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行ってみたいな!あちこちへ
73 かき氷始めました。
しおりを挟む俺の計画に合わせたように強い日差しが降り注ぐ。
チビはあいらのところへ行ってから直接ティグリスに来るそうだ。今日のお土産はキウイの白い所。(笑)
氷屋さんで氷を15kg買ったら保冷ボックスを貸してくれた。かき氷機とシロップと練乳と巨大キウイも運ぶため、小型の荷車も貸してくれた。帰しにきた時かき氷を味見させる約束で。
ティグリスに着くと大歓迎ながらチビがいない事にがっかりされる。呼ぼうかと思ったらものすごい勢いで飛んできた。園庭は突然の土砂降り。チビ大泣き。
「どうしたの?」
『あいらが… あいらがぁぁ…』
「あいらがどうかしたの!?」
『しゅきしゅき したら ここ じゃくって したの~!!』
見れば頬の所が傷付いて腫れている。くちばしでざくっとしたの、かな?
「すきすきのキスを失敗したのかな?」
『しっぱい? ちび きらわれて ない? いじわるじゃない?』
「嫌われてないと思うよ。」
そう言って慰めながら治癒をした。
「チビ、大丈夫だよ。遊ぼ?」
泣いてる理由も分からずに大丈夫だと請け負うパスカリス。ちっちゃい子がしゃがんでよしよしする姿って萌える。
他の子も次々に誘いに来た。
納得いかない様子ながら考え込んでいたチビだけど、子供達に大喜びで遊びに誘われたら不機嫌でなんていられない。雨をピンポイントに切り替える。オーケストラの指揮をするように雨を操る。…は、言い過ぎかな?
チビと子供達が庭で遊んでいる間に施設長にかき氷の説明をして荷物を運び込む。
当たり前だけどおやつに食べる事になった。
準備が終わって強い日差しの中はしゃぐ子供たちの様子を見に顔を出すと、気づいたチビに狙い撃ちされた。 ずぶ濡れ…
「やったな!」
ドロドロになった地面から地の魔術でいくつも泥団子を作り、チビに向かって投げる。雪合戦の要領だ。
それを見た周りの子供達も大喜びで真似をする。高く飛べば届かないのに、敢えて低空飛行をして誘うチビ。流れ弾に当たって笑い合う子供達。泥が目に入ってしまった子をティスが浄化してあげてた。
チビが地面すれすれに低空飛行した時を狙ってストゥが水たまりに飛び込んでチビに泥はねをかけた。当然、周りの子達にもとばっちりが行く。すると子供達も泥水でジャンプしまくって寝転んで大はしゃぎ。
全員泥まみれでドロドロだ。
お昼だよー!と呼ばれたので、順番に外に設置されたシャワーを浴びてから職員の人達に浄化してもらう。ティスも手伝っているので後で魔力の補充をしよう。
職員の人達は魔力足りるのかな?
唐揚げが定番の人気メニューになったそうで、今日も出て来た。
「たちぇるにあーんしてもらうー!」
パスカリスがウキウキと隣に座る。
ワクワクしながら一生懸命食べていたはずなのに
「チビのばたー!!」
あーんして欲しい唐揚げを残していたらチビに横取りされて大泣き。
「バカー」が「ばたー」になってしまって笑いを堪えるのが大変。パスカリスば顔を真っ赤にして大粒の涙をこぼして泣いてるんだけどね。
『ぱしゅかりしゅ からあげ たべないから チビが もらったら おこられた…』
「チビ、パスカリスは唐揚げを最後に食べようとしてたんだよ。もらって良いか聞いてからにしないとダメだよ?」
「パスカリス、ほら、あーん!」
俺の唐揚げを残しておいて良かった。
しゃくりあげながらも口を開けて唐揚げを受け取る。チビを促して頭を下げさせた。
「パスカリス、チビがごめんね、って。要らないのかと間違えてもらっちゃったんだって。」
チビに見つめられて涙目で「いいよ」と言ってくれた。
その後は仲直りして一緒にお昼寝。
その間にかき氷の準備とお昼寝しない子達に絵本の読み聞かせ。
あれ?このお話って、あいらの事?
建国の物語でお告げを受けた英雄が仲間と共に旅をして青く美しい尾羽を見つけた所に国を作る。豊かな国になりました、ってやっぱりあいらだ。先祖かも知れないけど。
ストゥとティスはなんであいらの事知らなかったんだろう?
昼寝が長すぎると夜眠れなくなるからと時間になって起こされる子供達。やっぱり水遊びは疲れるのか、起こされる子が多い。まあ、声をかけて軽く揺すればおやつだ!とぱっと起きるから手はかからない。
長テーブルにラズベリー、ブルーベリー、杏、みぞれのコーナーを作って小鉢とスプーンを持って並んでもらう。練乳とカットキウイは別の場所でトッピング可。
食べた事の無いものを選ぶのは大変そうなので、並び直せばお代わりできるように小盛りにする。職員の手伝いもあって第一弾が早々に全員に行き渡った。
当番の子が「いただきます」を言うとわっと歓声をあげて食べ始める。おいしい!うまい!頭キーンとする!!と大人達まで大騒ぎ。
キウイは参考に1つだけ切らずに取っておいて、みんなの前でカット。
「大きい!」
「本当にキウイ!?」
と大盛り上がりだ。白い甘い所はそのままカットフルーツとしてみんなに分けた。
アラケルの結婚パーティーでも大人気になるだろう。かき氷と綿あめはちょっと縁日っぽいけど。
暇を告げて帰宅すると、手紙が届いていた。
それも昨日のうちに。
ドアの隙間から差し込まれたそれはブーツの中に入ってしまっていたので、気づかなかった。アラケルとマグさんからの招待状だ。
明後日の午後からパーティーをやりますので、来てください。
って!!
行き損ねるところだったじゃないか!!
と慌てる俺に、丸1日続くパーティーに間に合えば良いんだと教えてくれた。食べっぱなし飲みっぱなし…?全部は付き合いきれないかも知れない…。
でも料理を提供したいから明日の昼前に行こう。近いから転移で行ける。荷物、一気に全部運べるかな?
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「連れて行きたい日本へ」で
ストゥとタケルがラブホに行った時のいちゃいちゃが読めます。
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