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魔幼女リア
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僕はドサールの駅蜥蜴車に再度乗車して魔王都を目指そうとした。魔王都が邪神神殿島へ渡る橋の入り口を塞ぐように設置されているので、まず魔王都に入らなければならないのだ。
駅蜥蜴車の停車場でまっていると、魔王都の方面へ向かい軍隊の一団がやってくるのが見えた。
ドシ!ドシ!ドシ!ドシ!ドシ!
ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!
小型のドラゴン種を先頭にして、重武装をしたダークエルフの歩兵の集団、その後に豪華な装飾をした蜥蜴車が通過していく。その金ぴかで豪華な窓から幼女の顔が覗いていた。黒髪黒目で頭に小さい角が生えているのが見えた。
軍隊に幼女?僕が思わずぼけっと見とれて居たら幼女と目があってしまった。すぐに俯いてそ知らぬふりをしたが間に合わなかったようだ。直後に号令が掛かり、軍隊の進行が止まりダークエルフの一団がこちらに走ってきて囲まれてしまう。
「おいお前!来てもらうぞ」
「‥‥僕はなにも‥‥」
「いいから来い!」
腕をつかまれて強制的に連行されてしまう、もちろん暴力的に逃げ出す事はいつでも出来たのだが、目立つのは極力避けなければならないのだ。
「姫巫女様お連れしました」
「よくやったぞ、顔を見せよ」
「これ、ご挨拶しろ」
隊長が俯いている僕の顔を無理やり上げる。
「く‥‥」
「やはり!よくやった!お前たちに褒美を取らせるぞ!」
「ワラワ好みのイケメンじゃ、早くこちらに上がれ」
「‥‥え」
それで強制的に車に乗せられてしまう。車の中は思ったよりも広く、快適だった。付き添いの護衛の類は誰もおらずその幼女一人で乗っているだけだ。
「はじめまして、イジンと言います‥‥」
「嘘をおっしゃい‥‥でもそなたがイジンと名乗りたいのならば許すぞ」
「は‥‥」
「ワラワはリア・デジューじゃ、特別にリアと呼んで良いぞ」
そこで色々と何かヤバい事に巻き込まれた自覚があったが、もう少し様子をみても良いかという気になった。
「ワラワには判るのじゃ、そなたの目、それは稀人(まれびと)の目じゃろう」
「稀人‥‥ですか」
「そうじゃ、世に伝わる救世主の目じゃ」
「は!」
「あたりじゃろう?」
「‥‥」
僕は黙り込んでしまった。そっくり同じような展開が以前にあったような‥‥。
「そなたにこの国を救って欲しいのじゃ」
「救う‥‥ですか?でも既に邪神様が」
「あのような者たちは何も判っておらぬ役立たずじゃ」
「はぁ」
何か、反目しているのだろうか。
「ワラワはそなたのようなイケメンこそが世界を救うと信じておる」
角の生えた異業種おそらく魔人系なのだろう。その幼女は見た目とは正反対に神秘的で英知の光る眼をして僕を見ていた。
「ワラワの救世主になってくれるのじゃろう?」
「え‥‥今すぐにそれを」
「ダメなのか?いやなのか?」
彼女は急に可愛らしくなり僕の胸元にやってきてキラキラとした目で訴えた。
「は、いえそう言うわけでも‥‥」
「なら決まりじゃな、ワラワはそなたが大好きじゃぞ」
「はい‥‥」
やっぱり僕には断れない弱点が存在した。なぜか彼女たちはそれを知り尽くしているのだ。
その後蜥蜴車は粛々と進み魔王都を目指す。
この世界は表の世界と違い山や丘があまりなく、延々と湿原と砂漠地帯を突っ走る事になったのだが、ここでは鉱山自体が少ないので魔光石が貴重なのは当然なのかもしれないと察した。
駅蜥蜴車の停車場でまっていると、魔王都の方面へ向かい軍隊の一団がやってくるのが見えた。
ドシ!ドシ!ドシ!ドシ!ドシ!
ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!ザッ!
小型のドラゴン種を先頭にして、重武装をしたダークエルフの歩兵の集団、その後に豪華な装飾をした蜥蜴車が通過していく。その金ぴかで豪華な窓から幼女の顔が覗いていた。黒髪黒目で頭に小さい角が生えているのが見えた。
軍隊に幼女?僕が思わずぼけっと見とれて居たら幼女と目があってしまった。すぐに俯いてそ知らぬふりをしたが間に合わなかったようだ。直後に号令が掛かり、軍隊の進行が止まりダークエルフの一団がこちらに走ってきて囲まれてしまう。
「おいお前!来てもらうぞ」
「‥‥僕はなにも‥‥」
「いいから来い!」
腕をつかまれて強制的に連行されてしまう、もちろん暴力的に逃げ出す事はいつでも出来たのだが、目立つのは極力避けなければならないのだ。
「姫巫女様お連れしました」
「よくやったぞ、顔を見せよ」
「これ、ご挨拶しろ」
隊長が俯いている僕の顔を無理やり上げる。
「く‥‥」
「やはり!よくやった!お前たちに褒美を取らせるぞ!」
「ワラワ好みのイケメンじゃ、早くこちらに上がれ」
「‥‥え」
それで強制的に車に乗せられてしまう。車の中は思ったよりも広く、快適だった。付き添いの護衛の類は誰もおらずその幼女一人で乗っているだけだ。
「はじめまして、イジンと言います‥‥」
「嘘をおっしゃい‥‥でもそなたがイジンと名乗りたいのならば許すぞ」
「は‥‥」
「ワラワはリア・デジューじゃ、特別にリアと呼んで良いぞ」
そこで色々と何かヤバい事に巻き込まれた自覚があったが、もう少し様子をみても良いかという気になった。
「ワラワには判るのじゃ、そなたの目、それは稀人(まれびと)の目じゃろう」
「稀人‥‥ですか」
「そうじゃ、世に伝わる救世主の目じゃ」
「は!」
「あたりじゃろう?」
「‥‥」
僕は黙り込んでしまった。そっくり同じような展開が以前にあったような‥‥。
「そなたにこの国を救って欲しいのじゃ」
「救う‥‥ですか?でも既に邪神様が」
「あのような者たちは何も判っておらぬ役立たずじゃ」
「はぁ」
何か、反目しているのだろうか。
「ワラワはそなたのようなイケメンこそが世界を救うと信じておる」
角の生えた異業種おそらく魔人系なのだろう。その幼女は見た目とは正反対に神秘的で英知の光る眼をして僕を見ていた。
「ワラワの救世主になってくれるのじゃろう?」
「え‥‥今すぐにそれを」
「ダメなのか?いやなのか?」
彼女は急に可愛らしくなり僕の胸元にやってきてキラキラとした目で訴えた。
「は、いえそう言うわけでも‥‥」
「なら決まりじゃな、ワラワはそなたが大好きじゃぞ」
「はい‥‥」
やっぱり僕には断れない弱点が存在した。なぜか彼女たちはそれを知り尽くしているのだ。
その後蜥蜴車は粛々と進み魔王都を目指す。
この世界は表の世界と違い山や丘があまりなく、延々と湿原と砂漠地帯を突っ走る事になったのだが、ここでは鉱山自体が少ないので魔光石が貴重なのは当然なのかもしれないと察した。
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