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第六十六話 聖女パンチ
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「もしや、ダグラスに何かされましたか?」
「え、いえ、私は特には、何も? ははは」
「そうでしたか。それならよかったです。あまり大きな声で言えませんが、ダグラスは村一番の女好きでして、好みの女性がいるとすぐに声をかけてしまいまして、それでよく村にクレームが」
「あー……」
「ダグラスの嫁であるリリエからもダグラスが浮気しないように見張っておいてと言われてまして。情けない」
「なるほど。そうだったんですね」
「あやつは父親になったのだから、いい加減落ち着いて欲しいんですがね」
村長が大きく溜め息を吐く。
無理もない。過去の女から村にクレームが来るが来るということは相当なものだろう。
奥さんも先が思いやられるだろうし、何より奥さんも子供もいるのに私にちょっかいを出してきたことが許せなかった。
「あぁ、まだいらっしゃった! 貴女が聖女様ですね~!!」
声をかけられて振り向くと、赤子を抱えながら手を振ってこちらにやってくる女性。その後ろにはバツの悪そうな顔をしたダグラスがいた。
「初めまして、リリエと申します!」
「初めまして、聖女のシオンです」
「あぁ、聖女様にお会いできるだなんて! いいタイミングで帰って来れてよかったわ! ねぇ、あなた!」
「ん? あ、あぁ、そうだな」
ダグラスの目は泳ぎまくって汗をダラダラと掻きまくっている。
そりゃそうよね。元カノと今カノどころか奥様とご対面なのだもの。
もちろん関係性を明かすつもりはないが。
「この子先日生まれたばかりなんです! よければこの子に聖女様から祝福をくださいませんか?」
「ちょ、やめとけよ!」
「何でよ。聖女様がいらっしゃるのだからいいじゃない! どうか、お願いします」
「えぇ、もちろんです」
ダグラスが必死に止めようとする。どうせ、私がこの子に何か悪さをしようとしてるとでも思っているのだろう。
「その前に……」
「?」
ツカツカツカツカ、とダグラスの前に立つ。そしてにっこりと微笑み、大きく腕を振り回した。
「な、何をする気だ……っ!?」
「大丈夫です。痛いのは一瞬なので。では、スーパーウルトラスペシャル聖女パーーーーーーーーンチ!!」
ドゴーーーーーーーーーン!!!
綺麗な右ストレートがダグラスの頬にクリティカルヒットして、彼は村の入り口まで吹っ飛んだ。
「え、いえ、私は特には、何も? ははは」
「そうでしたか。それならよかったです。あまり大きな声で言えませんが、ダグラスは村一番の女好きでして、好みの女性がいるとすぐに声をかけてしまいまして、それでよく村にクレームが」
「あー……」
「ダグラスの嫁であるリリエからもダグラスが浮気しないように見張っておいてと言われてまして。情けない」
「なるほど。そうだったんですね」
「あやつは父親になったのだから、いい加減落ち着いて欲しいんですがね」
村長が大きく溜め息を吐く。
無理もない。過去の女から村にクレームが来るが来るということは相当なものだろう。
奥さんも先が思いやられるだろうし、何より奥さんも子供もいるのに私にちょっかいを出してきたことが許せなかった。
「あぁ、まだいらっしゃった! 貴女が聖女様ですね~!!」
声をかけられて振り向くと、赤子を抱えながら手を振ってこちらにやってくる女性。その後ろにはバツの悪そうな顔をしたダグラスがいた。
「初めまして、リリエと申します!」
「初めまして、聖女のシオンです」
「あぁ、聖女様にお会いできるだなんて! いいタイミングで帰って来れてよかったわ! ねぇ、あなた!」
「ん? あ、あぁ、そうだな」
ダグラスの目は泳ぎまくって汗をダラダラと掻きまくっている。
そりゃそうよね。元カノと今カノどころか奥様とご対面なのだもの。
もちろん関係性を明かすつもりはないが。
「この子先日生まれたばかりなんです! よければこの子に聖女様から祝福をくださいませんか?」
「ちょ、やめとけよ!」
「何でよ。聖女様がいらっしゃるのだからいいじゃない! どうか、お願いします」
「えぇ、もちろんです」
ダグラスが必死に止めようとする。どうせ、私がこの子に何か悪さをしようとしてるとでも思っているのだろう。
「その前に……」
「?」
ツカツカツカツカ、とダグラスの前に立つ。そしてにっこりと微笑み、大きく腕を振り回した。
「な、何をする気だ……っ!?」
「大丈夫です。痛いのは一瞬なので。では、スーパーウルトラスペシャル聖女パーーーーーーーーンチ!!」
ドゴーーーーーーーーーン!!!
綺麗な右ストレートがダグラスの頬にクリティカルヒットして、彼は村の入り口まで吹っ飛んだ。
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