119 / 203
行ってみたいな!あちこちへ
76 アラケル暴露される
しおりを挟むそれにしてもタフだ。
飲んで暴れて食べて、飲んで暴れて食べる。
程よく(?)疲れた頃にアラケルからアイスクリームのリクエストが出たので登場!!
「これがアイスクリームの基本のバニラ、これはバニラにショコラのかけらを混ぜ込んだチョコチップ、ラズベリーソースを練り込んだ物とブルーベリーソースを練り込んだ物、砂糖と牛乳を混ぜて少し焦がしたキャラメル入り、果実酒に漬け込んだ干し葡萄を入れたラムレーズン。
それからラズベリーとブルーベリーと桃とキウイのシャーベットです!」
スプーンで盛り付けて出したら…
いい歳した大人が奪い合って…
…30分経たずに完食。
まさに「orz」って気持ちだ。
喜んでもらえたんだから良いよね。(遠い目)
チビもトリプルサイズくらい食べてご機嫌だ。ストゥがまたラムレーズンをツマミにしている。思った通りラムレーズンが一番最初に無くなった。
「ラムレーズン美味いな!」
「正確にはラム酒に漬けてないからラムレーズンとは言えないけどね。」
説明しながら少しだけ摘まむ。アラケルもマグさんも気に入ったらしい。かなりの量を持ってきたのにすでに半分になってしまった。作り方を教えてマグさんちにある干し葡萄を全弾投入した。
「そう言えばラティオさんとフォンスくんはアラケルと仲良いの?」
「いや、知り合いではあるな。」
「じゃあマグさんの友達?」
「いいえ、初対面です。」
その程度の知り合いで参加して良いのか。
「まぁ細かい事は気にするな。オレ達はアラケルの結婚パーティーならタケルの料理が食べられるだろうと考えて来ただけだからな。」
「俺の料理目当て?」
「そうそう、大規模討伐の時に食べて美味しかったからね。」
「ちゃんと手土産は持って来たぞ。」
そう言ってラティオさんが出したのはやっぱりお酒。
「あっ!それはダメだ!匂いでタケルの具合が悪くなる。」
「うそぉ?」
もしかしてコグマモグラ討伐の時の?ストゥが庇ってくれるけど、フォンスくんが怪しい…
「…えいっ!」
素早い動きでグラスに注いだ少量のお酒を俺に向かってぶちまけた。お猪口に半分程度。たったそれだけなのに気温が高いのも手伝ってあっという間に揮発する。
俺の胸元から立ち昇るアルコールの香り。
はっと息を飲んだ拍子にしっかりと吸い込んでしまった。間抜けにも程がある。
「浄化!」
すぐに浄化をしたから大丈夫。
「もう!何すんだよ?」
「だって匂いだけで具合悪くなるなんて信じられないじゃん。」
「いや、いるでしょ、そういう人!」
「タケル…残念ですが私も聞いた事がありません。」
「オレもだ。」
ティスとストゥすら否定する。こっちにはそういう人居ないのかなぁ?
「じゃあ客人だからで納得しといて。」
「以前来た客人は酒豪だったらしいですよ。」
マグさんが混ぜっ返す。
「もう俺だけの特異体質で良いよ!!」
寄ってたかって面白がって…
ぶーたれる俺にアラケルがジュースをくれた。…うん、ちゃんとブドウジュースだ。
綿あめは明日にして、サラダと唐揚げをパンに挟んで食べてたらみんなが真似をした。美味しいよね。
夜になってきたと言うのに一向に涼しくならない。何でだろう?
ぽちゃん
ぽちゃん
何の音かとふと見れば、チビが俺のブドウジュースに干し葡萄を放り込んでいた。
「コラ!食べ物で遊んじゃダメ!」
『た、たべましゅ!』
もふっ!もぐもぐもぐ…ごくん。
手元にあった干し葡萄を一口で食べて飲み込み、ぱたりと倒れて眠りに落ちる。それ、もしかしてラムレーズン…?そう言えばありったけの干し葡萄を漬け込んだはず…
手の中のグラスを覗き込めば、敷き詰められたような干し葡萄…ではなくラムレーズン。いつの間に!!
…だから身体が熱かったのか。
「チビのイタズラは可愛いですね。」
「う~…可愛いけどこれはちょっと困る~。さすがにまだ大丈夫だけど…」
「まあ、もう一杯ジュース飲んでお酒を薄めれば大丈夫だよ!」
フォンスくんがますます怪しいので持って来てくれた新しいグラスは受け取りを拒否する。
「じゃぁ、こちらをどうぞ。」
マグさんが俺のグラスに注いでくれた。
念のためぺろりと味見をしたらちゃんとジュースだった。これなら大丈夫!ぬるくなっていたので氷を入れて飲んだ。
「ねぇ、アラケル…アラケルって初めて会った頃と比べて性格変わってない?」
「突然だな!」
「そうなんですか?」
「前はもっとワイルド系だった記憶が…」
なんだかうろたえてるアラケルと食いつくマグさん。
「おれ知ってるー!「うるさいっ!黙れ!!」
冒険者の人だ。でもアラケルが邪魔している。
…聞きたい!めっちゃ聞きたい!!
「「教えて下さい!」」
マグさんとかぶった。
「マグに聞かれたくない…」
「どうしてですか!?アラケルの事なら何でも知りたいです!」
うんうん、仲良しだね。
真剣な顔で聞くマグさんに呆れるなよ、と念を押すアラケル。
「こいつね~、ミーティスに惚れてた時、ミーティスがストゥを好きなんだと思ってワイルド系になろうとしてたの~!」
何それ健気!!
「勘違いも甚だしいですね。」
容赦なく切り捨てるティス。
「…ティスさん、綺麗ですものね…。」
あ、マグさんが落ち込んだ?
0
「連れて行きたい日本へ」で
ストゥとタケルがラブホに行った時のいちゃいちゃが読めます。
→拍手する
お気に入りに追加
1,442
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる