ダメンズメーカー聖女 〜結婚したくて尽くしまくってたら最強の聖女になっちゃいました〜

鳥柄ささみ

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第六十一話 フォロー

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「げほっ! ごほっ!」
「大丈夫か!? シオン」
「大、丈夫。急に魔法使ったから身体がついてこなかったみたい」

 久しぶりの魔法使用は反動が激しく、思いきり咽せこむ。
 現状、枯渇した魔力は戻すのが難しく、しっかり休んでいるはずなのに微々たる量しか回復しない状態だった。その微々たる量の魔力を今使ってしまったので、また振り出しに戻ってしまったのだが。

「無理をするなとあれほど言ったのに」
「だって、あいつが……っ」
「いや、まぁ、気持ちはわかるが」
「ごめん。なんか」

 あー、信じられない! ヴィルの前であんなこと言うなんて……!

 まさか自分の身体のことを暴露されるだなんて思わず、やっと治ってきたはずの頭痛がぶり返しそうだった。
 確かにダグラスとは成人後の付き合いだったからそういう関係があったとはいえ、そんなことを覚えていただけでなく、人前で声高に暴露するだなんて。

 アホじゃないの。アホじゃないの。アホじゃないの!?
 あー、何で私あんなのと付き合ってたの!!

 かつての過ちを後悔するも、どうすることもできず。もっと魔力量を増やせたらいずれ時間転移魔法も習得できるかもしれないが、さすがに今の私にはそこまでの技量はなかったため今は諦めるしかない。

「まぁ、とりあえずしっかり休め。シオンが回復しないことには旅が始まらないんだからな」
「うん、そうだよね。ごめん」
「そんなに謝らなくていい。というか、いつもみたいに無駄に明るくて自信家なシオンでいないと調子が狂う」
「そ、そう? でもヴィル、いつも私にもっと謙虚にしろ的なこと言うじゃない」
「あれは別に、その場のツッコミというか。とにかく、まずはしっかり休まないといつまで経ってもこの村から出られないぞ? そうしないと……」

 はっ! このままだったら、ダグラスとも離れられない……!

 それは絶対に避けねばならない。
 というか、私は結婚相手は探しているけど、元カレはもう過去の存在なのでアウトオブ眼中だ。
 そもそも、浮気するような人ともう二度と付き合う気はない。

「そうね! 早く治さないと! まだまだ聖女を待ってる人がたくさんいるだろうし!!」
「だろ? やることいっぱいあるんだから、寝てる場合じゃないぞ」
「えぇ! それに早く結婚相手も見つけないといけないしね! 元カレなんかに構ってる暇なんてないのよ! そうと決まったら一刻も早く治さないと!」

 ヴィルに励まされ、単純ながらやる気が出てくる。

「フォローしてくれてありがとうね、ヴィル」
「いや、別に。オレも早く先に進みたいしな。特訓もしなきゃいけないし」
「そうだったね。私が元気になったらたっぷりとしごいてあげるから、覚悟してね!」
「いや、それは遠慮しとく」
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