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第五話 身投げ

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「ここでなら死ねるかしら」

 近所にある暴れ川と呼ばれるミゾレ川。
 過去に何度も氾濫を起こし、多くの死者を出している恐ろしい川だ。

 流れも速く、川の水がミゾレのように冷え切っているとのことからミゾレ川と呼ばれていて、昔からミゾレ川には近づくべからずと近隣の人々はミゾレ川には近づかないようにしていた。

 そのミゾレ川にかかる橋の上から見下ろすように身を乗り出す志乃。
 辺りには人っ子一人なく、今なら誰にも見つからずにひっそりと死ねると橋の欄干に手をかけた。

(お母さま。お父さま。今、私もそちらに参ります)

 ぐいっと勢いよく橋から身を投げ出す。

 そのまま川に引っ張られるように志乃の身体は真っ逆さまに川に向かって落ちていった。
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