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占い
しおりを挟む改めて過疎化しているギルドの内部を見渡し、カウンターの上に掛けられたクエストの掲示板を見た。
そこには進行中のクエストとそれを受けたパーティー名が記入されているはずなのだが、空欄のままだ。誰もクエストを受けていないし、出ているパーティーはない。
「最後に教えて欲しい、アモン達のパーティーは何処に居るのか知っているか?」
バクーは首を横に振り、判らないと答える。
「く‥‥」
虚しさを感じつつもまだ希望はあると自分に言い聞かせる。僕は普段は占いなぞ絶対に信じないが、この帝都には高名な占い師が居るのだ。
僕はすぐにギルドを出てそこを尋ねた。
受付料金10金を前払いしてから薄暗い室内、占い師の座っているテーブルを挟んで向かいの椅子に腰を掛ける。
「質問は一つ金貨5枚、難しい質問は10枚だよ」
「判った、これで良いか?」
ジャララララ‥‥
僕は金貨100枚程を袋から出し、テーブルに設置された料金皿に山にして積み質問を続けた。
「知りたいのは、冒険者マモンのパーティーは今どこに居るのか?という事」
するとその中年女の占い師は両手でつかんだ水晶玉を暫く覗き込んで答える。
「マモン、マモン‥‥ふむ‥‥ここには居ないね」
「僕は何処にいるのか知りたいのだ」
「暗くて良くは見えないが‥‥きっとこれは地獄、3人一緒のようだね」
「死んでいると言いたいのか?」
「‥‥死んでいるような‥‥生きているような」
僕はバカバカしくなってしまった。どうせ占いなんて嘘に決まっているのだ。本当に占いが当たるのなら魔人襲撃を予知できただろうし‥‥。それで気が変わってもう一つ質問をしてみた。
「もう一つ、魔人は何処から来たのだ?」
「それは難しい質問だね」
「そうか?」
「そう、この世界に元々いない者の気配を追うのは特にね」
「別の世界から来たという意味かい?」
「私に判るのは元々居ないというだけだね」
元々居ないならどうやってここに現れたのか、今どこに居るのか‥‥。
「では、その魔人は今どこに居るんだ?」
「そうだね‥‥地獄にみえるね」
「え?地獄からやって来たという事なのだろうか、それとも‥‥」
「それは判らないね、だけどさっきの冒険者達と同じ風景の場所に居るように見えるね」
「‥‥まさかとは思うが、その地獄って太陽が暗いか?」
「ほほ!良く知っているね、その通りだわ」
「‥‥」
3人とも暗黒層に行っていると言う様に僕には思えた。
「ダークレイヤーか‥‥」
「ほ、なんだいそれは?」
「知らないならいい、そこの風景を詳しく教えてくれ」
「ふむ‥‥毒の沼のような湿地と死の砂漠が見えるね、荒涼として強大なモンスターが徘徊して‥‥」
「やはりそうか‥‥」
今まで占いなぞインチキだと思っていたのだが、信じても良いような気になっていた。
「ありがとう」
僕は直ぐに帝都からとんぼ返りしてサガンドの町に戻った。
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