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33 うわぁああああ、私のバカバカバカ!
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ーーコンコン
「マリーリ、起きているか?」
「え、ジュリアス!?」
食事ができたとの知らせかと思えば、まさかのジュリアスの訪問に戸惑うマリーリ。
ミヤと話したおかげでいくぶんか気持ちは落ち着いたものの、いつもの調子で会えるだろうかと心配ではあった。
とはいえ、さすがに同居している以上ずっと会わないわけにもいかない。
そもそも、勝手に被害妄想で自分が愛されてないのではないかと悩む前に自分から気持ちを伝えなければならないことに先程自覚したばかりで、なるべく早くジュリアスに自分の気持ちを打ち明けてこの状況を打開したいとは思っている。
だが、そんなすぐに好きだのなんだの言える自信はなくて、無駄に緊張ばかりしてしまって、マリーリは自分でもどうしたらいいのかわからない状態だった。
「入るぞ」
「え、えぇ、どうぞ」
慌てて椅子から立ち上がる。
身嗜みを整える間もなかったが、先程まで本を読んでいただけだったから乱れている部分はきっとないはずだ。
「自室にこもっていると聞いたが、具合でも悪いのか?」
「え? いえ、あー……ちょっと、ね?」
部屋にこもっていた理由が上手く説明できなくて咄嗟に誤魔化す。
ジュリアスは不審そうに首を傾げつつも、「だったら寝ていろ」とミヤのようにマリーリを寝かしつけようとしてくる。
「さっきまで寝てたから大丈夫よ」
「そうか? 確かに、顔色はあまり悪くはなさそうだが」
「えぇ、寝たおかげかだいぶよくなったわ。そういえば、アトリエどうもありがとう」
「あぁ、行ったか。どうだった?」
「とても凄くてびっくりしちゃった。画材とか色々よく集められたわね」
「喜んでもらえてよかった。画材については同僚に画家を身内に持つ人がいて色々と店を教えてもらったんだ」
「へぇ、すごいわね。お身内に画家さんがいらっしゃるなんて」
「似顔絵が得意だそうだが、今度描いてもらうか? 二人で」
二人で、と言われてドキリとする。
確かにマリーリの実家にもマーサとグラコスの肖像画があった。
その隣に家族全員の肖像画もあるのだが。
それを想像してなんだか夫婦らしい、と嬉しくなって口元が自然と緩む。
「えぇ、先方の都合がつけばぜひに、と」
「わかった。伝えておく」
その後、沈黙。
なんだか気まずくてマリーリはぐるんぐるんと何か話題を、と考える。
(いきなり好きっていうのは変だし、でもどのタイミングで言えばいいのかしら……。そもそも今急に言っても不意打ちすぎるわよね。かと言って自然に好きって言うタイミングなんてある!? いや、きっとないわよね!??)
自分で自分の思考にパニックになりながらあーでもないこーでもないと一人で悶々と考える。
だが、考えれば考えるほど思考がドツボにハマっていく。
(これだけ気まずくてドキドキしてるなら、いっそのこと勢いで言ってしまえばいいのでは!?)
パニックすぎてもはや極端な考えになってしまっているが、言うなら早いほうがいいだろう、とマリーリは身構えた。
「じゅ、ジュリアス」
「どうした?」
「えっと、その、私……」
「うん?」
「す、す……」
「す?」
「好き、……なの。魚釣り」
「魚釣り?」
(うわぁああああ、私のバカバカバカ!!!)
好き、のあとの沈黙に耐えられず、つい余計なことを足してしまった。
今すぐ取り消したいが、一度吐いた言葉はどうすることもできずに自己嫌悪するマリーリ。
できることなら今すぐここで頭を抱えて叫びたかった。
「今度行くか、魚釣り」
「え、えぇ、ぜひ。行ったらどっちが多く釣れるか競争しましょう? 確か、近くに川があったわよね」
「あぁ。その前にマリーリの馬も探さないとな」
「そうね。約束したものね」
「何色がいい?」
「うーん、あまり希望はないわ。見てから決める」
「マリーリらしいな。実際、相性もあるからな」
再びの沈黙。
いつもだったら話題は尽きないのに、今日はやたらと沈黙が多いし、その沈黙もいい空気というよりギクシャクとしていて正直気まずくて仕方がない。
(まだ夕飯はできないの!?)
未だに呼び出される気配がないのを感じながら、何か話題、何か話題……とまたしてもぐるぐると思考を巡らせる。
「あ、そういえば、さっきまでどこに行ってたの?」
「え? あぁ、ちょっとな」
「ちょっと……?」
「あー……」
なんとも歯切れの悪い回答。
たまにあるのだが、ジュリアスは隠しごとがあるときはこうして口籠もる性質がある。
(私には言いたくないことなのかしら。実は他に想い人がいてその方と密会していたとか? それとも、私と一緒にいたくないからずっと気晴らしに走り回っていたとか)
またしても悪いことばかり考えてしまってしゅん、と項垂れるように俯く。
すると、「やはり隠しても仕方ないな。マリーリ、ちょっと来てくれ」と手を繋がれたかと思えばそのまま引かれて部屋を出る。
「ど、どこに行くの?」
「庭だ」
「庭? もうすぐ夕飯では?」
「そうなんだが、夕飯前に見て欲しいんだ」
一体なんなんだろうか、と思いながら連れられるままに庭へと行く。
すると、何やら可愛らしいピヨピヨという鳴き声が聞こえてきた。
「ひよこ?」
そこにはまだあどけない、小さなひよこがいた。
箱の中に木屑と一緒になって入っていて、こちらを見上げながら鳴いている。
「これをマリーリに。……昨夜はすまない、その、つい、出来心で……っていや、俺は何を言っているんだ。あー、とにかく怖がらせて悪かった。お詫びと言ってはなんだが、マリーリが好きそうなものをと考えて……」
あれこれと言い訳するように喋り始めるジュリアス。
ぽかんと呆気に取られていると一方的につらつらと聞いてもいないことを躓きながらも話している。
(別に怖がっていたわけではないのだけど、ジュリアスにはそう見えたのかしら)
ジュリアスはジュリアスなりに昨夜のことを考えてくれたらしい。
まさか自分が怖がっていると思われているとは思わなかったが、確かに昨夜は緊張で震えていたかもしれないことを思い出すマリーリ。
「私の好きそうなものを考えて、ひよこを私に?」
「あぁ。馬は勝手に選ぶものでもないし、マリーリが他に何を好きかと考えたとき鳥が好きだったと言っていたのを思い出して」
「あー……」
(実際に鳥は好きだけど、食べるほうが好きだなんて今は言えない)
さすがのマリーリもそこまで無粋ではない。
雰囲気的にあえてそこは黙っておいた。
「それで、買ってきたんだが」
「ありがとう、ジュリアス」
渡されたひよこは手のひらの上でピヨピヨと可愛らしくしきりに鳴いている。
こうしてまじまじとひよこを見る機会は今まではなかったが、存外可愛い。
もふもふで、ふわふわで、小さくて。
ピヨピヨと鳴く声も一羽だけだとあまり気にならなかった。
「あぁ、ちなみにメスを買ってきた。だから成長したら卵を収獲できるようになるだろう」
「卵……」
「ん? オスのほうがよかったか?」
「え? いえ、メスで大丈夫よ。そうか、卵を産むのだものね。産むようになったら毎日卵が食べられるわね」
「あぁ、ちなみに卵の黄身は食べるものによって色が変わるらしい」
「へぇ、そうなんだ。ふふ、色々試してみようかしら」
まさか自分のために出かけていたと思わず、さらに自分が考えていたことすべて杞憂だったと知ってホッとする。
それと共に、自分のためにわざわざ用意してくれたジュリアスを改めて好きになったような気がした。
「ありがとう、ジュリアス」
「いや、どういたしまして」
「名前、何にしましょう」
「もうマリーリのものだからマリーリがつけてくれ」
「うーん、そうね……」
「ジュリアスさま、マリーリさま、お夕飯の支度ができましたよーーーー!!!」
メイドの声が聞こえて二人で顔を見合わせる。
「今夜の食事はなんでしょうね?」
「もうお腹ぺこぺこだから、俺はなんでも美味しく食べられる自信があるぞ」
「ジュリアスお昼ちゃんと食べてないの?」
「つい忘れててな」
お互いまた顔を見合わせくすくすと笑い合う。
先程までの気まずさはどこへやら。
マリーリとジュリアスは仲睦まじく家へと戻るのだった。
「マリーリ、起きているか?」
「え、ジュリアス!?」
食事ができたとの知らせかと思えば、まさかのジュリアスの訪問に戸惑うマリーリ。
ミヤと話したおかげでいくぶんか気持ちは落ち着いたものの、いつもの調子で会えるだろうかと心配ではあった。
とはいえ、さすがに同居している以上ずっと会わないわけにもいかない。
そもそも、勝手に被害妄想で自分が愛されてないのではないかと悩む前に自分から気持ちを伝えなければならないことに先程自覚したばかりで、なるべく早くジュリアスに自分の気持ちを打ち明けてこの状況を打開したいとは思っている。
だが、そんなすぐに好きだのなんだの言える自信はなくて、無駄に緊張ばかりしてしまって、マリーリは自分でもどうしたらいいのかわからない状態だった。
「入るぞ」
「え、えぇ、どうぞ」
慌てて椅子から立ち上がる。
身嗜みを整える間もなかったが、先程まで本を読んでいただけだったから乱れている部分はきっとないはずだ。
「自室にこもっていると聞いたが、具合でも悪いのか?」
「え? いえ、あー……ちょっと、ね?」
部屋にこもっていた理由が上手く説明できなくて咄嗟に誤魔化す。
ジュリアスは不審そうに首を傾げつつも、「だったら寝ていろ」とミヤのようにマリーリを寝かしつけようとしてくる。
「さっきまで寝てたから大丈夫よ」
「そうか? 確かに、顔色はあまり悪くはなさそうだが」
「えぇ、寝たおかげかだいぶよくなったわ。そういえば、アトリエどうもありがとう」
「あぁ、行ったか。どうだった?」
「とても凄くてびっくりしちゃった。画材とか色々よく集められたわね」
「喜んでもらえてよかった。画材については同僚に画家を身内に持つ人がいて色々と店を教えてもらったんだ」
「へぇ、すごいわね。お身内に画家さんがいらっしゃるなんて」
「似顔絵が得意だそうだが、今度描いてもらうか? 二人で」
二人で、と言われてドキリとする。
確かにマリーリの実家にもマーサとグラコスの肖像画があった。
その隣に家族全員の肖像画もあるのだが。
それを想像してなんだか夫婦らしい、と嬉しくなって口元が自然と緩む。
「えぇ、先方の都合がつけばぜひに、と」
「わかった。伝えておく」
その後、沈黙。
なんだか気まずくてマリーリはぐるんぐるんと何か話題を、と考える。
(いきなり好きっていうのは変だし、でもどのタイミングで言えばいいのかしら……。そもそも今急に言っても不意打ちすぎるわよね。かと言って自然に好きって言うタイミングなんてある!? いや、きっとないわよね!??)
自分で自分の思考にパニックになりながらあーでもないこーでもないと一人で悶々と考える。
だが、考えれば考えるほど思考がドツボにハマっていく。
(これだけ気まずくてドキドキしてるなら、いっそのこと勢いで言ってしまえばいいのでは!?)
パニックすぎてもはや極端な考えになってしまっているが、言うなら早いほうがいいだろう、とマリーリは身構えた。
「じゅ、ジュリアス」
「どうした?」
「えっと、その、私……」
「うん?」
「す、す……」
「す?」
「好き、……なの。魚釣り」
「魚釣り?」
(うわぁああああ、私のバカバカバカ!!!)
好き、のあとの沈黙に耐えられず、つい余計なことを足してしまった。
今すぐ取り消したいが、一度吐いた言葉はどうすることもできずに自己嫌悪するマリーリ。
できることなら今すぐここで頭を抱えて叫びたかった。
「今度行くか、魚釣り」
「え、えぇ、ぜひ。行ったらどっちが多く釣れるか競争しましょう? 確か、近くに川があったわよね」
「あぁ。その前にマリーリの馬も探さないとな」
「そうね。約束したものね」
「何色がいい?」
「うーん、あまり希望はないわ。見てから決める」
「マリーリらしいな。実際、相性もあるからな」
再びの沈黙。
いつもだったら話題は尽きないのに、今日はやたらと沈黙が多いし、その沈黙もいい空気というよりギクシャクとしていて正直気まずくて仕方がない。
(まだ夕飯はできないの!?)
未だに呼び出される気配がないのを感じながら、何か話題、何か話題……とまたしてもぐるぐると思考を巡らせる。
「あ、そういえば、さっきまでどこに行ってたの?」
「え? あぁ、ちょっとな」
「ちょっと……?」
「あー……」
なんとも歯切れの悪い回答。
たまにあるのだが、ジュリアスは隠しごとがあるときはこうして口籠もる性質がある。
(私には言いたくないことなのかしら。実は他に想い人がいてその方と密会していたとか? それとも、私と一緒にいたくないからずっと気晴らしに走り回っていたとか)
またしても悪いことばかり考えてしまってしゅん、と項垂れるように俯く。
すると、「やはり隠しても仕方ないな。マリーリ、ちょっと来てくれ」と手を繋がれたかと思えばそのまま引かれて部屋を出る。
「ど、どこに行くの?」
「庭だ」
「庭? もうすぐ夕飯では?」
「そうなんだが、夕飯前に見て欲しいんだ」
一体なんなんだろうか、と思いながら連れられるままに庭へと行く。
すると、何やら可愛らしいピヨピヨという鳴き声が聞こえてきた。
「ひよこ?」
そこにはまだあどけない、小さなひよこがいた。
箱の中に木屑と一緒になって入っていて、こちらを見上げながら鳴いている。
「これをマリーリに。……昨夜はすまない、その、つい、出来心で……っていや、俺は何を言っているんだ。あー、とにかく怖がらせて悪かった。お詫びと言ってはなんだが、マリーリが好きそうなものをと考えて……」
あれこれと言い訳するように喋り始めるジュリアス。
ぽかんと呆気に取られていると一方的につらつらと聞いてもいないことを躓きながらも話している。
(別に怖がっていたわけではないのだけど、ジュリアスにはそう見えたのかしら)
ジュリアスはジュリアスなりに昨夜のことを考えてくれたらしい。
まさか自分が怖がっていると思われているとは思わなかったが、確かに昨夜は緊張で震えていたかもしれないことを思い出すマリーリ。
「私の好きそうなものを考えて、ひよこを私に?」
「あぁ。馬は勝手に選ぶものでもないし、マリーリが他に何を好きかと考えたとき鳥が好きだったと言っていたのを思い出して」
「あー……」
(実際に鳥は好きだけど、食べるほうが好きだなんて今は言えない)
さすがのマリーリもそこまで無粋ではない。
雰囲気的にあえてそこは黙っておいた。
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「ありがとう、ジュリアス」
渡されたひよこは手のひらの上でピヨピヨと可愛らしくしきりに鳴いている。
こうしてまじまじとひよこを見る機会は今まではなかったが、存外可愛い。
もふもふで、ふわふわで、小さくて。
ピヨピヨと鳴く声も一羽だけだとあまり気にならなかった。
「あぁ、ちなみにメスを買ってきた。だから成長したら卵を収獲できるようになるだろう」
「卵……」
「ん? オスのほうがよかったか?」
「え? いえ、メスで大丈夫よ。そうか、卵を産むのだものね。産むようになったら毎日卵が食べられるわね」
「あぁ、ちなみに卵の黄身は食べるものによって色が変わるらしい」
「へぇ、そうなんだ。ふふ、色々試してみようかしら」
まさか自分のために出かけていたと思わず、さらに自分が考えていたことすべて杞憂だったと知ってホッとする。
それと共に、自分のためにわざわざ用意してくれたジュリアスを改めて好きになったような気がした。
「ありがとう、ジュリアス」
「いや、どういたしまして」
「名前、何にしましょう」
「もうマリーリのものだからマリーリがつけてくれ」
「うーん、そうね……」
「ジュリアスさま、マリーリさま、お夕飯の支度ができましたよーーーー!!!」
メイドの声が聞こえて二人で顔を見合わせる。
「今夜の食事はなんでしょうね?」
「もうお腹ぺこぺこだから、俺はなんでも美味しく食べられる自信があるぞ」
「ジュリアスお昼ちゃんと食べてないの?」
「つい忘れててな」
お互いまた顔を見合わせくすくすと笑い合う。
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マリーリとジュリアスは仲睦まじく家へと戻るのだった。
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