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閑話(本編とは無関係です)
ドッキドキの一年生
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「僕の愛しいファルム。お買い物に行こうか」
ファルムファス・メロディアス12歳。春を感じるとある日、兄に甘い声で買い物に誘われた。
「制服が出来たと報せが来たんだ。ついでに必要な物を揃えてしまおうと思ってね。オシャレなレストランでランチを取って、景色のいい場所で夕陽が落ちるのを二人で見ようね」
後半はデートの様に聞こえたが、学園に入学を控えた弟を可愛がりたいのだろう。そうファルムファスは思うことにした。
兄のラスフェルムの弟に対する距離感のバグ具合は今に始まったことでは無いので「うん、またいつもの発作だな」と慣れたものである。
「メロディアス侯爵ご子息様方、いつもありがとうございます」
約束の日。俺たちは懐かしの日になってしまったカントリーミュージックの祭典ではなく、制服を依頼していたテーラーに来ていた。
少しふくよかな、灰色の脳細胞を持っていそうな店主が直々に迎えてくれる。
メロディアス家は王国内貴族の中でも上から数えた方が早い位置にいるため、店のレベルも店からの対応もほぼ最上級。ファルムファスは最初こそ前世の庶民感覚が前面に出て「高級店やべぇ!」とビビっていたが、やがて「そういうものだな」と慣れてきた。納得できれば順応も早い。
「少し大きめですが、動きやすくていいですね」
マッチェレル学園は貴族が多く通うためか、常識の範囲内で行われる制服のカスタマイズは認められているという。どちらかと言えば黙認に近いのだろう。
「手の甲の隠れ具合が今だけの特別感が出て素晴らしいね!襟元と袖口が私とお揃いなのが凄くいい!似合っているよ!」
受け取り前の試着でラスフェルムのテンションが振り切れそうだ。基本的にラスフェルムはファルムファスが何を着ても褒めてくれる。家だと言葉の装飾が更に増え怒涛のハグタイムが発生するので、かなり自制出来ている。
「ありがとう兄さん。一緒に学園に通えるの楽しみだね」
「……ッ!私の弟が神…ッ!」
にっこり微笑んだら、ラスフェルムが崩れ落ちた。これも兄に限り、よくあることである。
店員も客が多少奇行に走ろうが他に害がないなら止めないし深入りしない。これが一流の接客か、とファルムファスは悶える兄を視界の隅に置きながら残りの服のフィッティングを続けた。
入学式当日。式と在校生との顔合わせの行事は何事もなく終了した。
ラスフェルムがキラキラしい上に熱烈な眼差しでファルムファスを見つめていたので、周囲にいた新入生が「あの微笑みは私に向けられたもの!」と互いを牽制する静かな戦いがあったが、些細な事である。
問題はその後に発生した。
「お前、本当に真っ黒なんだな」
「噂に聞いてた通りじゃん」
講堂の裏手、人通りの少ないであろう一角でファルムファスは数名の学生に囲まれていた。パッと見、十名ちょいいるかな?という感じだ。
前世では連れていかれるのを見る側だった自分が「お前ちょっと来い」の対象になろうとは。
「これがスクールカースト上位の洗礼…」
上手く表現出来ないが、おそらく嬉しいのだろう感情が湧いてくる。
「話聞いてんのか?」
「え?いや、聞いてませんでした」
ご用件は?と聞き返したところ、お怒りスイッチに触れたらしい。
「生意気だ!」「俺らは先輩だぞ!」「呼び出してやったのになんだその態度は」などとよくわからない理屈で責め立てられた。
「そもそも俺ら貴族と聖協会の孤児が同じ学園で過ごすなど、許される筈がない」
リーダー格であろうキラキラしいカスタム制服を着た学生が言い放つと、そうだそうだ、と周囲が同調する。
そうか。彼らは自分のことを「聖協会の孤児」だと思っているのか。ファルムファスは囲まれた理由が判ったと同時に「貴族子女も色んな奴がいるのだな」と新しい事をまた一つ学んだ。
聖協会はやむを得ない理由で親と離れた子どもを集め、独り立ちできる支援も行っている。
これは国の事業の一つで、ラキアータ聖協会だけでなく王国内にある大きな団体はほぼ孤児支援を行っている。王国内貴族も勿論寄付や生活支援などをしましょうという努力義務がある。ノブレス・オブリージュというやつだ。努力義務なのは、貴族といえど懐事情はピンキリだからだ。
話を戻すと、彼らはファルムファスがラキアータ聖協会で生活しているのをどこかで知ったのだろう。隠れて生活している訳ではないので知られても全く問題はない。
「皆さんは、俺の姿だけしか知らないんですよね?」
「それがどうした。孤児の名前なんて知る価値ないだろ?」
「珍しい色だから拾って貰えたんだろ?学園ではそんな甘やかしとかないからな?」
なるほど、これが貴族至上主義か。では、名乗らねばなるまい。と、息を吐いたその時…
「ファルム!ファルム!私のファルム!何故教室で私の迎えを待ってくれなかったんだ!」
ラスフェルムが凄い勢いで集団に突っ込んできて、迷いなくファルムファスを抱き締めた。
「兄…上…」
一緒に帰るって約束したでしょう!と勢いよく突っ込んできた兄の体は重い一撃となり、小柄なファルムファスのボディを直撃。衝撃で一瞬呼吸困難に陥る。
「メ、メロディアス侯爵令息…!」
「私の弟に何か?」
ラスフェルムの登場と一言(添えられた不機嫌オーラに)に兄弟を囲む一行が震撼する。
まあそうだろう。孤児だと思って囲んだ少年に家格が上の令息に庇われたのだから。
「貴族の一員なら知っているだろう、というて俺の思い上がりで手を煩わせてしまいましたね。俺はファルムファス・メロディアス。俺から離れないのは兄のラスフェルム・メロディアスです」
呼吸困難から復活したファルムファスがラスフェルムの胸元から顔を出し、自己紹介をする。ザワついていた周囲がまたフリーズした。
まあそうだろう。孤児だと思って囲んだ少年が格上である侯爵令息(次男)なのだから。
「こ、侯爵の息子が神官じゃないのに聖協会で生活するなんて聞いてない!」
「神から賜った色が特殊なので、力の扱いを学ぶために聖協会内で生活しています。陛下もこの事はご存知です」
実際は「力が暴発したときに聖協会の敷地内なら結界が他のところより頑丈だからここで普通の生活させてみようレア属性の様子を見たい」とかなんだろうな、とファルムファスは思っている。
そしてこの状況になった原因が王族関係なので、陛下が知らない訳がない。
父であるメロディアス侯爵に「最側近にしたい!」「家族と過ごす時間が減るのでお断りします」と度々やり取りをしているらしいので、息子達の近況もご存知の筈だ。
「は……?マジ……で、?」
メロディアス兄弟を囲む一行が唖然とする。メロディアス侯爵家が高位貴族なのは理解していたが、国王陛下と懇意である事はノーマークだった様だ。一行の幾人かはやらかした事を自覚した顔色をしている。
「さて、君たちはどのような用件で私の可愛い弟を囲んでくれたのか説明をしてくれるかな?」
ラスフェルムがゆっくりと、一人一人の目を見つめながら家名を告げていく。少なくない数の生徒を記憶しているの凄いな、とファルムファスは青を通り越して白くなっていく彼らの顔を見ながら思った。
ファルムファスからは見えないが、恐らく凄くいい笑顔なのだろう。そして、凄く殺意を放っている気がする。
「「「た…大変ッ!申し訳ッ!ありませんでした!」」」
ラスフェルムの微笑みに耐えられなくなっただろう学生が、絞り出した謝罪の言葉と共に走り去っていく。
後に続かなければ死ぬ!という勢いで謝罪逃げが繰り返され、場にはメロディアス兄弟だけが残った。
そして数日も立たぬ間に「初等部一年の黒いのに迂闊に近づいたら殺られる」という噂が広まり、クラスメイトには「やべぇ兄貴がいる奴」と認識された。
同年代の友達を作って楽しい学園生活を過ごそうと思っていたファルムファスは、暫くこの噂に悩まされる事になる。
ファルムファス・メロディアスのクラスメイトは「メロディアス君はその噂を聞く度に「俺は悪くねぇ」とボヤいていました」と語っている。
学園デビューのドキドキは、思っていたのと違うドキドキだった様だ。
ファルムファス・メロディアス12歳。春を感じるとある日、兄に甘い声で買い物に誘われた。
「制服が出来たと報せが来たんだ。ついでに必要な物を揃えてしまおうと思ってね。オシャレなレストランでランチを取って、景色のいい場所で夕陽が落ちるのを二人で見ようね」
後半はデートの様に聞こえたが、学園に入学を控えた弟を可愛がりたいのだろう。そうファルムファスは思うことにした。
兄のラスフェルムの弟に対する距離感のバグ具合は今に始まったことでは無いので「うん、またいつもの発作だな」と慣れたものである。
「メロディアス侯爵ご子息様方、いつもありがとうございます」
約束の日。俺たちは懐かしの日になってしまったカントリーミュージックの祭典ではなく、制服を依頼していたテーラーに来ていた。
少しふくよかな、灰色の脳細胞を持っていそうな店主が直々に迎えてくれる。
メロディアス家は王国内貴族の中でも上から数えた方が早い位置にいるため、店のレベルも店からの対応もほぼ最上級。ファルムファスは最初こそ前世の庶民感覚が前面に出て「高級店やべぇ!」とビビっていたが、やがて「そういうものだな」と慣れてきた。納得できれば順応も早い。
「少し大きめですが、動きやすくていいですね」
マッチェレル学園は貴族が多く通うためか、常識の範囲内で行われる制服のカスタマイズは認められているという。どちらかと言えば黙認に近いのだろう。
「手の甲の隠れ具合が今だけの特別感が出て素晴らしいね!襟元と袖口が私とお揃いなのが凄くいい!似合っているよ!」
受け取り前の試着でラスフェルムのテンションが振り切れそうだ。基本的にラスフェルムはファルムファスが何を着ても褒めてくれる。家だと言葉の装飾が更に増え怒涛のハグタイムが発生するので、かなり自制出来ている。
「ありがとう兄さん。一緒に学園に通えるの楽しみだね」
「……ッ!私の弟が神…ッ!」
にっこり微笑んだら、ラスフェルムが崩れ落ちた。これも兄に限り、よくあることである。
店員も客が多少奇行に走ろうが他に害がないなら止めないし深入りしない。これが一流の接客か、とファルムファスは悶える兄を視界の隅に置きながら残りの服のフィッティングを続けた。
入学式当日。式と在校生との顔合わせの行事は何事もなく終了した。
ラスフェルムがキラキラしい上に熱烈な眼差しでファルムファスを見つめていたので、周囲にいた新入生が「あの微笑みは私に向けられたもの!」と互いを牽制する静かな戦いがあったが、些細な事である。
問題はその後に発生した。
「お前、本当に真っ黒なんだな」
「噂に聞いてた通りじゃん」
講堂の裏手、人通りの少ないであろう一角でファルムファスは数名の学生に囲まれていた。パッと見、十名ちょいいるかな?という感じだ。
前世では連れていかれるのを見る側だった自分が「お前ちょっと来い」の対象になろうとは。
「これがスクールカースト上位の洗礼…」
上手く表現出来ないが、おそらく嬉しいのだろう感情が湧いてくる。
「話聞いてんのか?」
「え?いや、聞いてませんでした」
ご用件は?と聞き返したところ、お怒りスイッチに触れたらしい。
「生意気だ!」「俺らは先輩だぞ!」「呼び出してやったのになんだその態度は」などとよくわからない理屈で責め立てられた。
「そもそも俺ら貴族と聖協会の孤児が同じ学園で過ごすなど、許される筈がない」
リーダー格であろうキラキラしいカスタム制服を着た学生が言い放つと、そうだそうだ、と周囲が同調する。
そうか。彼らは自分のことを「聖協会の孤児」だと思っているのか。ファルムファスは囲まれた理由が判ったと同時に「貴族子女も色んな奴がいるのだな」と新しい事をまた一つ学んだ。
聖協会はやむを得ない理由で親と離れた子どもを集め、独り立ちできる支援も行っている。
これは国の事業の一つで、ラキアータ聖協会だけでなく王国内にある大きな団体はほぼ孤児支援を行っている。王国内貴族も勿論寄付や生活支援などをしましょうという努力義務がある。ノブレス・オブリージュというやつだ。努力義務なのは、貴族といえど懐事情はピンキリだからだ。
話を戻すと、彼らはファルムファスがラキアータ聖協会で生活しているのをどこかで知ったのだろう。隠れて生活している訳ではないので知られても全く問題はない。
「皆さんは、俺の姿だけしか知らないんですよね?」
「それがどうした。孤児の名前なんて知る価値ないだろ?」
「珍しい色だから拾って貰えたんだろ?学園ではそんな甘やかしとかないからな?」
なるほど、これが貴族至上主義か。では、名乗らねばなるまい。と、息を吐いたその時…
「ファルム!ファルム!私のファルム!何故教室で私の迎えを待ってくれなかったんだ!」
ラスフェルムが凄い勢いで集団に突っ込んできて、迷いなくファルムファスを抱き締めた。
「兄…上…」
一緒に帰るって約束したでしょう!と勢いよく突っ込んできた兄の体は重い一撃となり、小柄なファルムファスのボディを直撃。衝撃で一瞬呼吸困難に陥る。
「メ、メロディアス侯爵令息…!」
「私の弟に何か?」
ラスフェルムの登場と一言(添えられた不機嫌オーラに)に兄弟を囲む一行が震撼する。
まあそうだろう。孤児だと思って囲んだ少年に家格が上の令息に庇われたのだから。
「貴族の一員なら知っているだろう、というて俺の思い上がりで手を煩わせてしまいましたね。俺はファルムファス・メロディアス。俺から離れないのは兄のラスフェルム・メロディアスです」
呼吸困難から復活したファルムファスがラスフェルムの胸元から顔を出し、自己紹介をする。ザワついていた周囲がまたフリーズした。
まあそうだろう。孤児だと思って囲んだ少年が格上である侯爵令息(次男)なのだから。
「こ、侯爵の息子が神官じゃないのに聖協会で生活するなんて聞いてない!」
「神から賜った色が特殊なので、力の扱いを学ぶために聖協会内で生活しています。陛下もこの事はご存知です」
実際は「力が暴発したときに聖協会の敷地内なら結界が他のところより頑丈だからここで普通の生活させてみようレア属性の様子を見たい」とかなんだろうな、とファルムファスは思っている。
そしてこの状況になった原因が王族関係なので、陛下が知らない訳がない。
父であるメロディアス侯爵に「最側近にしたい!」「家族と過ごす時間が減るのでお断りします」と度々やり取りをしているらしいので、息子達の近況もご存知の筈だ。
「は……?マジ……で、?」
メロディアス兄弟を囲む一行が唖然とする。メロディアス侯爵家が高位貴族なのは理解していたが、国王陛下と懇意である事はノーマークだった様だ。一行の幾人かはやらかした事を自覚した顔色をしている。
「さて、君たちはどのような用件で私の可愛い弟を囲んでくれたのか説明をしてくれるかな?」
ラスフェルムがゆっくりと、一人一人の目を見つめながら家名を告げていく。少なくない数の生徒を記憶しているの凄いな、とファルムファスは青を通り越して白くなっていく彼らの顔を見ながら思った。
ファルムファスからは見えないが、恐らく凄くいい笑顔なのだろう。そして、凄く殺意を放っている気がする。
「「「た…大変ッ!申し訳ッ!ありませんでした!」」」
ラスフェルムの微笑みに耐えられなくなっただろう学生が、絞り出した謝罪の言葉と共に走り去っていく。
後に続かなければ死ぬ!という勢いで謝罪逃げが繰り返され、場にはメロディアス兄弟だけが残った。
そして数日も立たぬ間に「初等部一年の黒いのに迂闊に近づいたら殺られる」という噂が広まり、クラスメイトには「やべぇ兄貴がいる奴」と認識された。
同年代の友達を作って楽しい学園生活を過ごそうと思っていたファルムファスは、暫くこの噂に悩まされる事になる。
ファルムファス・メロディアスのクラスメイトは「メロディアス君はその噂を聞く度に「俺は悪くねぇ」とボヤいていました」と語っている。
学園デビューのドキドキは、思っていたのと違うドキドキだった様だ。
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