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第Ⅰ章

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 僕は悲鳴を上げている。何も無い闇に向かって。でも誰も、その悲鳴に気付いてくれない。誰も、悲鳴を止めてくれない。孤独のせいで壊れていく、そんな風に考えて生きていくのが好きなんじゃない。でも実際、孤独は僕を壊しつつある。すでにかなり壊している。まもなく完全に壊してしまうだろう。そんな風に考えていたくはない。でも考えずにはいられない。恐怖の中にたった一人でいるから。
 結局、僕が色々なことを諦めてしまえば済む問題なのだと思う。
 過去のことなんて忘れて、今を受け入れて、ただの普通の高校生になれば良い。アイツや妹のことも忘れて。水絵さんを母さんと呼んで、正幸さんを父さんと呼ぶ。友人ができたら智也を兄弟として紹介しても良い。そうすることは簡単なことだ。
 でも。本当にそれで良いのだろうか?本当にそれで僕は幸せになるのだろうか?本当に?
 嫌だった。何だか安易な気がして。僕の思う幸せとは違う気がして。
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