74 / 203
行ってみたいな!あちこちへ
32 準備開始
しおりを挟む
ストゥはいつも朝から機嫌がいいけど、今日は一段と嬉しそう。ティスも寝ながら微笑んでるし、もう、居た堪れない。
朝のキスもおざなりに朝食作りに逃げる。いつの間にか起きたチビが肩に乗って来た。
雨が止んで爽やかに晴れ渡っている。雨期が終わったんだ!
「アラケルおはよう!」
恥ずかしさを忘れるように元気に挨拶。
「おう、おはよう。」
あれ?なんか… アラケルも色気が…
いやいやいや、野暮な事は言いっこなし!!
「何作る?俺、白ご飯が食べたい!」
「今、市場でこの辺でしか売れないんだって言って売ってたんだけど、知ってるか?」
「コル!?コルが売ってるの?」
「知ってたか。煮ても炒めても良い、って言ってたぞ。」
「そうそう、それに一緒に煮ると魔獣の肉がすごく柔らかくなるんだよ!」
「なら雷鹿使うか?」
そう言ってアラケルが出したのは雷鹿の肉だった。おかゆだー!おかゆにするぞー!!
朝食は
雷鹿入り中華粥、コルの含め煮、ワニの照り焼き、ポテトサラダ、空芯菜の塩炒め。
雷鹿はすっかり溶けて完全に出汁になっていた。うまー!
食べ終わったら一休みしてみんなで種まきー!
ティスはチビが起こしてくれたけどマグさんが起きられないらしいので迎えに行った。予想通りだったので治癒して連れてきた。
「魔術が使えるようになったんですね。」
マグさんに言われて以前会った時はまだ魔術が使えなかった事を思い出した。
「火と地の光の属性で森の王と水辺の王の加護があります。」
なんでアラケルまで口開けて驚いてるの?
「治癒もできるし加護2つは知ってたけど、火と地の属性もあったなんて…闇があれば全属性か。」
基本を教えてなかったっけ。
「それにしてもアラケル、もう少し手加減してあげられないの?」
マグさんがかなり辛そうだった。治癒できるならまだしも、ポーションでは疲労回復しないんだから無理させちゃ可哀想!
「昨日のはストゥが悪い!」
「タケル、心配しなくてもマグがせがんだはずだから大丈夫だ。」
「たから見透かすなっての!」
ストゥとアラケルのやり取りにマグさんが何も言えずに突っ伏してしまった。気持ちは分かる!
「なんであんな風になっちゃうんだろう…」
「…人は期待される役割を演じてしまう性質があります。それは好意が大きいほど顕著になる傾向が…」
俺のぼやきにマグさんが答える。
2人で顔を見合わせて、真っ赤になってテーブルに突っ伏した。朝食はもうできてるから、配膳は3人に任せよう。
「あれ?チビは?」
ティスを迎えに行って俺は入れ違いになったけど、どこに行ったんだろう?
「ワイバーンならここです。」
チビはマグさんの背中に張り付いていた。テントを出た時からくっついていたらしい。
「マグさんは…水属性ですか?」
「はい。植物を育てるのに重宝してます。」
それで植物を研究するようになったのか。朝食が並ぶと1度わざわざ頭に抱きついてから俺の肩に移動した。
「チビ、マグさん好きなんだ?」
「きゅきゅー!」
嬉しそうにしている。好きな人に囲まれるの幸せだよね。チビ用に色々少しずつ並べると中華粥とワニの照り焼きとコルの含め煮を喜んで食べた。
ワニの照り焼きを喜んでいるのを見ていたらチビがワニを獲っている姿を想像してしまって笑ってしまった。
********************************************
先ずは町の高台。町の東だ。
そこはかなりの高さがあって、町のむこうの水墨画のような景色が見応え充分だ。観光名所になっている。観光名所に巨大蔦を勝手に生やす…
やっぱり罪悪感が…
他の人は誰1人罪悪感を感じていないようだ。チビは当たり前だけど何をしてるか分かっていないので、不思議そうに眺めている。
種を蒔いて固形の成長促進剤を埋め、水を撒く。
水の魔術で水やりをしたのがまずかった…。
お手伝いしたかったのかチビが豪雨を呼んだ。直径50cmのゲリラ豪雨。地面はえぐれ、種も成長促進剤もどこかへ行ってしまった。
「チビ…雨が強すぎると種が流れちゃうからね。優しい雨をちょっとだけ降らせてくれる?」
チビはうんうんと頷いて種が蒔かれるのを期待を込めて待つ。もう一度種を蒔き、成長促進剤を差し込む。チビ、出番だ!
「きゅ!」
さぁっと優しい雨が地面をしっとりと潤した。これまた直径50cmで綺麗な円を描いている。
「チビすごい!!えらい!上手にできたね!」
ぎゅっと抱きしめて撫でるときゅーきゅー嬉しそうに頬ずりして来る。
「器用なものですねぇ。」
マグさんの感心も心地良い。
朝のキスもおざなりに朝食作りに逃げる。いつの間にか起きたチビが肩に乗って来た。
雨が止んで爽やかに晴れ渡っている。雨期が終わったんだ!
「アラケルおはよう!」
恥ずかしさを忘れるように元気に挨拶。
「おう、おはよう。」
あれ?なんか… アラケルも色気が…
いやいやいや、野暮な事は言いっこなし!!
「何作る?俺、白ご飯が食べたい!」
「今、市場でこの辺でしか売れないんだって言って売ってたんだけど、知ってるか?」
「コル!?コルが売ってるの?」
「知ってたか。煮ても炒めても良い、って言ってたぞ。」
「そうそう、それに一緒に煮ると魔獣の肉がすごく柔らかくなるんだよ!」
「なら雷鹿使うか?」
そう言ってアラケルが出したのは雷鹿の肉だった。おかゆだー!おかゆにするぞー!!
朝食は
雷鹿入り中華粥、コルの含め煮、ワニの照り焼き、ポテトサラダ、空芯菜の塩炒め。
雷鹿はすっかり溶けて完全に出汁になっていた。うまー!
食べ終わったら一休みしてみんなで種まきー!
ティスはチビが起こしてくれたけどマグさんが起きられないらしいので迎えに行った。予想通りだったので治癒して連れてきた。
「魔術が使えるようになったんですね。」
マグさんに言われて以前会った時はまだ魔術が使えなかった事を思い出した。
「火と地の光の属性で森の王と水辺の王の加護があります。」
なんでアラケルまで口開けて驚いてるの?
「治癒もできるし加護2つは知ってたけど、火と地の属性もあったなんて…闇があれば全属性か。」
基本を教えてなかったっけ。
「それにしてもアラケル、もう少し手加減してあげられないの?」
マグさんがかなり辛そうだった。治癒できるならまだしも、ポーションでは疲労回復しないんだから無理させちゃ可哀想!
「昨日のはストゥが悪い!」
「タケル、心配しなくてもマグがせがんだはずだから大丈夫だ。」
「たから見透かすなっての!」
ストゥとアラケルのやり取りにマグさんが何も言えずに突っ伏してしまった。気持ちは分かる!
「なんであんな風になっちゃうんだろう…」
「…人は期待される役割を演じてしまう性質があります。それは好意が大きいほど顕著になる傾向が…」
俺のぼやきにマグさんが答える。
2人で顔を見合わせて、真っ赤になってテーブルに突っ伏した。朝食はもうできてるから、配膳は3人に任せよう。
「あれ?チビは?」
ティスを迎えに行って俺は入れ違いになったけど、どこに行ったんだろう?
「ワイバーンならここです。」
チビはマグさんの背中に張り付いていた。テントを出た時からくっついていたらしい。
「マグさんは…水属性ですか?」
「はい。植物を育てるのに重宝してます。」
それで植物を研究するようになったのか。朝食が並ぶと1度わざわざ頭に抱きついてから俺の肩に移動した。
「チビ、マグさん好きなんだ?」
「きゅきゅー!」
嬉しそうにしている。好きな人に囲まれるの幸せだよね。チビ用に色々少しずつ並べると中華粥とワニの照り焼きとコルの含め煮を喜んで食べた。
ワニの照り焼きを喜んでいるのを見ていたらチビがワニを獲っている姿を想像してしまって笑ってしまった。
********************************************
先ずは町の高台。町の東だ。
そこはかなりの高さがあって、町のむこうの水墨画のような景色が見応え充分だ。観光名所になっている。観光名所に巨大蔦を勝手に生やす…
やっぱり罪悪感が…
他の人は誰1人罪悪感を感じていないようだ。チビは当たり前だけど何をしてるか分かっていないので、不思議そうに眺めている。
種を蒔いて固形の成長促進剤を埋め、水を撒く。
水の魔術で水やりをしたのがまずかった…。
お手伝いしたかったのかチビが豪雨を呼んだ。直径50cmのゲリラ豪雨。地面はえぐれ、種も成長促進剤もどこかへ行ってしまった。
「チビ…雨が強すぎると種が流れちゃうからね。優しい雨をちょっとだけ降らせてくれる?」
チビはうんうんと頷いて種が蒔かれるのを期待を込めて待つ。もう一度種を蒔き、成長促進剤を差し込む。チビ、出番だ!
「きゅ!」
さぁっと優しい雨が地面をしっとりと潤した。これまた直径50cmで綺麗な円を描いている。
「チビすごい!!えらい!上手にできたね!」
ぎゅっと抱きしめて撫でるときゅーきゅー嬉しそうに頬ずりして来る。
「器用なものですねぇ。」
マグさんの感心も心地良い。
0
「連れて行きたい日本へ」で
ストゥとタケルがラブホに行った時のいちゃいちゃが読めます。
→拍手する
お気に入りに追加
1,442
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる