18 / 114
第一章
side一縷 ⑩
しおりを挟む
『一縷くんは蒼をどう思っている んだい?』
蒼のお父さんはもう気付いている。
「蒼は蒼です。蒼の第二の性が何であろうと、蒼と一緒にいたいです。一生隣にいてもらいたいと思っています」
ありのままの気持ちをぶつけることにした。
許されるとは思ってないけど、生半可な気持ちでないことを知ってもらいたかった。
蒼のお父さんは何か考えているのだろう。難しい顔をしている。
『その気持ちに嘘偽りないね?蒼の側から離れたりしないね?』
「もちろんです」
『...息子のことをよろしくお願いします』
まさか許してもらえると思わなかった。
絶対に拒否されると思っていた。
俺の両親も呆れてはいるが、自分で蒼をちゃんと守ってやれと言ってくれた。
全て終わった。濃密すぎる一日だった。
俺の気持ちを自分で言いたいから今の話は蒼には内緒にしてもらう約束も取り付けた。あとは俺がちゃんとケジメをつければいいだけだ。
だけど、蒼の運命の番が俺じゃなかったら?
運命の番が蒼の目の前に現れて、俺の目の前で攫われてしまったら?
きっと蒼は俺の元からいなくなる。それが俺の中で納得することができるだろうか?
答えは全て否だ。もし、蒼の運命の番が現れたら、蒼を外に出さずに監禁してしまえばいいんじゃないか?
悶々と考えていたら、知らない間に物騒なことまで考えていた。
そんなことをしなくて済むくらい、責任を取れるくらい、誰も口出しできないくらいの力を身につけないと蒼に俺の思いを伝えられないし、蒼がずっと俺の元にいてくれない。
帰宅の道中、蒼との幸せな未来のために、これから俺がやらなければならないことを考えた。
蒼のお父さんはもう気付いている。
「蒼は蒼です。蒼の第二の性が何であろうと、蒼と一緒にいたいです。一生隣にいてもらいたいと思っています」
ありのままの気持ちをぶつけることにした。
許されるとは思ってないけど、生半可な気持ちでないことを知ってもらいたかった。
蒼のお父さんは何か考えているのだろう。難しい顔をしている。
『その気持ちに嘘偽りないね?蒼の側から離れたりしないね?』
「もちろんです」
『...息子のことをよろしくお願いします』
まさか許してもらえると思わなかった。
絶対に拒否されると思っていた。
俺の両親も呆れてはいるが、自分で蒼をちゃんと守ってやれと言ってくれた。
全て終わった。濃密すぎる一日だった。
俺の気持ちを自分で言いたいから今の話は蒼には内緒にしてもらう約束も取り付けた。あとは俺がちゃんとケジメをつければいいだけだ。
だけど、蒼の運命の番が俺じゃなかったら?
運命の番が蒼の目の前に現れて、俺の目の前で攫われてしまったら?
きっと蒼は俺の元からいなくなる。それが俺の中で納得することができるだろうか?
答えは全て否だ。もし、蒼の運命の番が現れたら、蒼を外に出さずに監禁してしまえばいいんじゃないか?
悶々と考えていたら、知らない間に物騒なことまで考えていた。
そんなことをしなくて済むくらい、責任を取れるくらい、誰も口出しできないくらいの力を身につけないと蒼に俺の思いを伝えられないし、蒼がずっと俺の元にいてくれない。
帰宅の道中、蒼との幸せな未来のために、これから俺がやらなければならないことを考えた。
0
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
愛する事はないと言ったのに
マイユニ
BL
両親の期待に応えるべく真面目に順風満帆な毎日を送っていた大倉聡真(おおくらそうま)は、Ωだと診断されてから世界が変わった。両親の関心は弟へ向けられ、友人からは襲われそうになり、抑制剤の副作用で体調を崩す日々。おまけに厄介払いをしたいのか見合いまで勧められる。
真面目に生きることが馬鹿馬鹿しくなった聡真は、遊んでやろうと歓楽街へ。そこで、ある男と出会い一夜を共にする。もう出会うはずはないと思っていた男となんの運命のいたずらかか、見合いをすることに。自分のことを覚えていないような素振りの男から、見合いの最後に「君のことを愛することはない」と告げられる。たまに抱いてくれるなら構わないという条件を出すと驚いた顔をする男。自分も愛することはないからという答えを気に入った男から、話を進めたいと言われ受け入れる。
こうして結婚の話は進んでいき、二人の結婚生活が始まった。
オメガバース設定です。
薬の開発が進んでいて発情を抑制できている世界です。
背後注意なシーンには*マークをつけています。
今後、主人公が攻め以外から無理やり襲われるシーンが出てきます。
苦手な方は読むのをお控えください。
毎日20時更新です。
好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
この愛のすべて
高嗣水清太
BL
「妊娠しています」
そう言われた瞬間、冗談だろう?と思った。
俺はどこからどう見ても男だ。そりゃ恋人も男で、俺が受け身で、ヤることやってたけど。いきなり両性具有でした、なんて言われても困る。どうすればいいんだ――。
※この話は2014年にpixivで連載、2015年に再録発行した二次小説をオリジナルとして少し改稿してリメイクしたものになります。
両性具有や生理、妊娠、中絶等、描写はないもののそういった表現がある地雷が多い話になってます。少し生々しいと感じるかもしれません。加えて私は医学を学んだわけではありませんので、独学で調べはしましたが、両性具有者についての正しい知識は無いに等しいと思います。完全フィクションと捉えて下さいますよう、お願いします。
告白ゲームの攻略対象にされたので面倒くさい奴になって嫌われることにした
雨宮里玖
BL
《あらすじ》
昼休みに乃木は、イケメン三人の話に聞き耳を立てていた。そこで「それぞれが最初にぶつかった奴を口説いて告白する。それで一番早く告白オッケーもらえた奴が勝ち」という告白ゲームをする話を聞いた。
その直後、乃木は三人のうちで一番のモテ男・早坂とぶつかってしまった。
その日の放課後から早坂は乃木にぐいぐい近づいてきて——。
早坂(18)モッテモテのイケメン帰国子女。勉強運動なんでもできる。物静か。
乃木(18)普通の高校三年生。
波田野(17)早坂の友人。
蓑島(17)早坂の友人。
石井(18)乃木の友人。
こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件
神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。
僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。
だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。
子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。
ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。
指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。
あれから10年近く。
ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。
だけど想いを隠すのは苦しくて――。
こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。
なのにどうして――。
『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』
えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)
白い部屋で愛を囁いて
氷魚彰人
BL
幼馴染でありお腹の子の父親であるαの雪路に「赤ちゃんができた」と告げるが、不機嫌に「誰の子だ」と問われ、ショックのあまりもう一人の幼馴染の名前を出し嘘を吐いた葵だったが……。
シリアスな内容です。Hはないのでお求めの方、すみません。
※某BL小説投稿サイトのオメガバースコンテストにて入賞した作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる