31 / 53
第二十八話 霊廟
しおりを挟む
霊廟は歴代の秋王が奉られている墓所だ。
扉を開くととても豪奢な造りで、中は半地下になっていて広々としている。
外は明るかったが、中は陽の光が入らないような造りになっているため薄暗い。
室内とはいえ外気は入ってくるため肌寒くて、花琳は身震いした。
燭台に灯りをつけて持ちながら奥まで進むと、歴代秋王の遺骨と墓標がずらっと並んでいて、さすが王の墓所だけあって荘厳だ。
花琳はその中でも最も新しい墓標を目指す。
そこには余暉が祀ってあり、その墓標の前につくと燭台を置いて花琳は膝をついた。
「兄さま、久しぶり。あのとき追い出されてから私、言われた通りに秋王として頑張っているわよ」
返事がない来ないことなどわかってはいるが、余暉に向かって話しかける花琳。
返事がなくともきっとどこかで自分のことを見守ってくれているのではないかと、そのまま話しかける。
「ねぇ、あれからもちゃんと私のことを見てる? そうそう、私が考えた意見箱が好評なのですって。私なりに王として民のために少しでも国を良くしたいと思って考えたのだけど、どうかしら?」
返事がなくても、花琳は語り続ける。
この言葉が余暉に届くといいなと思いながら。
「頑張ってるでしょう、私。兄さまのようにはなかなか上手くはいかないかもしれないけど、私なりに頑張っているのよ。自分の力で。……峰葵の力に頼らなくても国民達を味方にしてより良い国作りができるよう努めるわ」
今は誰の目もない、たった一人。
だからこそ、素直に本音を吐露できた。
「きっと聡い兄さまなら気づいていたのでしょうけど、峰葵のこと好きだったの。でもダメね。峰葵とはやはり結ばれぬ運命だったみたい。わかってはいたけど。どこかで期待していた私がいたの。そんなわけないのにね」
都合よく何かがきっかけで峰葵と結ばれる運命を夢想していたこともあった。
けれど、現実はそう都合よく物事が進むわけもなく。
幼さゆえの懸想だったと自嘲する花琳。
「そのうち、雪梅が峰葵の子供を身篭ったら私もきっと吹っ切れるようになると思うわ。まだ今はちょっとだけ、ほんのちょっとだけ未練みたいなものがあるけど。でも私、そういう気持ちの割り切りができるようになったから。誰かさんのおかげでね」
ちくりと余暉に対して嫌味も言っておく。
これくらいならバチは当たらないだろう。
実際に、余暉が亡くなってから身内が誰もいないという環境になったせいで花琳は自分の気持ちに分別がつけるようになった。
峰葵に対して元々はべったりしていたにも関わらず、表立って好意を示さなかったのもそのせいだ。
とはいえ、思春期辺りからあからさまに峰葵と距離を取り始めたのを見て、花琳の周りは花琳の気持ちに気づいてはいたのだが。
「とにかく、頑張ると決めたからにはこの命が尽きるまで秋王として頑張るつもり。だから兄さま、ちゃんと最期まで見ていてね。立派な秋王として勤めを果たすから」
余暉に宣言しつつ自分の退路を塞ぐ。
有言実行。
自分に少しでも甘えがあれば気持ちが揺らぐかもしれない。
これは、花琳なりの覚悟であった。
「じゃあまたね、兄さま。次は、もっと何か成果が出たらその報告しに来るわね」
そう言って、立ち上がる。
外にいる二人も待ちくたびれているだろうし、花琳自身も身体が冷え切っていた。
かじかむ手をこすりながら、立ち上がって燭台を持ち、霊廟を出ようとしたときだった。
「話が違うじゃないの! どういうことよ!?」
女のキャンキャンと甲高い声が聞こえて、足を止める。
霊廟の外から聞こえる声のようで、かなり憤っているような女の声だった。
(この霊廟の隣って確か、後宮があったような)
霊廟内であるため、外の様子は窺えない。方向的に良蘭と明龍ではなさそうだ。
声は聞き覚えがあるようなないような、誰の声かは花琳の記憶では特定は難しそうであった。
とりあえず後宮にいる誰かだろう、ということだけはわかる。
(雪梅の女官か従者かしら)
外の待っている二人には申し訳ないが、つい好奇心が勝って静かに聞き耳を立てる。
どうやら声の質的に男女が二人揉めているらしい。
「落ち着いてください」
「落ち着けるわけがないじゃない! やっと念願が叶ったというのに!」
「わかりましたが、声の大きさをもう少し抑えていただかないと、誰に聞かれるかわかったものではありませんよ」
「ふんっ、それはそっちが困るだけでしょう?」
「そうですかな? 峰葵殿に聞かれたら困るのはそちらも同じでは?」
男の「峰葵」の言葉にドクンと胸が嫌な音を立てる。
どうやら峰葵が聞くとまずい会話をしているらしい。
「わかったわよ。とにかく、こっちはまだ何も進んでないから、手出ししないでちょうだい」
「わかりました。こちらでどうにかことが上手く進むよう手筈を整えておきまする」
「さっさとそうしてちょうだい。……はぁ、忌々しいわ。特に、あの女! 秋王だかなんだか名乗ってるけどまだ小娘のくせに偉っそうに」
(今度は私のこと? 随分な言いようだけど、本当に誰なのかしら)
花琳自身に身に覚えはないが、どうやら後宮の誰かに恨まれているらしい。
会話の内容的に不穏な雰囲気を感じて、今は外に出るべきではないと花琳は悟って大人しく霊廟内で待つ。
入り口の方向から鉢合わせすることはないだろうが、今花琳が外に出て良蘭か明龍どちらかと会話して彼らに花琳がここにいたと気づかれてしまっても厄介だった。
「思っていても口に出すのは最低限になさってください。ここは貴女さまが思っている以上に魑魅魍魎が蔓延っておりますから」
「煩いわね。わかってるわよ。それに、その言葉はあんたにだけは言われたくないわっ! はぁ、どいつもこいつもごちゃごちゃと煩い男だらけね。よくあの女も一人でここで身内もなくやっていけるわね。その辺に関しては評価してやってもいいかも」
「身内はおらずとも後ろ盾は大きいのです。とはいえ、まだ未熟。後ろ盾さえなければ無能であることには違いありません」
「人には思ったことを口に出すなという癖に随分と悪しざまに言うのね。まぁ、気持ちはわかるわ。無能なのに偉ぶって驕ってるヤツほどムカつくわよね」
(あまり自分の悪口を直接聞くのはあまり居心地いいものではないわね。仕方のないことだけど)
わざと偉ぶるように振る舞っているのだから指摘はごもっともである。
それに関してどうこう言うつもりはないが、少なからず憎悪を向けられているというのはあまり気持ちのいいものではなかった。
(誰かは知らないけど、何かよからぬことを目論んでいそうだし、気を引き締めないと)
先日毒殺されかけたばかりだ。
さすがに次はないだろうと楽観視はできない。
仲考のことだ、失敗したのであればもう一度隙を狙って仕掛けてくるだろう。
「はぁ、寒い寒い。もう帰るわよ。変に疑われたくはないし」
「えぇ、ではまた何かあれば」
花琳が息を殺していると、いつのまにか外から気配が薄れる。
どうやら二人はどこかへ行ったらしい。
(何だったのかしら、一体)
具体的なことは聞けなかったが、何やら行動を起こすことだけはわかった。
それが何かはわからないが、今後目を配っておくに越したことはないだろう。
「さて、戻らないと。良蘭も明龍もきっと寒がってるわよね」
花琳が慌てて足早に戻ると、良蘭が冷え切った身体で顔を青褪めながら抱き締めてくる。
どうやら遅いから中で倒れていたのかと思ったと心配してくれていたようで、今にも霊廟に突入しようとしていたらしい。
花琳が謝ると「もうお一人ではどこにも行かせません!」と良蘭から禁止令を出されてしまうのだった。
扉を開くととても豪奢な造りで、中は半地下になっていて広々としている。
外は明るかったが、中は陽の光が入らないような造りになっているため薄暗い。
室内とはいえ外気は入ってくるため肌寒くて、花琳は身震いした。
燭台に灯りをつけて持ちながら奥まで進むと、歴代秋王の遺骨と墓標がずらっと並んでいて、さすが王の墓所だけあって荘厳だ。
花琳はその中でも最も新しい墓標を目指す。
そこには余暉が祀ってあり、その墓標の前につくと燭台を置いて花琳は膝をついた。
「兄さま、久しぶり。あのとき追い出されてから私、言われた通りに秋王として頑張っているわよ」
返事がない来ないことなどわかってはいるが、余暉に向かって話しかける花琳。
返事がなくともきっとどこかで自分のことを見守ってくれているのではないかと、そのまま話しかける。
「ねぇ、あれからもちゃんと私のことを見てる? そうそう、私が考えた意見箱が好評なのですって。私なりに王として民のために少しでも国を良くしたいと思って考えたのだけど、どうかしら?」
返事がなくても、花琳は語り続ける。
この言葉が余暉に届くといいなと思いながら。
「頑張ってるでしょう、私。兄さまのようにはなかなか上手くはいかないかもしれないけど、私なりに頑張っているのよ。自分の力で。……峰葵の力に頼らなくても国民達を味方にしてより良い国作りができるよう努めるわ」
今は誰の目もない、たった一人。
だからこそ、素直に本音を吐露できた。
「きっと聡い兄さまなら気づいていたのでしょうけど、峰葵のこと好きだったの。でもダメね。峰葵とはやはり結ばれぬ運命だったみたい。わかってはいたけど。どこかで期待していた私がいたの。そんなわけないのにね」
都合よく何かがきっかけで峰葵と結ばれる運命を夢想していたこともあった。
けれど、現実はそう都合よく物事が進むわけもなく。
幼さゆえの懸想だったと自嘲する花琳。
「そのうち、雪梅が峰葵の子供を身篭ったら私もきっと吹っ切れるようになると思うわ。まだ今はちょっとだけ、ほんのちょっとだけ未練みたいなものがあるけど。でも私、そういう気持ちの割り切りができるようになったから。誰かさんのおかげでね」
ちくりと余暉に対して嫌味も言っておく。
これくらいならバチは当たらないだろう。
実際に、余暉が亡くなってから身内が誰もいないという環境になったせいで花琳は自分の気持ちに分別がつけるようになった。
峰葵に対して元々はべったりしていたにも関わらず、表立って好意を示さなかったのもそのせいだ。
とはいえ、思春期辺りからあからさまに峰葵と距離を取り始めたのを見て、花琳の周りは花琳の気持ちに気づいてはいたのだが。
「とにかく、頑張ると決めたからにはこの命が尽きるまで秋王として頑張るつもり。だから兄さま、ちゃんと最期まで見ていてね。立派な秋王として勤めを果たすから」
余暉に宣言しつつ自分の退路を塞ぐ。
有言実行。
自分に少しでも甘えがあれば気持ちが揺らぐかもしれない。
これは、花琳なりの覚悟であった。
「じゃあまたね、兄さま。次は、もっと何か成果が出たらその報告しに来るわね」
そう言って、立ち上がる。
外にいる二人も待ちくたびれているだろうし、花琳自身も身体が冷え切っていた。
かじかむ手をこすりながら、立ち上がって燭台を持ち、霊廟を出ようとしたときだった。
「話が違うじゃないの! どういうことよ!?」
女のキャンキャンと甲高い声が聞こえて、足を止める。
霊廟の外から聞こえる声のようで、かなり憤っているような女の声だった。
(この霊廟の隣って確か、後宮があったような)
霊廟内であるため、外の様子は窺えない。方向的に良蘭と明龍ではなさそうだ。
声は聞き覚えがあるようなないような、誰の声かは花琳の記憶では特定は難しそうであった。
とりあえず後宮にいる誰かだろう、ということだけはわかる。
(雪梅の女官か従者かしら)
外の待っている二人には申し訳ないが、つい好奇心が勝って静かに聞き耳を立てる。
どうやら声の質的に男女が二人揉めているらしい。
「落ち着いてください」
「落ち着けるわけがないじゃない! やっと念願が叶ったというのに!」
「わかりましたが、声の大きさをもう少し抑えていただかないと、誰に聞かれるかわかったものではありませんよ」
「ふんっ、それはそっちが困るだけでしょう?」
「そうですかな? 峰葵殿に聞かれたら困るのはそちらも同じでは?」
男の「峰葵」の言葉にドクンと胸が嫌な音を立てる。
どうやら峰葵が聞くとまずい会話をしているらしい。
「わかったわよ。とにかく、こっちはまだ何も進んでないから、手出ししないでちょうだい」
「わかりました。こちらでどうにかことが上手く進むよう手筈を整えておきまする」
「さっさとそうしてちょうだい。……はぁ、忌々しいわ。特に、あの女! 秋王だかなんだか名乗ってるけどまだ小娘のくせに偉っそうに」
(今度は私のこと? 随分な言いようだけど、本当に誰なのかしら)
花琳自身に身に覚えはないが、どうやら後宮の誰かに恨まれているらしい。
会話の内容的に不穏な雰囲気を感じて、今は外に出るべきではないと花琳は悟って大人しく霊廟内で待つ。
入り口の方向から鉢合わせすることはないだろうが、今花琳が外に出て良蘭か明龍どちらかと会話して彼らに花琳がここにいたと気づかれてしまっても厄介だった。
「思っていても口に出すのは最低限になさってください。ここは貴女さまが思っている以上に魑魅魍魎が蔓延っておりますから」
「煩いわね。わかってるわよ。それに、その言葉はあんたにだけは言われたくないわっ! はぁ、どいつもこいつもごちゃごちゃと煩い男だらけね。よくあの女も一人でここで身内もなくやっていけるわね。その辺に関しては評価してやってもいいかも」
「身内はおらずとも後ろ盾は大きいのです。とはいえ、まだ未熟。後ろ盾さえなければ無能であることには違いありません」
「人には思ったことを口に出すなという癖に随分と悪しざまに言うのね。まぁ、気持ちはわかるわ。無能なのに偉ぶって驕ってるヤツほどムカつくわよね」
(あまり自分の悪口を直接聞くのはあまり居心地いいものではないわね。仕方のないことだけど)
わざと偉ぶるように振る舞っているのだから指摘はごもっともである。
それに関してどうこう言うつもりはないが、少なからず憎悪を向けられているというのはあまり気持ちのいいものではなかった。
(誰かは知らないけど、何かよからぬことを目論んでいそうだし、気を引き締めないと)
先日毒殺されかけたばかりだ。
さすがに次はないだろうと楽観視はできない。
仲考のことだ、失敗したのであればもう一度隙を狙って仕掛けてくるだろう。
「はぁ、寒い寒い。もう帰るわよ。変に疑われたくはないし」
「えぇ、ではまた何かあれば」
花琳が息を殺していると、いつのまにか外から気配が薄れる。
どうやら二人はどこかへ行ったらしい。
(何だったのかしら、一体)
具体的なことは聞けなかったが、何やら行動を起こすことだけはわかった。
それが何かはわからないが、今後目を配っておくに越したことはないだろう。
「さて、戻らないと。良蘭も明龍もきっと寒がってるわよね」
花琳が慌てて足早に戻ると、良蘭が冷え切った身体で顔を青褪めながら抱き締めてくる。
どうやら遅いから中で倒れていたのかと思ったと心配してくれていたようで、今にも霊廟に突入しようとしていたらしい。
花琳が謝ると「もうお一人ではどこにも行かせません!」と良蘭から禁止令を出されてしまうのだった。
0
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説
不吉だと捨てられた令嬢が拾ったのは、呪われた王子殿下でした ~正体を隠し王宮に上がります~
長井よる
恋愛
フローレス侯爵家の次女のレティシアは、この国で忌み嫌われる紫の髪と瞳を持って生まれたため、父親から疎まれ、ついには十歳の時に捨てられてしまう。
孤児となり、死にかけていたレティシアは、この国の高名な魔法使いに拾われ、彼の弟子として新たな人生を歩むことになる。
レティシアが十七歳になったある日、事故に遭い瀕死の王子アンドレアスを介抱する。アンドレアスの体には呪いがかけられており、成人まで生きられないという運命が待ち受けていた。レティシアは試行錯誤の末、何とか呪いの進行を止めることに成功する。
アンドレアスから、王宮に来てほしいと懇願されたレティシアは、正体を隠し王宮に上がることを決意するが……。
呪われた王子×秘密を抱えた令嬢(魔法使いの弟子)のラブストーリーです。
※残酷な描写注意
10/30:主要登場人物•事件設定をUPしました。
男装官吏と花散る後宮〜禹国謎解き物語〜
春日あざみ
キャラ文芸
<第8回キャラ文芸大賞にて奨励賞をいただきました。応援ありがとうございました!>
宮廷で史書編纂事業が立ち上がると聞き、居ても立ってもいられなくなった歴史オタクの柳羅刹(りゅうらせつ)。男と偽り官吏登用試験、科挙を受験し、見事第一等の成績で官吏となった彼女だったが。珍妙な仮面の貴人、雲嵐に女であることがバレてしまう。皇帝の食客であるという彼は、羅刹の秘密を守る代わり、後宮の悪霊によるとされる妃嬪の連続不審死事件の調査を命じる。
しかたなく羅刹は、悪霊について調べ始めるが——?
「歴女×仮面の貴人(奇人?)」が紡ぐ、中華風世界を舞台にしたミステリ開幕!
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

果たされなかった約束
家紋武範
恋愛
子爵家の次男と伯爵の妾の娘の恋。貴族の血筋と言えども不遇な二人は将来を誓い合う。
しかし、ヒロインの妹は伯爵の正妻の子であり、伯爵のご令嗣さま。その妹は優しき主人公に密かに心奪われており、結婚したいと思っていた。
このままでは結婚させられてしまうと主人公はヒロインに他領に逃げようと言うのだが、ヒロインは妹を裏切れないから妹と結婚して欲しいと身を引く。
怒った主人公は、この姉妹に復讐を誓うのであった。
※サディスティックな内容が含まれます。苦手なかたはご注意ください。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
皇帝は虐げられた身代わり妃の瞳に溺れる
えくれあ
恋愛
丞相の娘として生まれながら、蔡 重華は生まれ持った髪の色によりそれを認められず使用人のような扱いを受けて育った。
一方、母違いの妹である蔡 鈴麗は父親の愛情を一身に受け、何不自由なく育った。そんな鈴麗は、破格の待遇での皇帝への輿入れが決まる。
しかし、わがまま放題で育った鈴麗は輿入れ当日、後先を考えることなく逃げ出してしまった。困った父は、こんな時だけ重華を娘扱いし、鈴麗が見つかるまで身代わりを務めるように命じる。
皇帝である李 晧月は、後宮の妃嬪たちに全く興味を示さないことで有名だ。きっと重華にも興味は示さず、身代わりだと気づかれることなくやり過ごせると思っていたのだが……
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる