行ってみたいな異世界へ

香月ミツほ

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行ってみたいな!あちこちへ

12 乗馬本番 ※

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子供におしっこさせるポーズをされると言う恥ずかしすぎるイタズラに根を上げ、寝室に戻って来た。そして2人の隙をついて布団に飛び込んでくるまっている現在。

「タケルー、出て来ーい。」
「もう恥ずかしいイタズラしませんから出て来て下さい。」

拗ねた俺を布団の上からゆさゆさ揺すって声をかける。

「やだ!」
「「じゃぁこのままイタズラする。」」

そんなところでハモらないで!

「うひゃっ」

足の裏を擽られた。我慢していると違う方向から膝を爪でなぞられてぐふっと変な声が出る。それからは足を引っ張り出されて擽りまくられ、擽ったがりの俺は息も絶え絶えになって泣き出した。

「ばかぁ!!擽りっ放しはケンカになるんだぞ!!息ができるように加減しなきゃダメなんだから!」

擽りはヒット&アウェイ!
ちょっと擽って休んで、また擽って休む。そうしないと苦しくなって泣いたり怒ったりしてケンカになっちゃうからね。えぐえぐしながらそう訴えたら反省したようで2人ともシュンとして謝ってくれた。

涙でぐしゃぐしゃになった顔を洗って落ち着くようにお茶を淹れてもらった。
20分くらいかかってやっと落ち着いてベッドに入ったけど、皮膚がすっかり過敏になっててぎゅっと抱きしめられる以外受け付けなかった。

旅に出る前にベッドでゆっくりいちゃつくはずだったのに、とがっかりしながら2人は更に反省したようだ。





軽い朝食をとって早朝に家を出て馬を借り、一路西へ。荷を運ぶために行くんだから俺が荷物になる訳にはいかない!と張り切って馬に乗る。俺が借りた馬はベテランで穏やかな気性のテネリ。挨拶をしたら優しく頬ずりしてくれた。

「とにかく姿勢よく乗らないと無駄に疲れるし、馬が困惑するからな。」

そう言われ背筋をピンと伸ばす。
とりあえず普通のペースで進む事にして前にストゥ、後ろにティスが続く。

常歩なみあしは大丈夫そうだ。身体が大きくて1歩が大きいのか常歩なみあしでも割と速い。高さもあって緊張するけど、リズムよく揺られているとだんだんリラックスできてきて、空や雲や鳥達を眺めるくらいの余裕。

常歩なみあしは大丈夫そうですね?軽速歩けいはやあしに挑戦してみますか?」

こくりと頷くとティスが説明してくれた。
軽速歩けいはやあしは立ったり座ったりを繰り返して合図にするらしい。え!?それってスクワット?

座ると言ってもぺったりと座る訳ではなく、座骨を接触させる程度にする事。軽速歩けいはやあしからは馬の背が上下に動くので乗り手が跳ね上げられる。酔ったり落ちたりしないように振動を逃がす意味でもあるのかな?

…でも、スクワット+空気イス?

理屈は分からなくてもティスが1、2、1、2、と言ってくれるのでやってみると、軽いジョギングのような感じで進む。気持ち良いかも!!

調子良く乗れてるのでティスが後ろに下がる。

…俺は30分経たずに根を上げた。

……まず、降りる前に治癒。身体中がほわっと温かくなる。身体の疲労は完全には抜けず、知らず知らずのうちに気を張っていたようで精神疲労も半端ない。リラックスできてたはずなのに…納得がいかない。
テネリが心配そうに顔を寄せる。お前のせいじゃないよ。

「ヘタクソでごめんね?テネリはちゃんとしてくれてるのにね。」

顔を撫でると嬉しそうにブルルと言った。

「それじゃぁ、とりあえずは常歩なみあしで行くか。」

技術的には軽速歩けいはやあしもできるんだから、と慰められて常歩なみあしで進む事になった。
朝食が軽かったので持って来た軽食のパンケーキを食べて出発。ジャムの糖分で元気回復!



かっぽ かっぽ かっぽ かっぽ…

これぞ馬の足音。背筋を伸ばす事と足音に会わせてリズムを取る事に気をつけて馬の背に揺られる。これなら座っていられるので体力の消耗は緩やかだ。

念のため1時間ごとに10分休憩を入れて11時頃にお昼休憩を取る事にした。
自分だけでなく馬達も治癒する。ストゥとティスは全く疲れていないから治癒は夜で良い、と言われた。俺がもっと頑張れればいいのに…

お昼はホットドッグと玉ねぎとベーコンのコンソメスープ。先を急ぐのでこれだけ。
バリエーション用に千切りキャベツとコールスローとベーコンチップスも準備しておいた。

午後は常歩なみあしだけどスピードを上げて早歩き程度にした。治癒のおかげもあって夕方には宿場町を通り過ぎ、1日で野営地にまで進む事ができた。つまりスピード3割り増しだ。明日は途中の宿場町で食材を買い足して更に進む予定。

3日目の夜、この旅で初めての宿屋。
大浴場はあるけど貸し切りにできないからシャワー付きの部屋にした。



「もう限界です!!」

そう宣言したティスに夕食後シャワーを浴びながらいじくり回されて解されてそのまま貫かれた。

「うにゃぁぁあ…」

ティスには珍しく、激しく求められた。なんだか嬉しくて煽られてしまう。キスを強請って舌を絡めて性急な行為を進んで受け入れる。

「あっ!あぁ…あっ、も、イク… ふあぁぁぁぁぁ!!」

立ったまま後ろから入れられて胸を捏ねられ中心を扱かれてあっと言う間に絶頂へと駆け上る。同時に身体の中に迸るティスの熱を最後まで搾り取るように内部が蠢く。快楽の余韻に脱力しているとティスがやっと落ち着いて謝られた。ぜんぜん嫌じゃないのに。

「遅い!!」

ストゥに文句を言われて苦笑いしながら身体を流して出る。
浄化で済ませたストゥに噛み付くようなキスをされて一生懸命応える。ストゥも我慢してたから激しいのかな?期待に秘所が甘く疼いた。

「んちゅっ、ふっ、ちゅ… ここ、触って良い?」

返事など待たずにすでにガチガチになった屹立の先端をくるりとなぞる。溢れる粘液で滑りの良くなったそこを手のひらでやわやわと刺激するとぐぅっと唸る。立ったままだったのでベッドに腰掛けてもらって跪いてそこにちろちろと舌を這わせた。

「はむっ!んぅ…ちゅっ、れろ…」

未だ拙い舌技ながら懸命に奉仕すれば視覚的に相当煽られる。頭を撫でられ嬉しくて微笑んで先端を口に含む。多少なら歯が当たっても大丈夫らしいのが分かってからこの行為が少し楽になった。できるだけ深く咥え、嘔吐えずかないぎりぎりの場所までを行き来する。張りつめた物の解放が近い事が分かる。

「ストゥ、きもひいい?」

わざと咥えたまま喋ってから強く吸い付き、手と口で扱くと、どくどくと白濁が放出された。
上手に飲み込めた事に気を良くして残滓を吸い出し、丁寧に舐めとるとストゥに抱き上げられた。

ベッドに寝かされ両脚を胸につくほど上げられて質量を増した中心を弄ばれると、すでに透明な粘液を滴らせていた。

「オレのを舐めてこうなったのか?」

「ストゥが気持ち良さそうだって思ったら…ふぁん!」

咥えられ、ねっとりと舐められると快楽が全身を駆け抜ける。

「すぐに入れられるな。」

いつの間にか用意された潤滑油をまとった指が抵抗なく侵入して来る。良い所を掠めながら3本の指がバラバラに動いて潤滑油を満遍なく馴染ませる。

「ん…だいじょうぶ、だから…きて…」

手を添えて押し広げられる事を期待してひくひくと控えめに動く蕾にストゥの熱杭を導く。
ゆっくりゆっくり、小刻みな抽送で中を確認するように進み、最奥まで飲み込んでぴったりと1つになる。

「あぁぁぁぁ…」

ぞくぞくと背中を這い上る快感に身を任せつつ、ストゥの背に回した手に力を込める。可能な限り密着したい。腹も胸も口内の粘膜も。触れるすべてが心地よいのは身体の相性が良いからなのか心が通じているからなのか、他に経験のない俺には分からない。

一生分からなくて良い。ストゥとティスだけしか要らない。

馴染むのを待ってくれていたストゥが動き始める。
引き抜かれ、押し込まれ、ひたすら送り込まれる快楽に溺れ、ずっと気持良くていつ果てたのかも分からなかった。

「タケル?大丈夫か?」

ストゥの心配そうな声に軽く飛んでいた意識が引き戻される。

「ん…だいじょうぶ。」

返事をしながらティスがいないのが気になり出した。

「…ティスは?」

そう言えば風呂場から戻って来てないな、と言うので見に行くと浴槽にうずくまって落ち込んでいた。

「タケルに無理強いしてしまった…」

すっかり冷えた身体の水分を飛ばし、魔術で温めようとして止めた。

「ティス、こっち来て。」

立ち上がらせ、バスタオルで包んで裸のまま抱きつく。体温を交換する方がなんだか幸せだから。

「無理じゃなかったし、嬉しかったし、その…気持良かったし。」

大好きなティスに求められて嫌なはずがないでしょ?

「今度はベッドでね?」

ちゅっちゅっとバードキスを贈るとまだ苦笑いだけど頬が緩んだ。
お姫様抱っこで運ばれて潤滑油をティスのに塗って、俺にはティスに塗ってもらって対面座位。密着できてキスがしやすくて、ちょっと見下ろす感じになるのも嬉しい。

ティスに持ち上げられて上下に揺すられながら胸にストゥの指がイタズラを仕掛けて来る。気持良くて仰け反る。そうすると屹立の先端がティスの滑らかな腹部に擦れて喘ぎ声が抑えられない。胸の小粒が伝えるぴりぴりとした刺激まで添えられた快楽に3度目だと言うのに我慢ができなくなった。

「ティス!…おれ、もっ、もう…イく!いっちゃう!」
「わたしも、です…!!」
「ふっ、あ、ひゃぁぁぁん!!」

吐き出す熱と受け取る熱とが渦を巻いて身体中を満たして行く。

「おか、しく…なるぅ……」

ぐったりとティスに凭れて呟けばうっとりと顔を綻ばせたティスが優しくキスをしてくれた。
ぼうっとしている間に身体は清められ、いつの間にか眠っていた。



「タケル…愛しています。」
「タケル、愛してる。」

夢の中でそんな言葉が聞こえて来た。
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