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第五十二話 リミッター解除
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「行くわよ、私。リミッター解除!」
ドンッ!
宣言した瞬間、身体から夥しい量の魔力が溢れ、誰もが視認できるほどの魔力のオーラが現れる。そのあまりの魔力の強大さに足元の地面が耐えられず、どんどんと辺りの大地を削っていった。
「我は命じる。大地を裂き、全てを崩壊せんとす彼の者の姿をここに! 全ての身体を晒け出し、宙に持ち上げ、魔力を削ぎ落とし、圧縮せよ! コンプレッション!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
先程とは比べものにならないほど大地が揺れる。
バキ、バキバキバキ……メキョ、メキメキメキメキ……っ
都市は完全に崩壊し、大地の裂け目から引き上げられるようにシュド=メルの全貌が現れる。
そして地下から引き摺り出されたヤツの身体は私の魔法によって宙へと浮かんでいった。
「思ったよりデカいな」
さすが、大都市のエネルギー全てを飲み込んでいたのも納得の大きさである。この全貌を見たら恐らく誰もが絶望するだろう。……私を除いて。
「さて、ここからが腕の見せどころってね! これくらい討伐できなきゃ、最強の聖女の名が廃るってもんよ!」
追加で自分の中にある魔力を注ぎ込み、あの巨体をどんどんと持ち上げながら圧縮していく。
まるで折り畳まれるように、触手を端から順にだんだんと身体が圧縮されていくシュド=メル。
【貴様、何ヲ……ウグォオオオオ】
「動き出しちゃったか。でも、もう止められないわよ!」
シュド=メルの拘束が解けたようで、己れの身体が圧縮されていることに気づいてのたうち回り始める。
だが既にそこは宙の上。
タコがもがき苦しむかのようにグニャグニャと暴れ回るしかできなかった。
「さらに小さく! さらに圧縮せよ!」
【ヤメロヤメロヤメロヤメロォオオオオ!!】
沸騰したかのように私の身体が熱くなる。私の中にある魔力が沸々と燃え滾り、ヤツをどんどんと潰していった。
「はぁ……はぁ……あと、もうちょっと……っ! さすがに、このサイズをどうにかするのは、ちょっとしんどいわね」
汗が滴る。毛穴という毛穴から汗が噴き出していた。
これが終わったら速攻で風呂に入ってやる。
とっておきの入浴剤入れて、たっぷり半身浴してデトックスしてやるんだから……!
都市と同じ大きさだったシュド=メルの魔力は削ぎ落とされていき、ようやくサイズも家くらいの大きさまで圧縮した。
あともう一踏ん張り!
【キェェェェェェェェェ!! 貴様ァァァァ! 殺シテヤルゥゥゥ!!!】
未だに暴れ続けるシュド=メル。どうにか触手をこちらに伸ばそうと必死に抵抗していた。
それをすかさず顕現した大剣を振り回して切り落とし、パチン、パチンとどんどんと燃やしていく。
【熱イ熱イ熱イ熱イ熱イ熱イ熱イ熱イ!!】
再びのたうち回るシュド=メル。
そろそろ、頃合いだろう。ここまで魔力が削げたならきっと戻っては来られないはずだ。
私は近くにあった人間の頭部くらいの瓦礫を手に取る。そして自分の魔力を込めた瓦礫を上空に放って大剣をバットに変形させると、そのバットを大きく振りかぶった。
ドンッ!
宣言した瞬間、身体から夥しい量の魔力が溢れ、誰もが視認できるほどの魔力のオーラが現れる。そのあまりの魔力の強大さに足元の地面が耐えられず、どんどんと辺りの大地を削っていった。
「我は命じる。大地を裂き、全てを崩壊せんとす彼の者の姿をここに! 全ての身体を晒け出し、宙に持ち上げ、魔力を削ぎ落とし、圧縮せよ! コンプレッション!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
先程とは比べものにならないほど大地が揺れる。
バキ、バキバキバキ……メキョ、メキメキメキメキ……っ
都市は完全に崩壊し、大地の裂け目から引き上げられるようにシュド=メルの全貌が現れる。
そして地下から引き摺り出されたヤツの身体は私の魔法によって宙へと浮かんでいった。
「思ったよりデカいな」
さすが、大都市のエネルギー全てを飲み込んでいたのも納得の大きさである。この全貌を見たら恐らく誰もが絶望するだろう。……私を除いて。
「さて、ここからが腕の見せどころってね! これくらい討伐できなきゃ、最強の聖女の名が廃るってもんよ!」
追加で自分の中にある魔力を注ぎ込み、あの巨体をどんどんと持ち上げながら圧縮していく。
まるで折り畳まれるように、触手を端から順にだんだんと身体が圧縮されていくシュド=メル。
【貴様、何ヲ……ウグォオオオオ】
「動き出しちゃったか。でも、もう止められないわよ!」
シュド=メルの拘束が解けたようで、己れの身体が圧縮されていることに気づいてのたうち回り始める。
だが既にそこは宙の上。
タコがもがき苦しむかのようにグニャグニャと暴れ回るしかできなかった。
「さらに小さく! さらに圧縮せよ!」
【ヤメロヤメロヤメロヤメロォオオオオ!!】
沸騰したかのように私の身体が熱くなる。私の中にある魔力が沸々と燃え滾り、ヤツをどんどんと潰していった。
「はぁ……はぁ……あと、もうちょっと……っ! さすがに、このサイズをどうにかするのは、ちょっとしんどいわね」
汗が滴る。毛穴という毛穴から汗が噴き出していた。
これが終わったら速攻で風呂に入ってやる。
とっておきの入浴剤入れて、たっぷり半身浴してデトックスしてやるんだから……!
都市と同じ大きさだったシュド=メルの魔力は削ぎ落とされていき、ようやくサイズも家くらいの大きさまで圧縮した。
あともう一踏ん張り!
【キェェェェェェェェェ!! 貴様ァァァァ! 殺シテヤルゥゥゥ!!!】
未だに暴れ続けるシュド=メル。どうにか触手をこちらに伸ばそうと必死に抵抗していた。
それをすかさず顕現した大剣を振り回して切り落とし、パチン、パチンとどんどんと燃やしていく。
【熱イ熱イ熱イ熱イ熱イ熱イ熱イ熱イ!!】
再びのたうち回るシュド=メル。
そろそろ、頃合いだろう。ここまで魔力が削げたならきっと戻っては来られないはずだ。
私は近くにあった人間の頭部くらいの瓦礫を手に取る。そして自分の魔力を込めた瓦礫を上空に放って大剣をバットに変形させると、そのバットを大きく振りかぶった。
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