3 / 83
3 まさかのプロポーズ
しおりを挟む
「落ち着いたか?」
近くの川辺で顔を洗う。思いのほか泣いてしまったせいか、目蓋は腫れてとても重かった。目を開けるのでさえやっとという感じで、今最高にブサイクだと思うとマリーリはまた気が滅入ってくる。
「えぇ、おかげさまで」
「それはよかった」
「ジュリアスに泣き顔を見られるだなんて、一生の不覚だわ」
ぶつぶつとそう溢せば、「今更だろ」と笑われる。
今日のジュリアスはよく笑うなぁ、と思いながら、マリーリは彼をぼんやりと見つめた。相変わらず中性的な整った顔である。ブランほどではないが、きっと騎士の中では上位に来るほどの顔立ちだ。
普段は無愛想だし、知らない人や気心の知れた人物でないと何も喋らないというのが欠点ではあるが。
「どうした? 俺の顔に何かついているか?」
「いえ、別に。昔と変わらないなぁ、と思っただけ」
「そうか。まぁ、マリーリも変わってないけどな」
「そ、そんなことないわよ! 最近は化粧だって頑張ってるのよ? 美容だって……」
言いながら、それは全て結婚式のためだったということを思い出して、気持ちが萎んでくる。
自分から恋をしたのがきっかけの婚約だからと私は私なりに彼を愛し、愛されるように努力していたつもりなのに、とマリーリはブランのことを想ってまた泣きそうになる。
(まさか、あんなことを思っていただなんて。しかも、よりにもよって相手がキューリスだなんて)
信頼していた人物が二人もいなくなったというのはとても寂しいことだった。
こちらから願い下げだ、とあのときは頭に血が上ってそう思っていても、時間が経つと、彼らと過ごした様々なことが思い出されて胸が苦しくなる。きっと全部騙されていたのだろう。今までの彼らとの思い出が全て嘘だったと思うと、もうマリーリは何を信じたらいいのかわからなかった。
「そういえば、こうして話すのは久しぶりだな」
「そうね。……って、ジュリアスが私に何も言わないで勝手に寄宿舎に行ってしまったからでしょう?」
「まぁ、確かにそうだが」
いつの間にか家を離れて寄宿舎へと入ってしまったジュリアス。事前に連絡などもなく、いつも一緒に遊んでいたジュリアスが突然いなくなってしまったことに、マリーリはとてもショックを受けたものだ。
両親からはジュリアスは二男だから爵位を継げない以上それが当たり前だと言われたが、なんだか仲良しの友人がどこかに行ってしまうという寂しさと裏切られたような切なさをマリーリは感じていた。
しかもたまに寄宿舎から帰ってくることもあったらしいのに、それを知るのは毎回事後報告で、こうして顔を合わせて喋ったのは本当に久しぶりなのだ。
当時は自分と顔を合わせたくないからではないか、嫌われてしまったのではないか、と悩むことも多々あったのだが、今すんなりと話すことができて、あの悩みは杞憂だったのかもしれないと思えてくる。
「なぁ、マリーリ。ブランとの婚約を破棄してどうするんだ?」
「そんなの、……知らないわよ。でも、どうしようもないじゃない。私のことが好きなわけでもないのだし、ただうちの資産だけが目当てだって言うのだから、お父様がきっと別の方との婚約を考えてくださるでしょう。今度はどこか……まともで浮気をしない、それなりの爵位の人との縁談を取りまとめてくれればいいのだけど」
「だったら俺ではダメか?」
「んー、って……はい?」
思いもよらぬジュリアスの言葉に思考が停止する。
今、目の前の彼は何て言ったのだ? とマリーリは大いに戸惑った。
「ジュリアス、今何て言ったの?」
「新たな縁談は俺ではダメなのか、と」
「正気? ねぇ、意味がわかってて言っているの? もしかしてお酒に酔っているとか、実は熱があるとかじゃなくて?」
「そういうんじゃない。お前……マリーリと結婚したいと言ったんだ」
「そんな嘘よ。ジュリアスが私と……?」
「嘘じゃない」
ジュリアスの言葉が信じられなくて、困惑するマリーリ。幼い頃は確かに仲が良かったが、それがいきなりなぜこんなことに……? と都合のいい夢でも見ているのではないかと頬をつねるが、痛みで顔を歪めた。
(現実なの……?)
未だに信じられなくて、目の前の彼をまっすぐに見つめる。すると、強い眼差しで見つめ返される。
あまりにその瞳が情熱的で、マリーリは羞恥で頬を染めると、そわそわと焦り出した。
「だ、だって、私……可愛くもないし、じゃじゃ馬で気が強くて、さっき婚約破棄したばかりなのよ? そ、そもそも、ジュリアスはまた寄宿舎に戻るんでしょう? だったら、いくらなんでも結婚だなんて無理よ」
「それが実は、先日の遠征で武勇をあげたことによって俺個人で伯爵として地位を得て、この近辺の領土を任されることになった。だから、マリーリにはそれについてきて欲しい」
「そんな、いきなり。冗談でしょ?」
「俺が冗談を言う男だと思うか?」
「それは……」
ジュリアスは昔から生真面目な男だった。
多少マリーリに対してからかうことはあれど、騎士として実直に成果を上げているというのは母からも聞いていたし、冗談を言うことはあれど、嘘の類は彼の口から聞いたことなどはなかった。
だからこそ、こうしてマリーリは自分のキャパシティを超えた出来事を処理できずにおろおろとしているのだが。
「本当、なの?」
「さっきからそう言っている」
「でも、何で……?」
「それは……、伯爵の位を持つ上でも伴侶がいた方がいいだろう、と陛下に言われていたし」
「陛下に……」
陛下に言われたから、という言葉にピリッと胸に小さい痛みが走った。
陛下に言われたから、という理由が彼らしくて笑ってしまうが、同時にそれが理由なのかとどこかで落胆してしまっているのも事実だった。
(そうよね。私が好きだから、とかなわけがないわよね。見知っている手頃な女がいたから、とかきっとそんな理由よね。私ったら、何を期待してたのかしら)
「俺と結婚したら、バルムンクにも乗り放題だぞ?」
「バルムンクに乗り放題……っ」
「なんだったら、マリーリ用に新たな馬を買ってもいい。そうだ、射撃場も作ろう。家では禁止されていたのだろう?」
「うぐ……っ、なぜそれを」
「キミの父上からよく話を聞いていたからな」
(何よそれ、そんなの聞いていないわよ!)
勝手に情報漏洩させていた父に憤りながらも、マリーリにとって魅力的な提案ばかりだった。
「浮気、しない?」
「陛下……いや、キミの父上に誓って」
「約束は守ってくれる?」
「約束の内容にもよるが、出来る限りマリーリの希望に寄り添うようにしよう」
「じゃあ……今、私にキスできる?」
最後は冗談のつもりだった。
こんなじゃじゃ馬で気の強い私を生理的に拒絶しないかどうか試すだけのものだった。
(ふふ、困ってる)
内心ニヤニヤしながら、「手でもいいわよ」と提案しようと口を開いたときだった。
「ん……っ! んんんん……っふ、ぅ……んむ」
力強く抱きしめられたかと思えば、唇が重なる。まさか本当にキスされるだなんて思わなくて目を白黒とさせていると、ゆっくりと唇が離れた。
「これでいいか?」
「……え? あー、そうね。うん、いいわ」
「そうか。では、マリーリの自宅に行ってお父上に交渉せねばな」
「そ、そうよね。まずは婚約破棄のこともお父様に伝えなきゃだし」
頭が真っ白になりながら、マリーリは適当に相槌を打つ。初めてのキスは頭がほわほわして、胸が甘く苦しいものだった。
近くの川辺で顔を洗う。思いのほか泣いてしまったせいか、目蓋は腫れてとても重かった。目を開けるのでさえやっとという感じで、今最高にブサイクだと思うとマリーリはまた気が滅入ってくる。
「えぇ、おかげさまで」
「それはよかった」
「ジュリアスに泣き顔を見られるだなんて、一生の不覚だわ」
ぶつぶつとそう溢せば、「今更だろ」と笑われる。
今日のジュリアスはよく笑うなぁ、と思いながら、マリーリは彼をぼんやりと見つめた。相変わらず中性的な整った顔である。ブランほどではないが、きっと騎士の中では上位に来るほどの顔立ちだ。
普段は無愛想だし、知らない人や気心の知れた人物でないと何も喋らないというのが欠点ではあるが。
「どうした? 俺の顔に何かついているか?」
「いえ、別に。昔と変わらないなぁ、と思っただけ」
「そうか。まぁ、マリーリも変わってないけどな」
「そ、そんなことないわよ! 最近は化粧だって頑張ってるのよ? 美容だって……」
言いながら、それは全て結婚式のためだったということを思い出して、気持ちが萎んでくる。
自分から恋をしたのがきっかけの婚約だからと私は私なりに彼を愛し、愛されるように努力していたつもりなのに、とマリーリはブランのことを想ってまた泣きそうになる。
(まさか、あんなことを思っていただなんて。しかも、よりにもよって相手がキューリスだなんて)
信頼していた人物が二人もいなくなったというのはとても寂しいことだった。
こちらから願い下げだ、とあのときは頭に血が上ってそう思っていても、時間が経つと、彼らと過ごした様々なことが思い出されて胸が苦しくなる。きっと全部騙されていたのだろう。今までの彼らとの思い出が全て嘘だったと思うと、もうマリーリは何を信じたらいいのかわからなかった。
「そういえば、こうして話すのは久しぶりだな」
「そうね。……って、ジュリアスが私に何も言わないで勝手に寄宿舎に行ってしまったからでしょう?」
「まぁ、確かにそうだが」
いつの間にか家を離れて寄宿舎へと入ってしまったジュリアス。事前に連絡などもなく、いつも一緒に遊んでいたジュリアスが突然いなくなってしまったことに、マリーリはとてもショックを受けたものだ。
両親からはジュリアスは二男だから爵位を継げない以上それが当たり前だと言われたが、なんだか仲良しの友人がどこかに行ってしまうという寂しさと裏切られたような切なさをマリーリは感じていた。
しかもたまに寄宿舎から帰ってくることもあったらしいのに、それを知るのは毎回事後報告で、こうして顔を合わせて喋ったのは本当に久しぶりなのだ。
当時は自分と顔を合わせたくないからではないか、嫌われてしまったのではないか、と悩むことも多々あったのだが、今すんなりと話すことができて、あの悩みは杞憂だったのかもしれないと思えてくる。
「なぁ、マリーリ。ブランとの婚約を破棄してどうするんだ?」
「そんなの、……知らないわよ。でも、どうしようもないじゃない。私のことが好きなわけでもないのだし、ただうちの資産だけが目当てだって言うのだから、お父様がきっと別の方との婚約を考えてくださるでしょう。今度はどこか……まともで浮気をしない、それなりの爵位の人との縁談を取りまとめてくれればいいのだけど」
「だったら俺ではダメか?」
「んー、って……はい?」
思いもよらぬジュリアスの言葉に思考が停止する。
今、目の前の彼は何て言ったのだ? とマリーリは大いに戸惑った。
「ジュリアス、今何て言ったの?」
「新たな縁談は俺ではダメなのか、と」
「正気? ねぇ、意味がわかってて言っているの? もしかしてお酒に酔っているとか、実は熱があるとかじゃなくて?」
「そういうんじゃない。お前……マリーリと結婚したいと言ったんだ」
「そんな嘘よ。ジュリアスが私と……?」
「嘘じゃない」
ジュリアスの言葉が信じられなくて、困惑するマリーリ。幼い頃は確かに仲が良かったが、それがいきなりなぜこんなことに……? と都合のいい夢でも見ているのではないかと頬をつねるが、痛みで顔を歪めた。
(現実なの……?)
未だに信じられなくて、目の前の彼をまっすぐに見つめる。すると、強い眼差しで見つめ返される。
あまりにその瞳が情熱的で、マリーリは羞恥で頬を染めると、そわそわと焦り出した。
「だ、だって、私……可愛くもないし、じゃじゃ馬で気が強くて、さっき婚約破棄したばかりなのよ? そ、そもそも、ジュリアスはまた寄宿舎に戻るんでしょう? だったら、いくらなんでも結婚だなんて無理よ」
「それが実は、先日の遠征で武勇をあげたことによって俺個人で伯爵として地位を得て、この近辺の領土を任されることになった。だから、マリーリにはそれについてきて欲しい」
「そんな、いきなり。冗談でしょ?」
「俺が冗談を言う男だと思うか?」
「それは……」
ジュリアスは昔から生真面目な男だった。
多少マリーリに対してからかうことはあれど、騎士として実直に成果を上げているというのは母からも聞いていたし、冗談を言うことはあれど、嘘の類は彼の口から聞いたことなどはなかった。
だからこそ、こうしてマリーリは自分のキャパシティを超えた出来事を処理できずにおろおろとしているのだが。
「本当、なの?」
「さっきからそう言っている」
「でも、何で……?」
「それは……、伯爵の位を持つ上でも伴侶がいた方がいいだろう、と陛下に言われていたし」
「陛下に……」
陛下に言われたから、という言葉にピリッと胸に小さい痛みが走った。
陛下に言われたから、という理由が彼らしくて笑ってしまうが、同時にそれが理由なのかとどこかで落胆してしまっているのも事実だった。
(そうよね。私が好きだから、とかなわけがないわよね。見知っている手頃な女がいたから、とかきっとそんな理由よね。私ったら、何を期待してたのかしら)
「俺と結婚したら、バルムンクにも乗り放題だぞ?」
「バルムンクに乗り放題……っ」
「なんだったら、マリーリ用に新たな馬を買ってもいい。そうだ、射撃場も作ろう。家では禁止されていたのだろう?」
「うぐ……っ、なぜそれを」
「キミの父上からよく話を聞いていたからな」
(何よそれ、そんなの聞いていないわよ!)
勝手に情報漏洩させていた父に憤りながらも、マリーリにとって魅力的な提案ばかりだった。
「浮気、しない?」
「陛下……いや、キミの父上に誓って」
「約束は守ってくれる?」
「約束の内容にもよるが、出来る限りマリーリの希望に寄り添うようにしよう」
「じゃあ……今、私にキスできる?」
最後は冗談のつもりだった。
こんなじゃじゃ馬で気の強い私を生理的に拒絶しないかどうか試すだけのものだった。
(ふふ、困ってる)
内心ニヤニヤしながら、「手でもいいわよ」と提案しようと口を開いたときだった。
「ん……っ! んんんん……っふ、ぅ……んむ」
力強く抱きしめられたかと思えば、唇が重なる。まさか本当にキスされるだなんて思わなくて目を白黒とさせていると、ゆっくりと唇が離れた。
「これでいいか?」
「……え? あー、そうね。うん、いいわ」
「そうか。では、マリーリの自宅に行ってお父上に交渉せねばな」
「そ、そうよね。まずは婚約破棄のこともお父様に伝えなきゃだし」
頭が真っ白になりながら、マリーリは適当に相槌を打つ。初めてのキスは頭がほわほわして、胸が甘く苦しいものだった。
2
お気に入りに追加
2,231
あなたにおすすめの小説

上辺だけの王太子妃はもうたくさん!
ネコ
恋愛
侯爵令嬢ヴァネッサは、王太子から「外聞のためだけに隣にいろ」と言われ続け、婚約者でありながらただの体面担当にされる。周囲は別の令嬢との密会を知りつつ口を噤むばかり。そんな扱いに愛想を尽かしたヴァネッサは「それなら私も好きにさせていただきます」と王宮を去る。意外にも国王は彼女の価値を知っていて……?

【コミカライズ決定】地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~
胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。
時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。
王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。
処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。
これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。
踏み台令嬢はへこたれない
三屋城衣智子
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。

【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます
修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。
その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。
彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。
ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。
一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。
必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。
なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ──
そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。
これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。
※小説家になろうが先行公開です

婚約破棄おめでとー!
鳥柄ささみ
恋愛
「ベルーナ・ディボラ嬢! 貴女との婚約を破棄する!!」
結婚前パーティーで突然婚約者であるディデリクス王子から婚約破棄を言い渡されるベルーナ。婚約破棄をされるようなことをしでかした覚えはまるでないが、ベルーナは抵抗することなく「承知致しました」とその宣言を受け入れ、王子の静止も聞かずにその場をあとにする。
「ぷはー!! 今日は宴よ! じゃんじゃん持ってきて!!」
そしてベルーナは帰宅するなり、嬉々として祝杯をあげるのだった。
※他のサイトにも掲載中

筆頭婚約者候補は「一抜け」を叫んでさっさと逃げ出した
基本二度寝
恋愛
王太子には婚約者候補が二十名ほどいた。
その中でも筆頭にいたのは、顔よし頭良し、すべての条件を持っていた公爵家の令嬢。
王太子を立てることも忘れない彼女に、ひとつだけ不満があった。
森に捨てられた令嬢、本当の幸せを見つけました。
玖保ひかる
恋愛
[完結]
北の大国ナバランドの貴族、ヴァンダーウォール伯爵家の令嬢アリステルは、継母に冷遇され一人別棟で生活していた。
ある日、継母から仲直りをしたいとお茶会に誘われ、勧められたお茶を口にしたところ意識を失ってしまう。
アリステルが目を覚ましたのは、魔の森と人々が恐れる深い森の中。
森に捨てられてしまったのだ。
南の隣国を目指して歩き出したアリステル。腕利きの冒険者レオンと出会い、新天地での新しい人生を始めるのだが…。
苦難を乗り越えて、愛する人と本当の幸せを見つける物語。
※小説家になろうで公開した作品を改編した物です。
※完結しました。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる