16 / 83
16 もしかして、寝てる……?
しおりを挟む
「え、また行くの?」
「あぁ、こいつの身柄を衛兵に引き渡さねばならぬからな。きちんと司法で裁いてもらわねば」
意識を失ったままのブランをぐるぐる巻きにし、身動きができない状態にしてから馬車に荷物のように転がす。
チラッとマリーリがブランの顔を見ると、相当ジュリアスに強く殴られたのか、見るも無惨に腫れていた。
(ご自慢の顔も台無しね)
自分がされた仕打ちを考えると当然の報いだと思いながらも、同時にもしジュリアスが駆けつけてなかったらと思うと、考えただけで身震いするほどの恐怖に包まれるマリーリ。
すると、身体が震え、不安で瞳が揺れるマリーリを安心させるように、ジュリアスは彼女を強く抱きしめた。
「大丈夫だ、俺がしっかり証言し、裁きを下してもらってくる」
「ありがとう、ジュリアス」
お互いに見つめ合ったあと、ジュリアスが馬車に乗り込もうとしたときだった。
「マリーリ!!」
「マリーリ! 無事!?」
今度はグラコスとマーサが血相を変えて飛び込んでくる。
殴られて腫らしたマリーリの顔を見るや、マーサは貧血を起こし倒れ、慌ててメイド達が彼女の身体を支え介抱する。
グラコスも愛娘のぼろぼろの姿に、一瞬で顔色が変わった。
「ブランにされたのか!?」
「……はい」
「なんということだ! 私の可愛いマリーリをこのような目に合わせるなどと……っ!!」
グラコスは顔を真っ赤にし、怒りでワナワナと震える。
それもそのはず、今まで穏便にことを進めようと昼夜問わず様々な根回しをしていたというのに、全部パァにされたどころか大切な一人娘を力づくで傷物にされたのだからその怒りは当然であった。
「フィーロ男爵。今回の件については司法に裁いていただこうと思っておりますので、早速で申し訳ありませんがご同行いただけませんでしょうか」
「あぁ、もちろんだ! 今までのことを含めてきっちりと証言させてもらう!!」
「お父様もまた行ってしまうの?」
「あぁ、こういうのは早いほうがいいからな。トッド、妻と娘を任せた」
「承知しました」
「ジュリアスも気をつけて」
「あぁ、マリーリも」
チュッとジュリアスがマリーリの額に口づける。
あまりの不意打ちに、マリーリは一瞬呆けたあと、されたことを理解して、かぁぁぁと顔を赤らめるとジュリアスは優しく微笑んで馬車に乗り込んだ。
そしてまだ雨が続く中、ジュリアスとグラコスとブランを乗せた馬車は暗闇の中に消えていったのだった。
◇
「もう大丈夫なのか?」
「えぇ、もうだいぶ。どう? 顔も腫れてないでしょう?」
「そうか? この辺りはまだふっくらしている気がするが」
「それは元からですー! 悪かったわね、顔に肉がつきやすいのよ。もう、気にしてるって言うのに」
ぷぅ、と口元を膨らませると、ジュリアスが愉快そうに笑いながら「すまない、冗談だ」とマリーリの頭を撫でた。
あの嵐の日、ジュリアスとグラコスは衛兵にブランの身柄を引き渡し、その日あったことなどを国王に直訴した。
そして、その日までに調べていたグシュダン家の不正……不法密造酒の売買や違法規制品の輸出入などの証拠や証言などもまとめて通報し、グシュダン家は伯爵の爵位を剥奪された。
この件に関わった人々は全て投獄され、その中にはパキラ子爵家も含まれていたという。
そしてグシュダン家、並びにパキラ家は没落の一途を辿り、ブランとの婚約の件は綺麗さっぱりなくなった。
「でも、まだ結婚の許しが出ないだなんて」
グシュダン家との婚約がなくなったことで改めてバード家と婚約ができたのはいいのだが、なぜか婚姻に関しては双方の当主が首を振らず。
結局以前話していた通り、ブレアの地にはマリーリとジュリアスは婚約のまま同行することになった。
未だにマリーリはそれに納得していないのだが、どうやら大人の事情というものがあるらしい。
マリーリは不服であったが、どう抗議してもグラコスは頷かず、マリーリは渋々引き下がるしかないのだった。
「まぁ、焦るものでもないだろう? それに、結婚できるのは決まっているのだから」
「そうかもしれないけど……、ジュリアスは私とすぐに結婚したくないの?」
「それは……」
「待って、いい。変なことを言ってしまったわ。私ったら、最近ちょっと変なのよね」
「変って、大丈夫なのか?」
あの一件のせいか、マリーリはやはりどこかトラウマを抱えてしまったようで、確約がないという状態が不安で仕方がなかった。
ジュリアスも自分に甘いことを言っている陰で実は何かを悪いことを言っているのではないかと疑心暗鬼に苛まれたり、誰かにまたジュリアスを奪われてしまうのではないかという警戒心が生まれたりするようになってしまった。
マリーリはそんなこと考えたくもないのに次々によからぬことばかり考えてしまう元々の性格も災いして、その不安感がより増してしまったのだ。
(でもこんなこと、ジュリアスに言えない)
苦しい胸の内を曝け出したいが、ジュリアスのことを信用しきれていない自分がいて、マリーリは素直に本心を言うことができなかった。
元々この婚約だってお互い都合のいい相手だからという愛のないもの。
お互い想いあって実現したものではないのだと自分に言い聞かせてマリーリはグッと黒い蟠りを心の内に押し留めた。
「えぇ、大丈夫。ジュリアスも忙しいのに、いつも来てくれてありがとう」
「いや、それは別にいいんだが……」
ジュリアスは複雑な表情をしながらマリーリを見つめる。
最近のジュリアスはなんだかたまに難しい表情をすることが多くなったような気がする。
何か言いたげだけど、それを我慢しているような。
マリーリは本当は彼が何を考えているか尋ねたかったが、またそれを言って嫌な重い女だと思われたくなくて、その言葉を飲み込んだ。
「そういえば、ジュリアスはブレアに行く準備はできた?」
「うん? あぁ、そうだな。元々俺は荷物があまりないから、さして用意するものはないんだ」
「そうなのね。寄宿舎から直接ブレアに行くんでしたっけ?」
「そうだ。だから、俺が持っていくのは必要最低限の物資だな」
「そう。私ももうすぐ用意ができると思うんだけど、いかんせん何が必要だかあとからあとから思い出すから埒があかなくて」
「ははは、マリーリのご両親も心配性だからな」
「本当。一体荷車いくつぶんになるんだか……」
「家に入る分だけ持ってきてくれ」
「そうよね。それはちゃんと確認しておく」
沈黙が流れる。
以前だったらこんな沈黙などなんてことなかったのに、今はとても気まずい。
昔の頃はこの沈黙の間どうしていたんだっけ? とも思い出そうにも思い出せず、ただただこの静かな時間を打破する何かを頭の中でぐるぐると必死にマリーリは考えた。
(このままだとジュリアスが帰っちゃう)
ジュリアスは伯爵という称号をもらってから忙しい。
国王に会いに行ったと思えば、ブレアの地に前任の伯爵に会いに行き、鍛錬も欠かさず行い、またマリーリとの婚約のことでマリーリの家に来たりジュリアス自身の実家に行ったりといつ寝ているのか、というくらい多忙だった。
だからこそこうして会える時間は貴重で、今日だってあの嵐の日の後処理でずっと会えずに、あの日以来の逢瀬だというのに。
ガクッ
「……ジュリアス?」
不意に肩にずしんと重みが来たと思えば、肩には綺麗なジュリアスの顔がそこにあった。
えぇ!? と、びっくりして身体を離そうとすると、そのまま身体が沈んでいくジュリアスを慌てて支えると、彼は何も言わずにそのままなすがままになっていた。
「もしかして、寝てる……?」
すぅすぅ、と伏せられた目蓋。
目を閉じていてもわかるほど美しく整った顔。
男なのにズルい、と思ったことも過去にはあるが、それはそれで騎士の時代に苦労したらしいことも知っているのでマリーリはあえて口にはしなかった。
「もう、こんなに疲れているなら来なくてもいいのに……」
そう口にしながらも、やっぱり会えるのは嬉しいわけで。
こうして寝る間も惜しんで自分に会いに来てくれているという事実が、マリーリにとってはとても嬉しかった。
(こんな綺麗な顔をしていてもやっぱり男ね。……重たい)
ずっと支えているのもつらくなって、そっと彼の身体を膝の上に乗せると自然と膝枕の状態になった。
錦糸のようにキラキラと輝く金色の髪が顔にかかるのをそっと払い、そのまま撫でる。
ジュリアスの髪など久しぶりに撫でた気がして、しかもそれがとても心地よくて、マリーリは無心で彼の髪を何度も撫でた。
(ジュリアス、好き……大好き。ありがとう)
愛しい気持ちを抱きながらジュリアスを撫で、そっと彼の頬に口づける。
そして、この時間がずっと続けばいいのに、と密かに思うマリーリだった。
「あぁ、こいつの身柄を衛兵に引き渡さねばならぬからな。きちんと司法で裁いてもらわねば」
意識を失ったままのブランをぐるぐる巻きにし、身動きができない状態にしてから馬車に荷物のように転がす。
チラッとマリーリがブランの顔を見ると、相当ジュリアスに強く殴られたのか、見るも無惨に腫れていた。
(ご自慢の顔も台無しね)
自分がされた仕打ちを考えると当然の報いだと思いながらも、同時にもしジュリアスが駆けつけてなかったらと思うと、考えただけで身震いするほどの恐怖に包まれるマリーリ。
すると、身体が震え、不安で瞳が揺れるマリーリを安心させるように、ジュリアスは彼女を強く抱きしめた。
「大丈夫だ、俺がしっかり証言し、裁きを下してもらってくる」
「ありがとう、ジュリアス」
お互いに見つめ合ったあと、ジュリアスが馬車に乗り込もうとしたときだった。
「マリーリ!!」
「マリーリ! 無事!?」
今度はグラコスとマーサが血相を変えて飛び込んでくる。
殴られて腫らしたマリーリの顔を見るや、マーサは貧血を起こし倒れ、慌ててメイド達が彼女の身体を支え介抱する。
グラコスも愛娘のぼろぼろの姿に、一瞬で顔色が変わった。
「ブランにされたのか!?」
「……はい」
「なんということだ! 私の可愛いマリーリをこのような目に合わせるなどと……っ!!」
グラコスは顔を真っ赤にし、怒りでワナワナと震える。
それもそのはず、今まで穏便にことを進めようと昼夜問わず様々な根回しをしていたというのに、全部パァにされたどころか大切な一人娘を力づくで傷物にされたのだからその怒りは当然であった。
「フィーロ男爵。今回の件については司法に裁いていただこうと思っておりますので、早速で申し訳ありませんがご同行いただけませんでしょうか」
「あぁ、もちろんだ! 今までのことを含めてきっちりと証言させてもらう!!」
「お父様もまた行ってしまうの?」
「あぁ、こういうのは早いほうがいいからな。トッド、妻と娘を任せた」
「承知しました」
「ジュリアスも気をつけて」
「あぁ、マリーリも」
チュッとジュリアスがマリーリの額に口づける。
あまりの不意打ちに、マリーリは一瞬呆けたあと、されたことを理解して、かぁぁぁと顔を赤らめるとジュリアスは優しく微笑んで馬車に乗り込んだ。
そしてまだ雨が続く中、ジュリアスとグラコスとブランを乗せた馬車は暗闇の中に消えていったのだった。
◇
「もう大丈夫なのか?」
「えぇ、もうだいぶ。どう? 顔も腫れてないでしょう?」
「そうか? この辺りはまだふっくらしている気がするが」
「それは元からですー! 悪かったわね、顔に肉がつきやすいのよ。もう、気にしてるって言うのに」
ぷぅ、と口元を膨らませると、ジュリアスが愉快そうに笑いながら「すまない、冗談だ」とマリーリの頭を撫でた。
あの嵐の日、ジュリアスとグラコスは衛兵にブランの身柄を引き渡し、その日あったことなどを国王に直訴した。
そして、その日までに調べていたグシュダン家の不正……不法密造酒の売買や違法規制品の輸出入などの証拠や証言などもまとめて通報し、グシュダン家は伯爵の爵位を剥奪された。
この件に関わった人々は全て投獄され、その中にはパキラ子爵家も含まれていたという。
そしてグシュダン家、並びにパキラ家は没落の一途を辿り、ブランとの婚約の件は綺麗さっぱりなくなった。
「でも、まだ結婚の許しが出ないだなんて」
グシュダン家との婚約がなくなったことで改めてバード家と婚約ができたのはいいのだが、なぜか婚姻に関しては双方の当主が首を振らず。
結局以前話していた通り、ブレアの地にはマリーリとジュリアスは婚約のまま同行することになった。
未だにマリーリはそれに納得していないのだが、どうやら大人の事情というものがあるらしい。
マリーリは不服であったが、どう抗議してもグラコスは頷かず、マリーリは渋々引き下がるしかないのだった。
「まぁ、焦るものでもないだろう? それに、結婚できるのは決まっているのだから」
「そうかもしれないけど……、ジュリアスは私とすぐに結婚したくないの?」
「それは……」
「待って、いい。変なことを言ってしまったわ。私ったら、最近ちょっと変なのよね」
「変って、大丈夫なのか?」
あの一件のせいか、マリーリはやはりどこかトラウマを抱えてしまったようで、確約がないという状態が不安で仕方がなかった。
ジュリアスも自分に甘いことを言っている陰で実は何かを悪いことを言っているのではないかと疑心暗鬼に苛まれたり、誰かにまたジュリアスを奪われてしまうのではないかという警戒心が生まれたりするようになってしまった。
マリーリはそんなこと考えたくもないのに次々によからぬことばかり考えてしまう元々の性格も災いして、その不安感がより増してしまったのだ。
(でもこんなこと、ジュリアスに言えない)
苦しい胸の内を曝け出したいが、ジュリアスのことを信用しきれていない自分がいて、マリーリは素直に本心を言うことができなかった。
元々この婚約だってお互い都合のいい相手だからという愛のないもの。
お互い想いあって実現したものではないのだと自分に言い聞かせてマリーリはグッと黒い蟠りを心の内に押し留めた。
「えぇ、大丈夫。ジュリアスも忙しいのに、いつも来てくれてありがとう」
「いや、それは別にいいんだが……」
ジュリアスは複雑な表情をしながらマリーリを見つめる。
最近のジュリアスはなんだかたまに難しい表情をすることが多くなったような気がする。
何か言いたげだけど、それを我慢しているような。
マリーリは本当は彼が何を考えているか尋ねたかったが、またそれを言って嫌な重い女だと思われたくなくて、その言葉を飲み込んだ。
「そういえば、ジュリアスはブレアに行く準備はできた?」
「うん? あぁ、そうだな。元々俺は荷物があまりないから、さして用意するものはないんだ」
「そうなのね。寄宿舎から直接ブレアに行くんでしたっけ?」
「そうだ。だから、俺が持っていくのは必要最低限の物資だな」
「そう。私ももうすぐ用意ができると思うんだけど、いかんせん何が必要だかあとからあとから思い出すから埒があかなくて」
「ははは、マリーリのご両親も心配性だからな」
「本当。一体荷車いくつぶんになるんだか……」
「家に入る分だけ持ってきてくれ」
「そうよね。それはちゃんと確認しておく」
沈黙が流れる。
以前だったらこんな沈黙などなんてことなかったのに、今はとても気まずい。
昔の頃はこの沈黙の間どうしていたんだっけ? とも思い出そうにも思い出せず、ただただこの静かな時間を打破する何かを頭の中でぐるぐると必死にマリーリは考えた。
(このままだとジュリアスが帰っちゃう)
ジュリアスは伯爵という称号をもらってから忙しい。
国王に会いに行ったと思えば、ブレアの地に前任の伯爵に会いに行き、鍛錬も欠かさず行い、またマリーリとの婚約のことでマリーリの家に来たりジュリアス自身の実家に行ったりといつ寝ているのか、というくらい多忙だった。
だからこそこうして会える時間は貴重で、今日だってあの嵐の日の後処理でずっと会えずに、あの日以来の逢瀬だというのに。
ガクッ
「……ジュリアス?」
不意に肩にずしんと重みが来たと思えば、肩には綺麗なジュリアスの顔がそこにあった。
えぇ!? と、びっくりして身体を離そうとすると、そのまま身体が沈んでいくジュリアスを慌てて支えると、彼は何も言わずにそのままなすがままになっていた。
「もしかして、寝てる……?」
すぅすぅ、と伏せられた目蓋。
目を閉じていてもわかるほど美しく整った顔。
男なのにズルい、と思ったことも過去にはあるが、それはそれで騎士の時代に苦労したらしいことも知っているのでマリーリはあえて口にはしなかった。
「もう、こんなに疲れているなら来なくてもいいのに……」
そう口にしながらも、やっぱり会えるのは嬉しいわけで。
こうして寝る間も惜しんで自分に会いに来てくれているという事実が、マリーリにとってはとても嬉しかった。
(こんな綺麗な顔をしていてもやっぱり男ね。……重たい)
ずっと支えているのもつらくなって、そっと彼の身体を膝の上に乗せると自然と膝枕の状態になった。
錦糸のようにキラキラと輝く金色の髪が顔にかかるのをそっと払い、そのまま撫でる。
ジュリアスの髪など久しぶりに撫でた気がして、しかもそれがとても心地よくて、マリーリは無心で彼の髪を何度も撫でた。
(ジュリアス、好き……大好き。ありがとう)
愛しい気持ちを抱きながらジュリアスを撫で、そっと彼の頬に口づける。
そして、この時間がずっと続けばいいのに、と密かに思うマリーリだった。
0
お気に入りに追加
2,231
あなたにおすすめの小説

上辺だけの王太子妃はもうたくさん!
ネコ
恋愛
侯爵令嬢ヴァネッサは、王太子から「外聞のためだけに隣にいろ」と言われ続け、婚約者でありながらただの体面担当にされる。周囲は別の令嬢との密会を知りつつ口を噤むばかり。そんな扱いに愛想を尽かしたヴァネッサは「それなら私も好きにさせていただきます」と王宮を去る。意外にも国王は彼女の価値を知っていて……?

【コミカライズ決定】地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~
胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。
時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。
王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。
処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。
これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。
踏み台令嬢はへこたれない
三屋城衣智子
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。

【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます
修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。
その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。
彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。
ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。
一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。
必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。
なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ──
そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。
これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。
※小説家になろうが先行公開です

婚約破棄おめでとー!
鳥柄ささみ
恋愛
「ベルーナ・ディボラ嬢! 貴女との婚約を破棄する!!」
結婚前パーティーで突然婚約者であるディデリクス王子から婚約破棄を言い渡されるベルーナ。婚約破棄をされるようなことをしでかした覚えはまるでないが、ベルーナは抵抗することなく「承知致しました」とその宣言を受け入れ、王子の静止も聞かずにその場をあとにする。
「ぷはー!! 今日は宴よ! じゃんじゃん持ってきて!!」
そしてベルーナは帰宅するなり、嬉々として祝杯をあげるのだった。
※他のサイトにも掲載中
森に捨てられた令嬢、本当の幸せを見つけました。
玖保ひかる
恋愛
[完結]
北の大国ナバランドの貴族、ヴァンダーウォール伯爵家の令嬢アリステルは、継母に冷遇され一人別棟で生活していた。
ある日、継母から仲直りをしたいとお茶会に誘われ、勧められたお茶を口にしたところ意識を失ってしまう。
アリステルが目を覚ましたのは、魔の森と人々が恐れる深い森の中。
森に捨てられてしまったのだ。
南の隣国を目指して歩き出したアリステル。腕利きの冒険者レオンと出会い、新天地での新しい人生を始めるのだが…。
苦難を乗り越えて、愛する人と本当の幸せを見つける物語。
※小説家になろうで公開した作品を改編した物です。
※完結しました。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

【完結】あなたに抱きしめられたくてー。
彩華(あやはな)
恋愛
細い指が私の首を絞めた。泣く母の顔に、私は自分が生まれてきたことを後悔したー。
そして、母の言われるままに言われ孤児院にお世話になることになる。
やがて学園にいくことになるが、王子殿下にからまれるようになり・・・。
大きな秘密を抱えた私は、彼から逃げるのだった。
同時に母の事実も知ることになってゆく・・・。
*ヤバめの男あり。ヒーローの出現は遅め。
もやもや(いつもながら・・・)、ポロポロありになると思います。初めから重めです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる