行ってみたいな異世界へ

香月ミツほ

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行ってみたいな!あちこちへ

81 シュクルさんと写真

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とにかく無事が分かればそれで良いので、持って行く荷物の確認をしよう。

と、出て来た見覚えがあるようなないような皮袋。

「ねぇ、これなんだっけ?」

「あぁ、タケルを迎えに行った時に持って行った皮袋だな。獲物の匂いを閉じ込めて他の魔獣が寄って来ないようにするものだ。」
「そう言えば!でも、浄化で血抜きできるよね?」
「俺は自分以外を浄化するのが苦手なんだ。そう言う不器用な奴らが持つもんだ。」

「…そう言えば俺も浄化は苦手かもしれない。」

傷口の消毒的な浄化はできるけど、洗浄系は玄武に頼っている。加護がないとずいぶんできる事が減る…

「加護があるし、私もいるんだから良いじゃないですか。」

ティスが頬染めて存在価値を主張する。

「うん。ティス、これからもずっとよろしくね?」
「はい!」

「オレが入れないじゃないか。」

ストゥが拗ねてみせるからおかしくて笑っちゃった。

夕食の準備をして配膳ができる頃にやっとチビが帰って来た。

「チビ大丈夫?なにがあったの?」

『あいらが しゅきしゅきで なくなんて よわいって。きたえるって。たくしゃん おいかけっこして たたかいごっこした。あいら ちゅよしゅぎ』

さすがこの国の建国に関わった瑞鳥だ。
武闘派の国を守護する(?)神聖なる鳥…。

そのうちチビがワイバーン以外の何かに進化するような気がする。

お昼寝して来たはずなのにスープを飲んだら舟を漕ぎ始めた。身体が休息を必要としているんだろう。ゆっくりお休み。





今日はショコラを買って来るぐらいしかやる事がないな、と思ってたら樹がさっそくプリントしてくれていた。しかもお礼を書き込んだら直ぐに既読が着いた。朝に繋がる事が多いから、と早起きしてくれたらしい。ありがとう!!

〈そっちの世界の画像で初めての女子だな。〉
【すっごい美人だし!一緒に写ってるイケメンもイケメン過ぎ!!】
【詳細くれ!】

《この国の第2王女のウィオラ様と、外国から来たショコラティエのシュクルさんだよ。ウィオラ様はシュクルさんに片思い中。》

【な、なんだってーーーーーーー!!】

返事速!!あとまだそのネタ使うの?

《シュクルさんが鈍感過ぎて振り回されてるから写真をあげて慰めようと思って。》
〈残念イケメンなのか?〉
《そうかも。スマホ見せてもチョコメニューにしか反応しないし。》
【身分違いとかどうなん?】
《全然問題ないみたい。王太子妃の決め方が女性だらけの武闘大会だしね。》
〈舞踏大会?〉
《武闘大会だって。ガチバトルの予選を勝ち抜いた10人と交際して王太子が気に入った人を選ぶの。第二王子も一緒に相手を選ぶんだよー。》
【訳分からん】
《王妃様もめちゃくちゃ美人なんだけど素手でライオンの脳天かち割るんじゃないかな?》

〈想像が追いつかん〉

《機会があったら写真撮らせてもらうから楽しみにしてて。》
【おK】

《じゃぁまたね!》
【おう!】
〈ああ〉

ねえさまに写真届けよう♪

「あれ?」

チビがまだ昏々と眠り続けている。どれだけ凄い特訓だったんだろうか…。
まぁまだ早いから寝かせておこう。

朝ご飯は…豆腐を食べなくては!!
しばらく食べられなくなりそうなので買いに行く。こちらでも豆腐屋さんは早起きだ。

茗荷と卵のお吸い物、インゲンの白和え、厚揚げとオクラの生姜醤油炒め、歯ごたえが物足りないのでわさび醤油味の一口ステーキ。

明日のお弁当はお稲荷さんにしよう。三角いなり。白ごまを混ぜて香ばしく!
あとは温野菜サラダと唐揚げ、茄子の味噌汁で良いか。少ないかな?ピリ辛の甘酢あんとタルタルソースも作って持って行けば味が変わって良いかも。

…お稲荷さんに合うかな?

ま、いいや。



シュクルさんのお店に行こう。

「おはようございます。早過ぎました?」

「おはよう、タケル。数が少ないから大丈夫だよ。はい、これ。」

保冷容器に入れてもらって会計をする。
別の保冷容器に入れたチョコチップアイスをあげたら喜んでくれた。アイスクリームメーカーの購入も検討しているらしい。冷やす前にココアを混ぜるのも勧めてみた。

あと、要らないかな?とも思ったけど一応、写真をあげた。精密さには感心してたけどあんまり興味はないようだった。(笑)

ねえさまの所へも写真を届けに行く。
城門の前の兵士の人に取り次いでもらって城内の客間で会って写真を渡すと、ねえさまはバラ色に頬を染めて目をうるうるさせてめちゃくちゃ可愛かった。思わず写真撮っちゃったよ。シュクルさんに見せたいな。

ねえさまからすっごくお礼を言われて、して欲しい事はないかと聞かれたので魔道具屋のアイスクリームメーカー改良の後押しをして欲しいとお願いした。アイスならすぐに食べないと溶けちゃうからお茶会でふるまってね、って言えるんじゃないかと考えている。まだ伝えないけど。

北東の鉱山へ行く事もついでに伝えて行ってきます、と言って城を出た。
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