23 / 23
美味しい食卓編
番外編 いい夫婦の日
しおりを挟む
朝から安住が張り切って家事をしてくれている。朝メシの準備から洗濯、掃除とあっと言う間に片付けてしまった。ふんふふ~ん。っと鼻歌まで聞こえる。なんだいったい?
「どうした?健吾?ぽかんとして?」
ほっぺたを突かれてハッとする。
「いや、お前が嬉しそうだから」
「え?いや、まあ、それは」
安住がカレンダーを指差す。え?!なんか記念日だったか?俺が忘れているのか?なんだっけ?
「11月22日?今日だよな」
「……うん」
今日と明日は仕事は休みだ。久しぶりの二人での休日だったはず?ニヤニヤしてどうした?
あっ!と俺は声をあげた。そういえば数か月前に仕事で【いい夫夫の日】のカタログを作製した。最近はクリスマスや年末年始のイベント商品の開発ですっかり忘れていた。
~~日頃忙しくて互いに感謝の気持ちを伝えられない伴侶やカップルに向けて~~の企画だった。
よく考えたら俺たちにあてはまるじゃねえか……。
カタログはフラワーギフトやペア商品券や各種割引チケットなどのパック商品だった。
仲でも人気が高かったのは有名ホテルの宿泊付きディナー券だった。
「えっと……まさか」
「っ!職権乱用はしてないよ!ちゃんと自分で申し込んだんだ!抽選で当選したんだよ」
「そうか。申し込んでくれてたのか」
確かにこれ作成するときは安住と一緒に行けたら良いなと考えながら作ってたんだよな。
「んっと。その……なかなか言い出せなくて」
そういえば少し前からしきりに週末は空いてるかと聞いていたな。俺は立て込んでいる仕事のスケジュール調整のためかと思い込んでいた。ダメだなあ。公私ともに一緒にいると仕事優先にしてしまって。申し訳ない。
「……安住ありがとう」
「えへへへ」
いつもより上等のスーツを身に着けてマンションを出る。安住は今日は俺を守るナイトにでもなるつもりか、ずっと紳士的に俺をリードしてくれる。車に乗るときもドアを開けてくれるし。シートベルトもしてくれた。ホテルに着くと手を繋いでくれて嬉しいけど照れくさい。俺だって夫なんだけどな。
フロントで支配人に声をかけられた。
「今回の企画なかなか評判良いんですよ。22日が夫夫組、23日が夫妻組と分けてみたんですがね、これが割と好評でして。特に22日が、今日は夫夫限定ですので周りに気兼ねなく来れていいですねと嬉しいお声もいただいております」
そうか。以前よりも同姓カップルが認められてるとはいえ、やはりまだ一部の偏見などは残っているからな。大手有名ホテルがこうして名乗りを上げてくれただけでもLGBTの理解が広まっていくきっかけになればいいな。
「今後はこれを機に3月3日に妻妻組の方々へのお誘いなども検討しております。出来れば今後ともこういう企画に参加させていただきたいと思っておる次第です」
「ありがとうございます!」
まあ皆がみんなカミングアウトしてるわけじゃないからどこまでできるかわからないけど、やれるだけのことはやってみよう。
「ふふふ。本日は特別メニューなどもご用意しておりますのでお楽しみくださいませ」
乗ったエレベーターが最上階で止まったのには驚いた。え?待ってこれってスペシャルプランじゃないのか?
「……安住」
「違う!ちゃんと当選したんだよ!」
「いや、そうじゃなくて高かっただろう?」
だって俺が値段交渉に行ったんだぜ。かなりの金額だったはずだ。
「それについては。たまにはいいじゃん」
正直、一度は泊まってみたい部屋だった。最上級のスィートルーム。重厚な家具にジャグジー、シャワールーム、キッチン迄ついている。ベットはキングサイズだ。
「健吾。いつもありがとう」
安住がおずおずと差し出してくる箱にドキドキする。俺こんなの用意してない!ズルい!と叫びそうになった。
「お揃いの時計なんだ」
そういって安住が腕をまくるとそこには目新しい腕時計があった。くそ~カッコいいデザイン!
「仕事用じゃなくてさ。休日にはコレをつけてくれたら嬉しいかなって」
「もお!お前カッコ良すぎじゃねえか!」
「へへへ。惚れ直した?」
「……うん」
「あ、あのさ。俺からもあるんだけど。ちょっとしょぼいんだけど」
「え?ほんとに?」
以前から徹夜続きの日とかに渡してやりたいなって買っていた安眠グッズの数々。それをカバンの底からごそごそと出して安住に渡す。
「アロマと温泉の素と……そのよく眠れるぐっず」
「わあ。ありがとう!でもこれって必要なのは健吾もじゃないの?」
「いや、俺は安住に抱きついてた方がよく眠れるから。いらないんだ」
「……僕が安眠グッズ?……はぁ、まいったな」
「迷惑だったか?」
「その反対!もぉ天然タラシなんだから!」
そのままベットに押し倒される。なんだ?俺、煽るような事言った覚えはないんだが?
我が家とは違うキングサイズのベット。少々暴れても転げ落ちることはない。そういえば以前やりたいと言っていた体位もこれならできるかも……と段々と顔が熱くなる。
「わっ。Sランクの潤滑剤だ……」
安住の声に顔を向けるとベットわきのカウンターにゴムやローションや見たことのない形の大小さまざまなモノが入っていた。なんだそれ?いやな予感しかしない。
「そうか……特別メニューとは料理だけじゃなかったんだ」
ぽつりとつぶやくとこちらを見る安住の目がギラギラしていた……。
ああ、熱い夜になりそうだな。
「どうした?健吾?ぽかんとして?」
ほっぺたを突かれてハッとする。
「いや、お前が嬉しそうだから」
「え?いや、まあ、それは」
安住がカレンダーを指差す。え?!なんか記念日だったか?俺が忘れているのか?なんだっけ?
「11月22日?今日だよな」
「……うん」
今日と明日は仕事は休みだ。久しぶりの二人での休日だったはず?ニヤニヤしてどうした?
あっ!と俺は声をあげた。そういえば数か月前に仕事で【いい夫夫の日】のカタログを作製した。最近はクリスマスや年末年始のイベント商品の開発ですっかり忘れていた。
~~日頃忙しくて互いに感謝の気持ちを伝えられない伴侶やカップルに向けて~~の企画だった。
よく考えたら俺たちにあてはまるじゃねえか……。
カタログはフラワーギフトやペア商品券や各種割引チケットなどのパック商品だった。
仲でも人気が高かったのは有名ホテルの宿泊付きディナー券だった。
「えっと……まさか」
「っ!職権乱用はしてないよ!ちゃんと自分で申し込んだんだ!抽選で当選したんだよ」
「そうか。申し込んでくれてたのか」
確かにこれ作成するときは安住と一緒に行けたら良いなと考えながら作ってたんだよな。
「んっと。その……なかなか言い出せなくて」
そういえば少し前からしきりに週末は空いてるかと聞いていたな。俺は立て込んでいる仕事のスケジュール調整のためかと思い込んでいた。ダメだなあ。公私ともに一緒にいると仕事優先にしてしまって。申し訳ない。
「……安住ありがとう」
「えへへへ」
いつもより上等のスーツを身に着けてマンションを出る。安住は今日は俺を守るナイトにでもなるつもりか、ずっと紳士的に俺をリードしてくれる。車に乗るときもドアを開けてくれるし。シートベルトもしてくれた。ホテルに着くと手を繋いでくれて嬉しいけど照れくさい。俺だって夫なんだけどな。
フロントで支配人に声をかけられた。
「今回の企画なかなか評判良いんですよ。22日が夫夫組、23日が夫妻組と分けてみたんですがね、これが割と好評でして。特に22日が、今日は夫夫限定ですので周りに気兼ねなく来れていいですねと嬉しいお声もいただいております」
そうか。以前よりも同姓カップルが認められてるとはいえ、やはりまだ一部の偏見などは残っているからな。大手有名ホテルがこうして名乗りを上げてくれただけでもLGBTの理解が広まっていくきっかけになればいいな。
「今後はこれを機に3月3日に妻妻組の方々へのお誘いなども検討しております。出来れば今後ともこういう企画に参加させていただきたいと思っておる次第です」
「ありがとうございます!」
まあ皆がみんなカミングアウトしてるわけじゃないからどこまでできるかわからないけど、やれるだけのことはやってみよう。
「ふふふ。本日は特別メニューなどもご用意しておりますのでお楽しみくださいませ」
乗ったエレベーターが最上階で止まったのには驚いた。え?待ってこれってスペシャルプランじゃないのか?
「……安住」
「違う!ちゃんと当選したんだよ!」
「いや、そうじゃなくて高かっただろう?」
だって俺が値段交渉に行ったんだぜ。かなりの金額だったはずだ。
「それについては。たまにはいいじゃん」
正直、一度は泊まってみたい部屋だった。最上級のスィートルーム。重厚な家具にジャグジー、シャワールーム、キッチン迄ついている。ベットはキングサイズだ。
「健吾。いつもありがとう」
安住がおずおずと差し出してくる箱にドキドキする。俺こんなの用意してない!ズルい!と叫びそうになった。
「お揃いの時計なんだ」
そういって安住が腕をまくるとそこには目新しい腕時計があった。くそ~カッコいいデザイン!
「仕事用じゃなくてさ。休日にはコレをつけてくれたら嬉しいかなって」
「もお!お前カッコ良すぎじゃねえか!」
「へへへ。惚れ直した?」
「……うん」
「あ、あのさ。俺からもあるんだけど。ちょっとしょぼいんだけど」
「え?ほんとに?」
以前から徹夜続きの日とかに渡してやりたいなって買っていた安眠グッズの数々。それをカバンの底からごそごそと出して安住に渡す。
「アロマと温泉の素と……そのよく眠れるぐっず」
「わあ。ありがとう!でもこれって必要なのは健吾もじゃないの?」
「いや、俺は安住に抱きついてた方がよく眠れるから。いらないんだ」
「……僕が安眠グッズ?……はぁ、まいったな」
「迷惑だったか?」
「その反対!もぉ天然タラシなんだから!」
そのままベットに押し倒される。なんだ?俺、煽るような事言った覚えはないんだが?
我が家とは違うキングサイズのベット。少々暴れても転げ落ちることはない。そういえば以前やりたいと言っていた体位もこれならできるかも……と段々と顔が熱くなる。
「わっ。Sランクの潤滑剤だ……」
安住の声に顔を向けるとベットわきのカウンターにゴムやローションや見たことのない形の大小さまざまなモノが入っていた。なんだそれ?いやな予感しかしない。
「そうか……特別メニューとは料理だけじゃなかったんだ」
ぽつりとつぶやくとこちらを見る安住の目がギラギラしていた……。
ああ、熱い夜になりそうだな。
22
お気に入りに追加
99
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。


目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。
年上の恋人は優しい上司
木野葉ゆる
BL
小さな賃貸専門の不動産屋さんに勤める俺の恋人は、年上で優しい上司。
仕事のこととか、日常のこととか、デートのこととか、日記代わりに綴るSS連作。
基本は受け視点(一人称)です。
一日一花BL企画 参加作品も含まれています。
表紙は松下リサ様(@risa_m1012)に描いて頂きました!!ありがとうございます!!!!
完結済みにいたしました。
6月13日、同人誌を発売しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる