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受験
第三十二話
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翌日、桃が保健室に来た。
「先生、いる?」
「おう。どうした?具合でも悪いか?」
「ううん。違う。あのね、両親が進学してもいいって言ってくれた」
「本当か!?」
「うん。将来の夢に一歩近づけたよ」
「よかったな」
「これから必死で勉強しないといけないから、がんばるね」
「お前の成績ならどこの大学でも行けるだろ?」
「そんなことない。がんばらないと簡単に成績は落ちちゃうから」
「そうだな。無理しない程度にがんばれよ」
「ありがと」
すごく嬉しそうに保健室から桃は出て行った。
そんなに進学することが嬉しかったなんて…。
将来の夢が気になるところではあるが、それは桃から話してくれるまで気長に待つことにした。
それからというもの、桃を見かけるのは専ら図書館が多くなった。
毎日完全下校時間まで残って勉強している。
英語だったり、数学だったり…。
毎日がんばっている。
そんな毎日を見て桃は息が詰まってるんじゃないかと思った。
保は偶然を装って図書館で勉強している桃に近づいた。
「…勉強捗ってるか?」
「うぉっ!先生、驚かさないでよ」
「悪い。かなり集中してたな」
「うん。この間の模試の結果よくなくて…」
「今持ってるか?」
「うん」
「ちょっと見せてみ?」
桃の模試の結果を見るが、そこまで悪くない。
「全然大丈夫じゃないか?」
「ダメなの。前回より点数も順位も落ちてる」
よく見ると確かに前回より落ちているが、点数だと数十点、順位は十位程度だ。
「志望校的にも安全圏に入ってるけど…」
「安全圏かもしれないけど、実際は何が起こるか分からないんだもん。油断大敵だよ」
桃はしっかっりしていた。
今の状況に驕ることなく、毎日努力していた。
「毎日がんばっている褒美にどこか連れてってやるよ」
「へ?」
「毎日遅くまで勉強してるの知ってるぞ?」
「そうなんだ…」
「たまには息抜きも必要なんじゃないか?」
「またどこか行ったら隠し撮りされちゃうよ?やめとく」
「そうだな…それなら俺の家に来るか?」
「何で?」
「一応俺教師だし、勉強見てやれるぞ?」
「ちなみに先生の得意科目は?」
「全般的に優秀だったけど、強いて言えば数学かな」
「本当!?数学苦手で…」
「んじゃ決まりな。次の日曜に勉強会しようぜ」
「本当にいいの?」
「構わない。朝九時に迎えに行くから準備しとけよ?」
「うん。よろしくお願いします」
「先生、いる?」
「おう。どうした?具合でも悪いか?」
「ううん。違う。あのね、両親が進学してもいいって言ってくれた」
「本当か!?」
「うん。将来の夢に一歩近づけたよ」
「よかったな」
「これから必死で勉強しないといけないから、がんばるね」
「お前の成績ならどこの大学でも行けるだろ?」
「そんなことない。がんばらないと簡単に成績は落ちちゃうから」
「そうだな。無理しない程度にがんばれよ」
「ありがと」
すごく嬉しそうに保健室から桃は出て行った。
そんなに進学することが嬉しかったなんて…。
将来の夢が気になるところではあるが、それは桃から話してくれるまで気長に待つことにした。
それからというもの、桃を見かけるのは専ら図書館が多くなった。
毎日完全下校時間まで残って勉強している。
英語だったり、数学だったり…。
毎日がんばっている。
そんな毎日を見て桃は息が詰まってるんじゃないかと思った。
保は偶然を装って図書館で勉強している桃に近づいた。
「…勉強捗ってるか?」
「うぉっ!先生、驚かさないでよ」
「悪い。かなり集中してたな」
「うん。この間の模試の結果よくなくて…」
「今持ってるか?」
「うん」
「ちょっと見せてみ?」
桃の模試の結果を見るが、そこまで悪くない。
「全然大丈夫じゃないか?」
「ダメなの。前回より点数も順位も落ちてる」
よく見ると確かに前回より落ちているが、点数だと数十点、順位は十位程度だ。
「志望校的にも安全圏に入ってるけど…」
「安全圏かもしれないけど、実際は何が起こるか分からないんだもん。油断大敵だよ」
桃はしっかっりしていた。
今の状況に驕ることなく、毎日努力していた。
「毎日がんばっている褒美にどこか連れてってやるよ」
「へ?」
「毎日遅くまで勉強してるの知ってるぞ?」
「そうなんだ…」
「たまには息抜きも必要なんじゃないか?」
「またどこか行ったら隠し撮りされちゃうよ?やめとく」
「そうだな…それなら俺の家に来るか?」
「何で?」
「一応俺教師だし、勉強見てやれるぞ?」
「ちなみに先生の得意科目は?」
「全般的に優秀だったけど、強いて言えば数学かな」
「本当!?数学苦手で…」
「んじゃ決まりな。次の日曜に勉強会しようぜ」
「本当にいいの?」
「構わない。朝九時に迎えに行くから準備しとけよ?」
「うん。よろしくお願いします」
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