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行ってみたいな!あちこちへ
26 もの作り道中
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翌日になるとチビが少しだけ離れるようになった。でもまだ不安なようですぐに戻って来る。チビが安心できるような何かないかな?
朝食はフライパンで焼くパン。おばあちゃんがフライパンパンだよ、って良く笑いながら作ってくれた。おばあちゃんはホットケーキミックスをプレーンヨーグルトで練って焼いてたけど、ないので水と少しの油で練る。パンと言ってたけどスコーンだな。
スクランブルエッグ、カリカリベーコン、乾燥トマトとタマネギのコンソメスープ、キャベツサラダ。
チビにもトマトをお湯で戻してあげたけどぶべって吐き出した。乾燥がダメなのかトマトが嫌いなのか?コンソメスープは塩分が心配だし……
あ!!海で獲った魚そのまま食べるのなら塩分入ってても問題ない!?
まだ小さいから止めておこうかな。薄めたら大丈夫かな?興味を持った物は何でも食べさせて良いって言ってたな。
チビが食べたがったらあげよう。
そして続く道中は相変わらずの霧雨で周りが見えない。
ふと思いついて魔力の糸を紡ぎ、頭の上に乗っているチビの尻尾の付け根に巻きつけた。
「きゅう?」
頭の上でくるくる回っているから気になっているようだ。よく落ちないな。
頭から降ろして俺と向かい合うように鞍に座らせ、小指の先から伸びる魔力の糸を説明する。
「チビ、ここに糸があってチビと俺が繋がっているの、分かる?これがあれば俺がどこにいるか、分かるでしょう?」
チビが尻尾を触ろうとして触れないので糸を伸ばして身体にも一巻きしてここだよ、と教えた。
巻き付いた糸と俺の小指が繋がっているのを感じると、少し離れてみて糸の気配が途切れないことを確認する。いくらでも、とはいかないだろうけどかなり自由にさせられると思う。
チビは馬の頭に乗ったりお尻に乗ったり高く浮かんだりして様子を見ている。だんだん楽しくなったようだ。
ぴょーんと前方に飛んでストゥに飛びついたらしい。うおっ!とストゥの声が聞こえた。
話し声が聞こえるけど内容は聞き取れない。この糸、糸電話に出来ないかな?
チビと繋がった小指を耳に当てると声が聞こえる!耳にずぼっと小指を入れたらはっきり聞こえるようになった。
「…られるようになったのか?ん?尻尾がどうした?尻尾が…後ろと…寒い?」
ジェスチャーは上手く伝わらないようだ。
「おお、良い子にしとけよ。」
チビが戻って来た。1度きゅっと抱きついたらすぐにティスの方へ行ってしまった。糸電話!
「もう離れても大丈夫なんですか?」
「きゅいー」
「そうですか。それは良い考えですね。」
「きゅきゅきゅぅ!」
「タケルが最高なのは同意見です。」
聞いてるのが恥ずかしくなった。それにしてもティスはチビと話ができるのか。すごいなぁ、今度教えてもらおう。
魔力の糸は物理的な物ではないので絡まる事がない。物も生物も俺がイメージしない限り素通りする。ただし、魔力量によって伸ばせる距離が違うのであまり遠くに行かれると途切れてしまう。俺の方も魔力切れを起こすだろう。
次の野営地では持ってきた大王イカの軟骨をつないで輪を作り、結界を張って屋根にした。近くに良い素材がなかったから地中から金属を取り出し4本のパイプを作り上げる。穴を掘って差し込む必要がないように地中で塊を作ってそこからまっすぐ上に必要な高さまでパイプを伸ばす。地中で4本を連結し、さらに対角線も繋いで強度を確保。
屋根を乗せて結界を張れば簡単に四阿ができる。
テントの中で調理しづらいからついつい作っちゃうんだよね。後から来る人が喜んでくれたら嬉しい。
あ、今回の屋根は持って行くよ!
今回は俺1人でできてしまうのでストゥが雨の中、狩りに出かけた。
「危険な魔獣とかいない?」
俺が心配でそう聞くと、雨期は魔獣も巣に籠って子づくりや子育てをしているから大丈夫だそうだ。だから獲物が見つからないかも知れない、と。
「食べ物がない訳じゃないから無理しないでね。」
そう言って送り出した。
ティスはチビと遊んでくれている。スープとパンとサラダを作っておこう。
…ワニ獲ってキターー!!
肩に担いで丸ごと運んできた。
絵面が面白すぎ…肩に頭を乗せて尻尾の先を地面に引きずっている。
「手頃な大きさのがいましたね。」
「小さいがオレ達が今食べるならちょうど良いだろ。」
ぜんぜん小さくないよ?
内臓は抜いてあったので仰向けにして直火で丸焼き。外からの熱で肉は皮から勝手に剥がれる。剥がれたところで一旦取り出し、肉を骨から外して切る。硬い皮が鍋がわりになって肉から出た水分で煮えていく。
野菜もワニ皮の鍋に入れて味付けして完成!
すごい調理法だ…水を足してないから本来さっぱり味のワニの旨味がぎゅっと凝縮される。残ったスープは乾燥させてスープの素にしよう!
肉自体は鶏肉っぽいので夕飯用に分けておいた。照り焼きか唐揚げだ。
朝食はフライパンで焼くパン。おばあちゃんがフライパンパンだよ、って良く笑いながら作ってくれた。おばあちゃんはホットケーキミックスをプレーンヨーグルトで練って焼いてたけど、ないので水と少しの油で練る。パンと言ってたけどスコーンだな。
スクランブルエッグ、カリカリベーコン、乾燥トマトとタマネギのコンソメスープ、キャベツサラダ。
チビにもトマトをお湯で戻してあげたけどぶべって吐き出した。乾燥がダメなのかトマトが嫌いなのか?コンソメスープは塩分が心配だし……
あ!!海で獲った魚そのまま食べるのなら塩分入ってても問題ない!?
まだ小さいから止めておこうかな。薄めたら大丈夫かな?興味を持った物は何でも食べさせて良いって言ってたな。
チビが食べたがったらあげよう。
そして続く道中は相変わらずの霧雨で周りが見えない。
ふと思いついて魔力の糸を紡ぎ、頭の上に乗っているチビの尻尾の付け根に巻きつけた。
「きゅう?」
頭の上でくるくる回っているから気になっているようだ。よく落ちないな。
頭から降ろして俺と向かい合うように鞍に座らせ、小指の先から伸びる魔力の糸を説明する。
「チビ、ここに糸があってチビと俺が繋がっているの、分かる?これがあれば俺がどこにいるか、分かるでしょう?」
チビが尻尾を触ろうとして触れないので糸を伸ばして身体にも一巻きしてここだよ、と教えた。
巻き付いた糸と俺の小指が繋がっているのを感じると、少し離れてみて糸の気配が途切れないことを確認する。いくらでも、とはいかないだろうけどかなり自由にさせられると思う。
チビは馬の頭に乗ったりお尻に乗ったり高く浮かんだりして様子を見ている。だんだん楽しくなったようだ。
ぴょーんと前方に飛んでストゥに飛びついたらしい。うおっ!とストゥの声が聞こえた。
話し声が聞こえるけど内容は聞き取れない。この糸、糸電話に出来ないかな?
チビと繋がった小指を耳に当てると声が聞こえる!耳にずぼっと小指を入れたらはっきり聞こえるようになった。
「…られるようになったのか?ん?尻尾がどうした?尻尾が…後ろと…寒い?」
ジェスチャーは上手く伝わらないようだ。
「おお、良い子にしとけよ。」
チビが戻って来た。1度きゅっと抱きついたらすぐにティスの方へ行ってしまった。糸電話!
「もう離れても大丈夫なんですか?」
「きゅいー」
「そうですか。それは良い考えですね。」
「きゅきゅきゅぅ!」
「タケルが最高なのは同意見です。」
聞いてるのが恥ずかしくなった。それにしてもティスはチビと話ができるのか。すごいなぁ、今度教えてもらおう。
魔力の糸は物理的な物ではないので絡まる事がない。物も生物も俺がイメージしない限り素通りする。ただし、魔力量によって伸ばせる距離が違うのであまり遠くに行かれると途切れてしまう。俺の方も魔力切れを起こすだろう。
次の野営地では持ってきた大王イカの軟骨をつないで輪を作り、結界を張って屋根にした。近くに良い素材がなかったから地中から金属を取り出し4本のパイプを作り上げる。穴を掘って差し込む必要がないように地中で塊を作ってそこからまっすぐ上に必要な高さまでパイプを伸ばす。地中で4本を連結し、さらに対角線も繋いで強度を確保。
屋根を乗せて結界を張れば簡単に四阿ができる。
テントの中で調理しづらいからついつい作っちゃうんだよね。後から来る人が喜んでくれたら嬉しい。
あ、今回の屋根は持って行くよ!
今回は俺1人でできてしまうのでストゥが雨の中、狩りに出かけた。
「危険な魔獣とかいない?」
俺が心配でそう聞くと、雨期は魔獣も巣に籠って子づくりや子育てをしているから大丈夫だそうだ。だから獲物が見つからないかも知れない、と。
「食べ物がない訳じゃないから無理しないでね。」
そう言って送り出した。
ティスはチビと遊んでくれている。スープとパンとサラダを作っておこう。
…ワニ獲ってキターー!!
肩に担いで丸ごと運んできた。
絵面が面白すぎ…肩に頭を乗せて尻尾の先を地面に引きずっている。
「手頃な大きさのがいましたね。」
「小さいがオレ達が今食べるならちょうど良いだろ。」
ぜんぜん小さくないよ?
内臓は抜いてあったので仰向けにして直火で丸焼き。外からの熱で肉は皮から勝手に剥がれる。剥がれたところで一旦取り出し、肉を骨から外して切る。硬い皮が鍋がわりになって肉から出た水分で煮えていく。
野菜もワニ皮の鍋に入れて味付けして完成!
すごい調理法だ…水を足してないから本来さっぱり味のワニの旨味がぎゅっと凝縮される。残ったスープは乾燥させてスープの素にしよう!
肉自体は鶏肉っぽいので夕飯用に分けておいた。照り焼きか唐揚げだ。
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「連れて行きたい日本へ」で
ストゥとタケルがラブホに行った時のいちゃいちゃが読めます。
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