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11 二人とも母ということでいいじゃない
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「まぁまぁまぁまぁ、マリーリちゃん! こんなに素敵なレディになって!」
「ご無沙汰してます、ネルフィーネさま」
今日は、婚約に関してフィーロ家とバード家の両家顔合わせだ。
とはいえ、元々幼馴染で顔馴染みなのだから顔合わせと言っても今更ではあるのだが、お互いせっかくだしお話をたくさんしましょうというのが本音の実質ただの晩餐会である。
「もう、これからは貴女のお母様になるのだからそんな他人行儀な呼び方はやめて、ワタクシのことはネルお母様と呼んでちょうだい」
「何を言っているの。マリーリの母はわたくしだけなのだから、ネルは義理のお母様よ?」
「マーサったら意地悪ね。いいじゃない、二人ともマリーリちゃんの母ということで。ねぇ? マリーリちゃん」
バード家に着くなり異様なほどにテンションの高いジュリアスの母、ネルフィーネ・バードに歓待される。
彼女はマリーリの手をギュッと掴んで、ニコニコと満面の笑みで微笑むと、それを遮るようにマーサがしゃしゃり出てくる。
というのも、マリーリの母マーサとジュリアスの母ネルフィーネが元々幼馴染みで仲がよく、その繋がりでマリーリとジュリアスも幼馴染として親交があったという経緯があるので、この二人のやりとりも家族としては慣れっこであった。
そのため、今回のメインは恐らくマリーリとジュリアスの婚約にかこつけたマーサとネルフィーネのお喋り会であるとマリーリは考えている。
「母さん、早く中に案内しないと」
「あらあら、そうね。こんなエントランスで立ち話だなんて、淑女として失格だわ。フィーロ男爵もご機嫌よう。ささ、どうぞ中に」
ジュリアスが呆れ顔でネルフィーネをせっつくと、慌てて中へと案内を始める。
マーサもネルフィーネも気心の知れた仲であり似た者同士だからか、一度スイッチが入ると止まらない性分であり、毎度同じようなやらかしをする二人にジュリアスとグラコスが苦笑するのも無理はなかった。
(でも、こうして家でのジュリアスを見るのは久々ね)
いつも外や自分の家で会うことが多かったから、普段の外向けの顔とはまた違って身内ゆえの気安さを感じて微笑ましく思う。
マリーリがチラッとジュリアスを見れば、彼もまたこちらを見ていたようで視線が交わる。
目が合った瞬間なんだか恥ずかしくなって慌ててマリーリが視線をそらすと、つかつかとジュリアスがこちらに向かってやってきた。
「母さんがすまないな。久々にマリーリとフィーロ夫人に会えるとここのところずっとはしゃいでいたから、今日は大目に見てやってくれ」
「いいのよ。うちの母も同じような感じだったし。でも、今日は一段と長くなりそうね」
「あぁ。それを見越して父さんもフィーロ男爵のために酒やらボードゲームやらを用意しているらしい」
「ふふ、フィリップさまらしい」
珍しくバード侯爵が出てこないな、と思ったらそういうことか、と納得する。
前日からずっと色々な棚や部屋を漁っては様々なものを引っ張り出してきているらしい。
子どもか、とも思ってしまう行動だが、実際バード侯爵は見た目は厳しそうだが中身は子どもらしい一面があり、しっかり者のグラコスに憧れがあるそうでこちらはこちらで仲がよいのだ。
「ようこそお越しくださいました、フィーロ男爵。すみませんな、わざわざご足労いただき。しかもお出迎えもできず面目ない」
「いえ、こちらこそ。というか、随分と埃まみれですが大丈夫です?」
「あら! もうやだやだ、フィリップったら! ごめんなさいね。もー、これから晩餐会だってのに。今すぐ着替えてきなさいな」
「あぁ、そうだな。ネルフィーネ、すまないが先に準備を進めてもらっても?」
「いいわよ、ワタクシがやっておきます」
ネルフィーネが引き受けるとそそくさと奥へ行くフィリップ。
その姿を見て「相変わらず貴女の旦那様はそそっかしくて可愛らしいわね」とマーサがからかう。
「そうでしょう? あげないわよ」
「やだわ。わたくしには既にここに素敵な旦那様がいるから結構よ」
「フィリップだって素敵な旦那様よ? いつもワタクシを楽しませようと各国様々なゲームを取り寄せてくれるし」
「あら、グラコスだって。わたくしの好きなお菓子やお茶を用意してくださるわ」
「母さん」
「マーサ」
ジュリアスとグラコスが窘めるように呼ぶと、すぐさま黙り込む二人。
男二人はなんとも言えない複雑な表情をしているのに対し、マリーリは自分の旦那様の惚気をこうして言い合える関係って素敵だなと思いながら、ジュリアスへの惚気を言い合う姿を想像して、勝手に頬を染めるのだった。
◇
「それにしても、ようやくと言った感じでよかったわ」
「母さん」
ジュリアスが咎めるように珍しく語気を荒げてネルフィーネを制す。
だが彼女は「ふふふ、ごめんなさい」と悪びれる様子はなく、ニコニコと微笑んだままだ。
「とにかくめでたいことだ。こうして縁続きになれるというのは」
「こちらこそ。紆余曲折ありましたが、こうして繋がりができて嬉しく思います」
フィリップも着替えを済まし、みんなで乾杯を済ませたあと晩餐会が始まる。
フィリップはいつもの強面からは想像できないほど破顔し、ネルフィーネもグラコスもマーサもみんな嬉しそうにニコニコと笑っていた。
こんなにもみんな喜んでいるのか、と思うとなんだか自分がブランと婚約してしまったことが申し訳なく感じるマリーリ。
元々マリーリとジュリアスは両親が仲が良かったこともあって、このまま婚約して結婚したら? と促される機会は多々あったのだが、思春期ゆえの反抗か、マリーリはそうしてお膳立てされた結婚というのが当時は嫌で嫌でしょうがなく、自分で恋した相手と結婚をしたいという若さゆえの盲目さを持っていた。
そのため、ただ夜会で声をかけてくれて優しくされたというだけでブランを婚約者にと選んでしまったのだが、今思えばあんなに意固地になっていなければ、と自分が全て悪いような気がして申し訳なくなってくる。
「そういえば、ブルースくんは元気にしていらっしゃいますか?」
ブルースというのはジュリアスの兄でバード侯爵家の長男だ。
ブルースはジュリアスとは五つ年が離れていて既に結婚し、バード侯爵家の跡取りとしてこの家を継いでいるのだが、今日は不在のためグラコスが尋ねる。
「えぇ、おかげさまで。先日とうとう孫が産まれまして、現在ヴィンセント伯爵家に行っております」
「おぉ、それはめでたい!」
「そうなんです。元気な男の子で、早くこちらに来るのが楽しみです」
「あら、男の子! では、バード家も安泰ですわね」
両親同士で会話に花が咲く。
ブルースとは年が離れているためマリーリはあまり話したことはないのだが、ジュリアスと違って明るく陽気な男性だったと思い出す。
きっと両親の遺伝だろうなぁ、と思いつつもジュリアスはいつも寡黙で人見知りだし、兄弟でこうも性格が違くなるものなのだな、と兄弟がいないマリーリは不思議な気持ちになった。
「マリーリちゃんはどうして急にジュリアスを?」
「え!?」
「母さん!」
「あら、これくらいは聞いてもいいじゃない。ねぇ?」
「えぇ、そうよ! わたくしもずっと気になってたの。ずっとはぐらかされてばかりだったし、今日くらい言っちゃいなさいよ、マリーリ」
お酒が回ってきたせいか、両家の母からの質問にたじたじになるも逃してくれる気配はない。
マリーリは助けを求めようとグラコスを見るも、全然こちらの話を聞いていなかったようで今も夢中になってフィリップと話し込んでいる。
今度はジュリアスを見るが、苦虫を噛み潰したような表情のままだ。
「え、えーっと、優しいところとか……?」
「他には?」
「他? えーっと、話をしっかりと聞いてくれるところとか……」
(このやりとり、前にもやった気がする)
既視感を覚えつつも追及されるがままに答えると、両家の母達はニヤニヤと満足そうに微笑み、当のジュリアスといえば顔を真っ赤にして俯いていた。
「ご無沙汰してます、ネルフィーネさま」
今日は、婚約に関してフィーロ家とバード家の両家顔合わせだ。
とはいえ、元々幼馴染で顔馴染みなのだから顔合わせと言っても今更ではあるのだが、お互いせっかくだしお話をたくさんしましょうというのが本音の実質ただの晩餐会である。
「もう、これからは貴女のお母様になるのだからそんな他人行儀な呼び方はやめて、ワタクシのことはネルお母様と呼んでちょうだい」
「何を言っているの。マリーリの母はわたくしだけなのだから、ネルは義理のお母様よ?」
「マーサったら意地悪ね。いいじゃない、二人ともマリーリちゃんの母ということで。ねぇ? マリーリちゃん」
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彼女はマリーリの手をギュッと掴んで、ニコニコと満面の笑みで微笑むと、それを遮るようにマーサがしゃしゃり出てくる。
というのも、マリーリの母マーサとジュリアスの母ネルフィーネが元々幼馴染みで仲がよく、その繋がりでマリーリとジュリアスも幼馴染として親交があったという経緯があるので、この二人のやりとりも家族としては慣れっこであった。
そのため、今回のメインは恐らくマリーリとジュリアスの婚約にかこつけたマーサとネルフィーネのお喋り会であるとマリーリは考えている。
「母さん、早く中に案内しないと」
「あらあら、そうね。こんなエントランスで立ち話だなんて、淑女として失格だわ。フィーロ男爵もご機嫌よう。ささ、どうぞ中に」
ジュリアスが呆れ顔でネルフィーネをせっつくと、慌てて中へと案内を始める。
マーサもネルフィーネも気心の知れた仲であり似た者同士だからか、一度スイッチが入ると止まらない性分であり、毎度同じようなやらかしをする二人にジュリアスとグラコスが苦笑するのも無理はなかった。
(でも、こうして家でのジュリアスを見るのは久々ね)
いつも外や自分の家で会うことが多かったから、普段の外向けの顔とはまた違って身内ゆえの気安さを感じて微笑ましく思う。
マリーリがチラッとジュリアスを見れば、彼もまたこちらを見ていたようで視線が交わる。
目が合った瞬間なんだか恥ずかしくなって慌ててマリーリが視線をそらすと、つかつかとジュリアスがこちらに向かってやってきた。
「母さんがすまないな。久々にマリーリとフィーロ夫人に会えるとここのところずっとはしゃいでいたから、今日は大目に見てやってくれ」
「いいのよ。うちの母も同じような感じだったし。でも、今日は一段と長くなりそうね」
「あぁ。それを見越して父さんもフィーロ男爵のために酒やらボードゲームやらを用意しているらしい」
「ふふ、フィリップさまらしい」
珍しくバード侯爵が出てこないな、と思ったらそういうことか、と納得する。
前日からずっと色々な棚や部屋を漁っては様々なものを引っ張り出してきているらしい。
子どもか、とも思ってしまう行動だが、実際バード侯爵は見た目は厳しそうだが中身は子どもらしい一面があり、しっかり者のグラコスに憧れがあるそうでこちらはこちらで仲がよいのだ。
「ようこそお越しくださいました、フィーロ男爵。すみませんな、わざわざご足労いただき。しかもお出迎えもできず面目ない」
「いえ、こちらこそ。というか、随分と埃まみれですが大丈夫です?」
「あら! もうやだやだ、フィリップったら! ごめんなさいね。もー、これから晩餐会だってのに。今すぐ着替えてきなさいな」
「あぁ、そうだな。ネルフィーネ、すまないが先に準備を進めてもらっても?」
「いいわよ、ワタクシがやっておきます」
ネルフィーネが引き受けるとそそくさと奥へ行くフィリップ。
その姿を見て「相変わらず貴女の旦那様はそそっかしくて可愛らしいわね」とマーサがからかう。
「そうでしょう? あげないわよ」
「やだわ。わたくしには既にここに素敵な旦那様がいるから結構よ」
「フィリップだって素敵な旦那様よ? いつもワタクシを楽しませようと各国様々なゲームを取り寄せてくれるし」
「あら、グラコスだって。わたくしの好きなお菓子やお茶を用意してくださるわ」
「母さん」
「マーサ」
ジュリアスとグラコスが窘めるように呼ぶと、すぐさま黙り込む二人。
男二人はなんとも言えない複雑な表情をしているのに対し、マリーリは自分の旦那様の惚気をこうして言い合える関係って素敵だなと思いながら、ジュリアスへの惚気を言い合う姿を想像して、勝手に頬を染めるのだった。
◇
「それにしても、ようやくと言った感じでよかったわ」
「母さん」
ジュリアスが咎めるように珍しく語気を荒げてネルフィーネを制す。
だが彼女は「ふふふ、ごめんなさい」と悪びれる様子はなく、ニコニコと微笑んだままだ。
「とにかくめでたいことだ。こうして縁続きになれるというのは」
「こちらこそ。紆余曲折ありましたが、こうして繋がりができて嬉しく思います」
フィリップも着替えを済まし、みんなで乾杯を済ませたあと晩餐会が始まる。
フィリップはいつもの強面からは想像できないほど破顔し、ネルフィーネもグラコスもマーサもみんな嬉しそうにニコニコと笑っていた。
こんなにもみんな喜んでいるのか、と思うとなんだか自分がブランと婚約してしまったことが申し訳なく感じるマリーリ。
元々マリーリとジュリアスは両親が仲が良かったこともあって、このまま婚約して結婚したら? と促される機会は多々あったのだが、思春期ゆえの反抗か、マリーリはそうしてお膳立てされた結婚というのが当時は嫌で嫌でしょうがなく、自分で恋した相手と結婚をしたいという若さゆえの盲目さを持っていた。
そのため、ただ夜会で声をかけてくれて優しくされたというだけでブランを婚約者にと選んでしまったのだが、今思えばあんなに意固地になっていなければ、と自分が全て悪いような気がして申し訳なくなってくる。
「そういえば、ブルースくんは元気にしていらっしゃいますか?」
ブルースというのはジュリアスの兄でバード侯爵家の長男だ。
ブルースはジュリアスとは五つ年が離れていて既に結婚し、バード侯爵家の跡取りとしてこの家を継いでいるのだが、今日は不在のためグラコスが尋ねる。
「えぇ、おかげさまで。先日とうとう孫が産まれまして、現在ヴィンセント伯爵家に行っております」
「おぉ、それはめでたい!」
「そうなんです。元気な男の子で、早くこちらに来るのが楽しみです」
「あら、男の子! では、バード家も安泰ですわね」
両親同士で会話に花が咲く。
ブルースとは年が離れているためマリーリはあまり話したことはないのだが、ジュリアスと違って明るく陽気な男性だったと思い出す。
きっと両親の遺伝だろうなぁ、と思いつつもジュリアスはいつも寡黙で人見知りだし、兄弟でこうも性格が違くなるものなのだな、と兄弟がいないマリーリは不思議な気持ちになった。
「マリーリちゃんはどうして急にジュリアスを?」
「え!?」
「母さん!」
「あら、これくらいは聞いてもいいじゃない。ねぇ?」
「えぇ、そうよ! わたくしもずっと気になってたの。ずっとはぐらかされてばかりだったし、今日くらい言っちゃいなさいよ、マリーリ」
お酒が回ってきたせいか、両家の母からの質問にたじたじになるも逃してくれる気配はない。
マリーリは助けを求めようとグラコスを見るも、全然こちらの話を聞いていなかったようで今も夢中になってフィリップと話し込んでいる。
今度はジュリアスを見るが、苦虫を噛み潰したような表情のままだ。
「え、えーっと、優しいところとか……?」
「他には?」
「他? えーっと、話をしっかりと聞いてくれるところとか……」
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既視感を覚えつつも追及されるがままに答えると、両家の母達はニヤニヤと満足そうに微笑み、当のジュリアスといえば顔を真っ赤にして俯いていた。
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