行ってみたいな異世界へ

香月ミツほ

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行ってみたいな!あちこちへ

48 青龍の装備

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それぞれサイズを測ってデザインの相談をする。

ストゥは無理に5枚使う必要はないと、左右1枚ずつ使ってバングルと言うより盾の代わりにガード出来る腕当てに決まった。

ティスは3枚とも使ってペンダントにもブローチにもなるアクセサリー。色々な敏捷性UPだって。

チビは首飾りと言うか胸飾りと言うか、体にフィットして邪魔にならないチョーカータイプ。身体が大きくなったら無料でサイズを調整してくれる。脱皮で大きくなるからその時外しておけば良いらしい。

俺はブローチ見たいなのを革ベルトで靴に固定するタイプにした。靴を変えても付け替えられる。

足ちっちゃ!って言われた…

採寸が終わってから魔道具を見てたらみんなであれこれ説明してくれたけど、仕事しろ!って怒られちゃってた。それぞれ自分の作った物に誇りを持って工夫を凝らしているから語りたいんだよね。

俺たちがいると仕事にならないみたいなので店を出た。

 

ずっと忙しかったから予定がないと退屈な感じ…



? 大通りの方が騒がしい。

「きゅっきゅー!!」

浮かんで見ていたチビが嬉しそうな声を出す。知り合いかな?

馬に乗った人達が10人くらいで走っている。先頭はクルト兄さま!ねえさま達3人と護衛らしき人達だ!

チビに気付いた兄さまが手を挙げてみんなを止めた。

「タケル!もう戻ってたのか?」

人だかりができる前に近づいて話をする。

「転移ができるようになりました。」

驚いた兄さまから話が聞きたいから、と王宮に招かれた。それなら青龍の鱗を持って行きたいので家に帰ってから行きます、と言ったら謁見の間に直接転移できるならして良いと言われた。

防犯上、どうなの?

でも驚く顔が見たいので30分後に謁見の間で、と約束した。
チビが注目の的なので街中で転移はやめて家に歩いて帰る。鱗はあげる分だけ持って行く。

そう言えばこの国の王宮って普段着で出入りできるけどドレスコードないの?

時間になったので転移する。
謁見の間の様子を探って人とぶつからないように、王様らしき人の正面に少し距離を取って転移した。

おおー!っと感嘆の声が上がり、室内の人たちが盛り上がる。王様、王妃様、兄さまねえさま達、宰相さん、スキエンティア師もいる。たまたま来てたんだって。

たまたま来てた、なんてこれも縁結びの効果?

「ご無沙汰いたしております。」

「堅苦しい言い回しは要らぬ。青龍の逆鱗に触れたそうだな。」

「はい、偶然みたいなものですが…」

「加護に関しては全て必然である。自信を持て!」
「そうだ!私を踏み台にしたのだからな!」

「す、すみません!!兄さまなら許してくれるかな、と…」
「あんな面白い事で怒るはずがないだろう。」

踏まれて面白がる王太子…

「チビ!おいで!」

ねえさまに呼ばれてご機嫌で飛んで行ったのに、わいわいと観察されて不満そう。

「スキエンティア師、お聞きしたいことがあります。以前、転移の魔法陣をいただきましたがあれは師の作った物ですか?」

「そうじゃ。試作品じゃ。」

試作品!?難しくて使えなかったけど…

「あれは1人を転移させるものだが、距離は込める魔力の量による。座標を書き込んでも届くとは限らん。」

「タケルはどうやって転移できるようになったの?」

ウェーヌ様がワクワクしてる。

「えっと、青龍の加護をもらったら「空間把握」と言うスキルがあって、目的の場所や人を思い浮かべると自分の場所からの距離が頭に浮かぶんです。で、そこに連れて行って下さい、と祈ると転移できます。」

「ただ、戻って来る時、馬も含めた全員を一緒に転移したら魔力切れを起こして倒れました。」

何をやっているんだ、と口々に叱られた。

「魔力はどれくらいじゃ?」

「特大です。」

「ふーむ…特大でそれか。まぁ無事で良かった。」

ふむふむ言いながら自分の世界に篭ってしまった。あ、そうだ!

「お土産に青龍の鱗を持って来ました。」

驚かれた。

「それはタケルが手に入れた物だ。大切な人へ贈るのも自由だが、我々は自力で手に入れる。この先必要になる時があるやも知れぬ。気持だけ受け取ろう。」

あー、王様もクルト兄さまもウィオラねえさまも持ってるもんね。きっと王妃様も持ってる。

「スキエンティア師も要りませんか?」

「くれ!」

良かった。魔方陣に組み込んで転移の魔道具を考えたいんだって。でも1枚で良いって。もっと必要になったら買い取るって。じゃぁ、保管します。

王様は仕事があるから、他の人達と部屋を移動しておしゃべりをした。鱗より俺の話の方が嬉しいって言ってくれた。大きなオオサンショウウオ狩りには誰かが行きそうだ。
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