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・腹黒宰相は異世界転移のモブを溺愛する

67)離れられない***

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注)R回です。背後注意。苦手な方は飛ばしてください。この回で最後です。




 ヘーゼルの瞳が俺をみつめる。濃い緑と金褐色の混じった、何度見ても不思議な色合いだ。伏し目がちになると長いまつげが影を落として色濃く見える。纏う雰囲気が急に大人びて。唇から覗く紅い舌に欲情して腰が揺らいでしまった。

「ぁっ……。待ってまだ……はぁ……」
 余韻にひきづられているのか?溜息が何ともなまめかしい。
「待てない。もっとお前を味わいたい」
 上半身を抱き起こして向かい合わせになる。もちろん俺のモノは中に挿入ったままだ。
「んっ……」
 あたる角度が変わったのかイブキの眉間に皺が寄る。

「痛いのか?」
「痛くはないです。ただ、存在感が凄くて」
 それは褒め言葉だと思っておこうか?イブキの雄はまだ半勃ちといったところか。一度精を放っても若いせいかまだまだイけそうだな。男に抱かれる快感を知ったせいか動きが気怠くて壮絶な色気が出ている。

 これはちょっと、他の奴には見せられねえな。

「シド……」
 イブキがうっすらと口をあける。赤い舌がちろりと唇を舐めあげ、俺を誘ってるように見える。
「お前……どこでそんな誘い方覚えたんだ?」
「誘い方?……なにが?」
 無自覚なのか?余計にたちが悪い。男を惑わす化身さながら匂い立つ艶を纏う。これは閨だけにしておいてもらいたい。

「俺以外とは絶対に寝るなよ!」
 あまりに熟し始めた姿に不安になって愚かな事を口走ってしまった。しまったと思ったのは後の祭り。
「は?……当たり前でしょ!シドの馬鹿!」
 怒らしたか?そうだな。今夜は初夜だったのに。機嫌をとらなければと口をひらこうとしたがイブキが俺の雄を締め付けてきた。
「うっ……」

「シドこそ……他にうつつを抜かしたら許しませんからね」
 拗ねたのか?唇を尖らしたまま俺の唇にちゅっとキスをする。くっそ可愛い!こんな拗ね方なら何度してくれてもいい。噛みつくように口づけをすると舌を絡めてきた。学習能力が高い。俺がしたことを真似て舌の動きを実戦してきた。なかなか良い。じっとしていられなくて腰の動きを再開する。

「だめ……です。シドは動かないで。ここからは僕がします」
 イブキが俺の首に腕を回すと自分で腰を使い始めた。対面座位は互いの表情が見れる。目前で愉悦にまみれるイブキは視覚的にクるものがある。
「はぁっ…………イイ……」
 感じている声に。もっと喘がせたいという衝動からイブキの尻を両手で掴み、上下に揺らす。イブキの感じ入ってる顔を身ながら下から容赦なく突き上げた。俺の腹にイブキの雄が擦られて濡れた音が聞こえだした。
「ぁん!……だめ!僕が……シたい……あああっ!あっ」
 なんて声で鳴くんだ。もう止められない。ずんずんと下から突き上げを早くすると腰から脳天まで快感が突き抜けていく。
「シド……ぁあん……イイ……ぁあっ」
 喘ぎ声に悦が混じっている。声の変化にぞくぞくした。内壁が淫らに動き俺の雄にまとわりついて離れない。そこからは一心不乱に腰を振り続けた。イブキの身体の隅々にまで俺の証を植え付けたいという欲望に捕らわれる。

 体勢を変える為に一度イブキの身体から自身の雄を抜くと尻のあわいから白濁がしたたる。自分が出したものだと思うと異常に興奮した。誰にもやらない。ここは密室だ。どんなに乱れようと二人だけだ。何度も共に絶頂を駆け昇り。互いに体中に自分のものだと吸いつき赤く点々と刻印を残した。

 何度交わったかわからない。イブキが気を失った後も愛しくて、俺は愛撫を続けた。イブキの意識が戻るとまたまぐわい。俺は自分が失くしてしまった欠片がイブキだと実感したのだ


 疲れ果て腕の中で眠るイブキを見つめる。
「イブ。俺はもうお前の傍から離れられなくなったみたいだ。だがこれは呪いじゃない。誓いだ。俺は何があってもお前の傍から離れないと誓おう」



 今宵イブキはエルシドだけの淫らな花となった。

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