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第七話 やっぱり眠れない
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(やっぱり眠れない)
こんなに近くでリアムが一緒にいると思うと落ち着かなかった。
寝間着に着替えているせいで無防備な姿なことも要因の一つだろうが、やはり将来恋人関係になるとはいえ、会って早々まだ関係をきちんと築けていない異性と一緒に寝るのはどうなのかと思ってしまう。
「寝れないの?」
はっきりとしたリアムの声かけに、オフェリアは閉じていた目を開いた。
「リアム。起きてたの?」
「オフェリアがそわそわしてるのが伝わってたからね」
「ごめん」
「別に、オフェリアが謝る必要はないよ。それに、むしろ謝らなくてはいけないのは僕のほうさ」
「え?」
リアムの言葉に思わず彼のほうに身体を向ける。すると、そこには既にオフェリアのほうを向いているリアムがいた。
「オフェリアのことを巻き込んでしまってごめん。本当はキミにはもっと普通の学校生活を送ってもらいたいと思っていたのに。僕のせいで、こんなことになってしまって申し訳ないと思ってる」
後悔の色が滲んだリアムの言葉。リアムが本心から言っているのがわかった。
(リアムって本当に私のこと大事にしてくれているんだな)
そう思うと同時に、それは今の自分ではない別の自分のことなんだよなとちょっと切なくなる。
リアムが自分を通して別のオフェリアを見てるのかと思うと、少しだけ胸が苦しくなる。
けれど、リアムなりに誠実でいてくれようとしているのは理解できたので、オフェリアもそれには応えようと思った。
「謝らないで。別に、私はこの選択に後悔はしてないよ。……そりゃ、多少はなんか選択間違えちゃったかな? って思うこともあったけど、それでもリアムを悪の帝王にしたくないと思っているし、そのために私が力になれるのならなりたいと思ってる」
それはオフェリアの本心だった。
自分に何かできることがあるなら、ただ指を咥えて見ているのではなく、自ら行動して少しでも人の役に立ちたい。
自分のことなど二の次で、誰かが喜んでいる姿が何よりも嬉しいと思ってしまうのだ。
「オフェリアは、どうしてこの依頼を引き受けたの?」
「んー……あんま具体的な理由はないけど、しいて言うなら人の役に立てるから、かな。でも、正義のヒーローになりたいとかそういうんじゃなくて、ただみんなが楽しく暮らせる世界になったらいいなって。そのお手伝いができるならそうしたいと思っただけ」
悪の帝王を倒してヒーローになるのではなく、ただみんなが幸せに暮らせていけるようにリアムを悪の帝王にさせないようにする。
決して楽なことではないことだろうが、そのほうがオフェリアの好みだった。例え、八方美人や偽善者と言われようとも。
「危険かもしれないのに?」
「危険がどうとか、そういうのあんま考えたことないっていうか。目の前に困ってる人がいたら助けるでしょ? 私としてはそれと同じ」
「それで自分の命を懸ける?」
「いいじゃない。私はそういう性分なの」
オフェリアが不貞腐れたように言えば、「別に責めてるわけじゃないよ。やっぱオフェリアはオフェリアだなって思っただけ」とリアムに笑われる。
「本当、オフェリアはお人好しだね。でも、やっぱりそんなオフェリアが僕は好きだよ」
「な、何をいきなり言ってるの」
「僕の気持ちを言っただけだよ。気持ちは伝えないと意味がないでしょ? だから、僕はそういうお人好しで優しいオフェリアが好きだってちゃんと言葉にしておこうと思って」
「それは……えっと、どうもありがとう?」
褒められて悪い気はしない。
好意を持たれるのも嫌な気はしなかったし、言葉にしてくれるのも嬉しかった。
「まぁ、僕だけがオフェリアのこと好きなのは不公平だから、早くオフェリアに僕のことを好きになってもらえるよう頑張るよ」
「それはそんなに頑張らなくていいから、とにかく死なないことだけ考えて」
「優しいね、オフェリア。愛してる」
「もうっ! わざと言ってるでしょ」
「照れてるオフェリアも可愛い」
リアムがニヤニヤと口元を緩めるのに対し、オフェリアはぷくっと頬を膨らませる。
リアムはなんだか楽しそうだった。
「ほら、明日から授業始まるんだから、そろそろ寝ないと」
「そうだね。ねぇ、オフェリア。手だけでいいから握ってもいい? オフェリアに触れてないとなんだか不安なんだ。……ダメかな?」
「まぁ、それくらいならいいけど」
「ありがとう。おやすみ、オフェリア」
「うん、おやすみ。……あと、リアムがお風呂入る前ちょっと嫌な態度取っちゃってごめん。リアムが嫌いとかそういうんじゃないから」
「大丈夫。わかってるよ」
そっと、優しく温かい大きな手に包まれる。
リアムの熱がじんわりと自分のほうに移るのを感じながら、オフェリアはいつのまにか眠りにつくのであった。
こんなに近くでリアムが一緒にいると思うと落ち着かなかった。
寝間着に着替えているせいで無防備な姿なことも要因の一つだろうが、やはり将来恋人関係になるとはいえ、会って早々まだ関係をきちんと築けていない異性と一緒に寝るのはどうなのかと思ってしまう。
「寝れないの?」
はっきりとしたリアムの声かけに、オフェリアは閉じていた目を開いた。
「リアム。起きてたの?」
「オフェリアがそわそわしてるのが伝わってたからね」
「ごめん」
「別に、オフェリアが謝る必要はないよ。それに、むしろ謝らなくてはいけないのは僕のほうさ」
「え?」
リアムの言葉に思わず彼のほうに身体を向ける。すると、そこには既にオフェリアのほうを向いているリアムがいた。
「オフェリアのことを巻き込んでしまってごめん。本当はキミにはもっと普通の学校生活を送ってもらいたいと思っていたのに。僕のせいで、こんなことになってしまって申し訳ないと思ってる」
後悔の色が滲んだリアムの言葉。リアムが本心から言っているのがわかった。
(リアムって本当に私のこと大事にしてくれているんだな)
そう思うと同時に、それは今の自分ではない別の自分のことなんだよなとちょっと切なくなる。
リアムが自分を通して別のオフェリアを見てるのかと思うと、少しだけ胸が苦しくなる。
けれど、リアムなりに誠実でいてくれようとしているのは理解できたので、オフェリアもそれには応えようと思った。
「謝らないで。別に、私はこの選択に後悔はしてないよ。……そりゃ、多少はなんか選択間違えちゃったかな? って思うこともあったけど、それでもリアムを悪の帝王にしたくないと思っているし、そのために私が力になれるのならなりたいと思ってる」
それはオフェリアの本心だった。
自分に何かできることがあるなら、ただ指を咥えて見ているのではなく、自ら行動して少しでも人の役に立ちたい。
自分のことなど二の次で、誰かが喜んでいる姿が何よりも嬉しいと思ってしまうのだ。
「オフェリアは、どうしてこの依頼を引き受けたの?」
「んー……あんま具体的な理由はないけど、しいて言うなら人の役に立てるから、かな。でも、正義のヒーローになりたいとかそういうんじゃなくて、ただみんなが楽しく暮らせる世界になったらいいなって。そのお手伝いができるならそうしたいと思っただけ」
悪の帝王を倒してヒーローになるのではなく、ただみんなが幸せに暮らせていけるようにリアムを悪の帝王にさせないようにする。
決して楽なことではないことだろうが、そのほうがオフェリアの好みだった。例え、八方美人や偽善者と言われようとも。
「危険かもしれないのに?」
「危険がどうとか、そういうのあんま考えたことないっていうか。目の前に困ってる人がいたら助けるでしょ? 私としてはそれと同じ」
「それで自分の命を懸ける?」
「いいじゃない。私はそういう性分なの」
オフェリアが不貞腐れたように言えば、「別に責めてるわけじゃないよ。やっぱオフェリアはオフェリアだなって思っただけ」とリアムに笑われる。
「本当、オフェリアはお人好しだね。でも、やっぱりそんなオフェリアが僕は好きだよ」
「な、何をいきなり言ってるの」
「僕の気持ちを言っただけだよ。気持ちは伝えないと意味がないでしょ? だから、僕はそういうお人好しで優しいオフェリアが好きだってちゃんと言葉にしておこうと思って」
「それは……えっと、どうもありがとう?」
褒められて悪い気はしない。
好意を持たれるのも嫌な気はしなかったし、言葉にしてくれるのも嬉しかった。
「まぁ、僕だけがオフェリアのこと好きなのは不公平だから、早くオフェリアに僕のことを好きになってもらえるよう頑張るよ」
「それはそんなに頑張らなくていいから、とにかく死なないことだけ考えて」
「優しいね、オフェリア。愛してる」
「もうっ! わざと言ってるでしょ」
「照れてるオフェリアも可愛い」
リアムがニヤニヤと口元を緩めるのに対し、オフェリアはぷくっと頬を膨らませる。
リアムはなんだか楽しそうだった。
「ほら、明日から授業始まるんだから、そろそろ寝ないと」
「そうだね。ねぇ、オフェリア。手だけでいいから握ってもいい? オフェリアに触れてないとなんだか不安なんだ。……ダメかな?」
「まぁ、それくらいならいいけど」
「ありがとう。おやすみ、オフェリア」
「うん、おやすみ。……あと、リアムがお風呂入る前ちょっと嫌な態度取っちゃってごめん。リアムが嫌いとかそういうんじゃないから」
「大丈夫。わかってるよ」
そっと、優しく温かい大きな手に包まれる。
リアムの熱がじんわりと自分のほうに移るのを感じながら、オフェリアはいつのまにか眠りにつくのであった。
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