AT LONG LAST

伊崎夢玖

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第一章

side蒼 ⑲

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※小スカ表現微妙にあります。苦手な方は戻ってください。


それから数日後、僕はこの歳でおねしょをしてしまった。
昨日ちゃんと寝る前にトイレに行ったのに…。
次の日はおねしょしてなかった。ただ調子悪かっただけだろう。そう思っていた。
ひと月後、またおねしょしていた。
なぜだ?何が原因なんだ?思いつく原因がなかった。
前回と今回で共通することはなんだ?
その日一日そればかり考えて、ようやく分かった。
一縷からメールが来ているのに、返信していない。
自分が思っている以上にストレスになっていて、それが原因になっておねしょしていたようだった。
一縷から物理的に離れただけでなく、精神的にも離れようとして、体が限界を超えてしまったのか。
案外人間って脆い生き物だな、なんて自虐的に考えて、今後のこともあるので対策を練った。
とりあえず、俺が思う一縷の一番いい写真を引き伸ばすだけ引き伸ばして部屋に置いた。
一縷から誕生日だったり、クリスマスだったりでもらったプレゼントを部屋に並べた。
部屋中を一縷で埋め尽くしてみた。
その後おねしょはなくなった。
メールを断つ代わりだから、今の部屋の状態は少しだけ許してね。しばらくして、大丈夫になったら、ちょっとずつ減らしていくから。一縷から自立するなんて言いながら、まだまだ一縷に依存しちゃってる僕を一縷は許してくれるかな?
そんなことを思いながらも、日々の大学生活で課題が山のように毎日出題され、それをこなしていくだけで精一杯だった。
部屋に増える資料の代わりに部屋中に置いた一縷からのプレゼントはクローゼットの奥へ仕舞われていった。
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