行ってみたいな異世界へ

香月ミツほ

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行ってみたいな!あちこちへ

61 シュクルさんとお茶会と

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あれ?読み込みが…
圏外になってしまった。

「楽しそうだな。」

「あ、うん。小学校…7歳の時からの友達だから。」

「百面相してて見てて面白かった。」

ぎゃー!!恥ずかしい!

「あ、朝ご飯作るね!」

誤魔化すようにキッチンに向かう。
コーンスープはミキサー代わりの魔術ですり潰して味付け。魚を焼きながらそら豆のフリットを揚げてパンをかごに盛る。

戻って来たチビはすぐにティスを起こしに行って、ご機嫌で連れて来た。

「チビ、お友達は喜んでくれた?」
「きゅーー!!」

「また食べたいと言ったそうです。」

それは良かった!嬉しそうなチビを思わず抱き締めてしまう。最近、抱き締めてなかったな。思い出したようにすりすりするチビ。あんまり甘えて来ないのは少し成長したって事…?

何はともあれ、いただきます!

「で、さっきは何を慌ててたんだ?」

ごふっ!!

「あー、えーと…別にたいした事じゃないんだけど…」

同性愛者が少数派な世界だったから隠してたのに、友達にバレてただけ…って言ったら

「それはつまり、タケルが前に好きだったやつの話か。」

ふーん、と微妙な空気をまとうストゥ。

「それは何歳の頃ですか?」

「んー?12歳の時と…14歳の時かな?」
「12歳のタケルに思われるなんて、なんて羨ましい!!」
「いや、男に好かれて喜ぶ男なんてほとんどいなかったから!」
「タケルなら絶対喜ばれたはずです!」

「そんな訳ないよ。それに好きって言ってもぼんやりと憧れてただけで、付き合いたいとかまで考えてなかったし…」

「12歳のタケルに好かれても手は出せないぞ。」

「ぐっ…それはそうですが…」
「未成年に手を出すのは犯罪だ。」

こっちでもそうなんだ。
もし12歳でティスに会ってたらどうだったんだろう?その頃ティスは16か17?ストゥは17か18…

…好きになってたかも。

「何を考えた?」

うっ…

「その頃に2人に出会ってたら、って…」

「出会ってたら?」
「…その時でも好きになってただろうな、って…」

…口が勝手に……

朝食を食べ終わったチビが遊びに出かけたのをいい事に、そのままベッドに運ばれて押し倒された。まだ朝なのに!

ぐずぐずに蕩けさせられて、気持ち良くて、恥ずかしいおねだりをしてしまったような、させられたような……?

……うん。思い出さなくて良いや。

遅くなったけどシュクルさんのお店に行こう。お昼は外で食べよう。チョコレートソースの相談もしよう。

アイスを持ってシュクルさんのお店に行く。ちょうどシュクルさんの早めの昼休憩が終わる頃だった。デザートにアイスを勧める。

一口食べて驚くシュクルさん。
チョコレートソースについて説明し、それをアイスにかけたいと言うと乗ってきた。

ウィオラねえさまのお茶会に呼ばれていてそこで新しいメニューとしてこれを出したいって。
見せてくれた招待状。招待状ってお客さんに渡すものだよね?

「私が客として呼ばれるはずはありませんよ。」

クスクス笑うシュクルさん。
タイミング良くねえさまの馬車が到着した。

「あら!タケルにチビに、ストゥディウムにミーティス。タケルは無茶してない?」

開口一番心配された。

「あの後は倒れてないよ!」

「魔力残量は外から見えないんだから、自分で気をつけなきゃダメよ。」

「はい…心配してくれてありがとう。」

ハグされた。そうだ、お茶会!

「ねえさま、シュクルさんをお茶会に呼んだのってショコラティエとして?お客さんとして?」
「あら…お客様への招待状を渡したのだけれど…」
「申し訳ありません。私が呼ばれるなら裏方だと自惚れて…勘違いしておりました。客としてなどとてもお伺いできません。心苦しいのですがお断りさせていただきます。」

残念そうなシュクルさん。ねえさまが今にも泣き出しそう。

「ねえさま、今からでもお茶会のお菓子をシュクルさんに依頼する事はできないの?」
「そ、そうね!すぐに料理長と話をしてくるわ!」

…風の様に去って行ってしまった。

「あ、ねえさまにもアイス食べてもらいたかったな。」

まぁ、今度でいいか。
シュクルさんがチョコレートソースを即席で作ってくれて試食する。うまー!!

お客さんがチラチラ見てるけどごめんね?まだ試食はさせてあげられないよ。
チョコソースを1瓶作ってもらって購入。更に5本注文した。
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