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行ってみたいな!あちこちへ
138 ハッピーウェディング×3
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いよいよ3組合同結婚式、当日!!
見事に晴れて11月なのに温かい。これぞ小春日和だ。
美しく飾られた庭に並べられたベンチ。そこには招待された親族と仕事関係の人と仲の良い友達が座る。生演奏の楽団が呼ばれ、緩やかな曲が流れ始めた。
準備も整って全員浮き足立っている。
こちらの結婚式は宮司さんって言ってるから神前式?
いや、自動翻訳で宮司さんになってるだけで日本の神前式とは違う。西洋式だ。
俺達もそれなりの服装で参列。
チビは久々に青龍の鱗のチョーカーをつけ、しっぽにも花を飾ってめちゃくちゃ可愛い♡
フル充電のビデオをセットしてスタンバイ完了。
ケリルさんとティリアさん、グラティアとティオ、見知らぬ人も一緒に並んでお客さんを迎えているからユーグさんの家族かな?アドさんとファケレさんは少年の家で育ってるから家族は分からない。
招待客が全員着席し、穏やかだった音楽が重厚さが増すと司会者がお決まりの挨拶をした。
「本日はお忙しい中、3組の新たな夫婦を祝福するためたくさんの方々にご列席賜りまして、誠にありがとうございます。これより新郎新婦が入場いたします。どうぞ盛大な拍手でお迎えください。」
盛大な拍手と軽やかな音楽に迎えられ、まずはユーグさんがカレンさんと並んで入場。花嫁は父親と一緒に入場じゃないんだ。
新郎は白と黒と金の服で、ヨーロッパの民族衣装っぽいんだけどどこかは分からない。新婦は白を基調としたドレスで淡い色合い。ティアラにベールも被っているけど顔は隠していない。
2人が祭壇の前まで進み、宮司さんが手に持った杖で地面を3回叩き、高く掲げて大きく円を描く。
そしてそのままのポーズで祝詞(?)を唱える。
「生きとし生けるもの。それらの生きるこの世界を、その奇しき力にて生み出せし慈悲深き神々の御前にて、我らもいや栄え、大いなる存在を崇め奉る子らを産み育て命を繋ぐ事を誓い、全ての子らが幸せでいられるよう弛まぬ努力を続けている事をこの地を守護する産土神様にご報告申し上げます。そしてここにユーグランスとカレンが新たな夫婦が契りを交わし、幸せの気を世界に捧げる事を誓います。」
「「誓います。」」
2人の誓いの言葉の後、宮司が杖を地面に突き立て後ろへ下がる。
新郎新婦が杖を挟んで向かい合い、両手を伸ばして2人で杖を空へと掲げた。
シャリーーーーーーーーン
とても澄んだ綺麗な音が響き、会場のお客さんからほうっと溜息が漏れた。
2人の心が通じ合っているほど澄んだ音色が響くと言う。
杖には青龍の鱗が仕込まれていて、幸せな気持に反応して音を出す。
この2人は合格だった様だ。
杖を戻し、舞台の端に移動して次の2人の入場を待つ。
アドさんとローサさんも同じ儀式を経て同じくらい綺麗な音色を響かせた。
もちろん次のファケレさんとイーリスも。
「ここに産土神様を讃える新たな3組の夫婦が誕生し、常に互いを尊重し幸せで居る事を誓った。私は彼らの幸せをしかと見届ける。今日、この場に集まった方々も共に見守って下さるか?」
「「「「「見守ります!」」」」」
「彼らに祝福を!」
「「「「「彼らに祝福を!」」」」」
何かこう、みんなで幸せになろうとする誓いの言葉に目が潤む。
俺は左右に座るストゥとティスと手を握り、幸せそうに退場する新郎新婦を見送った。
この後お色直しをして披露宴が始まる。
使用人達が一斉に会場をパーティー向けに直す。その間、お客さんは休憩しながら談笑している。
30分かからずに会場が整った。
新郎新婦達が再入場し、テーブルを回ってお酌をして挨拶をする。
この辺は日本と同じ…?
あれ?日本だとキャンドルサービス?
全員に飲み物が行き渡った所で乾杯し、コース料理が提供される。
時間を見て抜け出し、那海の準備を手伝った。
きれいな薄化粧でカツラをつけ、着物を着付けて2階の窓から会場を伺う。
合図として準備しておいた紙吹雪を風で運び、和楽器の演奏を流すと聞き慣れない音楽に会場の人達の注目が集まった。
そこで司会が言う。
「本日は何と!王都の社交界で大人気の客人のナミ様が、3組の夫婦のために祝いの舞いをご披露下さいます!」
会場からのどよめきを合図に寿三番叟の音楽を再生しながら舞台の真ん中にくるくると紙吹雪の旋風を起こして注目が集まったところで那海を転移で後ろ向きに登場させた。直後に撮影場所に自分も転移。
おぉぉぉぉぉーーーー!!
聞き慣れない音楽と紙吹雪の演出、そして突然現れた美しい衣装の少女(?)にどよめきが起こる。
紙吹雪を吹き払い、優雅に身を翻してお辞儀をして間を取った。
空気がピンと張りつめ、皆の期待が最高潮に達した時、音楽を流し始めた。
〽おうさえ おうさえ 悦びありや 悦びありや……
音は高天が原なれや 岩戸に向かう神神楽
ふそろぐせりと吹く笛も ひりやひしぎの音色まで 春は霞の立ち姿…
歌が始まると同時にいよいよ舞いが始まる。
緩やかに滑るように舞い、首を傾げる角度、つま先の進み具合、振り袖や帯の動きと指先の表情。ひらひらと翻る扇子も幸せそうな表情も、いかにも祝いに相応しい。やがて扇子を鈴に持ち替えてやって来た幸せにはしゃぐかのような動きで右に左に音を振りまく。
そして最後はカッカッカッカッカッカッと拍子木の音が鳴り響き、ゆっくりと頭を下げた。
しんと静まり返る会場。
見た事もない衣装、聴いた事のない音楽、見た事のない舞い。
受け入れてもらえるだろうか?
パチ
パチ
パチパチパチ
うわぁぁぁぁぁ!!
ぱらぱらと始まった拍手が次第に大きくなって歓声が上がり、受け入れられた事が分かった。
那海もホッとしている。
みんなが舞台に近づき那海を囲む。
褒めちぎられて喜色満面の那海。
…もしかして、主役食ってない?
少し心配になって新郎新婦達を見れば、にこにこといちゃついていた。良かった。
熱烈なお客さん達に囲まれる那海を見るウェーヌ様が少し寂しそうで思わず声をかけた。
「那海に声かけないんですか?」
「私は後で良い。…ナミは素晴らしいな。」
「そうですね。これだけはずっと真面目にやってましたから。」
「だけって事はないだろう…。私もナミに相応しくなりたいな。」
「むしろもったいないくらいです!」
「…そんな事はない。私は世間知らずで何も出来ない。それに引き換えナミは自分の特技を生かして私に仕事を世話しようとしているじゃないか。」
それ、違うと思う。
「マネージャーの話は向こうの世界では自然な流れです。仕事を世話すると言うより口実を作って一緒にいたいだけですよ。」
「そうだろうか…?」
「そうですよ。」
ウェーヌ様がマネージャーをするとしたら誰に教えを請えば良いんだろう?
ペルさんかな?
あと冒険者ギルドより商業ギルドだろうな。
そんな話をしていたらにわかに会場が騒がしくなる。
見回すと地味な礼服を着ているのに迫力と存在感を放出している集団がまっすぐ舞台に向かっていた。
…まさか……
まじですか…?
えぇぇーーーーー???
その目立つ集団には見覚えがある。
もちろん周りの人達も気づいたのだろう、人垣が割れて道が出来る。
まさか全員で来るなんて…
公爵は元より、王様も王妃様も兄さま達もねえさまも。公務はどうしたんだろう?
ケリルさん達や新郎新婦達も大慌てで集まって挨拶をする。
「めでたき事があると聞き及び祝いに参った。仲睦まじく、似合いの夫婦達であるな。3組とも末永く幸せであれ。」
「「「ありがとうございます!!」」」
「こここ国王様方のせっかくのお越しであるのにもてなしも出来ぬでは我が家の名折れ。急ぎ料理を作らせますのでごゆるりと滞在いただきたく…」
「我らこそ先触れもなく押し掛けて済まぬ。だがこの良き日に間に合うか分からなかったが故だ。ウェーヌが世話になっておるそうだな。それだけでじゅうぶんだ。」
まぁ、那海を見に来たのが1番の理由だろうけどこの国の王様って自由だな。
でも王様の仕事って具体的に何なんだろう?
お祭りに呼ばれて行くとか外交するとか?戦争はしてないし…あ、魔獣狩りはするんだっけ。
周りの人達も割と気さくに王様に勝負を挑んでは投げ飛ばされている。
「ウェーヌ様、行こう? 那海が放置されて困ってるよ。」
「あぁ、父上が出て来てはみな持って行かれてしまうな。」
注目をかっさらわれて不満げな那海の所に行った。
「ウェーヌ様!見てくれた?どうだった?」
「素晴らしかったよ。とても美しい舞いだね。その衣装も美少女にしか見えなくてすこし戸惑うけど…」
ふんわり笑うウェーヌ様にはわわわ…っと見惚れる那海。
あー、男性タイプの礼服を着たウェーヌ様と振り袖姿の那海が寄り添うと不思議な感じだけどとても絵になる。アドさんがローサさんと近づいて来た。
「ナミ!俺達のために素晴らしい舞いをありがとう!完璧な美少女だな。」
「とても素敵だったわ。歌の言葉は分からなかったけど。」
うん。
俺も分からない。
「古い歌だから言葉も古くて分かり辛いけど、私達の船出に大きな幸がありますように、って歌だよ。」
「あら、じゃぁ魚介のメニューも増やそうかしら?」
「そんなストレートな…」
ファケレさんとイーリスも来て、今度着物を着てみたいってイーリスが言ってる。
「結婚したら振り袖は着れないよ。」
「どうしてですか?」
「この袂を翻すと男の魂を引き寄せて魅了してしまうからだって言われてる。」
「なら旦那さまの前でだけ着れば良いのね!」
「…袂を短くした既婚女性用もあるから。」
「…地味じゃない?」
「派手なのもあるし、シックなのもあるよ。ただ馴れないと着方が難しいんだ。」
浴衣くらいなら簡単だって言うけどね。
あとは2部式のなんちゃって着物かな?
あれ?町で浴衣売ってたから、探せば着付け出来る人居るのかな?
見事に晴れて11月なのに温かい。これぞ小春日和だ。
美しく飾られた庭に並べられたベンチ。そこには招待された親族と仕事関係の人と仲の良い友達が座る。生演奏の楽団が呼ばれ、緩やかな曲が流れ始めた。
準備も整って全員浮き足立っている。
こちらの結婚式は宮司さんって言ってるから神前式?
いや、自動翻訳で宮司さんになってるだけで日本の神前式とは違う。西洋式だ。
俺達もそれなりの服装で参列。
チビは久々に青龍の鱗のチョーカーをつけ、しっぽにも花を飾ってめちゃくちゃ可愛い♡
フル充電のビデオをセットしてスタンバイ完了。
ケリルさんとティリアさん、グラティアとティオ、見知らぬ人も一緒に並んでお客さんを迎えているからユーグさんの家族かな?アドさんとファケレさんは少年の家で育ってるから家族は分からない。
招待客が全員着席し、穏やかだった音楽が重厚さが増すと司会者がお決まりの挨拶をした。
「本日はお忙しい中、3組の新たな夫婦を祝福するためたくさんの方々にご列席賜りまして、誠にありがとうございます。これより新郎新婦が入場いたします。どうぞ盛大な拍手でお迎えください。」
盛大な拍手と軽やかな音楽に迎えられ、まずはユーグさんがカレンさんと並んで入場。花嫁は父親と一緒に入場じゃないんだ。
新郎は白と黒と金の服で、ヨーロッパの民族衣装っぽいんだけどどこかは分からない。新婦は白を基調としたドレスで淡い色合い。ティアラにベールも被っているけど顔は隠していない。
2人が祭壇の前まで進み、宮司さんが手に持った杖で地面を3回叩き、高く掲げて大きく円を描く。
そしてそのままのポーズで祝詞(?)を唱える。
「生きとし生けるもの。それらの生きるこの世界を、その奇しき力にて生み出せし慈悲深き神々の御前にて、我らもいや栄え、大いなる存在を崇め奉る子らを産み育て命を繋ぐ事を誓い、全ての子らが幸せでいられるよう弛まぬ努力を続けている事をこの地を守護する産土神様にご報告申し上げます。そしてここにユーグランスとカレンが新たな夫婦が契りを交わし、幸せの気を世界に捧げる事を誓います。」
「「誓います。」」
2人の誓いの言葉の後、宮司が杖を地面に突き立て後ろへ下がる。
新郎新婦が杖を挟んで向かい合い、両手を伸ばして2人で杖を空へと掲げた。
シャリーーーーーーーーン
とても澄んだ綺麗な音が響き、会場のお客さんからほうっと溜息が漏れた。
2人の心が通じ合っているほど澄んだ音色が響くと言う。
杖には青龍の鱗が仕込まれていて、幸せな気持に反応して音を出す。
この2人は合格だった様だ。
杖を戻し、舞台の端に移動して次の2人の入場を待つ。
アドさんとローサさんも同じ儀式を経て同じくらい綺麗な音色を響かせた。
もちろん次のファケレさんとイーリスも。
「ここに産土神様を讃える新たな3組の夫婦が誕生し、常に互いを尊重し幸せで居る事を誓った。私は彼らの幸せをしかと見届ける。今日、この場に集まった方々も共に見守って下さるか?」
「「「「「見守ります!」」」」」
「彼らに祝福を!」
「「「「「彼らに祝福を!」」」」」
何かこう、みんなで幸せになろうとする誓いの言葉に目が潤む。
俺は左右に座るストゥとティスと手を握り、幸せそうに退場する新郎新婦を見送った。
この後お色直しをして披露宴が始まる。
使用人達が一斉に会場をパーティー向けに直す。その間、お客さんは休憩しながら談笑している。
30分かからずに会場が整った。
新郎新婦達が再入場し、テーブルを回ってお酌をして挨拶をする。
この辺は日本と同じ…?
あれ?日本だとキャンドルサービス?
全員に飲み物が行き渡った所で乾杯し、コース料理が提供される。
時間を見て抜け出し、那海の準備を手伝った。
きれいな薄化粧でカツラをつけ、着物を着付けて2階の窓から会場を伺う。
合図として準備しておいた紙吹雪を風で運び、和楽器の演奏を流すと聞き慣れない音楽に会場の人達の注目が集まった。
そこで司会が言う。
「本日は何と!王都の社交界で大人気の客人のナミ様が、3組の夫婦のために祝いの舞いをご披露下さいます!」
会場からのどよめきを合図に寿三番叟の音楽を再生しながら舞台の真ん中にくるくると紙吹雪の旋風を起こして注目が集まったところで那海を転移で後ろ向きに登場させた。直後に撮影場所に自分も転移。
おぉぉぉぉぉーーーー!!
聞き慣れない音楽と紙吹雪の演出、そして突然現れた美しい衣装の少女(?)にどよめきが起こる。
紙吹雪を吹き払い、優雅に身を翻してお辞儀をして間を取った。
空気がピンと張りつめ、皆の期待が最高潮に達した時、音楽を流し始めた。
〽おうさえ おうさえ 悦びありや 悦びありや……
音は高天が原なれや 岩戸に向かう神神楽
ふそろぐせりと吹く笛も ひりやひしぎの音色まで 春は霞の立ち姿…
歌が始まると同時にいよいよ舞いが始まる。
緩やかに滑るように舞い、首を傾げる角度、つま先の進み具合、振り袖や帯の動きと指先の表情。ひらひらと翻る扇子も幸せそうな表情も、いかにも祝いに相応しい。やがて扇子を鈴に持ち替えてやって来た幸せにはしゃぐかのような動きで右に左に音を振りまく。
そして最後はカッカッカッカッカッカッと拍子木の音が鳴り響き、ゆっくりと頭を下げた。
しんと静まり返る会場。
見た事もない衣装、聴いた事のない音楽、見た事のない舞い。
受け入れてもらえるだろうか?
パチ
パチ
パチパチパチ
うわぁぁぁぁぁ!!
ぱらぱらと始まった拍手が次第に大きくなって歓声が上がり、受け入れられた事が分かった。
那海もホッとしている。
みんなが舞台に近づき那海を囲む。
褒めちぎられて喜色満面の那海。
…もしかして、主役食ってない?
少し心配になって新郎新婦達を見れば、にこにこといちゃついていた。良かった。
熱烈なお客さん達に囲まれる那海を見るウェーヌ様が少し寂しそうで思わず声をかけた。
「那海に声かけないんですか?」
「私は後で良い。…ナミは素晴らしいな。」
「そうですね。これだけはずっと真面目にやってましたから。」
「だけって事はないだろう…。私もナミに相応しくなりたいな。」
「むしろもったいないくらいです!」
「…そんな事はない。私は世間知らずで何も出来ない。それに引き換えナミは自分の特技を生かして私に仕事を世話しようとしているじゃないか。」
それ、違うと思う。
「マネージャーの話は向こうの世界では自然な流れです。仕事を世話すると言うより口実を作って一緒にいたいだけですよ。」
「そうだろうか…?」
「そうですよ。」
ウェーヌ様がマネージャーをするとしたら誰に教えを請えば良いんだろう?
ペルさんかな?
あと冒険者ギルドより商業ギルドだろうな。
そんな話をしていたらにわかに会場が騒がしくなる。
見回すと地味な礼服を着ているのに迫力と存在感を放出している集団がまっすぐ舞台に向かっていた。
…まさか……
まじですか…?
えぇぇーーーーー???
その目立つ集団には見覚えがある。
もちろん周りの人達も気づいたのだろう、人垣が割れて道が出来る。
まさか全員で来るなんて…
公爵は元より、王様も王妃様も兄さま達もねえさまも。公務はどうしたんだろう?
ケリルさん達や新郎新婦達も大慌てで集まって挨拶をする。
「めでたき事があると聞き及び祝いに参った。仲睦まじく、似合いの夫婦達であるな。3組とも末永く幸せであれ。」
「「「ありがとうございます!!」」」
「こここ国王様方のせっかくのお越しであるのにもてなしも出来ぬでは我が家の名折れ。急ぎ料理を作らせますのでごゆるりと滞在いただきたく…」
「我らこそ先触れもなく押し掛けて済まぬ。だがこの良き日に間に合うか分からなかったが故だ。ウェーヌが世話になっておるそうだな。それだけでじゅうぶんだ。」
まぁ、那海を見に来たのが1番の理由だろうけどこの国の王様って自由だな。
でも王様の仕事って具体的に何なんだろう?
お祭りに呼ばれて行くとか外交するとか?戦争はしてないし…あ、魔獣狩りはするんだっけ。
周りの人達も割と気さくに王様に勝負を挑んでは投げ飛ばされている。
「ウェーヌ様、行こう? 那海が放置されて困ってるよ。」
「あぁ、父上が出て来てはみな持って行かれてしまうな。」
注目をかっさらわれて不満げな那海の所に行った。
「ウェーヌ様!見てくれた?どうだった?」
「素晴らしかったよ。とても美しい舞いだね。その衣装も美少女にしか見えなくてすこし戸惑うけど…」
ふんわり笑うウェーヌ様にはわわわ…っと見惚れる那海。
あー、男性タイプの礼服を着たウェーヌ様と振り袖姿の那海が寄り添うと不思議な感じだけどとても絵になる。アドさんがローサさんと近づいて来た。
「ナミ!俺達のために素晴らしい舞いをありがとう!完璧な美少女だな。」
「とても素敵だったわ。歌の言葉は分からなかったけど。」
うん。
俺も分からない。
「古い歌だから言葉も古くて分かり辛いけど、私達の船出に大きな幸がありますように、って歌だよ。」
「あら、じゃぁ魚介のメニューも増やそうかしら?」
「そんなストレートな…」
ファケレさんとイーリスも来て、今度着物を着てみたいってイーリスが言ってる。
「結婚したら振り袖は着れないよ。」
「どうしてですか?」
「この袂を翻すと男の魂を引き寄せて魅了してしまうからだって言われてる。」
「なら旦那さまの前でだけ着れば良いのね!」
「…袂を短くした既婚女性用もあるから。」
「…地味じゃない?」
「派手なのもあるし、シックなのもあるよ。ただ馴れないと着方が難しいんだ。」
浴衣くらいなら簡単だって言うけどね。
あとは2部式のなんちゃって着物かな?
あれ?町で浴衣売ってたから、探せば着付け出来る人居るのかな?
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「連れて行きたい日本へ」で
ストゥとタケルがラブホに行った時のいちゃいちゃが読めます。
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