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行ってみたいな!あちこちへ
15 南へ
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ワイバーンを保護して分かった事は、雨を降らせないでいる事は我慢をさせていると言う事。だから寝ると雨が降り出す。
ただ、寝ていても雨は弱いままなので助かる。頑張り続けているのか残留思念なのか…
胸元に来るよう工夫して抱っこひもを作ったら、時々、頭をぐりぐりと押し付けて来て萌える。サイズも小さいから宿でも気づかれなかった。バレたらそれなりに騒ぎになるだろう。
食べ物は生肉も果物も野菜も食べないけど赤ちゃんだし、ミルクかな?
牛乳をあげてみたけどそれも飲まなかった。ただ、起きている間は抱っこされたがり、契約印のあたりにくっついていると落ち着いている。
加護の影響があるのかな?
具合も悪くなさそうなのでこのまま様子を見る事にした。
ふと気になっていた事を聞く。
「ねぇ、前の事を蒸し返すようだけど、この前お風呂で恥ずかしい格好させられたのは、何がしたかったの?」
「あれか。あれはな…
イタズラを思いつかなかったんだ。それであの状態で悩んでた。」
「酷い!なにそれ!?
あんなに恥ずかしい格好させられて意味無いとか!」
ストゥのバカ!!
ポカポカ叩いてみても当たり前だけどストゥにダメージは無い。涙目で顔を真っ赤にした俺をティスが抱きしめてよしよしと頭を撫でる。
「ティスは?ティスは何がしたかったの?」
「私はストゥが何をするのか見ていたのですが、何も考えてなさそうだったのでタケルを愛でていました。」
「股間を愛でないで。」
「タケルは全てが可愛いんですから仕方ないでしょう。」
股間が可愛いは褒め言葉じゃない。
そう思ってイラっとして腕を突っ張って身体を離した瞬間、ワイバーンが俺の前に飛び出して空中に踏ん張るようなポーズでストゥとティスを睨みつけた。
「キュイッ!!」
ひと声鳴くとチビの周りに空気が渦巻き、室内に旋風が起きる。そして尻尾をビュンと振ると、旋風が2人に襲いかかり、皮膚を切り裂いた。
「うわっ!」
「つっ!」
俺の感情に呼応して攻撃してくれたらしい。再びチビの周りに風が集まるのに気づき、そっと抱きしめる。
「いじめっ子をやっつけてくれたの?ありがとう。でも人を傷つける事はして欲しくないんだ。」
そう言ったらしょんぼりとしてしまった。言葉は通じているらしい。
「いい子だね。」
俯いた頭を撫でると不安げに見上げてくるので笑顔で頷くと安心したようにすり寄って来た。
「2人とも治癒するね。」
「頼む。さすが風の眷属だな。」
「タケルの守護獣と言ったところでしょうか?」
出血はしたものの少量なのですぐに落ち着きを取り戻したけど、やっぱり驚いた。結構出血してる。
「懐かれたな。」
嬉しそうに抱かれているワイバーンに和む。
「情が移ったら手放せなくなっちゃう…」
「まあ、言葉は理解しているようですから風雨も感情も制御できるようにしつけをしましょう。」
先の事は親を見つけてから考えよう。
チビを怒らせないように、夜はみんなで仲良く眠った。
それからは順調に進み、往路より速い。チビを探した時に数時間余分にかかったにも関わらず、王都にはファガンを出てから6日目の夜に到着した。
速すぎない!?
走らせた訳でもないのにとても速く進んだのはずっと追い風だったから。これってもしかして森の王のの加護?それともワイバーンの能力……?
ギルドは依頼達成の手続きは24時間、いつでもできるが、シュクルさんに荷を届けるまでが今回の依頼なので、明日お店に届けて依頼完了だ。
今日は久々の我が家。
チビは気に入るかな?
家で荷物を馬から降ろし、馬だけギルドに返しに行き、帰りに荷車を借りてくる。一緒に行って別れ際に感謝の治癒。また馬に乗る依頼があったらこの子を借りたいな。
小型の荷車を借りて戻る。ギルドには大中小の荷車があった。幌は全て着脱可能。
貴族の馬車にはキャンピングカーみたいなのもあるらしい。ちょっと見てみたい。
空の荷車を引いて帰り、途中で買った屋台メシで夕食の後。久々のお風呂に入ると、チビには熱過ぎたのかピャーピャー言ってたから、桶でぬるめのベビーバス。
今日もみんなで寝た。
そして朝!久しぶりのマイキッチン!
でも食材がない……
起きないティスを置いてストゥとチビと市場に行く。6月に入り、野菜の品揃えが夏に近づいたような気がする。セロリ、インゲン、おかひじき、パプリカ、ニンジン、そら豆。やっぱり基本的に日本と同じ。ニンジンは人の形が多い…
見た事もない13cmくらいの細長い物もあるので聞いてみたら皮をむいて見せてくれた。
ヤングコーンだ!!
生のヤングコーンなんて初めて見た。皮ごと七輪で焼いて皮を剥いて食べるのがおススメだって。
朝食はセロリと豚肉の中華炒め、オカヒジキのおひたし、ニンジンのマリネ、アジの塩焼き、絹さやの味噌汁。あれぇ?和洋中ごちゃ混ぜ…
夕飯用にヤングコーンも購入。アスパラ、キャベツ、ミョウガ、チンゲンサイ、大葉。フェンネルって種しか知らなかったけど、全部食べられるんだ。鱗茎って初めて聞いた。チャレンジしてみようかな?
帰ってもティスはまだ寝てた。
朝食を作ってから起こす。
もともと朝が弱いとは言え、それにしてもずいぶん遅い。疲れてたのかな?
チビは抱っこで寝たので、洗濯カゴに布を入れて作ったベビーベッド(?)に寝かせてソファの上。
食べ終わったら荷物を届けて、荷車をギルドに返しつつ依頼達成報告。
予定より早く戻った俺たちにシュクルさんが驚きながらも喜んでくれて製菓用チョコレートを分けてもらう約束ができた。
依頼達成報告のついでにギルドでワイバーンについて聞いてみた。資料によるとこのチビは模様がないから南の海沿いに巣を作る種類だと思われる。このもふもふは成長すると抜けてしまうらしい。ゴマちゃんと同じかぁ。
食べ物は幼体のうちは親の魔力で、成長するに連れて虫や魚を食べるようになるらしい。
幼体なんて初めて見た、と職員が興味津々だったけど、不機嫌になったチビが威嚇したので早々に引き上げた。
食事が魔力で風と水の眷属だから俺の契約印に擦りよるのか。だとするとティスとも仲良くできるのかな?
ティスがチビに手を伸ばすとクンクンと匂いを嗅いだけどあまり興味がないようでぷいっとそっぽを向いてしまった。ストゥには見向きもしない。
「じゃ、次は南だな。」
このまま飼う訳にもいかないし、親を探しに行く事になった。
あちこち行くのは楽しいけど、ちょっと落ち着かないなぁ。夏至の祭りの後は少しゆっくりしよう。
雨期が来てしまうので1日だけ休んですぐに出発する。まぁワイバーンには雨はむしろ良い天気なんだろうけどね。
テネリを指名して借りて、南へ!
夏至に西の町に行くとなると、1週間前には家に1度戻らないとならないから10日弱でチビの親を見つけないといけない。頑張ろう!
以前、爪ウサギを捌いた林を抜けて、畑の中の街道を颯爽と進む。チビは好奇心も露わにキョロキョロしている。眠ってしまうと雨が降るので起きていてくれた方がありがたい。
小川に架かった石橋をいくつか渡り、最初の宿場町を過ぎると豊かな森だった。
「ユニコーンがいそう…」
石畳の街道は森の中を通り抜けている。初夏の日差しが木の葉の合間から降り注ぎ、姿は見えないけれど生き物の気配に満ちている。そこかしこに花が咲いているので秋には森の恵みが受け取れるはずだ。野いちごはすでに実を付けているが、まだ小さく固く食べごろではない。
持って来た食材で昼食を作り、昼休憩を取る。森の中にレンガ造りの釜とかめっちゃメルヘン!誰が作ったのかは分からないけど、魔道具になっているので魔力を込めればすぐに使える。フレッシュトマトとバジルとチーズでピザを作った。ピザソースが欲しかったけどないのでトマトの水分を飛ばして代用。ちょっと物足りないけどコンソメの粉をトッピングしてウインナー入りのも作った。スープは乾燥コンソメをお湯に溶いた自家製インスタントスープ。
森の植物は食べられそうなのもあるけど、分かる人がいないので諦める。「食べられる山野草図鑑」があったらすぐにでも買うのに!!
休憩を終えて出発すると、小雨が降り出した。疲れたチビが寝たようだ。ケープのフードをかぶって進む。
チビが起きて雨がやんでも夜になってもこの大きな森を抜ける事はできなかった。野営地に辿り着き、夕食を作る。ここには釜はなくてキャンプ場のようなかまど。数種類の肉とタマネギとピーマンとナスを塩こしょうで味付けして焼く。バーベキュー風で主食はおにぎり!
ヤングコーンも持ってくれば良かった…。
探さなかったけどサイファに中華麺あったのかな?中華風の国だし、きっと探せばあるよね。ラーメンとか焼きそばとか固焼きそばの中華あんかけとか!!
足下でチビがハイハイを始めた。動きも見た目もコウモリの赤ちゃんそっくり。この前浮かんでいたけど羽ばたいてなかったから属性で浮くんだろうか。えっちらおっちら、にごにご動いている…ぅはぁ…和む~…
「そう言えばこの子を連れて帰ると決めた時、2人とも反対しなかったけどどうして?」
可愛くて連れて帰っちゃったけど、止められもしなかったよね?
「ワイバーンは聖獣に近いから討伐はしないし、敬えと教えられているからな。」
「それに怒らせると居座って雨を降らせ続ける個体がいたと言われています。」
地味な嫌がらせ…
そっかぁ。じゃぁ可愛がって良いんだね。早く親が見つかると良いね。
拾い上げて膝に乗せると。まだ遊び足りないのか飛び降りてしまった。側を離れはしないけど自由に動きたいらしい。
「仲良くなった物語とかもないの?」
聞いた事がないと言う。地域によっては雨を運ぶ聖獣の伝説や民話があるかもしれないけど王都には伝わっていないようだ。逆に不思議。
馬達を治癒して、自分達を浄化して、テントで休む。全然見かけないけど森には魔獣はいないのかな?
ただ、寝ていても雨は弱いままなので助かる。頑張り続けているのか残留思念なのか…
胸元に来るよう工夫して抱っこひもを作ったら、時々、頭をぐりぐりと押し付けて来て萌える。サイズも小さいから宿でも気づかれなかった。バレたらそれなりに騒ぎになるだろう。
食べ物は生肉も果物も野菜も食べないけど赤ちゃんだし、ミルクかな?
牛乳をあげてみたけどそれも飲まなかった。ただ、起きている間は抱っこされたがり、契約印のあたりにくっついていると落ち着いている。
加護の影響があるのかな?
具合も悪くなさそうなのでこのまま様子を見る事にした。
ふと気になっていた事を聞く。
「ねぇ、前の事を蒸し返すようだけど、この前お風呂で恥ずかしい格好させられたのは、何がしたかったの?」
「あれか。あれはな…
イタズラを思いつかなかったんだ。それであの状態で悩んでた。」
「酷い!なにそれ!?
あんなに恥ずかしい格好させられて意味無いとか!」
ストゥのバカ!!
ポカポカ叩いてみても当たり前だけどストゥにダメージは無い。涙目で顔を真っ赤にした俺をティスが抱きしめてよしよしと頭を撫でる。
「ティスは?ティスは何がしたかったの?」
「私はストゥが何をするのか見ていたのですが、何も考えてなさそうだったのでタケルを愛でていました。」
「股間を愛でないで。」
「タケルは全てが可愛いんですから仕方ないでしょう。」
股間が可愛いは褒め言葉じゃない。
そう思ってイラっとして腕を突っ張って身体を離した瞬間、ワイバーンが俺の前に飛び出して空中に踏ん張るようなポーズでストゥとティスを睨みつけた。
「キュイッ!!」
ひと声鳴くとチビの周りに空気が渦巻き、室内に旋風が起きる。そして尻尾をビュンと振ると、旋風が2人に襲いかかり、皮膚を切り裂いた。
「うわっ!」
「つっ!」
俺の感情に呼応して攻撃してくれたらしい。再びチビの周りに風が集まるのに気づき、そっと抱きしめる。
「いじめっ子をやっつけてくれたの?ありがとう。でも人を傷つける事はして欲しくないんだ。」
そう言ったらしょんぼりとしてしまった。言葉は通じているらしい。
「いい子だね。」
俯いた頭を撫でると不安げに見上げてくるので笑顔で頷くと安心したようにすり寄って来た。
「2人とも治癒するね。」
「頼む。さすが風の眷属だな。」
「タケルの守護獣と言ったところでしょうか?」
出血はしたものの少量なのですぐに落ち着きを取り戻したけど、やっぱり驚いた。結構出血してる。
「懐かれたな。」
嬉しそうに抱かれているワイバーンに和む。
「情が移ったら手放せなくなっちゃう…」
「まあ、言葉は理解しているようですから風雨も感情も制御できるようにしつけをしましょう。」
先の事は親を見つけてから考えよう。
チビを怒らせないように、夜はみんなで仲良く眠った。
それからは順調に進み、往路より速い。チビを探した時に数時間余分にかかったにも関わらず、王都にはファガンを出てから6日目の夜に到着した。
速すぎない!?
走らせた訳でもないのにとても速く進んだのはずっと追い風だったから。これってもしかして森の王のの加護?それともワイバーンの能力……?
ギルドは依頼達成の手続きは24時間、いつでもできるが、シュクルさんに荷を届けるまでが今回の依頼なので、明日お店に届けて依頼完了だ。
今日は久々の我が家。
チビは気に入るかな?
家で荷物を馬から降ろし、馬だけギルドに返しに行き、帰りに荷車を借りてくる。一緒に行って別れ際に感謝の治癒。また馬に乗る依頼があったらこの子を借りたいな。
小型の荷車を借りて戻る。ギルドには大中小の荷車があった。幌は全て着脱可能。
貴族の馬車にはキャンピングカーみたいなのもあるらしい。ちょっと見てみたい。
空の荷車を引いて帰り、途中で買った屋台メシで夕食の後。久々のお風呂に入ると、チビには熱過ぎたのかピャーピャー言ってたから、桶でぬるめのベビーバス。
今日もみんなで寝た。
そして朝!久しぶりのマイキッチン!
でも食材がない……
起きないティスを置いてストゥとチビと市場に行く。6月に入り、野菜の品揃えが夏に近づいたような気がする。セロリ、インゲン、おかひじき、パプリカ、ニンジン、そら豆。やっぱり基本的に日本と同じ。ニンジンは人の形が多い…
見た事もない13cmくらいの細長い物もあるので聞いてみたら皮をむいて見せてくれた。
ヤングコーンだ!!
生のヤングコーンなんて初めて見た。皮ごと七輪で焼いて皮を剥いて食べるのがおススメだって。
朝食はセロリと豚肉の中華炒め、オカヒジキのおひたし、ニンジンのマリネ、アジの塩焼き、絹さやの味噌汁。あれぇ?和洋中ごちゃ混ぜ…
夕飯用にヤングコーンも購入。アスパラ、キャベツ、ミョウガ、チンゲンサイ、大葉。フェンネルって種しか知らなかったけど、全部食べられるんだ。鱗茎って初めて聞いた。チャレンジしてみようかな?
帰ってもティスはまだ寝てた。
朝食を作ってから起こす。
もともと朝が弱いとは言え、それにしてもずいぶん遅い。疲れてたのかな?
チビは抱っこで寝たので、洗濯カゴに布を入れて作ったベビーベッド(?)に寝かせてソファの上。
食べ終わったら荷物を届けて、荷車をギルドに返しつつ依頼達成報告。
予定より早く戻った俺たちにシュクルさんが驚きながらも喜んでくれて製菓用チョコレートを分けてもらう約束ができた。
依頼達成報告のついでにギルドでワイバーンについて聞いてみた。資料によるとこのチビは模様がないから南の海沿いに巣を作る種類だと思われる。このもふもふは成長すると抜けてしまうらしい。ゴマちゃんと同じかぁ。
食べ物は幼体のうちは親の魔力で、成長するに連れて虫や魚を食べるようになるらしい。
幼体なんて初めて見た、と職員が興味津々だったけど、不機嫌になったチビが威嚇したので早々に引き上げた。
食事が魔力で風と水の眷属だから俺の契約印に擦りよるのか。だとするとティスとも仲良くできるのかな?
ティスがチビに手を伸ばすとクンクンと匂いを嗅いだけどあまり興味がないようでぷいっとそっぽを向いてしまった。ストゥには見向きもしない。
「じゃ、次は南だな。」
このまま飼う訳にもいかないし、親を探しに行く事になった。
あちこち行くのは楽しいけど、ちょっと落ち着かないなぁ。夏至の祭りの後は少しゆっくりしよう。
雨期が来てしまうので1日だけ休んですぐに出発する。まぁワイバーンには雨はむしろ良い天気なんだろうけどね。
テネリを指名して借りて、南へ!
夏至に西の町に行くとなると、1週間前には家に1度戻らないとならないから10日弱でチビの親を見つけないといけない。頑張ろう!
以前、爪ウサギを捌いた林を抜けて、畑の中の街道を颯爽と進む。チビは好奇心も露わにキョロキョロしている。眠ってしまうと雨が降るので起きていてくれた方がありがたい。
小川に架かった石橋をいくつか渡り、最初の宿場町を過ぎると豊かな森だった。
「ユニコーンがいそう…」
石畳の街道は森の中を通り抜けている。初夏の日差しが木の葉の合間から降り注ぎ、姿は見えないけれど生き物の気配に満ちている。そこかしこに花が咲いているので秋には森の恵みが受け取れるはずだ。野いちごはすでに実を付けているが、まだ小さく固く食べごろではない。
持って来た食材で昼食を作り、昼休憩を取る。森の中にレンガ造りの釜とかめっちゃメルヘン!誰が作ったのかは分からないけど、魔道具になっているので魔力を込めればすぐに使える。フレッシュトマトとバジルとチーズでピザを作った。ピザソースが欲しかったけどないのでトマトの水分を飛ばして代用。ちょっと物足りないけどコンソメの粉をトッピングしてウインナー入りのも作った。スープは乾燥コンソメをお湯に溶いた自家製インスタントスープ。
森の植物は食べられそうなのもあるけど、分かる人がいないので諦める。「食べられる山野草図鑑」があったらすぐにでも買うのに!!
休憩を終えて出発すると、小雨が降り出した。疲れたチビが寝たようだ。ケープのフードをかぶって進む。
チビが起きて雨がやんでも夜になってもこの大きな森を抜ける事はできなかった。野営地に辿り着き、夕食を作る。ここには釜はなくてキャンプ場のようなかまど。数種類の肉とタマネギとピーマンとナスを塩こしょうで味付けして焼く。バーベキュー風で主食はおにぎり!
ヤングコーンも持ってくれば良かった…。
探さなかったけどサイファに中華麺あったのかな?中華風の国だし、きっと探せばあるよね。ラーメンとか焼きそばとか固焼きそばの中華あんかけとか!!
足下でチビがハイハイを始めた。動きも見た目もコウモリの赤ちゃんそっくり。この前浮かんでいたけど羽ばたいてなかったから属性で浮くんだろうか。えっちらおっちら、にごにご動いている…ぅはぁ…和む~…
「そう言えばこの子を連れて帰ると決めた時、2人とも反対しなかったけどどうして?」
可愛くて連れて帰っちゃったけど、止められもしなかったよね?
「ワイバーンは聖獣に近いから討伐はしないし、敬えと教えられているからな。」
「それに怒らせると居座って雨を降らせ続ける個体がいたと言われています。」
地味な嫌がらせ…
そっかぁ。じゃぁ可愛がって良いんだね。早く親が見つかると良いね。
拾い上げて膝に乗せると。まだ遊び足りないのか飛び降りてしまった。側を離れはしないけど自由に動きたいらしい。
「仲良くなった物語とかもないの?」
聞いた事がないと言う。地域によっては雨を運ぶ聖獣の伝説や民話があるかもしれないけど王都には伝わっていないようだ。逆に不思議。
馬達を治癒して、自分達を浄化して、テントで休む。全然見かけないけど森には魔獣はいないのかな?
0
「連れて行きたい日本へ」で
ストゥとタケルがラブホに行った時のいちゃいちゃが読めます。
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