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19 暴露
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さて、用事は終わったし、自分の教室に戻ろうとしたときだった。
「ところで、……どうなんだよ?」
「へ? 何が」
腕を引かれて、にゅっと顔を近づけられたかと思えば、急に耳元で声を潜めて話し始める真島。
聞き取れるようにさらに顔を近づけると、なぜか周りから何やら熱い視線を感じるような気もするが、きっと気のせいだろう。
「天音ちゃんだよ」
「天音が、どうかしたのか?」
「もう……察しが悪いな。わざとなのか? ……だから、天音ちゃんとヤったのか?」
「何を?」
まどろっこしい言い方に、眉間に皺を寄せる。
一体何が言いたいのか皆目見当がつかず、真島に合わせてコソコソと言い合う。
「……えっち」
一瞬、言葉が理解できなくてフリーズする。
えっち……? えっちって、あのセッ……と脳内でゆっくりと噛み砕いて理解し、再起動した俺の頭はカッと血がのぼる。
「は、はぁ!?? な、何言ってんだよ!? べ、別に天音と俺はそんなんじゃねぇし!!」
何つーこと言い出すんだこいつ! と大声で喚きながら騒げば、なぜか不満そうな顔をされる。
てか、周りからめちゃくちゃ視線集めてるけど!
こういう注目されるの苦手なんだけど、俺!!
「えー、だって……一人暮らしで、幼馴染みがいて、産まれたときから高校まで一緒って……もはや、なぁ……? めっちゃ仲もいいし、てっきりそういう関係なのかと……」
「ちっげーから! 仲はいいけど、そういうんじゃねーから! むしろ年齢イコール彼女いない歴だし!」
「ふぅん、そうなんだぁ……」
ニヤニヤと笑う真島。
こんな憎々しげな顔をしているのに、それでもなお整っているのが余計に腹立つ。
あからさまにからかわれてるし、そもそもさっきから無駄に視線を集めているのはなんなんだ。
特に女子から。
わりと大きな声で騒いだがこんなに注目されるほど俺、何か変なことをした覚えはないぞ。
てか、俺なんか余計なこと暴露してしまったんじゃね!? と自己嫌悪に陥る。
「まー、頑張れよ。ライバルが多いぜ? 俺もよく周りから京極と天音ちゃんは付き合ってるのか、って聞かれるくらいだからな」
「そんな話、俺は聞いたことねーぞ」
「そりゃ本人には言わんだろ」
なんてことだ、そう言った噂が出回っていただなんて。
どうりで、最近よく敵対心剥き出しな視線を感じると思った。
誤解なんだ! 俺は天音とはそういう関係ではないんだ!! と叫んで噂を撤回したいところだが、下手に自分からそんなことを言い出すのも憚られる。
「と、とにかく誤解だからな!」
「はいはい、わかったよ。てか、俺に弁解してもしょうがないだろ」
「ま、まぁ、そうなんだけどさ……」
キーンコーンカーンコーン……
ちょうどいいタイミングなのか、チャイムが鳴る。
「とにかく、今日は代打立てとくから。早く足治せよー! 次の大会は県大予選だからな」
「あぁ、悪いな。早めに治すように頑張るわ。ありがとう、じゃあな!」
手を振って、自分の教室へと戻る。
戻るとなぜか数人の男子から生暖かい目で見つめられ、天音にはサッと顔を背けられる。
な、なんなんだ、この感じ……?
訳もわからず首を傾げる。
とりあえず、違和感を覚えながらも次の授業である数学の教科書とノートを取り出して、準備をし始める。
実は先程の俺の大声が隣の俺のクラスまで届き、先程の暴露や天音のことなどが筒抜けだったことに気づくのは、数学授業後に輝に教えてもらってからだった。
「ところで、……どうなんだよ?」
「へ? 何が」
腕を引かれて、にゅっと顔を近づけられたかと思えば、急に耳元で声を潜めて話し始める真島。
聞き取れるようにさらに顔を近づけると、なぜか周りから何やら熱い視線を感じるような気もするが、きっと気のせいだろう。
「天音ちゃんだよ」
「天音が、どうかしたのか?」
「もう……察しが悪いな。わざとなのか? ……だから、天音ちゃんとヤったのか?」
「何を?」
まどろっこしい言い方に、眉間に皺を寄せる。
一体何が言いたいのか皆目見当がつかず、真島に合わせてコソコソと言い合う。
「……えっち」
一瞬、言葉が理解できなくてフリーズする。
えっち……? えっちって、あのセッ……と脳内でゆっくりと噛み砕いて理解し、再起動した俺の頭はカッと血がのぼる。
「は、はぁ!?? な、何言ってんだよ!? べ、別に天音と俺はそんなんじゃねぇし!!」
何つーこと言い出すんだこいつ! と大声で喚きながら騒げば、なぜか不満そうな顔をされる。
てか、周りからめちゃくちゃ視線集めてるけど!
こういう注目されるの苦手なんだけど、俺!!
「えー、だって……一人暮らしで、幼馴染みがいて、産まれたときから高校まで一緒って……もはや、なぁ……? めっちゃ仲もいいし、てっきりそういう関係なのかと……」
「ちっげーから! 仲はいいけど、そういうんじゃねーから! むしろ年齢イコール彼女いない歴だし!」
「ふぅん、そうなんだぁ……」
ニヤニヤと笑う真島。
こんな憎々しげな顔をしているのに、それでもなお整っているのが余計に腹立つ。
あからさまにからかわれてるし、そもそもさっきから無駄に視線を集めているのはなんなんだ。
特に女子から。
わりと大きな声で騒いだがこんなに注目されるほど俺、何か変なことをした覚えはないぞ。
てか、俺なんか余計なこと暴露してしまったんじゃね!? と自己嫌悪に陥る。
「まー、頑張れよ。ライバルが多いぜ? 俺もよく周りから京極と天音ちゃんは付き合ってるのか、って聞かれるくらいだからな」
「そんな話、俺は聞いたことねーぞ」
「そりゃ本人には言わんだろ」
なんてことだ、そう言った噂が出回っていただなんて。
どうりで、最近よく敵対心剥き出しな視線を感じると思った。
誤解なんだ! 俺は天音とはそういう関係ではないんだ!! と叫んで噂を撤回したいところだが、下手に自分からそんなことを言い出すのも憚られる。
「と、とにかく誤解だからな!」
「はいはい、わかったよ。てか、俺に弁解してもしょうがないだろ」
「ま、まぁ、そうなんだけどさ……」
キーンコーンカーンコーン……
ちょうどいいタイミングなのか、チャイムが鳴る。
「とにかく、今日は代打立てとくから。早く足治せよー! 次の大会は県大予選だからな」
「あぁ、悪いな。早めに治すように頑張るわ。ありがとう、じゃあな!」
手を振って、自分の教室へと戻る。
戻るとなぜか数人の男子から生暖かい目で見つめられ、天音にはサッと顔を背けられる。
な、なんなんだ、この感じ……?
訳もわからず首を傾げる。
とりあえず、違和感を覚えながらも次の授業である数学の教科書とノートを取り出して、準備をし始める。
実は先程の俺の大声が隣の俺のクラスまで届き、先程の暴露や天音のことなどが筒抜けだったことに気づくのは、数学授業後に輝に教えてもらってからだった。
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