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第二章:辺境伯は溺愛中
16ノワール
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サミュエル様が卒業されたと連絡が入った。しかも公爵様よりこの辺境地を任されるという話だ。
「でかしたぞ。これで我がノワール家の天下だ!がっはっはっは!」
しかしここまでが長かった。
公爵家の側室がこの地から選ばれたとわかった時はあの手この手で謁見を願った。どうにかお近づきになって少しでも吾輩の地位をあげたかったのだ。しかしあの砦のような白亜の城にはなかなか入場を許してもらえなんだ。それだけ警戒心の強い側室だったのだろう。だが待望の男子を出産後、正室にその子をとりあげられたせいか、側室は徐々に気弱になって行った。そこに目をつけ何かと王都の流行りものや献上品を持参しやっとのことでお目通りを許されたのだ。
初めて会った側室は美しかったが褐色の肌に黒い髪の持ち主じゃった。そう、この地の先住民特有の色だったのだ。なぜ公爵様はあんな汚らしい肌の色の者を側室にしたのか吾輩には理解できなんだ。まるで奴隷のようじゃと心の奥では思っておった。
「アンジェリカは居るか?どこじゃアンジェリカ!」
側室が亡くなってからしばらくして嫡男のサミュエル様がこの地にやってきたのだ。名目上は静養ということだがあきらかに正室のイジメから逃れて来ていたに違いなかった。ここで歳の近い我が娘を気に入ってもらえればゆくゆくは娶ってもらえるかもしれぬ。いやこの際、許嫁ということにしてしまおう。幸い側室はもうこの世に居らぬ。軽い話題をふるときに娘の話もでていたはずだ。そうだそう言う事にしてしまおう。
「お父様あのこ、睨んでばかりで私に近寄ろうともしないの。遊びたくないわ」
「何を言うか!お前は将来公爵家に嫁に行くのだ。今よりもいい暮らしができるようになるのだぞ」
サミュエル様は不愛想で無口で何を考えてるかわからない子供だった。だがそんなことはどうでも良い。吾輩の爵位が上がる可能性のある未来の婿なのだから。
サミュエル様が王都に戻られると領地管理は執事と近隣の有力貴族に代理で任されると聞いた。吾輩はすぐに娘とサミュエル様が許嫁だと周りに言って聞かせた。あっという間に噂となり周りの貴族を押しのけ、領地管理の筆頭となった。だが管理自体は執事のブルートに丸投げをしている。そういう細かなことはこの吾輩はしなくとも専属のものがやればいいのだ。吾輩は利益重視。王都の有力貴族と仲良くなりいずれは王都に進出するのだ。それももうすぐ!がはははは。
「しかし。まだ婿殿は挨拶に来ぬのか?もうこちらにきて四~五日は立っておろう?」
初日にアンジェリカが会いに行ったというからすぐにでも吾輩の元に来るかと待っておったのだが。当のアンジェリカは新しいドレスを発注したらしい。なんでも美しい人にふさわしく飾り立てないといけないとか言い出しているとか。まったく若い者が言う事にはついていけない。まあ公爵家になれば好きなだけ買い物などできるようになるだろう。
「ノワール様。サミュエル様から通達がまいっておりますが」
長い銀髪を腰の辺りで結んで銀縁の眼鏡をくいと上げる。切れ長の瞳で吾輩をみつめている。この男も何を考えているかがわからない。
「ブルーノか。なんて書いてあるのだ?」
「はい。領主となったので挨拶に来いと書かれております」
ブルーノに言われハッとした。そうだ、いくら義父となるからと言っても自分の今の爵位はまだ伯爵だ。悔しいが自分の方が格下なのだ。娘をやるのだから相手がやってくるのが当たり前と思い込んでいた。
「こほん。向こうから来るものだと思っておったわ」
「……すぐにでもご準備をなされた方がよろしいのでは?」
「そうだな。仕方がない。そうするか」
◇◆◇
まったく。この伯爵は馬鹿もいいところだ。娘同様に思い込みが激しい。いや、この親にしてあの娘と言ったところか。普段から執務のほとんどはこの私がおこなっている。言わば飾りのような存在だ。自分の地位をあげて王都に行くことしか興味がないような男。そろそろここを離れても良い頃だろうか?別にこの場所に興味があったわけではない。ただ単に傷心の傷を癒す場所を探していただけだった。
生涯かけて神と崇める存在の女性を失ってしまった。遠くから見つめるだけでよかったのだ。彼女の喜び幸せがこの私の喜びであり幸せだった。凛とした侯爵令嬢。気が強く剣術の腕もいい。立ち居振る舞いも毅然として見るものを奮い立たせる気品があった。そのうえ美貌の持ち主で愛情深くすべてが完璧だった。
「このブルーノ。生涯かけてアレーニア様にお仕えいたします!」
「まあその気持ちはとても嬉しいわ。でもねブルーノ、私は爵位など気にせず自由に生きたいの。ごめんなさいね。ブルーノにもいつか素敵な人が現れますように」
我が身を一生をかけてお仕えすると決めたお方。だが彼女は身分など関係ないと貧乏子爵の元へと行ってしまったのだ。駆け落ちという形をとって。そしてその逃走を手伝った私も侯爵家から追われこの辺境地へと流れついたのだった。最初のうちは衣食住が取れれば何でもよいと住み込みの仕事を探していたのだが、ひょんなことから伯爵家で仕事をするようになった。そのうち思い込みが激しい息子を修正できる人材が欲しいと先代に頼み込まれ執事となったのだ。その先代も隠居され息子の代に変わられた。
「はあ、困ったものだ」
とにかく思い付きで行動をするものだからどうしてもこちらに尻拭いが来る。先日も公爵家と同等になるのだからと領地の一部をわが物顔で使いだした。公爵家の領地の一部に別邸を建てるのだそうだ。そのために農家に農地を縮小しろと勝手な伝達をだしていた。公爵様の許可もなしでだ。すぐさま建設をやめさせた。設計の段階だったからまだよかったが。何をしだすのかがわからん。
それにサミュエル様は戻られたが婚約者を伴っているとも聞く。あくまで噂なのでどこまでが本当かわからぬが、では公爵家側としたらやはりアンジェリカ様を認める気はないのではないか?そもそも本当に許嫁なのだろうかと疑問ももってしまう。まあ側室という手もあるのだろうから。私には知った事ではないが。
とにかく、今後の事も兼ねて私もついて行った方がよさそうだ。
「でかしたぞ。これで我がノワール家の天下だ!がっはっはっは!」
しかしここまでが長かった。
公爵家の側室がこの地から選ばれたとわかった時はあの手この手で謁見を願った。どうにかお近づきになって少しでも吾輩の地位をあげたかったのだ。しかしあの砦のような白亜の城にはなかなか入場を許してもらえなんだ。それだけ警戒心の強い側室だったのだろう。だが待望の男子を出産後、正室にその子をとりあげられたせいか、側室は徐々に気弱になって行った。そこに目をつけ何かと王都の流行りものや献上品を持参しやっとのことでお目通りを許されたのだ。
初めて会った側室は美しかったが褐色の肌に黒い髪の持ち主じゃった。そう、この地の先住民特有の色だったのだ。なぜ公爵様はあんな汚らしい肌の色の者を側室にしたのか吾輩には理解できなんだ。まるで奴隷のようじゃと心の奥では思っておった。
「アンジェリカは居るか?どこじゃアンジェリカ!」
側室が亡くなってからしばらくして嫡男のサミュエル様がこの地にやってきたのだ。名目上は静養ということだがあきらかに正室のイジメから逃れて来ていたに違いなかった。ここで歳の近い我が娘を気に入ってもらえればゆくゆくは娶ってもらえるかもしれぬ。いやこの際、許嫁ということにしてしまおう。幸い側室はもうこの世に居らぬ。軽い話題をふるときに娘の話もでていたはずだ。そうだそう言う事にしてしまおう。
「お父様あのこ、睨んでばかりで私に近寄ろうともしないの。遊びたくないわ」
「何を言うか!お前は将来公爵家に嫁に行くのだ。今よりもいい暮らしができるようになるのだぞ」
サミュエル様は不愛想で無口で何を考えてるかわからない子供だった。だがそんなことはどうでも良い。吾輩の爵位が上がる可能性のある未来の婿なのだから。
サミュエル様が王都に戻られると領地管理は執事と近隣の有力貴族に代理で任されると聞いた。吾輩はすぐに娘とサミュエル様が許嫁だと周りに言って聞かせた。あっという間に噂となり周りの貴族を押しのけ、領地管理の筆頭となった。だが管理自体は執事のブルートに丸投げをしている。そういう細かなことはこの吾輩はしなくとも専属のものがやればいいのだ。吾輩は利益重視。王都の有力貴族と仲良くなりいずれは王都に進出するのだ。それももうすぐ!がはははは。
「しかし。まだ婿殿は挨拶に来ぬのか?もうこちらにきて四~五日は立っておろう?」
初日にアンジェリカが会いに行ったというからすぐにでも吾輩の元に来るかと待っておったのだが。当のアンジェリカは新しいドレスを発注したらしい。なんでも美しい人にふさわしく飾り立てないといけないとか言い出しているとか。まったく若い者が言う事にはついていけない。まあ公爵家になれば好きなだけ買い物などできるようになるだろう。
「ノワール様。サミュエル様から通達がまいっておりますが」
長い銀髪を腰の辺りで結んで銀縁の眼鏡をくいと上げる。切れ長の瞳で吾輩をみつめている。この男も何を考えているかがわからない。
「ブルーノか。なんて書いてあるのだ?」
「はい。領主となったので挨拶に来いと書かれております」
ブルーノに言われハッとした。そうだ、いくら義父となるからと言っても自分の今の爵位はまだ伯爵だ。悔しいが自分の方が格下なのだ。娘をやるのだから相手がやってくるのが当たり前と思い込んでいた。
「こほん。向こうから来るものだと思っておったわ」
「……すぐにでもご準備をなされた方がよろしいのでは?」
「そうだな。仕方がない。そうするか」
◇◆◇
まったく。この伯爵は馬鹿もいいところだ。娘同様に思い込みが激しい。いや、この親にしてあの娘と言ったところか。普段から執務のほとんどはこの私がおこなっている。言わば飾りのような存在だ。自分の地位をあげて王都に行くことしか興味がないような男。そろそろここを離れても良い頃だろうか?別にこの場所に興味があったわけではない。ただ単に傷心の傷を癒す場所を探していただけだった。
生涯かけて神と崇める存在の女性を失ってしまった。遠くから見つめるだけでよかったのだ。彼女の喜び幸せがこの私の喜びであり幸せだった。凛とした侯爵令嬢。気が強く剣術の腕もいい。立ち居振る舞いも毅然として見るものを奮い立たせる気品があった。そのうえ美貌の持ち主で愛情深くすべてが完璧だった。
「このブルーノ。生涯かけてアレーニア様にお仕えいたします!」
「まあその気持ちはとても嬉しいわ。でもねブルーノ、私は爵位など気にせず自由に生きたいの。ごめんなさいね。ブルーノにもいつか素敵な人が現れますように」
我が身を一生をかけてお仕えすると決めたお方。だが彼女は身分など関係ないと貧乏子爵の元へと行ってしまったのだ。駆け落ちという形をとって。そしてその逃走を手伝った私も侯爵家から追われこの辺境地へと流れついたのだった。最初のうちは衣食住が取れれば何でもよいと住み込みの仕事を探していたのだが、ひょんなことから伯爵家で仕事をするようになった。そのうち思い込みが激しい息子を修正できる人材が欲しいと先代に頼み込まれ執事となったのだ。その先代も隠居され息子の代に変わられた。
「はあ、困ったものだ」
とにかく思い付きで行動をするものだからどうしてもこちらに尻拭いが来る。先日も公爵家と同等になるのだからと領地の一部をわが物顔で使いだした。公爵家の領地の一部に別邸を建てるのだそうだ。そのために農家に農地を縮小しろと勝手な伝達をだしていた。公爵様の許可もなしでだ。すぐさま建設をやめさせた。設計の段階だったからまだよかったが。何をしだすのかがわからん。
それにサミュエル様は戻られたが婚約者を伴っているとも聞く。あくまで噂なのでどこまでが本当かわからぬが、では公爵家側としたらやはりアンジェリカ様を認める気はないのではないか?そもそも本当に許嫁なのだろうかと疑問ももってしまう。まあ側室という手もあるのだろうから。私には知った事ではないが。
とにかく、今後の事も兼ねて私もついて行った方がよさそうだ。
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