行ってみたいな異世界へ

香月ミツほ

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行ってみたいな!あちこちへ

140 依頼終了

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パティエンスさんは何と!娼館通いしてたらしい。意外だ。
穏やかで優しいからそう言う所に行ってるなんて想像もできなかったけど、見かけによらないなぁ。

「…こんな席で言う事じゃないよね。ごめんなさい…。」

いや、女の子達に聞こえなければ良いんじゃないかな?イーリスとファケレさんはイーリスの友達に囲まれて質問攻めになってるからこっちの話は聞こえないだろう。娼館通いと言っても目当ての1人だけが好きでそう言う仕事をしてるからそこに通っていただけ。食堂や酒場ならもっと通えたのに、って。

「どんな人だったんですか?」
「きれいで厳しくて優しい人だった。幸せになって欲しいな。」

初めての時、抱き枕にして寝たらやる事やれ!って怒られたらしい。

この国の男娼は趣味でやるものなんだっけ。パティエンスさんに青龍の加護で良い人が見つかりますように!!…って、今までで1番強く願ってしまった。

「で、ファケレは結局、上級にはなれなかったんですね。」

タートリクスさんが言う。

「あの試験、難しいですよね。」
「見ましたか。私も躊躇しています。」
「アルクスさんアレに受かったんですね。」
「見直したか?」

ただのセクハラおやじじゃなかったんだ。

「そんなに大変な試験なんですか?」

タルパとイアソンが興味津々だ。
大人達が楽しそうに話して聞かせる。ストゥはいつの間にかアドさんに連れて行かれてた。

「タケルは上級試験受けないのか?」
「俺は受かる気がしないからいいかな、って。」
「まぁ、上級2人が養ってくれるしな。」
「私たちが養うと言うか、タケルはどうもレア魔獣を引き寄せる素質があるようで一緒にいると稼げるんです。」

「…麝香角鹿狩ってたな。」
「…アイベックス翔も狩ってましたね。」

「水辺の王の尾も青龍の鱗も持ってますし、シヴァとも心を通わせ、冠も分けてもらえる事になりました。」

「魔石もデカいの引き当ててたな。」

イベント盛りだくさん!!(笑)

それからアドさんの友達の方に呼ばれていじられ、イーリスの友達に囲まれ、とても楽しい1日だった。

那海の事はちょっとアレだけど、無事だからまぁいいや。

夜になって新郎新婦が退場し、お開きとなった。新郎新婦は礼装のまんま新居へ行く。アドさん、ファケレさん、頑張れー!

楽な服に着替えてアルクスさん達と飲みに行く。3次会だ。

inギルドの食堂。
みんなが着替えるのにギルドの宿に戻ったので、ついて行ったら他の人たちもここで盛り上がっていて捕まった。

ケリルさんちは最近、レストランのと浮遊魔道具が大人気で知名度が高い。そこの家の3姉妹の結婚式だったんだからおめでたいムードに巻き込まれる人、多数。

宴会好きなだけとも言える?

「嫁さん達、小ちゃかったな。」
「ファケレはともかく、アドと並ぶと人形みたいでしたね。」
「アドさん可愛いの好きだからね。」
「けどあいつの恋愛話なんて聞いた事無かったぞ。馴れ初めはどんなんだ?」

「アルクスさんもアドさん知ってるの?」
「何度か一緒に依頼を受けた事がある。あいつの怪力で結構助かったぞ。」

アドさんがローサさんに口説き落とされた話をしたらみんな大笑いしてた。

「それにしてもアドが女イケて良かったな。俺は無理だわ。」
「そうなんですか?」

まぁ、俺も好きになった事ないけど。

「骨が細くて安心して抱きしめる事もできねぇとかな。」

この世界の女の人は見た目より強いと思うけど、充実感の問題かな?

「触った事はある、の?」

イアソンが不安げ。

「そりゃ護衛中に抱える事もあるさ。庇ったり運んだりな。」

「…それだけ?」
「じゅうぶんだろ。」

タルパはそう言う不安はないのかな?

「おれは…おれが飽きられるんじゃないかって…不安はあるかな。」
「そんな事はない、っていつも言ってるんですが…」
「おれ下手だし早いし経験無いし…」
「それが良いんです。」

あー、いちゃいちゃ始まっちゃった。
見てるとほのぼのする~。
自分好みに育てたい、ってやつかな?

「パティエンスさん目の前でこんなにいちゃつかれて辛くないですか?」 

「今は少しね。でも友達には幸せでいて欲しいよね。」
「パティエンスさんも早く良い人が見つかると良いですね。」
「ありがとう。でももう少し思い出に浸ってようと思ってる。」

「パティエンスさんっっ!」

感動して思わず抱きついたら、ティスに引き剥がされた。

「…ダメ?」
「受け同士でもダメです。」

「…え?」

パティエンスさんストゥくらいゴツいよ?
受けなの!?
びっくりして半信半疑でパティエンスさんを見ると恥ずかしそうにもじもじしている。否定しない…本当なんだ。

酔った勢いで根掘り葉掘り聞けば、自分より小さな人に入れるのが怖くて、いくら大丈夫と言われても萎えてしまって入れられず、男娼の人が逆ギレ的に入れてくれてクセになったらしい。

ん?

しゃあ経験はその男娼1人だけ?
いつかは辞めるだろうし、実らないのは分かってたから脇目も振らずせっせと通ってたのか…そっかぁ。

とりあえず飲もう!
良いから飲もう!

俺は解毒しながら一緒に飲んだ。


今日は脱がなかったよ!


夜遅くなって解毒が追いつかなくなったので帰る。歩けない。

ストゥとティスがどっちが抱いて帰るかで揉めるので2人を抱きしめて転移で帰った。

違う、そうじゃない、って何が?

部屋に戻ったから良いよねー、って服を脱ぐ。2人の服も脱がせちゃった。

「ストゥ、今日は大変だった?ずっとアドさんの友達に捕まってたよね。」
「まぁな。ちょっとしつこいのがいたからな。」
「珍しいですね。」
「いきなりタケルを気に入ったから貸せと言い出してな。」
「殺しましたか?」

殺しちゃダメ!!

「ちゃんと腕相撲で両腕折ってきた。」
「まぁ良いでしょう。」

治癒ができるから良いのか。

「えーと…ストゥ、ありがとう。」

ベッドに座ったストゥにまたがり、ゆっくりとキスをして甘える。ストゥが俺を支えるように腰を掴む。

「人を裸にしておいて放置ですか?」

文句を言いながらストゥを倒して上に乗った俺の背中にキスを落とす。同時に蕾がノックされ、期待に熱い吐息が漏れる。

今日は早いなー、と思ったら俺が疲れているだろうから、と焦らさずに色々してくれたんだった。優しい…




翌朝はやっぱり二日酔いになった。解毒して水分補給して何とか起き出す。

「おはようございます。」

「おはようございます。すみません、まだ朝食のご用意は…」
「いえ、催促じゃなくてお手伝いしようと…」

そう言ったのだけど、お嬢様たちも婿さま方も家を出られて作る人数も減ってしまったので手は足りると断られてしまった。残念。

部屋に戻ってこれからの予定を相談しよう。



「ねぇ、ストゥ。依頼はどうなったの?」
「あぁ、完了だ。合格させられなかったから報酬は3分の2になるがな。」
「じゃあもう王都に帰るの?」
「そうだ。今日か明日、この町を発つ。タケルはどうしたい?」

うーん…

「パティエンスさんをアドさんのお店に連れて行きたい!」

と、言うことで出発は明日に決定!
ティオもまだチビと遊びたいだろうし。

ティスを起こして朝ごはん。
ストゥが操り人形のように持ち上げて起こしている。力があればあの起こし方は良いなぁ。



「おはようございます。」
「おはようございます。」

挨拶をして席に着く。
…ウェーヌ様は食欲がないからそっとしておいて欲しいって…
申し訳ないけど、那海があれじゃしかたないよね…

朝食はパンとかぼちゃのポタージュスープと温野菜サラダとチーズオムレツ、ローストビーフ。

「今回の依頼、達成できなくてすまん。」

朝食後にケリルさんに時間を取ってもらってストゥが頭を下げる。

「とんでもない!ファケレは試験に合格できませんでしたが、ローサも結婚できてレストランも順調、レンタルジュエリーも浮遊魔道具も大成功です!」

レンタルジュエリーは既に予約が入っている。まぁ、依頼は依頼なので契約通り報酬は3分の2で、他にアイデア料をもらえることになった。そしてまた何か思いついたら優先的にケリルさんに知らせて欲しいとの事。お易いご用です。

「ティオ、今日は帰って来たらいっぱいチビと遊んでね。」
「うん!…でも、きっとまた遊びに来てね?」
「うん、また来るよ。チビなら王都からここまで2時間ちょっとだもんね。」
「長期休暇になったら王都に行くね!そしたらまた遊んでね!!」

約束をして見送る。
学校でお昼を食るので1時半から2時くらいに帰ってくる。

…パティエンスさん達と早めにお昼を食べて、サプライズに学校へ迎えに行っちゃおうかな?

ストゥとティスがそうしようって言ってくれたので、着物を畳んだり大衣桁おおいこうを分解したりして帰りの準備をした。着物の畳み方は分からなかったので適当だけど。



「おはよう。タケル、ちょっと頼みがあって…」
「あれ?ファケレさんどうしたの?」
「いや…ちょっと1人でうちに来てくれないか?」

ウェーヌ様にスマホの使い方を教えていたらファケレさんが尋ねて来た。ファケレさんの新居もすぐ近くだから問題ないので転移で移動した。

「イーリスが…身体中痛いって…昨日の、その…もの凄い出血で…心配で…」

初めてのって、そんなに出血するものなの!?

「ファケレ様!私は大丈夫です、って言ったじゃないですか!!」
「でも…タケルの治癒は凄いんだよ?出血だって俺が下手だったからだし…」
「身体が痛いのは緊張し過ぎていただけですし、出血は……治癒したらまた、次も出血するんじゃ…?」

確かにそうかも知れないし、そもそもそこの正常な状態を知らないからイメージで治癒するのは無理。

「イーリス、女の子の部分は俺は治癒できないしイーリスの言う通り何もしない方が良いと思う。でも身体が痛いのは血の流れを良くするだけでも楽になると思うんだ。どうする?」

「…血の流れを良くするだけ、ですか?」
「うん。ぽかぽかして気持良いと思うよ。」

「…お願いします。」

ファケレさんにイーリスを膝抱っこしてもらって優しく撫でてあげるように言って、血行促進、疲労物質排出。温めて緊張を和らげる。

「朝食は俺が作るからファケレさんはイーリスを抱きしめてあげといてね。」

新婚さんはいちゃつくべし!
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