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行ってみたいな!あちこちへ
42 転移は危険
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転移してすぐに俺は目を回した。
たくさん治癒して一気に長距離転移した事で魔力切れを起こしたようだ。昨日のドタバタから魔力が完全に回復していない上に大荷物での長距離転移。魔力切れ起こすのも当たり前だよね!
人間3人、馬3頭、チビ、荷物。無茶だよねー。
慌ててストゥがテントを張って、ティスがチビとケンカしながら俺を運んでくれて、チビは添い寝を言いつけられた、らしい。
チビは喜んで添い寝してたそうだけど飽きて俺の身体の上をうろうろ歩き回っていた。擽ったくて目が覚める。頭痛はするし身体はだるくて動けないし、ひどいインフルエンザに罹ったみたい。
水飲みたい…
そう思うと口の前に水玉が出現する。ありがたい。水辺の王に感謝。
俺が目を覚ましたのでチビが嬉しそうに顔を覗き込んだ。
「きゅぅ?」
「ありがとう、大丈夫だよ。」
と、言いながらも動けないので撫でられないのが残念だ。
「タケル?目が覚めましたか?」
ティスがテントの出入り口から顔を出した。顔だけそちらへ向けて笑顔を見せるとホッとした様子で近づいて来た。
…チビがティスを威嚇する。
バチバチ音がしそうなほど睨み合いながらティスが言った。
「今、ストゥが王都へ治癒術師を呼びに行ってます。それまで私の魔力を注ぎますが、良いですね?」
あぅぅ…いやらしい気持ちになったら困るんだけど…
ティスが手を伸ばすとチビが邪魔しようとした。
「きゅー!きゅっきゅつきゅう!」
「タケルに早く元気になって欲しいのでしょう?チビも手伝いなさい。」
有無を言わさぬ雰囲気でビシッと言われるとチビは素直に従った。心配してくれてるんだもんね。
俺の胸に手を当てて少しずつ魔力を流す。少しずつだからかな?性的な快楽には繋がらない。良かった!
「ティス、これ気持ち良い。」
ふにゃっと笑ってそう言うとティスが嬉しそうに頷いた。
チビも真似をして胸に乗ってるけどうつぶせに乗っているだけ。でもそれも癒される。何とか動くようになった手でチビを撫でた。
ストゥが戻って来た時、ティスは俺に魔力を送りすぎて魔力切れを起こし、俺はまた寝ちゃってて、チビでは説明できなかった。余計に心配かけちゃった。
ティスから魔力をもらってだいぶ良くなっていたのでティスを優先して治癒してもらった。転移できるほどの人へ魔力譲渡したら私が倒れます、と言われたせいもある。
試しに少しだけ魔力をもらったけど白虎やティスからもらった時みたいに性的快感は感じなかった。
安心した!!
「治癒術師でもないのにそこまで魔力譲渡ができるとは、よほど魂の相性が良いようですな。」
普通、魔力譲渡は倒れるほどは渡せないんだって。命に関わるから身体が勝手に自制するらしい。でも魂の相性が良いと本人が望むままに魔力を与えてしまう。更に魂が共鳴するほど相性が良いと性的快楽にも繋がる…って、それだ!!
「魂の共鳴が一方通行って事はあり得ますか?」
ティスは普通だって言ってたよ?
「さぁ?魂の共鳴はごく稀なので単なる伝説だと言う人もいるくらいでね。片思いか、片方に遠慮があったか魔力量が少ないか…一方通行になる可能性は色々考えられます。」
前に試した時はどうだったっけ?
今度またやってみよう!
「ありがとうございました。」
ストゥが治癒術師さんを送って帰りに夕飯を買って来てくれるって。王都に1番近い野営地だからちょうど良い時間に戻れるって。
柔らかいパンと鶏の丸焼き3羽分、レタス1玉、トマト10個。
「すまん、何を買えば良いか分からなかった…」
そう見えなかったけど動揺してたんだな。
お湯を沸かしてもらって簡単トマトスープを作ってもらって、鶏の丸焼きはモモを薄切り、ちぎったレタスと粗みじんのトマトにマヨネーズかけてサンドイッチ。
病気じゃないけどこれでじゅうぶん。
でもストゥは足りる?
「じゅうぶんだ。」
チビは鶏肉をがつがつ食べた。
安心してお腹も膨れたチビは早々に寝た。
ストゥがチビをカゴに寝かせて俺の隣に横になった。
「迂闊すぎだぞ。」
うん、こんなに魔力使うと思わなかったし魔力切れがこんなに辛いって知らなかった。反省してます。
「ごめんなさい。ストゥもティスも、本当にありがとう。」
起き上がれるようになったティスが頬にキスして返事。ストゥも反対側にキス。
幸せだよ!お仕置きにならないよ?
「お仕置きして欲しいんですか?」
クスクス笑われた。別にお仕置きして欲しい訳ではないデス。
じゅうぶん苦しんだだろう、って。
「ちゃんと反省したならご褒美だ。」
ストゥがショコラを出した。
寝床でお菓子食べるなんて怒られそうだけど、良いか。歯も寝床も浄化できるし!
あーんで食べさせてもらった。
美味しいよー!嬉しいよー!
ストゥとティスにもあーんで食べさせて、お休みなさーい!ティス!口移しが良かったとか言われても今は口移しできません!寝なさい!
たくさん治癒して一気に長距離転移した事で魔力切れを起こしたようだ。昨日のドタバタから魔力が完全に回復していない上に大荷物での長距離転移。魔力切れ起こすのも当たり前だよね!
人間3人、馬3頭、チビ、荷物。無茶だよねー。
慌ててストゥがテントを張って、ティスがチビとケンカしながら俺を運んでくれて、チビは添い寝を言いつけられた、らしい。
チビは喜んで添い寝してたそうだけど飽きて俺の身体の上をうろうろ歩き回っていた。擽ったくて目が覚める。頭痛はするし身体はだるくて動けないし、ひどいインフルエンザに罹ったみたい。
水飲みたい…
そう思うと口の前に水玉が出現する。ありがたい。水辺の王に感謝。
俺が目を覚ましたのでチビが嬉しそうに顔を覗き込んだ。
「きゅぅ?」
「ありがとう、大丈夫だよ。」
と、言いながらも動けないので撫でられないのが残念だ。
「タケル?目が覚めましたか?」
ティスがテントの出入り口から顔を出した。顔だけそちらへ向けて笑顔を見せるとホッとした様子で近づいて来た。
…チビがティスを威嚇する。
バチバチ音がしそうなほど睨み合いながらティスが言った。
「今、ストゥが王都へ治癒術師を呼びに行ってます。それまで私の魔力を注ぎますが、良いですね?」
あぅぅ…いやらしい気持ちになったら困るんだけど…
ティスが手を伸ばすとチビが邪魔しようとした。
「きゅー!きゅっきゅつきゅう!」
「タケルに早く元気になって欲しいのでしょう?チビも手伝いなさい。」
有無を言わさぬ雰囲気でビシッと言われるとチビは素直に従った。心配してくれてるんだもんね。
俺の胸に手を当てて少しずつ魔力を流す。少しずつだからかな?性的な快楽には繋がらない。良かった!
「ティス、これ気持ち良い。」
ふにゃっと笑ってそう言うとティスが嬉しそうに頷いた。
チビも真似をして胸に乗ってるけどうつぶせに乗っているだけ。でもそれも癒される。何とか動くようになった手でチビを撫でた。
ストゥが戻って来た時、ティスは俺に魔力を送りすぎて魔力切れを起こし、俺はまた寝ちゃってて、チビでは説明できなかった。余計に心配かけちゃった。
ティスから魔力をもらってだいぶ良くなっていたのでティスを優先して治癒してもらった。転移できるほどの人へ魔力譲渡したら私が倒れます、と言われたせいもある。
試しに少しだけ魔力をもらったけど白虎やティスからもらった時みたいに性的快感は感じなかった。
安心した!!
「治癒術師でもないのにそこまで魔力譲渡ができるとは、よほど魂の相性が良いようですな。」
普通、魔力譲渡は倒れるほどは渡せないんだって。命に関わるから身体が勝手に自制するらしい。でも魂の相性が良いと本人が望むままに魔力を与えてしまう。更に魂が共鳴するほど相性が良いと性的快楽にも繋がる…って、それだ!!
「魂の共鳴が一方通行って事はあり得ますか?」
ティスは普通だって言ってたよ?
「さぁ?魂の共鳴はごく稀なので単なる伝説だと言う人もいるくらいでね。片思いか、片方に遠慮があったか魔力量が少ないか…一方通行になる可能性は色々考えられます。」
前に試した時はどうだったっけ?
今度またやってみよう!
「ありがとうございました。」
ストゥが治癒術師さんを送って帰りに夕飯を買って来てくれるって。王都に1番近い野営地だからちょうど良い時間に戻れるって。
柔らかいパンと鶏の丸焼き3羽分、レタス1玉、トマト10個。
「すまん、何を買えば良いか分からなかった…」
そう見えなかったけど動揺してたんだな。
お湯を沸かしてもらって簡単トマトスープを作ってもらって、鶏の丸焼きはモモを薄切り、ちぎったレタスと粗みじんのトマトにマヨネーズかけてサンドイッチ。
病気じゃないけどこれでじゅうぶん。
でもストゥは足りる?
「じゅうぶんだ。」
チビは鶏肉をがつがつ食べた。
安心してお腹も膨れたチビは早々に寝た。
ストゥがチビをカゴに寝かせて俺の隣に横になった。
「迂闊すぎだぞ。」
うん、こんなに魔力使うと思わなかったし魔力切れがこんなに辛いって知らなかった。反省してます。
「ごめんなさい。ストゥもティスも、本当にありがとう。」
起き上がれるようになったティスが頬にキスして返事。ストゥも反対側にキス。
幸せだよ!お仕置きにならないよ?
「お仕置きして欲しいんですか?」
クスクス笑われた。別にお仕置きして欲しい訳ではないデス。
じゅうぶん苦しんだだろう、って。
「ちゃんと反省したならご褒美だ。」
ストゥがショコラを出した。
寝床でお菓子食べるなんて怒られそうだけど、良いか。歯も寝床も浄化できるし!
あーんで食べさせてもらった。
美味しいよー!嬉しいよー!
ストゥとティスにもあーんで食べさせて、お休みなさーい!ティス!口移しが良かったとか言われても今は口移しできません!寝なさい!
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「連れて行きたい日本へ」で
ストゥとタケルがラブホに行った時のいちゃいちゃが読めます。
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