ダメンズメーカー聖女 〜結婚したくて尽くしまくってたら最強の聖女になっちゃいました〜

鳥柄ささみ

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第七話 聖女要請

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「ご、ご冗談、ですよね……? 私、白夜光のギルドマスターですよ? 聖女とか程遠い存在ですけど。大斧振り回しちゃったり、魔法ぶっ放しちゃったりしますよ?」
「いや、間違いない。大司教が占ったところ、キミが次期聖女だと」

 大司教、勝手に私を占ってんじゃないわよ……!

 内心憤りながらも、そんなこと王様の前で言えるはずもない。
 というか言ったら最期。さっきから私の言動に顔を赤くしたり青くしたりしている大臣がまず卒倒するだろう。

「現在、我が国の聖女を務めているキャリーは齢八十でな。いよいよ旅は厳しいと言っておってな」
「は、八十!? 八十まで聖女やらせてたとか鬼畜すぎない!??」
「シオン殿!!」

 大臣からすっごく怒気を含んで名前を呼ばれるが、だって普通に考えて八十のおばあちゃんに今まで頼ってたってヤバすぎるでしょ。
 それに、もしかして、もしかしなくても私が聖女になったらその年まで国にこき使われるって言うの? 未婚で? マジで?

 想像するだけでゾッとする。

 絶対無理。死んでも無理。絶対に嫌だ。死んでもなるものか……!

「元々はもっと若い先代聖女がいたのだが、行方不明になってしまってな。それから先々代の聖女が復帰してずっと聖女としての役目を担ってくれているのだ」
「あー……マジか……」
「だからキミにすぐにでも聖女の座に就いてもらいたいと考えているのだ。そして聖女として国の安寧のために旅をしてもらいたい。もちろんキミ一人でとは言わん」
「えっと、それは、同行者がいるということですか?」
「あぁ。我が隣に座している我が息子……ヴィルと一緒に旅をしてもらう」
「王子と、ですか……?」

 王子と目が合う。相変わらずイケメンだ。目の保養にはなる。

 けれど、好みではない。
 何回でも言うが、イケメンだけど好みではない。

 ここでもし王子が私の好みにドストライクだったら悩む間もなく即答してただろうが。

「どうだ、引き受けてくれるか?」

 王様にまっすぐ見つめられる。私の答えはもちろん決まっている。私の答えは……

「絶対に絶対に絶対ぜぇぇぇぇぇっっっっっっったいに嫌です!!!!!」
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