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第三十話 諦めようとは思わなかったの?
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グランの後処理を終えたあと、寮に戻ってリアムに説明を求めると、なぜかベッドの上に座ったリアムの上に座らされるオフェリア。
気恥ずかしさで居心地悪く思いながらも、背後から抱きすくめるように密着されてしまって身動きが取れず、大人しくされるがままになっていた。
「えっと、どこから話せばいいかな。……とりあえず、オフェリアがエージェントというのは、僕がそういう設定にしたところから話そうか」
「え、ちょっと待って。どういうこと? つまり、私がエージェントというのは嘘なの?」
「そうだよ。実際にミッションこなした記憶はないでしょ?」
言われてみて、確かに「エージェントだった」という認識はあるものの、今までミッションをこなした記憶がまるでないことに気づく。
「私に変心魔法を使ってたってこと、だよね?」
「うん、ごめんね。なるべく早くオフェリアと接触したかったから、事前に僕がオフェリアに変心魔法をかけて、ミッションの資料などもそれっぽく渡して信じるように仕向けていたんだ」
「すっかり騙されてた……」
リアムに種明かしされるまで、全く違和感なく信じ込まされていたことに驚くオフェリア。
それほどまでにリアムの変心魔法は高度なレベルのものだったらしい。
「それで、さっきグランが言ってたことって本当? 何度もやり直して同じことを繰り返してるって……」
「本当だよ」
いつになく真剣な声で囁かれて、身体が震える。そっとリアムのほうを向けば、彼のまっすぐな瞳とぶつかって目が離せなくなった。
「オフェリアに恋をして、キミを愛して愛されて、将来一緒になることを誓ったときに僕の命が狙われて……それで、オフェリアは僕を庇って死んだんだ」
「……っ」
「元々、僕は政府に目をつけられていてね。確かに、オフェリアに出会う前は色々と悪いことをしてきたつもりではあるけど、オフェリアに会ってからは更生したつもりになってたから油断してたんだ。……未だに目の前で僕を庇って死ぬオフェリアのことが脳裏をよぎることがある」
「リアム……」
寂しそうなリアムの表情に、つられて悲しくなる。少しでも気持ちが和らげばいいと、リアムの手に自分の手を重ねると「オフェリアは優しいね」とリアムは優しく笑った。
「それで、オフェリアのいない世界なんか壊れてしまえと悪逆の限りを尽くした。皮肉なものだろう? 結局僕はオフェリアがいなくなったことで、悪の帝王になったんだ」
「そういうことだったんだ」
正直、自分が死んだことでリアムが悪の帝王になるというのは複雑な気分だ。そもそも、自分が死ぬという実感がないからなんとも言えない。
けれど、リアムの苦しそうな姿や日頃の言動を鑑みて、きっと本当に自分が死ぬんだろうなという想像はできた。
「それで全て葬り去ったあと、ただ虚無だけが残った。全てをなくしても、ただ虚しいだけだったんだ。そんなとき、ジャスパーに言われたんだよね。だったら、やり直せばいいんじゃないかって」
「でも、どうやって?」
「これだよ」
差し出されたのは、ボロボロになった手のひらサイズの鐘だった。
「これは時戻りの鐘といって、鳴らした数の年数だけ過去に戻れるという魔道具でね。ジャスパーがブロングルの叡智を結集させて作った特別なものだ。これを使って、オフェリアを救うために過去に戻った」
「これで……」
自分には高度な魔法すぎて理解できないが、かなり上位の魔法が使われていることは理解できる。
これを作り上げるためには相当の時間と労力を費やしたことは想像に難くなかった。
「でも、不思議なもので何度やり直しても何度繰り返しても、毎回オフェリアは僕を庇って死ぬんだ。わざと出会わないようにしたり別の人を好きになろうとしたり色々と試してみたけど、結局何をしても僕はオフェリアを好きになるし、オフェリアは僕を庇って死ぬ。酷い因果だろう?」
「諦めようとは思わなかったの?」
「諦めるという選択肢は僕には全くなかったよ。オフェリアがいない世界なんてつまらないからね」
リアムに強く抱きしめられる。
その抱擁は、オフェリアの存在を実感してるかのようだった。
「でも、もうこれが最後だって」
「あぁ、この通り鐘が壊れてしまったからね。数えきれないほど酷使してたし、仕方ないとは思っていたけど。だから今回、今度こそはって念のためいつもとかなりアプローチを変えて、オフェリアをエージェントに仕立てて、なるべく早く合流することで様々な対抗手段を用意してたってわけ。無駄に何度も繰り返してるわけじゃないってことだよ」
「そうだったんだ」
一連のことを振り返ってよく考えてみると、辻褄が合う。
やけに性急にことを進めようとしていたのも、これが最後だというリアムの焦りから来るものだったのだろう。
「今思えば、さすがにちょっと強引にしすぎたかもだけどね。オフェリアに何も説明しないままに契約魔法だとか色々と進めすぎたのは悪いとは思ってる。でも、今回あの勢力が暗躍してるのはわかってたから、下手に情報を共有できなくて。オフェリアにはつらい思いをさせてごめん」
「ううん。リアムが頑張ってくれてたのはわかったから。それに、私のためにやってくれてたことでしょう? むしろ私は感謝するほうだよ。リアム、ありがとう。あと私、これから死なないように頑張るね」
「うん、そうして。例え、僕を守るためだとしても。僕も全力でオフェリアのこと守るから。もうオフェリアが死ぬのを見たくないんだ」
背後から抱きしめられたあと、身体をゆっくりと優しくベッドに横倒される。
「もう絶対に死なせない」
押し倒され、覆い被さってくるリアム。
それを受け入れるようにオフェリアは彼の背に手を伸ばして、抱きしめる。
そのまま、二人は唇を重ねると絡みつくように愛し合うのだった。
気恥ずかしさで居心地悪く思いながらも、背後から抱きすくめるように密着されてしまって身動きが取れず、大人しくされるがままになっていた。
「えっと、どこから話せばいいかな。……とりあえず、オフェリアがエージェントというのは、僕がそういう設定にしたところから話そうか」
「え、ちょっと待って。どういうこと? つまり、私がエージェントというのは嘘なの?」
「そうだよ。実際にミッションこなした記憶はないでしょ?」
言われてみて、確かに「エージェントだった」という認識はあるものの、今までミッションをこなした記憶がまるでないことに気づく。
「私に変心魔法を使ってたってこと、だよね?」
「うん、ごめんね。なるべく早くオフェリアと接触したかったから、事前に僕がオフェリアに変心魔法をかけて、ミッションの資料などもそれっぽく渡して信じるように仕向けていたんだ」
「すっかり騙されてた……」
リアムに種明かしされるまで、全く違和感なく信じ込まされていたことに驚くオフェリア。
それほどまでにリアムの変心魔法は高度なレベルのものだったらしい。
「それで、さっきグランが言ってたことって本当? 何度もやり直して同じことを繰り返してるって……」
「本当だよ」
いつになく真剣な声で囁かれて、身体が震える。そっとリアムのほうを向けば、彼のまっすぐな瞳とぶつかって目が離せなくなった。
「オフェリアに恋をして、キミを愛して愛されて、将来一緒になることを誓ったときに僕の命が狙われて……それで、オフェリアは僕を庇って死んだんだ」
「……っ」
「元々、僕は政府に目をつけられていてね。確かに、オフェリアに出会う前は色々と悪いことをしてきたつもりではあるけど、オフェリアに会ってからは更生したつもりになってたから油断してたんだ。……未だに目の前で僕を庇って死ぬオフェリアのことが脳裏をよぎることがある」
「リアム……」
寂しそうなリアムの表情に、つられて悲しくなる。少しでも気持ちが和らげばいいと、リアムの手に自分の手を重ねると「オフェリアは優しいね」とリアムは優しく笑った。
「それで、オフェリアのいない世界なんか壊れてしまえと悪逆の限りを尽くした。皮肉なものだろう? 結局僕はオフェリアがいなくなったことで、悪の帝王になったんだ」
「そういうことだったんだ」
正直、自分が死んだことでリアムが悪の帝王になるというのは複雑な気分だ。そもそも、自分が死ぬという実感がないからなんとも言えない。
けれど、リアムの苦しそうな姿や日頃の言動を鑑みて、きっと本当に自分が死ぬんだろうなという想像はできた。
「それで全て葬り去ったあと、ただ虚無だけが残った。全てをなくしても、ただ虚しいだけだったんだ。そんなとき、ジャスパーに言われたんだよね。だったら、やり直せばいいんじゃないかって」
「でも、どうやって?」
「これだよ」
差し出されたのは、ボロボロになった手のひらサイズの鐘だった。
「これは時戻りの鐘といって、鳴らした数の年数だけ過去に戻れるという魔道具でね。ジャスパーがブロングルの叡智を結集させて作った特別なものだ。これを使って、オフェリアを救うために過去に戻った」
「これで……」
自分には高度な魔法すぎて理解できないが、かなり上位の魔法が使われていることは理解できる。
これを作り上げるためには相当の時間と労力を費やしたことは想像に難くなかった。
「でも、不思議なもので何度やり直しても何度繰り返しても、毎回オフェリアは僕を庇って死ぬんだ。わざと出会わないようにしたり別の人を好きになろうとしたり色々と試してみたけど、結局何をしても僕はオフェリアを好きになるし、オフェリアは僕を庇って死ぬ。酷い因果だろう?」
「諦めようとは思わなかったの?」
「諦めるという選択肢は僕には全くなかったよ。オフェリアがいない世界なんてつまらないからね」
リアムに強く抱きしめられる。
その抱擁は、オフェリアの存在を実感してるかのようだった。
「でも、もうこれが最後だって」
「あぁ、この通り鐘が壊れてしまったからね。数えきれないほど酷使してたし、仕方ないとは思っていたけど。だから今回、今度こそはって念のためいつもとかなりアプローチを変えて、オフェリアをエージェントに仕立てて、なるべく早く合流することで様々な対抗手段を用意してたってわけ。無駄に何度も繰り返してるわけじゃないってことだよ」
「そうだったんだ」
一連のことを振り返ってよく考えてみると、辻褄が合う。
やけに性急にことを進めようとしていたのも、これが最後だというリアムの焦りから来るものだったのだろう。
「今思えば、さすがにちょっと強引にしすぎたかもだけどね。オフェリアに何も説明しないままに契約魔法だとか色々と進めすぎたのは悪いとは思ってる。でも、今回あの勢力が暗躍してるのはわかってたから、下手に情報を共有できなくて。オフェリアにはつらい思いをさせてごめん」
「ううん。リアムが頑張ってくれてたのはわかったから。それに、私のためにやってくれてたことでしょう? むしろ私は感謝するほうだよ。リアム、ありがとう。あと私、これから死なないように頑張るね」
「うん、そうして。例え、僕を守るためだとしても。僕も全力でオフェリアのこと守るから。もうオフェリアが死ぬのを見たくないんだ」
背後から抱きしめられたあと、身体をゆっくりと優しくベッドに横倒される。
「もう絶対に死なせない」
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それを受け入れるようにオフェリアは彼の背に手を伸ばして、抱きしめる。
そのまま、二人は唇を重ねると絡みつくように愛し合うのだった。
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