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第七十七話 罰
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「ダメに決まってるだろう!」
「ヴィル?」
ヴィルに強く腕を引かれて振り向いた。
すると、ヴィルのほうに向くように頬を両手で固定されて見つめ合う。
「魔王と結婚するだなんて何を考えているんだ……っ! シオンはこの前言ってただろう!? 誰彼構わず好きになるんじゃなくて、ちゃんとシオンのことを大事にしてくれる相手と結婚するんだって!」
「え、うん、まぁ、そう……だけど。でも、もしかしたら私が魔王のこと更生させてあげられるかもしれないし……そしたら……」
「いやいやいやいや、どうしてそこで前向きになるんだ。どう考えたって無理だろ! 相手は魔王なんだぞ!?」
「でも、人を偏見で判断するのもよくないし……?」
「シオンの目は節穴か!? どう考えたってヤツはシオンのことが好きで求婚してるわけじゃないだろ! それに、オレにもわかるほどこいつは禍々しい気を発してるじゃないか!!」
言われて魔王を見れば、確かに先程とは違って邪気を孕んだ魔力が帯びているのがわかる。触れただけで周りの草木などが朽ち果ててしまうほど、禍々しい魔力だった。
「おや、心外だなぁ。これでも彼女のことを愛しているというのに。人間界には一目惚れっていう言葉もあるじゃないか」
「煩い! お前なんかにシオンの何がわかる!? いきなり彼女と結婚だなんて……」
「黙れ、小僧」
ダンッ!!
「かはっ!」
「ヴィル!?」
ヴィルの身体が宙に浮いたかと思えば、そのまま地面に叩きつけられる。一瞬の出来事で反応すらできなかった。
あまりの速さにヴィルは受け身すら取ることもできなかったらしく、そのまま背中を強打してしまい、身動きが取れないのか倒れたまま動かない。
「ヴィル!? ちょっと、ヴィルに何をするの!」
「何って……僕のプロポーズの邪魔をしたのだから仕置きだよ。悪い子には罰を与えなくちゃ、だろう?」
「罰ですって……?」
さも当たり前かのように言ってのける魔王。その笑みは邪悪を帯びていて、あまりの禍々しさに冷や汗が出てくる。
「それに禍々しい気だなんだと言うけど、僕はシオンが欲しいだけで、シオン以外はいらないだけだよ。こんな魔力がカスなヤツら、生きていたってしょうがないからね」
「何よ、それ……」
イケメンだけど、どう考えてもサイコパス。さすがにそれは私も守備範囲外だ。
魔王だけあって、倫理観ぶっ壊れてるっぽいなこれ。聖女として更生させたい気もするけど、この様子じゃ一筋縄ではいかなそう。
というか、魔力量も凄いけど、何よりプレッシャーが半端ない……!
「ヴィル?」
ヴィルに強く腕を引かれて振り向いた。
すると、ヴィルのほうに向くように頬を両手で固定されて見つめ合う。
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「いやいやいやいや、どうしてそこで前向きになるんだ。どう考えたって無理だろ! 相手は魔王なんだぞ!?」
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「シオンの目は節穴か!? どう考えたってヤツはシオンのことが好きで求婚してるわけじゃないだろ! それに、オレにもわかるほどこいつは禍々しい気を発してるじゃないか!!」
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「おや、心外だなぁ。これでも彼女のことを愛しているというのに。人間界には一目惚れっていう言葉もあるじゃないか」
「煩い! お前なんかにシオンの何がわかる!? いきなり彼女と結婚だなんて……」
「黙れ、小僧」
ダンッ!!
「かはっ!」
「ヴィル!?」
ヴィルの身体が宙に浮いたかと思えば、そのまま地面に叩きつけられる。一瞬の出来事で反応すらできなかった。
あまりの速さにヴィルは受け身すら取ることもできなかったらしく、そのまま背中を強打してしまい、身動きが取れないのか倒れたまま動かない。
「ヴィル!? ちょっと、ヴィルに何をするの!」
「何って……僕のプロポーズの邪魔をしたのだから仕置きだよ。悪い子には罰を与えなくちゃ、だろう?」
「罰ですって……?」
さも当たり前かのように言ってのける魔王。その笑みは邪悪を帯びていて、あまりの禍々しさに冷や汗が出てくる。
「それに禍々しい気だなんだと言うけど、僕はシオンが欲しいだけで、シオン以外はいらないだけだよ。こんな魔力がカスなヤツら、生きていたってしょうがないからね」
「何よ、それ……」
イケメンだけど、どう考えてもサイコパス。さすがにそれは私も守備範囲外だ。
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