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行ってみたいな!あちこちへ
127 山へしばかりに
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※メッセージアプリのセリフは《 タケル 》、〈 樹 〉、【 凪 】、[ 那海 ]です。
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準備ができたので山へ行く。
お兄さん達は山へしばかりに!
「しば」が植物なのか魔獣なのかも、知らない方がおもしろいからと教えてくれない。むー…
案内とは言え、訓練も兼ねてるから移動は速い。チビはあいらのところだから引っ張ってはもらえない。でも、浮遊の魔道具と風の加護を組み合わせると重力を無視して滑るように進む。
普通の人だと加護がないので、この移動は「魔力量大」以上じゃないと1時間がせいぜいだ。浮かべながら進むのは結構たいへんだから。
ティスは魔術師だけど上級だけあって余裕で走ってついて行く。ファケレさんも危なげなく走っている。すごーい!
「タケルすごいな。」
「ズルしてるだけだよ。」
「自分の能力を使う事がズルになるハズないでしょう。」
「…………」
ファケレさんが何も言わないのは喋れないだけだよね。頷いてるもんね。
しばらくして休憩ポイントに着いた。
さすがに息が乱れているティス、息も絶え絶えなファケレさん、ほんの少し息が上がっているストゥ。
まだ9月の初めだから暑いので、さすがにみんな汗はかいている。
でも標高が高いここの風は心地良い。
「しばってこの辺にいるの?」
「もう少し上の、あの大樹のあたりに行けば見つかる事が多いよ。」
「いる」か「ある」かで動物か植物か手がかりが欲しかったけど引っかからない…
目標の大樹は周りの木よりもだいぶ大きくて遠くからでも見えた。
「何かキラキラしてる…」
「それだ!」
休憩を終えて大樹を目指す。
途中、何度か小型の魔獣に出くわして癒された。リスは魔獣。人間にとって迷惑かどうかが魔獣と動物の境目なのでリスは人間にとって迷惑な事をすると言う事らしい。それって害獣…
ちなみに実害は巣材として身ぐるみ剥がされる。怖!!
そして大樹の根本につくと、苔むしてまるで木霊が出そうな雰囲気だった。湿地の近くにもこんな風景あったけど、こんな高地にあるなんて…山の上に水脈でもあるんだろうか?
しかも、向こう側には背の高い木がなくなって山の上の方とは思えないほどの広い野原が広がっている。
そしてそこに可愛い鹿が1頭。
鹿…? 全体的に黄色っぽくて鱗みたいな模様があって、小振りな角が2本。たてがみがあって背中が五色に光ってる。
聖獣っぽいな。
「あれがシヴァだ。」
「シヴァ!?」
インド神話の創造と破壊の神さま?
「あの見た目で気性が荒く、近づく者を薙ぎ払い、あの蹄で踏みつぶす。しかもアイツを傷付けると呪われる。」
「えぇ!?じゃぁ、どうするの?」
「傷を付けずに頭の上にある冠を取るんだ。」
キラキラしてたのはあれか。
でも、遠くから大樹の側に見えたのに、サイズに違和感が…
風向きが変わり、俺達の匂いに気づいたのか顔を上げてこちらを見る。視線が絡み合い、戦いのゴングが頭の中に鳴り響いた。
するとぐぐっと存在感を増し、姿までもぐんぐん大きくなってキリンくらいになった。首も長い。
ガッ!
「散らばれ!」
ひと蹴りで数十メートルの距離を詰め、襲いかかるシヴァ。長い首を振り回し、周りの木立を薙ぎ払う。
木々の間に逃げ込めば良いかと思ったのに、薙ぎ払われるのであればむしろひらけた場所の方が良いだろうか?
「これはファケレが1人でやるべき事ですから、タケルは治癒をするだけですよ。」
「え?そうなの?」
「上級試験への準備です。」
上位素材の採取は高得点。
シヴァの冠がこの辺では1番難易度が高いそうだ。
でも取っちゃって良いのかな?
「あれはヤドリギです。麒麟の頭にたまたま根付きましたが、宿主の魔力が強いので切り落としても半年で採取可能になります。」
あれ?麒麟…?
シヴァは個体名で種族は麒麟だった。
麒麟は本来、気性が穏やかで虫も殺さないらしいけど、シヴァは気が荒い。理由は分からないので個性だろう、と誰も気にしない。
ぎゃーーーーー!!
雷攻撃!
竜に近いのかな?
あれをかいくぐり、シヴァを傷つける事なく頭の上のヤドリギを採取、って難易度が高すぎだと思う。ファケレさん大丈夫かなぁ?
加護を祈ろうとしたら試験に影響が出るかも知れないと言われてやめた。
心配だよ~~~!!
周りをちょろちょろするファケレさんに注意が向いているので俺達は見学中。
30~40分も追いかけ回されたファケレさんが、タイミングを見計らってシヴァがなぎ倒した木をぐいっと持ち上げ、誘い込むと片方の角にそれが引っかかった。
迷惑そうに頭を振り回すシヴァ。
そっちに気を取られている隙をついて背中によじ登り五色の背毛を掴むと気付かれて暴れられる。落とされてたまるかとしがみつくファケレさん。
なんか、あんなゲームあったな。
ゲームではガツガツ剣を突き立ててたけどね。
シヴァが大きく跳ねて着地。その衝撃で地面が砕け、ファケレさんの手が離れる。飛ばされるかと思ったのに空中を蹴って方向を変え、頭突きを狙って近づく頭に手を伸ばした。
「空中の石礫を蹴って方向転換ですか。なかなかですね。」
左手でツノを掴み、剣を捨ててたてがみにも捕まる。一頻り振り回した頭の動きが止まる一瞬を狙って冠に手を伸ばす。
すんでのところで再び頭部が振り回され、ツノを掴む手も外れてしまった。
5mの高さから落ちるファケレさん。
着地の瞬間に地面を蹴って横に転がり勢いを殺した。
シヴァは威嚇するように盛大に雷を落とし、一声嘶いてどこかへ飛び去ってしまった。
「…ダメかぁ。」
駆け寄った俺の耳に届いたつぶやき。
「難易度高いからな。また次、頑張れ。」
シヴァはここに住んでるけど、ちょっかいを出すとしばらく戻って来ないのでチャンスは週に1度。また来週来る事になった。かすり傷だけだったけど念のため治癒して、一休みして山を下った。
「何かコツとかある?」
「ない。体当たりで正々堂々と勝負だ。」
「ストゥは取れたの?」
「半分だがな。上手く丸ごと綺麗に取れたらそれだけで上級試験合格になる…と言う噂もあるが、今の所1人も居ない。」
「ティスは?」
「私はシヴァの冠には挑戦してません。挑戦したのは八咫烏の爪です。」
「八咫烏!?それ神の使いじゃないの?」
「いえ、こちらでは普通の三本脚の大烏です。翼を広げると10mにもなるし、空を飛ぶから難易度が高いのです。」
「で、成功したの?」
「残念ながら失敗しました。尾羽を1本毟っただけです。」
じゅうぶん凄いんだけど、ってファケレさん。
ごめん、凄さが分からない。そのうち見られるかな?
あと、三本脚も10mになるのも普通のカラスじゃないよ。
夜、メッセージアプリを開いたら新しい友達追加のメッセージが届いていた。
不思議に思いながら開くと凪の弟の那海だった。
[ タケル元気? 相談したい事があるんだけど ]
それだけのメッセージ。
今まで繋がってなかったのにどうやったんだろう?
《 何? 》既読
あれ?アプリ起動してるのか。
[ ストーカーに狙われてる。助けて! ]
そんな事言われても…
警察に相談したのかと聞けば相談したけど熱心なファンの域を出ないからパトロールの強化くらいしか対応できないって。
《 でも俺に何が出来るの? 》
[ そっちの世界に連れてって! ]
《 そんなむちゃな… 》
[ こわいよ…殺されるかも… ]
自分と一緒でないと人間を転移させられないしなぁ。
《 凪には何て? 》
[ 自業自得だって取り合ってくれない… ]
《 こっちに来たら戻れなくなるかも知れないよ? 》
[ それでも良い!アイツの目の届かない所に行けるなら、むしろ帰ってきたくないよ!]
《 …あくまでも可能性の話なんだけど…もしかしたらこっちに来られるかも知れない。》
[ 教えて! ]
《 凪に相談してからね。》
[ あんなヤツ!]
《 家族だろ。それに俺は凪にすごく心配かけちゃったから、ちゃんと話したいんだ。》
[ …わかったよ。]
俺はすぐに凪にメッセージを送った。
《 凪、那海から相談された。》
すぐには既読がつかず、やきもきする。
「タケル、どうしました?」
「…うん、友達の弟が命を狙われてるって…」
「何?」
スマホに夢中になって2人に心配かけちゃった。
詳しい事は分からないけど、相談された内容を話した。
凪と那海の父は日舞の家元で、とくに那海は小さな頃から天才美少年ともて囃されて何度もメディアに取り上げられている。そしてファンからのプレゼントで潤っていた。
今回の件はそのファンの1人がエスカレートしてストーカーになったって事だと思う。
全てを捨てるほど怖い思いをしているのかな?
…あれ?俺が異世界に居るって信じてくれてるの?凪が話したのかな?
ぴろりん
【 タケル~、うちのビッチがわがまま言ってスマン! 】
《 いや、本当にストーカーに命狙われてるんなら、どうにかしてあげたいけど。》
【 ファンにさんざん集ったからな。そのストーカーなんて辻が花送って来たんだぞ。】
《 辻が花? 》
【 高級着物の代名詞だ。まぁ、初代の作じゃなかったから50万くらいかな? 】
着物で50万が高いのか安いのか分からないけど、普通、50万のプレゼントをしたら見返りを欲しがるよね…
【 冗談を真に受けて、って言ってたから那海が言ったんだろう。まったく… 】
《 でも、命を狙われてるって… 》
【 いや、まぁ身の危険を感じてるのは本当なんだけどな。拉致られかけたし… 】
《 えぇっ!? 》
【 おれも真面目に話してみるわ。ありがとな。】
《 うん、お願い。またね。》
【 おやすみ~! 】
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準備ができたので山へ行く。
お兄さん達は山へしばかりに!
「しば」が植物なのか魔獣なのかも、知らない方がおもしろいからと教えてくれない。むー…
案内とは言え、訓練も兼ねてるから移動は速い。チビはあいらのところだから引っ張ってはもらえない。でも、浮遊の魔道具と風の加護を組み合わせると重力を無視して滑るように進む。
普通の人だと加護がないので、この移動は「魔力量大」以上じゃないと1時間がせいぜいだ。浮かべながら進むのは結構たいへんだから。
ティスは魔術師だけど上級だけあって余裕で走ってついて行く。ファケレさんも危なげなく走っている。すごーい!
「タケルすごいな。」
「ズルしてるだけだよ。」
「自分の能力を使う事がズルになるハズないでしょう。」
「…………」
ファケレさんが何も言わないのは喋れないだけだよね。頷いてるもんね。
しばらくして休憩ポイントに着いた。
さすがに息が乱れているティス、息も絶え絶えなファケレさん、ほんの少し息が上がっているストゥ。
まだ9月の初めだから暑いので、さすがにみんな汗はかいている。
でも標高が高いここの風は心地良い。
「しばってこの辺にいるの?」
「もう少し上の、あの大樹のあたりに行けば見つかる事が多いよ。」
「いる」か「ある」かで動物か植物か手がかりが欲しかったけど引っかからない…
目標の大樹は周りの木よりもだいぶ大きくて遠くからでも見えた。
「何かキラキラしてる…」
「それだ!」
休憩を終えて大樹を目指す。
途中、何度か小型の魔獣に出くわして癒された。リスは魔獣。人間にとって迷惑かどうかが魔獣と動物の境目なのでリスは人間にとって迷惑な事をすると言う事らしい。それって害獣…
ちなみに実害は巣材として身ぐるみ剥がされる。怖!!
そして大樹の根本につくと、苔むしてまるで木霊が出そうな雰囲気だった。湿地の近くにもこんな風景あったけど、こんな高地にあるなんて…山の上に水脈でもあるんだろうか?
しかも、向こう側には背の高い木がなくなって山の上の方とは思えないほどの広い野原が広がっている。
そしてそこに可愛い鹿が1頭。
鹿…? 全体的に黄色っぽくて鱗みたいな模様があって、小振りな角が2本。たてがみがあって背中が五色に光ってる。
聖獣っぽいな。
「あれがシヴァだ。」
「シヴァ!?」
インド神話の創造と破壊の神さま?
「あの見た目で気性が荒く、近づく者を薙ぎ払い、あの蹄で踏みつぶす。しかもアイツを傷付けると呪われる。」
「えぇ!?じゃぁ、どうするの?」
「傷を付けずに頭の上にある冠を取るんだ。」
キラキラしてたのはあれか。
でも、遠くから大樹の側に見えたのに、サイズに違和感が…
風向きが変わり、俺達の匂いに気づいたのか顔を上げてこちらを見る。視線が絡み合い、戦いのゴングが頭の中に鳴り響いた。
するとぐぐっと存在感を増し、姿までもぐんぐん大きくなってキリンくらいになった。首も長い。
ガッ!
「散らばれ!」
ひと蹴りで数十メートルの距離を詰め、襲いかかるシヴァ。長い首を振り回し、周りの木立を薙ぎ払う。
木々の間に逃げ込めば良いかと思ったのに、薙ぎ払われるのであればむしろひらけた場所の方が良いだろうか?
「これはファケレが1人でやるべき事ですから、タケルは治癒をするだけですよ。」
「え?そうなの?」
「上級試験への準備です。」
上位素材の採取は高得点。
シヴァの冠がこの辺では1番難易度が高いそうだ。
でも取っちゃって良いのかな?
「あれはヤドリギです。麒麟の頭にたまたま根付きましたが、宿主の魔力が強いので切り落としても半年で採取可能になります。」
あれ?麒麟…?
シヴァは個体名で種族は麒麟だった。
麒麟は本来、気性が穏やかで虫も殺さないらしいけど、シヴァは気が荒い。理由は分からないので個性だろう、と誰も気にしない。
ぎゃーーーーー!!
雷攻撃!
竜に近いのかな?
あれをかいくぐり、シヴァを傷つける事なく頭の上のヤドリギを採取、って難易度が高すぎだと思う。ファケレさん大丈夫かなぁ?
加護を祈ろうとしたら試験に影響が出るかも知れないと言われてやめた。
心配だよ~~~!!
周りをちょろちょろするファケレさんに注意が向いているので俺達は見学中。
30~40分も追いかけ回されたファケレさんが、タイミングを見計らってシヴァがなぎ倒した木をぐいっと持ち上げ、誘い込むと片方の角にそれが引っかかった。
迷惑そうに頭を振り回すシヴァ。
そっちに気を取られている隙をついて背中によじ登り五色の背毛を掴むと気付かれて暴れられる。落とされてたまるかとしがみつくファケレさん。
なんか、あんなゲームあったな。
ゲームではガツガツ剣を突き立ててたけどね。
シヴァが大きく跳ねて着地。その衝撃で地面が砕け、ファケレさんの手が離れる。飛ばされるかと思ったのに空中を蹴って方向を変え、頭突きを狙って近づく頭に手を伸ばした。
「空中の石礫を蹴って方向転換ですか。なかなかですね。」
左手でツノを掴み、剣を捨ててたてがみにも捕まる。一頻り振り回した頭の動きが止まる一瞬を狙って冠に手を伸ばす。
すんでのところで再び頭部が振り回され、ツノを掴む手も外れてしまった。
5mの高さから落ちるファケレさん。
着地の瞬間に地面を蹴って横に転がり勢いを殺した。
シヴァは威嚇するように盛大に雷を落とし、一声嘶いてどこかへ飛び去ってしまった。
「…ダメかぁ。」
駆け寄った俺の耳に届いたつぶやき。
「難易度高いからな。また次、頑張れ。」
シヴァはここに住んでるけど、ちょっかいを出すとしばらく戻って来ないのでチャンスは週に1度。また来週来る事になった。かすり傷だけだったけど念のため治癒して、一休みして山を下った。
「何かコツとかある?」
「ない。体当たりで正々堂々と勝負だ。」
「ストゥは取れたの?」
「半分だがな。上手く丸ごと綺麗に取れたらそれだけで上級試験合格になる…と言う噂もあるが、今の所1人も居ない。」
「ティスは?」
「私はシヴァの冠には挑戦してません。挑戦したのは八咫烏の爪です。」
「八咫烏!?それ神の使いじゃないの?」
「いえ、こちらでは普通の三本脚の大烏です。翼を広げると10mにもなるし、空を飛ぶから難易度が高いのです。」
「で、成功したの?」
「残念ながら失敗しました。尾羽を1本毟っただけです。」
じゅうぶん凄いんだけど、ってファケレさん。
ごめん、凄さが分からない。そのうち見られるかな?
あと、三本脚も10mになるのも普通のカラスじゃないよ。
夜、メッセージアプリを開いたら新しい友達追加のメッセージが届いていた。
不思議に思いながら開くと凪の弟の那海だった。
[ タケル元気? 相談したい事があるんだけど ]
それだけのメッセージ。
今まで繋がってなかったのにどうやったんだろう?
《 何? 》既読
あれ?アプリ起動してるのか。
[ ストーカーに狙われてる。助けて! ]
そんな事言われても…
警察に相談したのかと聞けば相談したけど熱心なファンの域を出ないからパトロールの強化くらいしか対応できないって。
《 でも俺に何が出来るの? 》
[ そっちの世界に連れてって! ]
《 そんなむちゃな… 》
[ こわいよ…殺されるかも… ]
自分と一緒でないと人間を転移させられないしなぁ。
《 凪には何て? 》
[ 自業自得だって取り合ってくれない… ]
《 こっちに来たら戻れなくなるかも知れないよ? 》
[ それでも良い!アイツの目の届かない所に行けるなら、むしろ帰ってきたくないよ!]
《 …あくまでも可能性の話なんだけど…もしかしたらこっちに来られるかも知れない。》
[ 教えて! ]
《 凪に相談してからね。》
[ あんなヤツ!]
《 家族だろ。それに俺は凪にすごく心配かけちゃったから、ちゃんと話したいんだ。》
[ …わかったよ。]
俺はすぐに凪にメッセージを送った。
《 凪、那海から相談された。》
すぐには既読がつかず、やきもきする。
「タケル、どうしました?」
「…うん、友達の弟が命を狙われてるって…」
「何?」
スマホに夢中になって2人に心配かけちゃった。
詳しい事は分からないけど、相談された内容を話した。
凪と那海の父は日舞の家元で、とくに那海は小さな頃から天才美少年ともて囃されて何度もメディアに取り上げられている。そしてファンからのプレゼントで潤っていた。
今回の件はそのファンの1人がエスカレートしてストーカーになったって事だと思う。
全てを捨てるほど怖い思いをしているのかな?
…あれ?俺が異世界に居るって信じてくれてるの?凪が話したのかな?
ぴろりん
【 タケル~、うちのビッチがわがまま言ってスマン! 】
《 いや、本当にストーカーに命狙われてるんなら、どうにかしてあげたいけど。》
【 ファンにさんざん集ったからな。そのストーカーなんて辻が花送って来たんだぞ。】
《 辻が花? 》
【 高級着物の代名詞だ。まぁ、初代の作じゃなかったから50万くらいかな? 】
着物で50万が高いのか安いのか分からないけど、普通、50万のプレゼントをしたら見返りを欲しがるよね…
【 冗談を真に受けて、って言ってたから那海が言ったんだろう。まったく… 】
《 でも、命を狙われてるって… 》
【 いや、まぁ身の危険を感じてるのは本当なんだけどな。拉致られかけたし… 】
《 えぇっ!? 》
【 おれも真面目に話してみるわ。ありがとな。】
《 うん、お願い。またね。》
【 おやすみ~! 】
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「連れて行きたい日本へ」で
ストゥとタケルがラブホに行った時のいちゃいちゃが読めます。
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