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行ってみたいな!あちこちへ
46 再会と初対面
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ティグリスに着くとパスカリスが出迎えて…くれなかった。
俺に見せようと一生懸命踊りの練習してたのに、いつまで待っても来ないから嫌われてしまったらしい。
3歳児にとって1ヶ月は長いよね。
ストゥとティスが他の子と遊んでくれるので、俺は拗ねて部屋の隅でうずくまるパスカリスに近寄って話しかけた。
「ずっと来られなくてごめんね。この子を拾って、まだ赤ちゃんだからお家に連れて行ってあげなくちゃ、って思ったんだ。そうしたら向こうで土砂降りになって外に出られなくなって…」
チビの親に会いに行く途中の話や西の町の夏至祭りの話を背中に向かって話して聞かせる。うずうずしているのが分かる。
「ね、ワイバーンのチビと友達になってくれる?」
顔を上げた。
気を利かせたチビがタイミング良くきゅうと鳴き、拗ねていられなくなったパスカリスがキラキラした目で振り返った。チビ、偉い!
目の前の未知との遭遇を微笑ましく見守り、仲良くなったのを見計らって外に出る。
「チビは雨を降らせる事が出来るんだよ。」
職員の許可を取って子供達全員外に出て来てもらう。チビにごにょごにょと内緒の指示を出してから…
「みんな!これから誰かのところにちょっとだけ雨を降らせます。雨を降らせて欲しい人手を挙げてー?」
みんな訳も分からずポカーンとしている。そこに得意げに手を挙げるパスカリス。
「いきます!」
「きゅうっ!」
バシャー!
バケツ半分くらいの雨がパスカリスの上空から降り注ぐ。そして、一瞬で止む。
みんなもパスカリスもびっくりして固まって、そしてすぐに大騒ぎになった。僕も僕もと雨をねだり、チビが空を飛びながらランダムに降らせる。
夏至も過ぎて気温の上がった初夏庭での楽しい水遊び。チビ、ありがとう!
大変な盛り上がりの末、機嫌が治ったパスカリスが濡れた服を脱いで同じ年の2人と連れ立ってやって来た。
「たちぇるに見てもらうために練習しました!」
一生懸命練習した踊り?
みんなも盛り上がる。裸で日向ぼっこする子供達の前に席を用意されてワクワクしながら待つと、手拍子が始まった。
手拍子に合わせてタオルを腰に巻いた3人が並んで中央に進み出る。パスカリスは真ん中だ。
腰にタオル?
ちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっ
ばっ!「ちょん!」
ばっ!「ちょと!」
ばっ!「りーん!」
「「「3人揃って、ちょん!ちょと!りん!」」」
タオルをリズム良く外して後ろに投げ、セリフを叫んで何やらかっこいいポーズを決めている。
…すっぽんぽんで、腰を突き出して、可愛いち〇ち〇を強調して…
目が点になっているとストゥが大声で褒め称えた。ティスも仕方なくと言った感じで拍手している。
子供達はゲラゲラ笑って大喜びだ。
「たちぇる、たっと良い?」
裸で駆け寄って来て、目を輝かせてかっこいいかと聞かれれば肯定以外の選択肢はない。
「か、かっこよかったよ!」
やったー!と喜ぶ3人。
先生がお昼だよー、服を着なさーい!と言ったのではーい!と良いお返事をして部屋に入って行く。
何だったの?
「…まだやってるんですね。」
「ここの伝統だからな。」
「どう言う事?」
「ちょんちょこりん」とは子供のペニスを指す言葉(方言?)で、3歳児がオムツを卒業するとあの芸を披露する伝統がここにはあるらしい。
他の少年の家の事は分からないのでここだけなのかこの地方全体なのかは不明。
ストゥもティスもやったんだって。
「とっっっっても嫌でした…」
そう言う子もいるだろうね。
でもパスカリスはオムツが取れた事に誇りを持って俺に披露すべく練習してたんだね。可愛いなぁ。
突然の来訪だったけど一緒にお昼を食べさせてもらった。最後の一口を指名した人に食べさせてもらうのも定番になったそうだ。
たくさん雨を降らせて子供達と遊んだチビはみんなと一緒にお昼寝した。
昼寝をしない年長組からせがまれてチビとの出会いから親元へ行った事を語る。生の冒険譚だからそりゃあ興味あるよね。
今度、また獲れたらオオサンショウウオの肉をお土産に持ってくる、と言う約束をした。
おやつにチョコチップ入りパウンドケーキを作ったら「虫が入ってる」となかなか手を出さない子がいて笑った。
いらないならちょうだい!と他の子供達が争奪戦を始めてやっと口をつけ、美味しい事を知って取られる前に食べきった。
喉に詰まらせないでね?
「虫みたいなの、なあに?」
ここでチョコと答えたらパスカリスの「ちょこ」と混同するだろうか?そう考えて
「甘~いお菓子のショコラだよ。」
と答えておいた。考え過ぎかな?
次の予定はまだないから、来週もまた来る約束をして帰る。元気な笑顔で送り出してくれた。
俺に見せようと一生懸命踊りの練習してたのに、いつまで待っても来ないから嫌われてしまったらしい。
3歳児にとって1ヶ月は長いよね。
ストゥとティスが他の子と遊んでくれるので、俺は拗ねて部屋の隅でうずくまるパスカリスに近寄って話しかけた。
「ずっと来られなくてごめんね。この子を拾って、まだ赤ちゃんだからお家に連れて行ってあげなくちゃ、って思ったんだ。そうしたら向こうで土砂降りになって外に出られなくなって…」
チビの親に会いに行く途中の話や西の町の夏至祭りの話を背中に向かって話して聞かせる。うずうずしているのが分かる。
「ね、ワイバーンのチビと友達になってくれる?」
顔を上げた。
気を利かせたチビがタイミング良くきゅうと鳴き、拗ねていられなくなったパスカリスがキラキラした目で振り返った。チビ、偉い!
目の前の未知との遭遇を微笑ましく見守り、仲良くなったのを見計らって外に出る。
「チビは雨を降らせる事が出来るんだよ。」
職員の許可を取って子供達全員外に出て来てもらう。チビにごにょごにょと内緒の指示を出してから…
「みんな!これから誰かのところにちょっとだけ雨を降らせます。雨を降らせて欲しい人手を挙げてー?」
みんな訳も分からずポカーンとしている。そこに得意げに手を挙げるパスカリス。
「いきます!」
「きゅうっ!」
バシャー!
バケツ半分くらいの雨がパスカリスの上空から降り注ぐ。そして、一瞬で止む。
みんなもパスカリスもびっくりして固まって、そしてすぐに大騒ぎになった。僕も僕もと雨をねだり、チビが空を飛びながらランダムに降らせる。
夏至も過ぎて気温の上がった初夏庭での楽しい水遊び。チビ、ありがとう!
大変な盛り上がりの末、機嫌が治ったパスカリスが濡れた服を脱いで同じ年の2人と連れ立ってやって来た。
「たちぇるに見てもらうために練習しました!」
一生懸命練習した踊り?
みんなも盛り上がる。裸で日向ぼっこする子供達の前に席を用意されてワクワクしながら待つと、手拍子が始まった。
手拍子に合わせてタオルを腰に巻いた3人が並んで中央に進み出る。パスカリスは真ん中だ。
腰にタオル?
ちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっ
ばっ!「ちょん!」
ばっ!「ちょと!」
ばっ!「りーん!」
「「「3人揃って、ちょん!ちょと!りん!」」」
タオルをリズム良く外して後ろに投げ、セリフを叫んで何やらかっこいいポーズを決めている。
…すっぽんぽんで、腰を突き出して、可愛いち〇ち〇を強調して…
目が点になっているとストゥが大声で褒め称えた。ティスも仕方なくと言った感じで拍手している。
子供達はゲラゲラ笑って大喜びだ。
「たちぇる、たっと良い?」
裸で駆け寄って来て、目を輝かせてかっこいいかと聞かれれば肯定以外の選択肢はない。
「か、かっこよかったよ!」
やったー!と喜ぶ3人。
先生がお昼だよー、服を着なさーい!と言ったのではーい!と良いお返事をして部屋に入って行く。
何だったの?
「…まだやってるんですね。」
「ここの伝統だからな。」
「どう言う事?」
「ちょんちょこりん」とは子供のペニスを指す言葉(方言?)で、3歳児がオムツを卒業するとあの芸を披露する伝統がここにはあるらしい。
他の少年の家の事は分からないのでここだけなのかこの地方全体なのかは不明。
ストゥもティスもやったんだって。
「とっっっっても嫌でした…」
そう言う子もいるだろうね。
でもパスカリスはオムツが取れた事に誇りを持って俺に披露すべく練習してたんだね。可愛いなぁ。
突然の来訪だったけど一緒にお昼を食べさせてもらった。最後の一口を指名した人に食べさせてもらうのも定番になったそうだ。
たくさん雨を降らせて子供達と遊んだチビはみんなと一緒にお昼寝した。
昼寝をしない年長組からせがまれてチビとの出会いから親元へ行った事を語る。生の冒険譚だからそりゃあ興味あるよね。
今度、また獲れたらオオサンショウウオの肉をお土産に持ってくる、と言う約束をした。
おやつにチョコチップ入りパウンドケーキを作ったら「虫が入ってる」となかなか手を出さない子がいて笑った。
いらないならちょうだい!と他の子供達が争奪戦を始めてやっと口をつけ、美味しい事を知って取られる前に食べきった。
喉に詰まらせないでね?
「虫みたいなの、なあに?」
ここでチョコと答えたらパスカリスの「ちょこ」と混同するだろうか?そう考えて
「甘~いお菓子のショコラだよ。」
と答えておいた。考え過ぎかな?
次の予定はまだないから、来週もまた来る約束をして帰る。元気な笑顔で送り出してくれた。
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「連れて行きたい日本へ」で
ストゥとタケルがラブホに行った時のいちゃいちゃが読めます。
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