ダメンズメーカー聖女 〜結婚したくて尽くしまくってたら最強の聖女になっちゃいました〜

鳥柄ささみ

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第五話 王城

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「凄い……」

 思わず感嘆の声が漏れる。

 何を隠そう王城に入るのは初めてだ。
 というのも今まで何度か呼ばれる機会はあったものの、いずれも元カレの用事やギルドのクエストなどの予定が先に入っていたため、ダンスパーティーや祝賀祭など王城で行われていた誘いはことごとく断っていたのだ。

 って、今まであまり気に留めてなかったけど、これほどまでにダブルブッキングするのはある意味凄くないか、自分。

 そんなこんなで初めて入った王城はどこの建物よりも豪奢で美しかった。
 クエストで各地を旅してきた私は様々な建物を目にしてきたが、白を基調としたこの城は今までで一番美しいと言える自信があった。

 今まで、不運でここに来られなかったのが恨まれる。

「大臣。シオン殿をお連れしました」
「あぁ、ご苦労。して、そのシオン殿はどちらに」
「あの、大臣。こちらの方がシオン殿です」

 大臣の視線が私に向く。
 そしてギョッとした顔をして、「こらっ、お前達。冗談はよしなさい」と騎士達を諌めた。

 ……そんなに私のイメージと本人像がかけ離れているのだろうか。
 ここまで毎度驚かれると、どんなイメージを持たれていたのか非常に気になる。絶対にいいイメージではなさそうだけど。

「あの、私がシオンですが」
「何ぃ!? ……本当の本当か?」
「えぇ、まぁ、はい。これがギルドマスターの証です」

 肩につけていた紋章を見せるとまじまじと見つめる大臣。なんかここまで疑われるというのはさすがにちょっと複雑である。

「こ、これはまさしく超上級ギルド白夜光のギルドマスターの証……! これは失礼した。では、陛下がお待ちだ。早速中に入ってくれたまえ」
「わかりました」

 促されるまま謁見の間に通される。
 扉が開くとそこは謁見の間で、玉座には既に王が鎮座していた。その隣には王子も座っている。

 へぇ、王様と王子様ってこんな顔してたんだ~。

 二人共顔は整っていて、金髪に碧眼。
 王様は髭を生やしていて、ザ・王様な風貌だ。
 王子様のほうも顔は整っていて、一般的なイメージとは違って顎は割れていない。さらに色白で綺麗に整えられているショートボブの髪もサラサラしてそうで、ザ・王子様といったようなキラキラした雰囲気を醸し出している。

 んまぁ、イケメンではあるけど、なんか物足りないというか私の好みではないかな。イケメンではあるけど。

 今まであらゆる行事に顔を出してなかったせいで王と王子の顔を知らず、ついまじまじと見てしまう。
 すると、「シオン殿。シオン殿。王の御前なのだから、そうまじまじと見るでない。不敬であるぞ」と大臣に耳打ちされて、私は慌てて頭を下げた。
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