この状況には、訳がある

兎田りん

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愛だけで生きていけると思うなよ

登場人物紹介

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隣の国にも癖が強い王族がいました。

 <メロメ国>
 ラキアラス王国の隣国。海を挟んだ向かい側にあるので、通常の行き来は大変(陸路だとぐるっと回るし)だが、交易の為に船も多く出ているのでショートカットは可能。時間と労力はお金があれば軽減可能なのは異世界でも変わらない。
 海のモンスターを狩るのは大変だが、美味しい(珍味的な意味合いもある)らしいので、港を渡り歩いて海洋モンスター狩りを専門にしているハンター(冒険者)が一定数存在する。港町には彼らに合わせた(解体場所が設けられている)宿場もある。
 愛の神サヴィーニア信仰が国教で、「愛こそ全て」という(傍から見るとかなりおかしい)考えが横行している。そのためか、成婚率と同じくらい離婚率も高い。「略奪もまた愛」らしいがそれはおかしい。

〇メディナツロヒェン・ラフテュ
 ラフテュ伯爵家の次女。愛称はメディ。
 「愛を盾にすれば許される宗教とかマジ無い!」とおこではあるが、サヴィーニア信仰自体は受け入れている。
 バンガーブ侯爵令息に関しては「如何なる理由があろうとも、相手を失望させる方とお付き合いはできません」と、復縁依頼をバッサリ切り捨てた。順当。
 前回の卒業パーティに参加し、アリナ嬢達をやり込める御子の姿に心を奪われ狂信者となる。俺の事は御子の影武者だと思っているようだ。

〇ジュモル・バンガーブ
 バンガーブ侯爵令息。思い込みが激しく、自分の意見をなかなか曲げないというとても困った奴。

 ○リナリア・ラフチュウ
 ラフチュウ男爵令嬢。魅了の力で国の男たちを手玉に取った悪いヤツ。逆ハーを狙ったことで身を滅ぼした。
 ハレム狙うのはダメじゃないけど、取った手段が悪い。

 ○ロメオロス・メロメ
 メロメ国の第三王子。人の話を聞かない困ったやつ。傍から見るにはいいのだろうが、関わると(心に)大怪我を負う。
 「オレ様キャラ」って、こんなんじゃないと思うんだよね。

 〇イニフィリノリス・メロメ
 メロメ国の第五王女。メディナツロヒェン嬢の読書仲間。
 恋愛もの以外のジャンルを網羅するために出国した行動派。
 図書館や資料庫で目撃されるため「書庫の精霊」の異名がついた。

 〇ライオルノ・メロメ
 メロメ国の第二王子。どピンク。
傍から見るとマシそうに見えるが、やはり愛こそ全てのチャラ男だった。弟の手綱はしっかりと握っておいて頂きたい。

 <ラキアラス王国>
 この世界の中では中々の国土と歴史を持っている王国。今回の舞台、メロメ国は王国の南西に位置している。グローデン領は北東。
 王族は(俺から見ると)仕事のできる自由人。
 事ある事に俺を王城に呼び出すのは止めていただきたい。

 〇ハロルド・イグ・ラキアラス
 ラキアラス王国の弟。短く刈り込んだ金髪が良く似合う美丈夫。蜂蜜が好き。
 細君と3名のお子様をこよなく愛し、常識の範囲内で希望を最大限叶えようと動いた結果、常識から逸脱するという事件をたまに起こす。

 〇レニフェル・エク・ラキアラス
 ラキアラス国王の姪。王弟殿下の愛娘(姉)。留学してきたメディ嬢と仲良くなり「非道な行いは許されない!」とメロメ国に関係ない俺を連れて乗り込んだ。
 姉妹共に恋愛やロマンス系の文学が大好きで、人様の色恋(だけじゃないが)トラブルに進んで首を突っ込んでいく。正直止めて頂きたい。

 〇アーデルハイド・ファルクス・ラキアラス
 ラキアラス国第一王子。王太子の業務で忙しいらしいが、ウィー君が傍にいれば耐えられるらしい。逆にウィー君がいなくなると言動がおかしくなる模様。
 国王陛下からなかなかの無茶振り(丸投げ)をされるのは、信頼の証と取っていいものなのか悩ましい所。

〇ルーベンス・ソリアス・ラキアラス
 ラキアラス国の第二王子。王城の書庫で歴史編纂という名の禊をしている。ロメオロス王子と仲良くなってしまった。

〇ウィスフェルメルメス(ウィー君) 
 魅惑のもふもふ。アーデルハイド殿下の精神安定剤。
 厨二病に魅せられた憐れなキトゥン(年齢不詳)。心の闇にも反応する。
 抜け毛を集めて錬成された「ウィズ君(2号)」「ウィズリー君(3号)」という分身がいる。

〇ロシェル・ポーニッツ
 近衛騎士。アーデルハイド殿下専属の為、苦労が多そう。
 城を飛び出したアーデルハイド殿下を捕まえるのもお仕事の一つ。最近また索敵スキルが上がったらしい。

○ブローゼ・ランバース
 近衛騎士団第三部隊長。カーキー色の髪を後方に撫で付けたナイスミドル。
 第三部隊は王弟殿下付きで、フリーダムな王弟一家に振り回されている大変な部隊。
 脱走した貴人の回収及び再発防止の対策によく駆り出されるらしい。

○マルセ・レドラム
 外交部所属の外交官。元財務部所属でメロディアス侯爵(俺の父上)の元部下。
 スイッチが入ったらトークが止まらなくなるので「そんなに話したいなら外交に出してやる」と異動になった。異動先でも扱いに困られている。

 〇アレックス・ポープ
 外交部部長。メロメ国遠征部隊の総責任者。腹の中が見えなくて少し怖い。

 〇アイローチェ・メルフェロン
 アーデルハイド殿下の婚約者。王族の皆様とは幼なじみの様な関係のため、何か色々喋っているらしいが、その内容は(飛び火が)怖くて追求できない。

 〇メルネ・キュレム
 キュレム衣料商会のお嬢さん。学園卒業後、のびのびと衣装制作に励んでいる。隙あらば俺にドレスを着せようとするの、止めてもらっていいですか?

 〇アスベル・マーロル
 マーロル公爵家の三男。メガネの弟。
 メガネをふた周り程小さくしたような姿をしている。激似。遺伝子って凄い。
 愉悦部はすみやかに退部して欲しい。
 初恋が拗れている最中。

<マッチェレル学園>
 ラキアラス王国王都にある学園。
 初等部はそうでもないが、高等部から上はかなり自由に動いている模様。学園則や人としてのマナーに反しなければ目溢ししてくれるらしい。
 年度末には「我が推しこそ至高」の学生派閥の決戦が行われ、教授陣が裏で賭けている事が発覚した。確認してないけど、多分学生間でもやってるのでは…?

 〇トーべ・ラジカル
 マッチェレル学園初等部の先生。算数を中心に経済と領地経営学の基礎も教えている。
 気が弱いのではなく、面倒なことはしたくないから揉め事に首を突っ込まない主義。

 〇ローランド・ルキスラ
 魔法研究学(略称「魔研」)の教授。
 魔法研究も大事だけど、後進を育てるのも大事。同士は増やすべき。
 俺を第一被験者にするのは止めて欲しい。

 <メロディアス侯爵家>
 建国の英雄を祖とする一族。
 領地は「管理がめんどくさいじゃないか」と断っているらしい。
 この度、一家揃って愛の女神サヴィーニア様から祝福を受けました。喜んでいいのか?

 ○ファルムファス・メロディアス
 俺。
 ミーコちゃん爆誕は俺のせいではない。

 〇アルファス・メロディアス
 今世での俺の父。
 家族に対する愛が強すぎてたまに暴発する。
 俺のよかれと思ったワンアクションで【文官の神】と呼ばれる様になってしまった。その件に関しては申し訳ないとは思っている。
 学生時代に色々やらかした話を人伝に聞くので、全部聞かせておいて欲しいと思っている。

 〇リオレット・メロディアス
 今世での俺の母。
 夫の重い愛を余裕で受け止める広く深い心の持ち主。スルースキルも高い。
 サヴィーニア様から受け取った光の玉は、子宝だと解釈したらしい。
 父上とラブラブなのは喜ばしい限りだが、俺の目は僅かでもいいので気にして欲しい。

 <ラキアータ聖協会>
 創世神信仰のラキアラス王国拠点。
 責任者のランカ司祭は聖教国に出張中。
 御子の問い合わせがまだ来ているが、それは俺とノッスに丸投げしている。信徒の日常はこうして守られている。

 〇ルフ
 ラキアータ聖協会司祭。聖女騒動でアリナ嬢のお世話リーダーになってしまったため、軽い人間不信に陥った。「美形は男女共にトラブルの元」という意見には同意するが、どのレベルの美形が不味いのかの線引きを教えて欲しい。

 〇ノッス
 ラキアータ聖協会神官。
 俺がいない間のお手紙処理を一手に押し付けられてかわいそう。
 真面目で頑張り屋なのでオーバーワークさせない様に調整が必要なことが今回判った。

 <神様>
 今回の件でラキアータ様以外の神様が俺を白い部屋に気軽に呼び出す様になってしまった。
 どうにかして欲しい。

 〇ラキアータ
 俺の今いる世界の創世神。ラキアータ聖教(信仰)の讃えるべき神様だが、「宗教って生きもののものだから」とガンスルーしている。
 今回、俺に「ステータス」スキルを生やして(俺の)メンタルを脅かした。告知下さい。

 ○サヴィーニア
 愛の女神。ラキアータ様が世界の生きものの願いを聞いて生み出した一柱。パーフェクトボディ。
 本神は「恋愛<家族愛」で、家族を養うために狩り技も一流。細腕に絞め落とされるという通過儀礼ってなんなの?
 「愛こそ全て」の信仰に対しては「もっと大事にすべき事があるでしょ?」というコメントをもらっている。ごもっとも。

 〇ファリタム
 ラキアータ様が生み出した自由を司る神。今のところ末っ子。
 俺の前世の死因に噛んだ幼神。反省して少し落ち着いたらしいが、色々バグっていた。
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