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第六十二話 魔力
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「魔力が……戻らない……」
あれからさらに数週間経ったというのに、魔力が戻る兆しがない。
ひたすら栄養摂って寝ているというのに、なぜか魔力はすっからかんな状態。一体何が起きているというのか。
「んー、そうじゃなぁ。考えられることといえば、潤いが足りてないんじゃないのか?」
「う、潤いが足りてない!?」
ガーーーーーーーン
グルーに指摘されてショックで目の前が真っ暗になる。
そんなに潤いが足りてないように見えるのか。ということは枯れてるってこと? まだ結婚もしてないのに? そもそも彼氏もいないのに? というか、まだ二十四だっていうのに……!?
「おーい、シオン。ショックを受けているのはわかるが、ちゃんと話を聞くのじゃ」
「へ?」
「何か勘違いしてるようじゃが、ワシが言っている潤いというのは心の潤いじゃ。お主、今まで恋をしまくっていたのじゃろう?」
「えっと、話がよく見えないのだけど……?」
恋をしまくっていたというのは事実だ。
惚れっぽい性格なので、すぐにときめいて運命の人だとアタックしていたが、それと魔力と一体どんな関係があるのだろうか。
「魔力は性欲と結びついていると言われている。だから性欲が強い人ほど魔力も強いらしい」
「ぶふっ!」
「ちょ、グルー! なんてことを言うの!!」
あけすけな言い草にそばにいたヴィルが含んでたお茶を噴き出す。私もそんなことを直球で言われるとは思わず、羞恥で顔が熱くなった。
「あくまで一般的な話じゃよ。だからつまり、シオンの魔力が戻らないのは恐らく彼氏がいない期間が長く、そういったスキンシップをしてないからじゃないかと推測しただけじゃ」
「な、なるほど?」
言われて納得する。最近はときめくことが減っているし、今までは彼氏に抱きついたりイチャイチャしたりしてることが多かったが、それも元カレ以来すっかりご無沙汰だ。
でも、まさかそんな理由で魔力が戻らないなんてことある!?
「え、じゃあどうすれば魔力を取り戻せると思う?」
「ワシの予想じゃと、性的興奮をすれば元に戻るんじゃないか? あくまで予想ではあるが」
「性的興奮……!」
言葉に出すとかなりエグい。というか、恥でしかない。
聖女が性的興奮で魔力を潤すとか色々ヤバいのではないか。隣にいるヴィルもさっきから黙り込んでいるし。
「性的興奮か! いいこと聞いたぜ!」
「ダグ!? いつの間に!!」
あれから追い出して、家に入れないようにしていたはずなのに、どこからか侵入してきたダグラス。
最近魔力を温存していたのが、仇となったらしい。
あれからさらに数週間経ったというのに、魔力が戻る兆しがない。
ひたすら栄養摂って寝ているというのに、なぜか魔力はすっからかんな状態。一体何が起きているというのか。
「んー、そうじゃなぁ。考えられることといえば、潤いが足りてないんじゃないのか?」
「う、潤いが足りてない!?」
ガーーーーーーーン
グルーに指摘されてショックで目の前が真っ暗になる。
そんなに潤いが足りてないように見えるのか。ということは枯れてるってこと? まだ結婚もしてないのに? そもそも彼氏もいないのに? というか、まだ二十四だっていうのに……!?
「おーい、シオン。ショックを受けているのはわかるが、ちゃんと話を聞くのじゃ」
「へ?」
「何か勘違いしてるようじゃが、ワシが言っている潤いというのは心の潤いじゃ。お主、今まで恋をしまくっていたのじゃろう?」
「えっと、話がよく見えないのだけど……?」
恋をしまくっていたというのは事実だ。
惚れっぽい性格なので、すぐにときめいて運命の人だとアタックしていたが、それと魔力と一体どんな関係があるのだろうか。
「魔力は性欲と結びついていると言われている。だから性欲が強い人ほど魔力も強いらしい」
「ぶふっ!」
「ちょ、グルー! なんてことを言うの!!」
あけすけな言い草にそばにいたヴィルが含んでたお茶を噴き出す。私もそんなことを直球で言われるとは思わず、羞恥で顔が熱くなった。
「あくまで一般的な話じゃよ。だからつまり、シオンの魔力が戻らないのは恐らく彼氏がいない期間が長く、そういったスキンシップをしてないからじゃないかと推測しただけじゃ」
「な、なるほど?」
言われて納得する。最近はときめくことが減っているし、今までは彼氏に抱きついたりイチャイチャしたりしてることが多かったが、それも元カレ以来すっかりご無沙汰だ。
でも、まさかそんな理由で魔力が戻らないなんてことある!?
「え、じゃあどうすれば魔力を取り戻せると思う?」
「ワシの予想じゃと、性的興奮をすれば元に戻るんじゃないか? あくまで予想ではあるが」
「性的興奮……!」
言葉に出すとかなりエグい。というか、恥でしかない。
聖女が性的興奮で魔力を潤すとか色々ヤバいのではないか。隣にいるヴィルもさっきから黙り込んでいるし。
「性的興奮か! いいこと聞いたぜ!」
「ダグ!? いつの間に!!」
あれから追い出して、家に入れないようにしていたはずなのに、どこからか侵入してきたダグラス。
最近魔力を温存していたのが、仇となったらしい。
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