行ってみたいな異世界へ

香月ミツほ

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行ってみたいな!あちこちへ

47 青龍の装備

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「やっぱり子供達は可愛かったね。」

「早くタケルの子が見たいです。」

「いや、産める身体になってないだろ。」

産める身体になる可能性も低いと思うよ。
家に帰って夕飯食べてお風呂に入ってぐっすり眠った。






聞かなきゃと思っていた家の購入金額について聞いてみた。

ローンと同じで商業ギルドでお金を借りて返済しているんだって。家は\34,000,000で、\12,000,000払ってあるからあと\22,000,000。百万単位で払っているそうだ。金利は予定通りなら\2,000,000支払う計算になる。

なら俺も\12,000,000払うべきだよね!

でも止められた。
青龍の鱗12枚も売ったら騒ぎになるって。

全部青龍の鱗ではダメか。
じゃあこれから少しずつ稼いで払うね!

「タケルはずっと料理してくれてるんですから、同額ではおかしいでしょう!」

「そうだな。だいたい好きで俺たちが出しているんだから気にしないで良いんだぞ。」

「でも、あんまり使い途ないんだもん。」

確かに!とみんなで笑いあった。
青龍の鱗はまずは魔道具に加工する事にして、他は保管しておくのが良いと言われた。箱ごとギルドに預ければ中身が生き物でない限り預かってくれるそうだ。中身の申告も不要。

じゃあ今日は魔道具屋さんに行こう!




昨日、子供達と遊んで気持ちが安定したのかチビが俺から離れられるようになった。
ちゃんと魔力の糸は繋いでいる。

空を飛ぶから注目の的だ。

魔道具屋さんは王都1の人気店で弟子もたくさんいて品揃えも豊富。ストゥが店番の人に声をかけた。

「青龍の鱗の加工を頼みたい。バングルとペンダントと、ワイバーン用の首飾りだ。タケルはどうする?」

「思いつかなくて…大きいからバングルじゃ腕からはみ出しちゃうし武器や防具もピンと来ないし…あ、幸運の財布?」

「ふざけてんのかぁ!!」
「ごめんなさいぃ!!」

すごく怒ってる。でもまじめに言ってるのに…

「おやじ、コイツは変な事言ってるようでも本気なんだ。いろいろ分かってないだけだから許してくれ。」

「だったら靴はどうだ?敏捷性が上がって剣士にも魔術師にも役立つぞ。まぁ。2枚ないと作れんがな。」

がははと笑うおじさんはいじわる言ったつもりなんだろうか?

「オレは両手のバングルを作りたいんだが鱗は5枚だ。足りるか?」

「私は3枚あります。魔術師用のペンダントで。」

「靴用の2枚と、ワイバーン用の首飾りは1枚で足りますか?足りなければまだありますよ。」

おじさん、アゴ外れそう。
ストゥがにやりと笑って今年は逆鱗に触れたやつがいるからすごい事になるぞ、と言うと店と奥の工房から覗いてた人達が大騒ぎになった。

青龍の鱗なんて貴重品、上級職人以上でないと見る事すらできないんだって。
磨く時に出た粉にさえ力が宿ると言われているから、それを集めて練って固めた5mmのビーズでさえ、数万円の値がつくそうだ。小さい分、むしろそっちが欲しいかも。言わないけど。

「250万だ。」

ぶふっ!!
さすがに高い。でも鱗3枚か…ストゥとティスに家の支払いの代わりにここの支払いを鱗で支払えないかと相談すると、それならオレに甘えてくれると言う。おじさんに向かって

「ギルドでこの鱗の買い取り価格が1枚百万円だと聞きました。鱗3枚で支払う事はできますか?」

「50万の釣りか。」

「いえ、おつりは要りません。」

「なら2枚で良い。」

「え?」

ギルドで買い取った鱗をここの工房で仕入れると¥1,150,000になる。
それに加工して売ると物によったら500万以上にもなるから2枚でもじゅうぶんだと言う。

「それだったら1枚は細かく切ってモザイクにして使えませんか?」

提案してみると乗って来た。
模様に合わせてカットして組み合わせたり魔道具の魔方陣のどこかに埋め込んだら小さくても利用価値があるんじゃないかとか思いついた事を言ってみたら回り中で議論が始まった。

実験用にもっとあげたいけど騒ぎになるのは困るから今は我慢。
そうだ、クルト兄さまからの支援とかどうだろう?今度、相談してみよう。

もう1つ、絶対に欲しい魔道具があったのを思い出した。

「虫除けの魔道具もありますか!?」

突然日用品の話をしてしまったので、みんなの口を塞いでしまった。

「あー…、日用品はそっちだ。」

店内の表に近い左の棚に日用品コーナーがあった。

蚊、蜂、ムカデ、ヤスデ、毛虫、毒蛾、蛇。
それぞれビーズになっていて必要な物を紐に通してネックレスにするんだって。面白い!

全部つなげて作ってもらったけど木製で軽かった。サービスだってタダでくれた!
レア素材が手に入ったら真っ先にここへ見せに来る事が条件だけどね。

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