行ってみたいな異世界へ

香月ミツほ

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行ってみたいな!あちこちへ

76 アラケル暴露される

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それにしてもタフだ。
飲んで暴れて食べて、飲んで暴れて食べる。

程よく(?)疲れた頃にアラケルからアイスクリームのリクエストが出たので登場!!

「これがアイスクリームの基本のバニラ、これはバニラにショコラのかけらを混ぜ込んだチョコチップ、ラズベリーソースを練り込んだ物とブルーベリーソースを練り込んだ物、砂糖と牛乳を混ぜて少し焦がしたキャラメル入り、果実酒に漬け込んだ干し葡萄を入れたラムレーズン。
それからラズベリーとブルーベリーと桃とキウイのシャーベットです!」


スプーンで盛り付けて出したら…


いい歳した大人が奪い合って…


…30分経たずに完食。


まさに「orz」って気持ちだ。
喜んでもらえたんだから良いよね。(遠い目)

チビもトリプルサイズくらい食べてご機嫌だ。ストゥがまたラムレーズンをツマミにしている。思った通りラムレーズンが一番最初に無くなった。

「ラムレーズン美味いな!」
「正確にはラム酒に漬けてないからラムレーズンとは言えないけどね。」

説明しながら少しだけ摘まむ。アラケルもマグさんも気に入ったらしい。かなりの量を持ってきたのにすでに半分になってしまった。作り方を教えてマグさんちにある干し葡萄を全弾投入した。

「そう言えばラティオさんとフォンスくんはアラケルと仲良いの?」
「いや、知り合いではあるな。」
「じゃあマグさんの友達?」
「いいえ、初対面です。」

その程度の知り合いで参加して良いのか。

「まぁ細かい事は気にするな。オレ達はアラケルの結婚パーティーならタケルの料理が食べられるだろうと考えて来ただけだからな。」

「俺の料理目当て?」

「そうそう、大規模討伐の時に食べて美味しかったからね。」

「ちゃんと手土産は持って来たぞ。」

そう言ってラティオさんが出したのはやっぱりお酒。

「あっ!それはダメだ!匂いでタケルの具合が悪くなる。」

「うそぉ?」

もしかしてコグマモグラ討伐の時の?ストゥが庇ってくれるけど、フォンスくんが怪しい…

「…えいっ!」

素早い動きでグラスに注いだ少量のお酒を俺に向かってぶちまけた。お猪口に半分程度。たったそれだけなのに気温が高いのも手伝ってあっという間に揮発する。

俺の胸元から立ち昇るアルコールの香り。

はっと息を飲んだ拍子にしっかりと吸い込んでしまった。間抜けにも程がある。

「浄化!」

すぐに浄化をしたから大丈夫。

「もう!何すんだよ?」
「だって匂いだけで具合悪くなるなんて信じられないじゃん。」
「いや、いるでしょ、そういう人!」
「タケル…残念ですが私も聞いた事がありません。」
「オレもだ。」

ティスとストゥすら否定する。こっちにはそういう人居ないのかなぁ?

「じゃあ客人まろうどだからで納得しといて。」

「以前来た客人は酒豪だったらしいですよ。」

マグさんが混ぜっ返す。

「もう俺だけの特異体質で良いよ!!」

寄ってたかって面白がって…
ぶーたれる俺にアラケルがジュースをくれた。…うん、ちゃんとブドウジュースだ。
綿あめは明日にして、サラダと唐揚げをパンに挟んで食べてたらみんなが真似をした。美味しいよね。

夜になってきたと言うのに一向に涼しくならない。何でだろう?

ぽちゃん

ぽちゃん

何の音かとふと見れば、チビが俺のブドウジュースに干し葡萄を放り込んでいた。

「コラ!食べ物で遊んじゃダメ!」

『た、たべましゅ!』

もふっ!もぐもぐもぐ…ごくん。

手元にあった干し葡萄を一口で食べて飲み込み、ぱたりと倒れて眠りに落ちる。それ、もしかしてラムレーズン…?そう言えばありったけの干し葡萄を漬け込んだはず…

手の中のグラスを覗き込めば、敷き詰められたような干し葡萄…ではなくラムレーズン。いつの間に!!

…だから身体が熱かったのか。

「チビのイタズラは可愛いですね。」
「う~…可愛いけどこれはちょっと困る~。さすがにまだ大丈夫だけど…」

「まあ、もう一杯ジュース飲んでお酒を薄めれば大丈夫だよ!」

フォンスくんがますます怪しいので持って来てくれた新しいグラスは受け取りを拒否する。

「じゃぁ、こちらをどうぞ。」

マグさんが俺のグラスに注いでくれた。
念のためぺろりと味見をしたらちゃんとジュースだった。これなら大丈夫!ぬるくなっていたので氷を入れて飲んだ。

「ねぇ、アラケル…アラケルって初めて会った頃と比べて性格変わってない?」
「突然だな!」
「そうなんですか?」
「前はもっとワイルド系だった記憶が…」

なんだかうろたえてるアラケルと食いつくマグさん。

「おれ知ってるー!「うるさいっ!黙れ!!」

冒険者の人だ。でもアラケルが邪魔している。
…聞きたい!めっちゃ聞きたい!!

「「教えて下さい!」」

マグさんとかぶった。

「マグに聞かれたくない…」
「どうしてですか!?アラケルの事なら何でも知りたいです!」

うんうん、仲良しだね。
真剣な顔で聞くマグさんに呆れるなよ、と念を押すアラケル。

「こいつね~、ミーティスに惚れてた時、ミーティスがストゥを好きなんだと思ってワイルド系になろうとしてたの~!」

何それ健気!!

「勘違いも甚だしいですね。」

容赦なく切り捨てるティス。

「…ティスさん、綺麗ですものね…。」

あ、マグさんが落ち込んだ?
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