるんだ。ところどころ竜をかたどったレリーフが隠し彫りされてるんだ」
「へえ。凝ってるんですね。」
クロードが柱に手を当てていた。光の加減で竜が見える。台座はしっかりと形のわかる彫りだが、そこから延びる柱には隠し彫りがされていて光があたると竜の身体が影として現れる。下から上へと竜の身体が伸びている彫りだった。
―――――あれ? これって……。
「お待ちしておりました! 」
良く通る声にはっとするとコーネリアスが目の前に立って僕らを出迎えていた。
「なんだ? 宰相であるお前が直々に出迎えなんて」
エドガーが皮肉めいた事を言うと
「そのほうが仰々しくて登場シーンとしてはいい演出でしょ? 」
片目をつぶりながら茶目っ気ぽく笑う。コーネリアスさんってこんな表情もするんだ。
「私は昨日からあなた方には好感を持ってるんですよ。この王宮に良い風を舞い込んできてくれる。そう感じました。だから私は貴方がた三人の味方になります。」
「味方ですか? それは心強いなあ」くすくすと僕は笑ってしまった。
「今日は重臣たちも呼んでいます。その方が今の現状を図りやすいかと思ったからです」
「ふむ。重臣ですか? では双方の取り巻きの方々もいるという事ですね? 」
クロードが顎に手を当てて考え込む。僕はふむって考えこむ時の彼の口癖が好きだ。
「アキトなにニヤけてんだよ。ここから気を引き締めて行かねえと狸親父たちにのみ込まれちまうぞ」
おおっとそうだった。あぶない。
移動中に簡単に昨夜会ったことをコーネリアスに報告すると彼はかなり驚いていた。これまで誰もエドガーの部屋を触ってなかったはずだとのこと。という事は運び込まれたのは昨日もしくは一昨日辺りということだろう。
「それとエドガー様。ここは王宮でございます。言葉遣いを直されなさいませ。今のところ継承順位でも貴方は下位です。その話し方は他の家臣達にも示しがつきませんし警戒もかねてください」
「わかってるよ。中に入ったらちゃんとする」
よし! 僕たちは扉の前で一呼吸し、合図とともに中に入った。
宰相であるコーネリアスに招かれるように彼の後に続いて入場した。一瞬水を打ったようにシンっと広間は静まり返った。効果は大だったようだ。宰相って偉いんだね。
謁見の間と言われる広間には十数人の重臣とその配下と思われる人物がいた。
今日は第一皇太子のユリウスは台座に向かって右手に第二皇太子のラドゥは左手に立っている。
おそらくはその方向に従って取り巻き達は配置してるのだろう。では右手側がユリウス派。左側がラドゥ派といったところか?
「第三皇太子エドガー様のご帰還でございます! 」
コーネリアスの声が広間に響くとワっと歓声と拍手が広がった。
「おかえりなさいませ」
「よくぞご無事で」などなどの声があちこちで聞こえる。本心なのかどうかは別として。
「エドガー・ヴラド・ポーツラフ。ただいま帰還いたしました。父上様。兄上様。皆様方にはご心配をおかけし恐縮しております。謹んでご挨拶させていただきます」
一歩後ろに下がっていた僕たちもマネして広間の方々に挨拶をする。
「僕は内村アキトです」
「私はクロードです」
なんだか僕らがあいさつをすると同時にざわざわと周辺がどよめいた。なんだ一体?
「よくぞ戻った。さあ、父上に挨拶をするのだ」
「エドガー。こちらに。」
周辺の声を一掃するようにユリウスとラドゥがエドガーを台座に上がるように勧める。
台座の奥に王の椅子が置かれており、その前には長い薄い布がカーテンのように垂れ下がっていた。
足元まで垂れ下がった布のせいで王の姿はぼんやりと輪郭しか見えていない。
「エドガーか? そのまま中に入れ」
低いバリトンの声が聞こえた。なんだかとても懐かしい声だ。以前聞いたことがあるような。誰かの声と似てるのかな? エドガーがその中にはいりしばらくして僕たちに声がかかった。
「さあ、アキト。クロードもこっちに来るように。父上に挨拶をしていただく」
エドガーったらいつもと違ってちゃんと敬語を使えてるじゃん。
クロードと一緒にカーテンの中へと入っていくとそこは思ったより広い空間だった。
王座には褐色の肌の黄金の長髪の美丈夫がいた。ユリウスが年をとったらこんな感じなんだろうなあ。本当にそっくりだ。
ラフなガウンを羽織っただけの格好だったが威厳が感じられる。ただその右足は石膏でかたどられたように真っ白に石と化していた。この姿を他に見られない様にするためにカーテンが下ろされていたのだろう。
「ドラクル・ヴラド・ポーツラフだ」
「はじめまして。僕は内村アキトと言います」
「私めはクロード・レオ・パルドスと申します」
「レオ・パルドス? 久しぶりだなその名を聞くのは……よく戻った」
「はい。無事に戻りました」
「そうか。多くは聞くまい。それより今はアキトに会いたい」
「僕ですか? 」
「父上……その。無体なことはしないでくださいね」
エドガーが心配げに言う。なに? なんか悪いことしたかな僕?
「わかっておる。息子の心を射止めた者の顔がみたいだけだ。さあ近くまで参れ」
「は……はい! では僕も王様の足の様子を診させていただいてもいいですか? 」
「あぁ、よいぞ。触ってみるか? 」
僕はためらいがちに近づくと一礼し、右足に手を這わせた。
王様がピクリと身体を動かした。
「……不思議だ。石になった足は今まで誰が触っても感じる事はなかったのに」
「今はどうですか? 」
訪ねながら僕はふくらはぎから太腿、足の付け根まで手を這わせてみた。触った感じは彫像のようだ。だが内部はまだ血が通ってる部分は残ってるみたいだ。完全に石化はしていない。
顔をあげると王様と目が合う。スカイブルースカイってこういう色を言うんだろうな。
綺麗な青い瞳が熱く僕を見ている。なんだか顔が熱くなってきた。
「美しい。綺麗な黒い瞳だ。それに懐かしい。……以前にお前に会ったことがある気がする」
「……ええ。懐かしい気がします。僕も。とても昔に……お会いしたような」
王様が手を伸ばして僕の手を握った。胸元まで引き寄せられる。
「……お前の本当の名前は? 」
「僕の本当の名前? 僕は……」
「……マ……リ……ア? 」
「っ!!!! 」
僕の頭の奥で何かがはじけた! この声! この声でマリアと呼ばれたことがある!
それはいつ? 僕はそのとき……なんという名前だった?
『【くちづけしなければ】』
誰と? 誰が? なんのために?
「アキト!! 」
「親父っ! てめえ! 」
クロードが僕を、エドガーが王様を抑え込んで引き離した。
「ったく! いくらアキトが魅力的だからって息子の相手を横取りは許せねえ」
エドガーが憤慨してる横で僕はクロードに濃厚なキスを受けていた。
「ぷはっ……はぁ」急な激しい口づけで息が整わない。
「アキト? 戻ってこれましたか? 意識を飛ばしてましたっ」
「……エドガーか? あぁ。すまない。つい懐かしくって」
「何とち狂ったこと言ってやがるっ! 親父しっかりしろよ! ボケてるんじゃねえだろうな! アキトは綺麗すぎる。無意識に親父に魅了を使ったかもしれねえ。だがな。俺はアキトが魔女になる前から好きだったんだ。俺はこいつとパートナー契約を結ぶからなっ」
「魔女? アキトは魔女なのか? 」
「……親父。何でも屋のツッツファーレからの報告書は読んでねえのか? 」
「最近は床にふさぎがちだったのでな。報告書は配下の者に任せきりだった」
クロードの尻尾が僕の腰に絡みついている。心配かけてしまったようだ。
「クロ。大丈夫だよ。ごめんね。何が起こったかは後で聞いてくれる? 」
「わかりました。でももう私の傍からは離しません」しっかりと腰を抱かれた。
「そうか。彼は魔女なのか。では皆に狙われるだろう。早く伴侶契約を結んでやりなさい」
「そうなんだ。アキトは美人過ぎるんだ」
「いやそれだけではない。魔女と交われば魔力が増大されるので狙われるのだよ」
「なんだってぇ?! 」
「エドガー。お前魔女について知識がなさすぎるぞ。王族ならだれでも知ってることだが」
王様。今の爆弾発言って僕も初耳なんですけど。じゃあやっぱり昨日狙われたのは……。
「……エドガー様お前アキトがココに来ることをどれだけ広めたんでしょうか? 」
クロードの目が座ってる。敬語が変になってるよ。どうした?
「え? いやその。フォキシーのやろうに出来るだけ広めろと言っちまった」
「魔女だと言ったんだな? 」
「……そうだ。そのほうが俺と一緒に居れると思ったんだ」
理解したよ。要するに希少価値の高い魔女が突然現れてエッチしたら魔力が増大するって?
そりゃあ悪い事企んでる者には良いカモだよな。
どんな魔法がこの世界にあるのかもまだ知らないが、攻撃力の高い闇魔法もバンバン使えるようになるかもしれないって事なんだよね? ははは……。僕は僕の貞操を守れるだろうか……。
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